メニュー作成
そばやうどんは日本の伝統的な食べ物であり、栄養の面でも様々な効能が期待できます。昼食や夕食、お酒の締めにも人気のメニューです。
そばやうどんはメニューが限られていますので、ターゲット層や立地条件との兼ね合いもしっかり考えましょう。
メニュー考案、構成の仕方、価格の設定など、メニュー作成は売上の要ですので、物件を決める前から時間をかけて決めることが大切です。
開業スケジュール
前準備 | 物件申し込みから引き渡し 約1〜2か月 | 内装・外装工事期間 約2、3週間〜2か月 | 工事引き渡し後 約1週間 | オープン後 | |
メニュー作成・構成 | メインメニューの決定 | メニュー構成・価格の決定仕入先調査 | メニューブック作成食材仕入先の選定 |
どんなお店にしたいのか
どんなお店にしたいのか(コンセプト)に基づいて
大事なことはお店の在り方に沿っているかどうか
「どんなお店にしたいのか(コンセプト)」で設定したターゲットの客層からそば・うどんの味、ボリューム、器、盛り付け方を決めていきます。
ターゲット別:例
女性向け
- 健康志向や美容を意識・・・有機野菜使用、野菜をたっぷり、コラーゲンたっぷり、十割そばなど
- 量は少なめに
- 彩りのよいおしゃれな盛り付けや器
- 低カロリーメニューやカロリー表示
ファミリー向け
- 広い客層に受け入れられる味のおいしさ
- メインメニュー、サイドメニューやデザート品を用意するなどメニュー数多め
- 子ども用メニューの用意
若い男性向け
- 味のおいしさ
- リーズナブルな料金設定
- ボリューム満点、高カロリーメニュー
- 丼ものメニュー
サラリーマン
- 昼・・・すぐに食べられる、回転率を上げるためサイドメニューはなし、セットメニュー
- 夜・・・飲みの後に食べたくなるあっさりしたそばやうどん、お酒やおつまみも用意
フリーク(愛好家)
- うどんやそば一本で勝負
などターゲットによって用意するメニューが変わってきます。
ターゲットは「20~40代の働く女性」、「子育て中の女性と幼児」、「男子大学生と食欲旺盛な男性」「会社が近くにある30~50代のサラリーマン」など細かく設定し行動傾向を調査してください。そうすることで、何を提供すべきか、どのようなサービスが必要かが見えてきます。
最初から幅広い層をターゲットにしてしまうと、メニューの数が増えてしまい、手が回らなくなってしまう恐れがありますので注意しましょう。メニューの数が多いほど必要な食材が増えますので、食材のロスもその分増えてしまうというデメリットがあります。
原価率や廃棄率、売上の傾向などからお客様のニーズをしっかり分析し、厳選したメニューだけを世に出す慎重さが重要です。
また、厨房のスペースによっては、設置できるコンロの数や厨房機器に制限があり、希望通りのメニュー数に対応できない場合があります。
そうした場合は、トッピング等の差別化で対応するなど工夫をしてください。
立地別
駅前・繁華街などのお店
- 個性、インパクトのある強い美味しさとボリューム感とお得感を
- 品数は少なめにし回転率を上げる
- 「おすすめ商品」など、注文メニューの種類を集中させて効率を上げる
- デザートなど滞在時間が長くなるメニューはピークの営業時間帯には提供を控える
- 夜の飲み客も期待できる場合は、お酒の品揃えを増やしたり、おつまみを用意したりする
- Googleビジネスプロフィールでネットからの集客も準備する(https://tenposfoodplace.jp/service/gmb.html)
ロードサイドなどの郊外店
- 広い客層に受け入れられる味のおいしさ
- 刺身や寿司、天ぷらのセットなど高めの価格設定帯の商品を用意し顧客満足度を上げる
- サイドメニューやデザート類で、客単価UPを狙う
- 看板を使って走行中の今すぐ客を誘引する(アナログ集客/看板製作:https://tenposfoodplace.jp/contact/)
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
メニューコンセプトを具現化するときに、実際の提供スピードや仕込み時間などを把握しておかないと、いざ営業した時に手が回らなくなります。
わからない場合は専門のプロにアドバイスを求めましょう!
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
DEF様
メニュー開発で重要なポイントは、集客商品、利益商品、差別化商品の3つの商品をつくることです。
集客商品:どんなお客様でも他社より「”お値打ち”だなあ」とすぐわかる商品のことです。大手ハンバーガーチェーン店なら100円コーヒーです。まずお店に来させることです。
利益商品:集客商品だけではビジネスが成り立ちません。集客商品と一緒に買っていただくことで適性な利益をいただける商品の事です。大手ハンバーガーチェーン店ならセットのドリンクやポテトなどサイドメニューです。
差別化商品:そのお店でしかできない商品のことです。あなたの仕入れ能力、培った技術が問われます。大手ハンバーガーチェーン店なら季節限定などの商品です。
メニュー
そば・うどん
こだわり
味が良くなくてはいけないのは当然です。しかし、感激度の高すぎる味というのは毎日食べるには重すぎ、飽きられやすいものです。「毎日食べても飽きの来ない味付け」でなけば、お客様のリピート回数を増やしていくことは難しいでしょう。もちろん「こだわり」がなければ足を運んでいただくことができません。こだわりと、普遍的な味のとのさじ加減が重要になってきます。
また、顧客ニーズというものはその時代時代によって変わってくるものです。しかし、味を変えてしまうと、常連客離れにもつながりかねません。
何度でも足を運びたくなる、オリジナリティ溢れるそばを、日々追求し続けていく姿勢が必要といえます。
つゆと麺のバランス
基本は「濃いそばつゆには冷たい麺」「薄いそばつゆには温かい麺」という組み合わせです。
絶対的な決まりがあるわけではないので、独自の組み合わせを研究することで既成概念を覆すような味にたどり着けるかもしれません。
地域性
日本全国には多種多様の「ご当地そば」や「ご当地うどん」あり、その地域に受け入れられやすい味というものがあります。事前の調査を行うことは、エリアごとの「好まれる味」を知る重要な手がかりとなります。
流行
二郎系ラーメンにインスパイアされた「二郎系そば」、爽やかな「すだちそば」、どっさり肉を盛った「肉うどん」、見た目が真っ白な「白いカレーうどん」など、その時々のトレンドが存在します。トレンドを取り入れた期間限定メニューを扱うなどお客様を飽きさせない工夫も必要です。
独創性
最近の健康志向の中で、塩分の摂りすぎや、カロリー制限、栄養バランスの偏りといった点での関心が高まっており、オーガニックやグルテンフリー、ビーガン(ヴィーガン)、低糖質、化学調味料不使用など、新しい視点での商品づくりが求められています。
盛り付け
昨今はSNSでの拡散効果が大きな集客を生むことから、見た目のインパクトは意識したほうがよいでしょう。トッピング・薬味の色味や配置に気を配り、トッピングに特徴がある場合は、主役となる食材が引き立つ盛り付けをしましょう。
温度
でき上がったらすぐに提供するということは大前提です。器の温度にも注意し、最も美味しい状態で食べられる温度で提供してください。
見た目
盛り付けや色合いは、食指を動かすきっかけとなります。また、近年ではソーシャルメディアへの投稿が盛んですので、お客様自身がカメラマンとなりご自身の店舗の宣伝をしてくれますので、見た目のインパクトや彩りはとても重要です。
(SNS運用代行:https://tenposfoodplace.jp/service/sns_update.html)
限定メニュー
看板メニューとは別に、流行や季節感を取り入れた「季節限定メニュー」や「数量限定メニュー」を据えることで、顧客動向を追っていくことができます。
つゆ(だし)
つゆ(だし)
つゆの味は地域によって好まれる味や風味が異なります。
関東では、だしに濃口しょうゆなどで味付けしたものを「つゆ」と呼び、関西では、だしに薄口しょうゆなどで味付けし「だし」と呼びます。
つゆは、味の決め手となる「かえし」と「出汁」を合わせて作ります。
そばつゆは、そばの強い風味に負けないよう、醤油の味わいがしっかり利いているのが特徴です。
『甘口で濃厚』『しっかり辛め』 など、そばの特徴に合ったつゆに仕上げます。
うどんには麺自体に塩分が含まれているため、そばのつゆよりも出汁の割合を高めて薄めに作ります。
味のキーとなるつゆ(だし)は、地域差が大きいのでその地域の好みにあった味付けが必要です。 顧客の反応や市場傾向に注視して作る必要があります。
出汁
関東のうどんつゆは、鰹節のだしを主な原料とし、昆布や煮干等は補助的に使います。関西のうどんだしは、鰹節、煮干、イリコ等の魚系の材料と昆布の両方を使う特徴の違いがあります。
節の種類として鰹節、鯖節、宗田節などがあります。一般的に厚削り節を使用します。一緒に昆布の出汁をとる店が多いようです。
「うま味」と「香り」がそばつゆの決め手となります。
かえし
かえしには醤油を加熱する「本がえし」と、醤油を加熱しない「生がえし」があります。
本がえし・・・醤油の角が取れ、まろやかな味わい
生がえし・・・醤油を加熱しないため、醤油の味が引き立つ
基本は醤油、砂糖、みりんで作ります。砂糖とみりんの使用量は店によって大きく異なります。
砂糖の種類も上白糖やザラメなど、どのような味わいにしたいかによって異なります。
麺
一般的に「そば」とは「そば粉」を原料とした麺のことです。
「そば粉」「小麦粉」「水」を使用して作ることが多いですが、そば粉の種類やつなぎの配合などによって、色も香りも異なるそばになります。
「そば粉」には一番粉、二番粉、三番粉、四番粉の4つの種類があります。それぞれそばの実を製粉した回数によって呼び名が変わってきます。
そば
そば粉の種類
- 一番粉・・・そばの実を製粉して一番初めの粉で、実の中心部分の胚乳のさらに中心部分です。でんぷんが主体で更科粉とも呼ばれています。
- 二番粉・・・胚乳と胚芽で構成され、香り高く風味も栄養価も高いです。
- 三番粉・・・暗い青緑色で甘皮も含まれています。栄養価が高く、香りも強いです。繊維質が多いため、食感は荒くなります。
- 四番粉・・・風味や色が強いが、食感が悪いため、乾麺の製造に使用されることが多いです。
麺の種類
- 二八そば・・・小麦粉2割、そば粉8割の配合。そば屋のメニューに載っている一般的なそばです。
- 田舎そば・・・そば粉をそば殻をつけたまま使用するため、麺の色が濃く太い麺が特徴です。そばの香りも強いです。
- 十割そば・・・そば粉100%で打ったもの。強いそばの香りと風味が特徴ですが、つなぎを一切使わないため麺が切れやすいです。
- 更科そば・・・一番粉を使用したそばで、でんぷんを多く含みます。そばの香りは少ないですが、ほのかな甘みと白いことが特徴です。
- 変わりそば・・・一番粉と小麦とは別に、他の材料を混ぜ込んで打ったものです。茶、柚子、ゴマ、桜など、季節を楽しめるそばになっています。
他にも全国にご当地そばがあり、食べ方やつなぎの種類によって呼び名が変わってきます。
麺の量
1人前の量は、150g~200gが平均的です。麺の種類によって茹で上がり後の数値が異なりますので、それを考慮した上で決めてください。
うどん
うどんは小麦粉を練って麺状にしたものの総称で、形状についてはある程度の幅や太さがあれば良く、明確に定義されているわけではありません。元々米があまり取れない時の代用として食べられており、古来より日本全国で親しまれている食品です。
うどんの麺は、基本的に「水」、「小麦粉」、「食塩」で作ります。生地に食塩を加えるのは、麺にコシを与えてくれるグルテンの形成を、促進させるためです。
麺を選ぶ時には、つゆとの相性や地域特性を考慮する必要があります。
麺を決めていくには、「太さ」、「水の分量」、「1玉の量」、「麺は自家製か仕入か」を決めなければなりません。
項目ごとに説明していきます。
麺の太さ
切刃番手 (きりはばんて)
幅30mmのめん帯から何本の麺を切り出すかの基準を日本工業規格(JIS)で定められています。
下記の表をご参照ください。
番手 | 細さ | 特徴 | |
---|---|---|---|
30番手 | 1mm | そうめんの細さ | |
極細 | 28番手 | 1.07mm | |
細 | 26番手 | 1.15mm | |
24番手 | 1.25mm | ||
22番手 | 1.36mm | ||
普通 | 20番手 | 1.5mm | オーソドックスで使い勝手抜群 しっかりとした食感 |
太 | 18番手 | 1.67mm | |
16番手 | 1.88mm | ||
極太 | 14番手 | 2.12mm | タレが絡みやすく、濃い味に負けない 7~16番手・・・うどん 6番手・・・ほうとう 4~6番手・・・きしめん によく使用されています |
12番手 | 2.5mm | ||
10番手 | 3mm | ||
9番手 | 3.33mm | ||
8番手 | 3.75mm | ||
7番手 | 4.29mm | ||
6番手 | 5mm | ||
5番手 | 6mm | ||
4番手 | 7.5mm | ||
3番手 | 10mm | ||
2番手 | 15mm | ||
1番手 | 30mm |
うどんは太麺でコシが強く、モチモチとして食べ応えのある食感が特徴で、麺も伸びにくいです。
水の分量
うどんの麺は、塩水と小麦粉の配分量によっても違いがでてきます。麺に含まれる塩水の重量が多いものを「多加水」、少ないものを「低加水」と言います。加水率は45%前後が一般的です。
多加水麺
多加水麺は、弾力がありもちもちした食感、喉越しの良さが特徴です。
また、水分を多く含んでいるためのびにくい反面、つゆが絡みにくいと言えます。
低加水麺
低加水麺は、弾力は低めになり硬めの食感となりますが、その分小麦粉の風味を感じやすいのが特徴です。 加水率が低いほどのびやすくなりますが、つゆ絡みはとても良いです。
麺の量
1人前の量は、150g~200gが平均的です。麺の種類によって茹で上がり後の数値が異なりますので、それを考慮した上で決めてください。
自家製麺か仕入れ麺か
麺を用意する場合に考えるのが、「手作り」するか「仕入」にするかです。
「仕入麺」には、「既製品」と「オリジナル麺」の2つの選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットをふまえて、選択してください。
自家製麺
メリット
- 自分のこだわりの麺を提供できる。
- 原材料を自分で選択できるため、安全性も確保できる。
- 1玉の長さや量を自由に変えられるので、コスト戦略が立てやすい。
- 麺の原価が安くすむ。
※一般的な既製品の仕入れ麺の価格は1玉100gは50円~80円程だが、自家製麺であれば半額程度に抑えられる。 - 必要な分だけ製麺すれば、保存料などの添加物の使用を控えることができる。
- 他店と差別化しやすい。
- 製麺の様子を見せるなど演出ができる。
デメリット
- 製麺機を購入する場合の初期費用が大きい。
- 製麺スペースが必要となる。
- 製麺時間や労力、人件費が必要となる。
- メニューごとに複数の麺を準備することが難しい。
- 製麺機のメンテナンス費用が必要。
- 故障した場合に修理費用が必要となり、その間は営業ができなくなる可能性がある。
- ちぢれ麺や手もみ風など、凝った麺を作るのにそれなりの試行錯誤が必要。
- 製麺できる麺の種類に限りがある。
仕入れ麺
メリット
- 詳しい知識や技術が必要ない。
- 製麺する時間や人件費がかからない。
- 有名な製麺所には訴求力がある。
- 製麺に割かれる労力、人件費、製麺機購入代などのコストがかからない。
- 製麺機を置かなくて良いのでその分のスペースを別のことに活用できる。
- 数種の麺を使用したメニューがある場合に便利。
- ちぢれ麺や手もみ風など、凝った麺も選べる。
- 自分のこだわりも反映したオリジナル麺の製作もできる。
- 製麺以外の味づくり、店づくりの重点項目に専念できる。
デメリット
- 麺の原価が、自家製麺より高くなる。
- ご自身の店舗のメニューに合う麺を見つけるまで、時間と手間がかかる。
- オリジナルの特注麺であっても、他店と似たようになることもある。
- 配送、保存期間によっては保存する際の品質保持が難しい。
- こだわりの反映と改良に限界がある。
- 既製麺は添加物を使用している場合がある。
- 既製麺の場合は、選択肢が狭く、オリジナリティを出しづらい。
製麺所の例
むらめん株式会社・池田製麺・野川麺業株式会社・酒井製作所・株式会社讃匠など
製麺機のご相談
製麺機のご購入
トッピング
トッピングには、海苔、温泉卵、おろし、納豆、とろろなどがあり、その店のカラーを出しやすいアイテムです。
活用の仕方次第で売上UPにつながります。ご自身の店舗のコンセプトをよく見つめ直し、マッチするものを選んでください。
トッピングのもたらす効果は以下のようなものがあります。
1.見た目
そばのトッピングはビジュアルのインパクトを高めるだけでなく、そのそばのコンセプトを分かりやすく伝えられるアイテムともいえます。トッピングや薬味の選び方次第で、味も見た目もグレードアップしてくれます。
2.オリジナリティを出しやすい
トッピングをアレンジするのは、オリジナリティを加えるには一番簡単です。
変わり種のそばは話題になりやすいため、オリジナリティ溢れるものを考案してみるのもよいでしょう。
3.客単価UP
そばという単品商品に彩りをつける大事な商品であると同時に、客単価を上げる手段でもあります。
価格
300円程の立ち食い店から、1000円以上の専門店まで、販売価格には幅があります。
1000円を超える価格で提供する店舗もありますが、1000円以上の値を付けて繁できる店舗はほんの一部にすぎません。
有名店の価格はだいたい800円前後、格安のチェーン店で500円前後、口コミサイトでの人気店での相場も800円前後です。
価格設定のポイント1:価格の設定は、「業態」の相場、「周辺エリア」の相場を元に決定
「業態」の相場
ご自身のお店の業態と立地・雰囲気・サービスなどが近い同業態の飲食店の相場を調査しましょう。
「周辺エリア」の相場
出店エリアでの周辺店舗やライバル店となりそうな店舗の数と質、量、サービス、価格帯、入店状況などをチェックしましょう。
その上で、地域に受け入れられる価格を考える必要があります。
価格設定のポイント2:トータルの客単価から考える
メニュー価格を決定する際は、単品価格と併せて、総額の客単価も検討する必要があります。
トータルの客単価を考慮せず、メニュー単品の価格を決めていくだけでは、トータルの客単価がお店から大きく外れてしまうこともあります。
トータルの客単価が原価率30%前後になるように設定するのが理想的です。
メニュー価格は「目玉商品」「利益がでやすい商品」の両面から考えます。
お客様に喜んでもらえる原価率の高いメニューと、利益を生み出す原価率の低いメニュー、この両方の商品を組み合わせ、適切な原価率をはじき出しましょう。
ご自身の店舗の看板商品にはこだわりを持ち、競合店との差をつけたいところです。
しかし、粗利率の高いメニューへの注文が予想以上に集中してしまい、トータル原価率が40%に近くなってしまうと経営を圧迫し、立ち行かなくなってしまう可能性もあります。安易に原価率を下げると、商品の質の低下へとつながりお客様離れを招きかねません。
原価率を高く設定した場合は、原価率を抑えた他のメニューを一緒に注文してもらえるような仕組みやメニュー構成を考え、トータルの原価率を30%程にできるようにしましょう。
価格設定のポイント3:価格はそろえてわかりやすく
商品価格がバラバラな場合、お客様は選ぶのに悩んで時間がかかってしまいます。悩むほどに注文点数は下がる傾向にあるといわれています。
『シンプルにわかりやすく』を念頭に、価格をそろえたり、下2ケタを統一したりと見やすくわかりやすい価格設定を心がけましょう。
※端数価格効果の利用
端数価格効果とは消費者心理に基づいた価格設定で、末尾を「8」に揃えるテクニックです。
90円と88円、1000円と980円など末尾を「8」にすると、価格差以上に安いイメージを持ってもらう心理的効果があります。
原価率を抑えるコツ1:食品ロスを減らす
食品ロスが起こる原因と対策をご紹介します。
- 発注オーバー・・・食材の使用量・適切な在庫量を把握する、発注前には在庫を確認するという対策をとる。
- 保存や管理の仕方・・・食材の保管場所を確定する。先に仕入れたものから使っていく「先入れ先出し」を徹底する。貯蔵庫に詰め込みすぎないことや開閉時間の短縮などで温度管理に注意する。清潔さを保つなどをマニュアル化して従業員で共有する。
- 調理ミス・・・注文の受け方や動線の見直し、異物混入がないかのチェックなどをおこなう。
- オーダーミス・・・聞き取りにくかったり、間違えやすい似た名前のメニュー名の改名。お客様から注文を受ける際の復唱の徹底や、厨房へ伝えかたの見直しをする。
頼んで欲しい料理に注文を誘導できると食材のロスを減らすことができますので、メニューボードに記載したり、接客時におすすめしてみるなど工夫をしてみてください。
原価率を抑えるコツ2:オーバーポーションしないよう気をつける
ポーション(portion)とは「部分」や「割り当て」という意味ですが、料理では「一人前」を意味します。オーバーポーション(決められた量よりも多めに盛り付けたり使用したりすること)により、設定した原価を上回ってしまい原価率を上げることになります。また、日によって商品の量やトッピングなどの量が変わると、お客様からの評価も下がってしまいます。オーバーポーションしないためには、量を決め、計測を確実におこないましょう。仕込みの時に計測して分けておくと簡単です。
原価率を抑えるコツ3:効率の悪いメニューの廃止
手間がかかる効率の悪いメニューを削除したり、ランチタイムは効率の良いメニューにオーダーを集中させることで、少ない人員でお店を回すことが可能になります。
器
食器を選ぶ際のポイント
1. 食器を選ぶ際には、店のコンセプトに合わせて選ぶ
ホール用の備品はお客様の目に触れ、店舗の雰囲気に大きく影響を与えます。卓上用品や食器は店のコンセプトに合ったものを選び、統一感を持たせることが重要です。
2. 新規開店時はこだわりすぎず、高価な物を揃えすぎない
コンセプトを重視するあまり、こだわりすぎると予算を圧迫してしまいがちです。しかし、オープン時はスタッフも慣れていないため、破損率が高まります。できる限り運転資金を残しておくためにも、オープンして間もない時期はリーズナブルな食器を使用し、徐々にこだわっていくほうが良いでしょう。
3. 収納スペースを考慮し、形状に気を付けて
収納スペースがあまり確保できない場合は、重ねやすい食器を選んだり、様々なメニューに対応できる使い勝手のよい食器を選ぶと収納スペースを抑えることができます。
4. 必要な食器の枚数
メインメニューに使う食器の目安は、席数の1.5倍~2倍です。一般的に使う食器は席数の半分、そこまで注文が入らないようなメニューに使うものは席数3分の1かそれ以下でも良いでしょう。食器は消耗品と考え、割れてしまった場合の予備も用意しておくと安心です。
5. 破損した場合の対策
食器を破損してしまったときは、補充が必要になります。しかし、購入していた食器が販売中止になっていて同じものを買えない場合があります。 食器は割れてしまうため、消耗品と考え対策しておきましょう。
サイドメニュー
顧客満足度UP・客単価UPを目指すならサイドメニュー
「お客様満足度UP」「客単価UP」を目指せるのがサイドメニューです。うまく活用すれば、強い武器となるでしょう。
サイドメニューとしておすすめのメニューを以下にご紹介します。ご紹介するメニュー以外でも、名物となるようなサイドメニューの開発をなさってみてください。
おススメのサイドメニュー
そばがき
そば屋でしかなかなか食べられないということで人気のメニューです。素朴な味でヘルシーな一品です。
だし巻き玉子
そばつゆにも使用するだしで作るふわふわのだし巻きは女性にもお子様にも人気の高いメニューです。
ミニ丼
その店独自の食材を使ったミニ丼が多数存在します。ミニ丼に秘められた可能性は無限大です。すでに用意したメニューの組み合わせで、知る人ぞ知る美味いオリジナルミニ丼が生まれるかもしれません。そばとセットメニューにしてみてもいいですね。
唐揚げ
こちらも老若男女人気のメニューです。味付けやトッピングでオリジナリティを出すこともできます。
鴨焼き
柔らかくジューシーな鴨は、お酒のつまみにもぴったりの一品です。
天ぷら盛り合わせ
そばと天ぷらは相性抜群です。春夏秋冬、それぞれの季節の食材を提供するのも良いですね。
デザート類
住宅街やロードサイド、ショップインショップなどの立地や、ファミリー層や女性をターゲットとした店舗では、デザートを用意しておくと、食後の追加注文やアイドルタイム時間帯での集客が期待でき、客単価UPにつながります。
アルコール類
繁華街や近隣に居酒屋があるなど、立地によっては夜のメニューにお酒をおくと、客単価UP・集客を狙えます。
一緒に、おつまみも用意できるとなおよいでしょう。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
行政書士丸山事務所様
メニュー構成は大丈夫ですか?
あなたが創り上げる美味しいお料理と、お客様が召し上がりたいお料理との間に相違があることがあります。
メニュー構成で繁盛店になれるか、閑古鳥が鳴いてしまうかが決まることがあります。
お客様の「食べたい」を満足させるメニュー構成にすることが、繁盛店への第一歩です。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
開業で忙しい中で、ドリンクメニューはつい後回しになりがち。
しかし、料理より簡単に提供できるドリンクこそお店の利益に直結します!
最近では、かわいいグラスやハーブなどの飾りなどでSNS映えを意識することも大切です。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
これからの時代、お酒だけでなくノンアルコールを必ず充実させましょう!
その際、ウーロン茶やコーラだけではなかなか単価が上がらないので美味しいフルーツジュースやノンアルコールカクテルなどをメニューに他店と差別化しましょう。
注意の必要なサイドメニュー
デザートやアルコールなどは、滞在時間が長くなり回転率を落としてしまうため、導入する場合は提供時間帯を区切ったり客単価との兼ね合いを考えて扱うようにしてください。
セットメニュー
『おそばと天ぷら』や『おそばと丼』、立地や店舗規模によっては『刺身』や『寿司』などのセットメニューを作り、顧客満足度のUP・客単価UPにつなげましょう。
限定メニュー
旬の食材を使った季節限定メニューや、トレンドを取り入れた期間限定メニューを用意し、顧客を飽きさせない工夫をしましょう。
テイクアウト・デリバリー
テイクアウトやデリバリーは売上UPの材料となります。特にターゲットが周辺住民や周辺勤務者の場合は、デリバリー需要が大きい場合がありますので、顧客獲得が見込まれる場合は導入を検討してください。
玉子焼きや唐揚げなどはテイクアウトメニューとしても展開しやすく、顧客の幅も広げることができます。
また、そばは乾麺などを、お土産や贈答用として店頭販売やネット販売することも可能です。
乾麺は長期保存ができ、非常食や保存食としても利用できます。
生麺の場合、保存はききませんが、お店でのクオリティをご家庭で感じたいというお客様もいらっしゃいます。 客単価のUPや新規顧客の獲得にもなりますのでご検討してみてはいかがでしょうか。
テイクアウトをお考えの場合、 「テイクアウト・デリバリーを始める際の注意点」 もご参考ください。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
お店を開業するにあたってお客様のために食材やドリンクなどをたくさん仕入れたくなります。
しかし、なんでもあるお店よりこだわりのメニューがあるお店の方が差別化できます。
まずは様子を見ながら、少なくても魅力的な商品のラインナップにすることをオススメします。
仕入先
食材・ドリンクの仕入先は「物件引き渡し前」に選定しておくようにしましょう。
メニューが決まった後に大事なのが、仕入れです。
つゆ、麺、トッピング、サイドメニューのそれぞれのメニューで、手作りする分、仕入れる分を決定します。
その後は、仕入方法や調達ルートなどを確保しなければなりません。
一般量販店や業務用スーパーでの購入は、手軽というメリットの反面、毎日仕入れに行く大変さと、仕入価格が安定しないというデメリットがあります。
そば・うどん店での経験があれば、仕入ルートを紹介してもらったり、ある程度原材料の調達先も目処が立つかもしれません。
お店の方針に対応した食材を取り扱う業者を探すようにしましょう。
インターネットの普及により、ネット展開した卸・仕入れ業者も増えています。
ECサイトでの購入の場合、スマートフォン一台で食材の仕入れや各種サービスに関する多様な情報を入手することができます。
ECサイトの中には、さまざまな食材を一括で購入できるサイトもあり、全国配送が可能なショップが多いのも強みです。
食材に合わせて専門性の高い業者を選びたい場合、ひとつひとつの業者をじっくり検討したい場合は、さまざまな食材やサービスを紹介するサイトもあります。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
DEF様
今までの知り合いの方やコンサル等に相談してメイン食材は斡旋してもらうのが近道です。
野菜などは使用量が少ないうちは近隣のスーパーめぐりなどをして値段の相場を勉強することがオススメです。
仕入先のお問い合わせ
仕入れ先開拓
酒類の仕入れ
酒はお店のキャラクターを決定する大切な要素です。良質な酒類をできるだけ安く仕入れるなら専門店。
サントリーから直接仕入れることで、高品質なお酒をいつでも安心してお客様にお出しできます。