テイクアウト・デリバリーを始める上で知っておきたいことや注意点をまとめました。ぜひご活用ください。
参考:一般社団法人日本惣菜協会 2019年版 惣菜白書 -ダイジェスト版-
テイクアウト・デリバリーを始める際の注意点とテンポス支援サービス
中食のすすめ
「中食」とは、「持ち帰ってすぐ食べられる、日持ちのしない食品」のことで、外食と内食の中間の食事を指す言葉として定着しています。
2007年以降この中食市場は伸びていますが、2019年10月の消費税増税に伴う軽減税率の導入で、テイクアウトや宅配、惣菜などの需要は更に大きく増えています。
新年会・忘年会、花見などの懇親会では、ケータリングやデリバリー、テイクアウトなどの中食で食事を用意し、会社内や各個人宅で行う会社や人が増えていることも背景として考えられます。
新型コロナウイルスで自粛ムードが広がっている昨今、「中食」への参入、強化を図ってみてはいかがでしょうか?
メリット・デメリット
メリット
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座席数や回転数を増やすことなく売上増をねらえる
座席数を増やそうにも物理的に限界があり、回転数を上げようとしてもリラックスできないお店として客離れを招く要因にもなりかねませんが、テイクアウトは座席数や回転数関係なしに売上を増やすことができます。
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人員を増やさず対応できる
テイクアウトの場合、既存の厨房スタッフとホールスタッフだけで対応が可能です。
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お店の宣伝効果がある
それまでお店の行列を敬遠して来店されなかった方が来店をするきっかけになることや、持ち帰った商品を見た周囲の人(会社の同僚や家族など)への宣伝・訴求効果が期待できます。
デメリット
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客単価が安くなりがち
テイクアウトには、基本的には飲食代を安く抑えたいという顧客ニーズが強いため客単価はやすくなりがちです。
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新たなコストの発生
お弁当に使用するためには容器を始め、わりばし、おしぼり、ビニール袋などを買いそろえる必要があるため新たなコストがかかります。
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メニューの設定が難しい
テイクアウトのメニューには、見た目がおいしそうであることや冷めてもおいしく食べられることが求められます。また、スープやタレがこぼれにいなどの条件を満たしたメニュー考える必要があります。
上記に挙げたメリット・デメリットをふまえた上で導入を判断してください。
営業手続きについて
店内の厨房で調理した料理をテイクアウトやデリバリーで販売する場合は、飲食店営業許可の範囲内となるため基本的には新たな手続きは必要ありません。ただし、自家製のハム、アイスクリーム、菓子をテイクアウトで提供するには、さらなる衛生管理のため、別の営業許可が必要になります。
テイクアウト専門店を新規に出店する場合は、新たに保健所から営業許可を得る必要があります。
また、細かいルールや条件は、自治体によって変わるケースがあるため、一度管轄の保健所に確認しておくとよいでしょう。
【新型コロナウイルスの特別措置】
期限付酒類小売業免許
新型コロナウイルスの特別措置として期限付きの酒類小売業免許が設けられています。
免許を取得すると、取得日から最大6ヶ月間、「都道府県を越えないデリバリー」と「テイクアウト」でのお酒の販売が可能になります。
申請受理から免許交付まで通常2ヶ月ほどかかる手続きを、現在のみ特別措置として手続きがスムーズに行われています。
対象となる酒類:在庫品あるいは既存取引先から仕入れた日本酒・ビール・焼酎・スピリッツなど、すべての酒類(「量り売り」も可能となります。)
※既存の取引先から仕入れた酒類の販売に限る。
申請期限:令和2年6月30日
詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
→国税庁 新型コロナウイルス感染症に関する対応等について
→国税庁 在庫酒類の持ち帰り用販売などをしたい飲食店などの方へ
価格設定について
販売する価格も重要です。地域によって多少差があるようですが、一般社団法人日本惣菜協会の「2019年度惣菜白書」の消費者動向によると、1000円未満が約40%、1000以上以上2000円未満で約20%を占めています。
購入する際の選択基準についても、美味しさの次に価格を重要視する傾向があるようです。高すぎると売り上げに結び付かず赤字になるため、その地域に合わせた価格帯に販売価格を設定する必要があります。
以下の点も考慮しながら価格設定を行ってください。
軽減税率
以下のパターンは軽減税率により、消費税8%が適用されます。
- 店外で食事をするため持ち帰り用に包装し、販売するテイクアウト
- 店外で食事をする料理を宅配する出前・デリバリー
以下のパターンは軽減税率が適用されず、消費税が10%のままです。
- 店内で食事を提供する飲食店
- 買ったものを店内で飲食するイートイン
- 顧客の指定する場所で調理するケータリング
- お酒(ビール・日本酒など、みりんや調理酒も対象)
なお、軽減税率の終了時期は現時点(2020年3月)では未定です。
容器代
容器は、箱の大きさや形状によって価格に差がありますが、一般的に1個20円~100円くらいかかります。
持ち帰りのための袋、箸、ウェットティッシュなどを考慮すると、テイクアウト商品1つに対して、30円~130円程は必要です。
2020年7月1日から持ち手のついたプラスチック製の買物袋全てが有料化になります。
飲食店のテイクアウト・デリバリーで商品を入れて渡す袋も対象です。
消費者に1円以上で販売することがルールとなりますのでご留意ください。
衛生管理について
賞味期限の表示
店内で調理した料理をテイクアウトやデリバリーする際には、消費期限や内容量、原材料名などを表示する必要はありません。一方、製造・加工した食材を単に仕入れて販売する場合や、セントラルキッチンなどで調理された料理を販売する場合などは、表示が義務付けられています。
営業許可と同様に、事前に保健所に確認しておくと安心です。
食中毒を防ぐ対策
食中毒対策として、以下のような対策をとっておきましょう。
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消費期限や保管方法を明確にする
シールとして貼り付りつけない場合は、お渡しする時に声掛けをすることで注意喚起となります。
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ウエットティッシュを付ける
食中毒の予防だけでなく、サービス面でも喜んでいただけるというメリットもあります。
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保冷剤を付ける
要冷蔵商品を提供する際は、お客様に持ち運び時間を聞くことを忘れずに。そして、その時間にあわせた保冷剤を付けて傷みにくい状態で提供しましょう。
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季節に応じてメニューを変える
梅雨から夏にかけては食中毒が起こりやすい季節でもあります。その時期にはテイクアウトを中止したり、提供するものを変えてみるのも方法の一つです。お店のこだわりを大切にしつつ、傷みにくい食材を選ぶのがポイントです。
また、時間がある程度経過しても味が劣化しないもの、車の中や公園などどこでもすぐに食べられるものにするなどの工夫をすることも大切です。
下記のようなメニューには注意!!
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刺身などの生もの
加熱しない食材は、食中毒のリスクがとても高い食材です。半熟卵の使用も控えたほうが無難です。
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未殺菌の生野菜
気づかないところでサルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒菌が付着している可能性があります。そのまま使用してしまったことによる食中毒は、ニュースでも度々取り上げられています。生野菜を使用する場合は、しっかりと殺菌を行ってください。また、暑い時期の生野菜の使用は避けるようにしましょう。
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低温調理
低温調理のメニューは、旨味が増す・栄養素が逃げない・手間があまりかからないというメリットがありますが、低温調理ではすべての菌を死滅させることはできないため腐敗や食中毒のリスクが高まります。
【調理の際に気を付けること】
- マスクとビニール手袋をする。
- まな板や作業台、包丁などの調理器具等の除菌の徹底。
- 異物混入防止対策をとる(画びょうやクリップ、ラップの切れ端、食品の入っていた袋などに注意)。
賠償責任保険(飲食物)への加入しておくと安心です。
オペレーションについて
部分別調理
部分別調理とは、メニューの一部をあらかじめ調理しておく方法です。メニューのいくつかをあらかじめ作っておき、メインメニューのみオーダーを受けてから調理するなどの方法で、おいしさと効率を両立できます。
事前オーダー制、売り切り制
テイクアウトは予約のみ対応としたり、製造した分のみを販売したりするような形を取ることでオペレーションの手間を軽減できます。
店舗スタッフ用のマニュアル
テイクアウトのお客様が来店した際のオペレーションを構築することも必要です。テイクアウトの注文をどこで受けて、いつ会計をするのか。また、調理の順番はどのように決めるかなど、決めておくことがトラブル回避につながります。
「Google マイビジネス」を確認しましょう
「Google Map」でテイクアウトやデリバリー情報を表示可能に!
スマートフォン向け地図アプリ「Google Map(グーグルマップ)」に【テイクアウト】【デリバリー】のボタンが追加され、ワンタッチで簡単にテイクアウトとデリバリーに対応した近隣の飲食店を一覧表示できるようになりました!
「Google マイビジネス」で臨時休業や短縮営業、持ち帰り可能メニューや予約の必要性など情報を編集すればマップに反映されますので、情報発信していきましょう!