メニュー作成
居酒屋のメニューは、酒類のほか、焼き物、揚げ物、煮物、鍋物、肉から鮮魚まで幅広いのが特徴です。
近年では、特定のメニューの専門性を高め、他店との差別化を図った「専門店」業態が伸びてきています。
居酒屋のメニューを開発するとき、オリジナルメニューを考えることも重要ですが、忘れてはならないのがどこの居酒屋でもよく見る「定番メニュー」です。
定番メニューはお客様のニーズも高く、注文されることが多い料理です。
店舗側としても「置いておくと安心」なメニューのため、お客様にも店舗側にもメリットがあります。
メニュー考案、構成の仕方、価格の設定など、メニュー作成は売上の要ですので、物件を決める前から時間をかけて決めておきましょう。
開業スケジュール
前準備 | 物件申し込みから引き渡し 約1〜2か月 | 内装・外装工事期間 約2、3週間〜2か月 | 工事引き渡し後 約1週間 | オープン後 | |
メニュー作成・構成 | メインメニューの決定 | メニュー構成・価格の決定仕入先調査 | メニューブック作成食材仕入先の選定 |
どんなお店にしたいのか
どんなお店にしたいのか(コンセプト)に基づいて
大事なことはお店の在り方に沿っているかどうか
「どんなお店にしたいのか(コンセプト)」で設定したターゲットの客層から料理の種類、ボリューム、器、盛り付け方を決めていきます。
ターゲット別:例
女性向け
- アルコールの品揃えは、女性客を惹きつける流行しているサワー、カクテル類
- 女性客を取り込むにはお値打ち感、アットホームできめ細かなサービス
サラリーマン
- 会社が終わる時間帯に「ハッピーアワー」と称して、お酒を低価格で提供
- 家では飲めない特別なお酒が呑める
- ニーズが見込める深夜営業
ひとり飲み
- 気軽に立ち寄ることができる環境づくり
- 一人客のちょい飲みニーズに対応したセットメニュー
- 一人客に居心地の良いカウンターを作る
学生や若い男性向け
- 飲み放題や、低価格での宴会コース
- うまくて安い
などターゲットによって用意するメニューが変わってきます。
ターゲットは「20~40代の働く女性」、「子育て中の女性と幼児」、「男子大学生と食欲旺盛な男性」「会社が近くにある30~50代のサラリーマン」など細かく設定し行動傾向を調査してください。そうすることで、何を提供すべきか、どのようなサービスが必要かが見えてきます。
メニューの数が多いほど必要な食材が増えますので、食材のロスもその分増えてしまうというデメリットがあります。
個人・中小企業が経営する居酒屋で扱うフードメニュー数は、30~50品が一般的になります。
原価率や廃棄率、売上の傾向などから客のニーズをしっかり分析し、厳選したメニューだけを世に出す慎重さが重要です。
立地別
駅前・繁華街などのお店
- 個性、インパクトのある強い美味しさとボリューム感を
- 幅広い層をターゲットにした幅広い品ぞろえ
- 「おすすめ商品」など、注文メニューの種類を集中させて効率を上げる
- 立地が良いので昼は定食などを提供するランチ営業が可能
- 店舗を大きく見せ、通行客の目を引く存在感を作る
- Googleビジネスプロフィールでネットからの集客も準備する
ロードサイドなどの郊外店
- 広い客層に受け入れられる味のおいしさ
- お酒の種類、品数を多めにし、幅広い客層を取り入れる
- デザート類で、客単価UPを狙う
- 子どもも一緒に訪れることができる工夫
- 看板を使って走行中の今すぐ客を誘引する(アナログ集客/看板製作)
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
メニューコンセプトを具現化するときに、実際の提供スピードや仕込み時間などを把握しておかないと、いざ営業した時に手が回らなくなります。
わからない場合は専門のプロにアドバイスを求めましょう!
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
DEF様
メニュー開発で重要なポイントは、集客商品、利益商品、差別化商品の3つの商品をつくることです。
集客商品:どんなお客様でも他社より「”お値打ち”だなあ」とすぐわかる商品のことです。大手ハンバーガーチェーン店なら100円コーヒーです。まずお店に来させることです。
利益商品:集客商品だけではビジネスが成り立ちません。集客商品と一緒に買っていただくことで適性な利益をいただける商品の事です。大手ハンバーガーチェーン店ならセットのドリンクやポテトなどサイドメニューです。
差別化商品:そのお店でしかできない商品のことです。あなたの仕入れ能力、培った技術が問われます。大手ハンバーガーチェーン店なら季節限定などの商品です。
メニュー作り
メニュー構成
居酒屋などの飲食店経営を成功させる大切なことは、人気の看板メニューを開発することです。しかし、話題になる看板メニューを実際に考案するのは難しいものです。
どのような料理やドリンクを提供するか、調理法はもちろん、その「構成」が重要なポイントになり、まずはお客様となるターゲット層をしっかりと絞り込むことです。
ファミリーレストランでは約60品目、居酒屋チェーンでは約100品目のメニューがあると言われています。
個人・中小企業が経営するカフェや居酒屋で扱うフードメニュー数は、30~50品が一般的です。
また、一般的に一人が対応できるフードメニューは40品目と言われています。
魅力的なコンセプトを薄めることがないよう、むやみにメニュー数を増やすことは避けましょう。
メニュー数を絞ることで、仕込みの手間・廃棄ロス量も抑えやすくなります。
基本的なメニュー構成の目安
- 看板商品・・・・・・・・・・・・30%
- 高価格商品・・・・・・・・・・・15%
- お値打ち商品・・・・・・・・・・20%
- 低価格商品・・・・・・・・・・・10%
- 季節商品/日替わり商品・・・・・・15%
- 企画商品・・・・・・・・・・・・10%
メニュー構成を考えるにあたり、①店全体のメニュー数、②カテゴリーごとのメニュー数の2点を考慮しバランスを調整してください。
メニューを作る際には、「看板メニュー」「定番メニュー」「稼げるメニュー」の3つから構成します。
看板メニュー
「看板メニュー」は、「絶対食べてほしいご自身の店舗を象徴するメニュー」です。集客効果やお客様の満足度を高めるためには、絶対に必要なメニューです。
定番メニュー → 追加注文を促し客単価UP
「定番メニュー」は、枝豆、漬物、唐揚げ、フライドポテトなどだれもが頼むようなメニューです。
「用意していないとお客様の満足度が下がってしまうメニュー」とも言えます。
追加の注文を受けることができ、客単価UPの鍵となります。
稼げるメニュー → 一緒に注文してもらい利益率UP
「稼げるメニュー」は、原価率が低く、「売れると儲かるメニュー」です。
「稼げるメニュー」は、セットで販売したり、「とりあえずの一品」や食事の最後の「〆の一品」として注文してもらえるよう工夫しましょう。
次に重要なのは、その店独自のコンセプトです。例えば基本コンセプトが肉料理をメインとしているのに、メニューに海鮮料理が充実していると違和感をもたれてしまいます。また、メニューを決める時の重要な要素として、料金水準をどの程度に設定するかということもお店の利益を左右する重要なポイントになります。
顧客のニーズはその時代時代によって変わってくるため、今話題のメニューやニーズの研究、それに合わせたメニューを開発するなど、日々追求し続けていく姿勢が必要といえます。
看板メニュー
メニュー開発でまず先に考えるのは、このお店でしか味わえない看板商品の開発です。
一括りに居酒屋といっても、『立ち飲み』『大衆酒場』『ダイニングバー』『個室居酒屋』、お化け屋敷や牢獄を体験できる『体現型』や各地方の郷土料理や地酒を提供する『ご当地居酒屋』、モダンであり昭和の雰囲気を残した『モダン居酒屋』など多種多様に存在します。
まずご自身の店舗のコンセプトは何かをしっかりと考え、コンセプトを象徴する、独自性の高く人を惹きつけるメニューを考案する必要があります。独自性のない料理でも、調理法や食材にこだわる、盛り付け方を工夫する、提供方法に特徴を付ける、など工夫を凝らしてください。そして、来店したら必ず「食べたい!」と思うような、そして印象に残るメニューを作りましょう。
看板メニューはメニューブックでしっかりとアピールすることもポイントです。
ページを1ページ使ったり、メニューの写真を入れたり、キャッチコピーを付け、どんな食材、食感、味なのかの説明や、こだわりポイントがあるとお客様からの注文率もあがります。
なお、看板メニューは、そのお店の『顔』であり、お店のコンセプトにも直結しているため、変えることは既存客の失客にもつながりかねません。
看板メニューの見直しは、オプションメニューを見直したり、細かい調整をする、など慎重に行ってください。
お通し
お通しというのは居酒屋などで最初に出てくる少量の料理で、注文をしていなくても提供される料理です。
お通しにはお店側にもお客様にとっても、それぞれメリットがあります。
お通しは事前に準備している物が多いのでお酒を出す時に同時に提供でき、料理が出てくるまでの繋ぎにもなります。
また、大人数ならお通しがあるだけで売上に大きく差が出ます。
スピードメニュー
枝豆、だし巻き玉子、キムチ、漬物、たこわさ、サラダ、ポテトサラダなど
ちょっとカットして提供や、盛るだけで提供できる料理です。
サラダは葉物を事前にカットしておけば、後は盛りつけてドレッシングをかければ完成です。
ポテトサラダは事前に作っておけば盛るだけ提供できます。
これらの特徴は、「基本的にその場で調理も必要なく器に盛り付けるだけ」で完成するという点です。店側にもお客様側にも大きなメリットをもたらします。
そのため、すぐ提供する為にも事前の準備が必要になってきます。
また、一度作ったメニューでずっと運営し続けるのではなく、新メニューの開発も常に考えていかなければなりません。メニューを考えるときには、これまでの売れ行きなども合わせてチェックしておきましょう。このお店ではどういったメニューが人気なのか、反対にどういったメニューの人気がないのかを分析することで、新メニュー開発の際のヒントが得られるかもしれません。
何回も来ているお客様であっても、ずっと同じメニューしか並んでいなければ飽きてしまうものです。新メニューの登場は、そういったお客様へ新鮮さを与え、リピートにつながります。
現状のメニューに満足することなく、常に新しいメニューを取り入れることを念頭に置いて経営をしていきましょう。
また、重要なのは品数を増やすことではなく、質も大事にするということです。そして新メニューの登場の頻度を増やしましょう。1品1品にこだわりを持って提供することがリピーターを増やす足掛かりにもなります。
トレンドを取り入れる
トレンドに敏感でメニューをいろいろと取り揃えている店舗は業績は上がっています。トレンドへのアンテナを高く張り、何かが流行すればすぐに取り入れる柔軟さとスピードを持ちましょう。
魚料理・肉料理
魚料理
刺身や焼き魚などは、お酒との相性もよく複数人でシェアして食べる方も多いのではないでしょうか。
また、刺身は盛り合わせにすることでさまざまな種類の魚を味わっていただけて、お客様の満足度が上がります。
他にも刺身は、野菜とともに盛り付け味付けすることで、人気のカルパッチョや海鮮サラダとして提供することもできます。
肉料理
肉ブームに乗っかるためには焼き鳥、串揚げ、ステーキ、煮込み料理などの肉メニューは外せないでしょう。
煮込み系は原価が安いものが多く、事前に大量に仕込め、提供時は温めるだけなので材料費・人件費の両方で嬉しいメニューです。
焼き鳥や串揚げは、人気の商品とロスの出やすい商品を盛り合わせにすると、食品ロスの低減につながるうえ、客単価アップにもなります。
揚げ物
鳥の唐揚げ、軟骨の唐揚げ、ポテトフライ、コロッケ、アジフライなど
ビールにもよく合う「揚げ物」は居酒屋に必須とも言えるメニューです。事前に仕込んでおく手間はありますが、注文後は揚げるだけなので手間があまりかからないのもポイントです。
特に「鳥の唐揚げ」は男女問わず人気のメニューです。
居酒屋の人気メニューとして最も人気といわれるのが「鳥の唐揚げ」です。
お客様としても安くて量も満足感も高く、誰でも食べられるなど、人気のポイントが揃っています。
タレや大きさ、トッピングなどひと手間加えるだけで、そのお店のオリジナリティを出せるので、定番でありながら差別化できるのもポイントです。
鍋料理
鍋メニューはコースメニューに取り入れるのに最適です。
コースメニューに取り入れることで、団体の宴会を取り込むことも可能ですし、忘年会メニューとして鍋料理はおすすめです。
種類も豊富であれば、集客にも有利になります。
近年「1人鍋」の需要も増加しており、鍋料理のメリットとしては、野菜を美味しくたくさん摂ることができて、ヘルシーなイメージがあります。
そのため、鍋料理を取り入れることで「1人鍋」のニーズ、女性客の集客にもつながります。
鍋メニューは、下ごしらえは必要でも原則的に調理はせずに提供するため手間がかかりません。キッチンの負担も少なく済み、人件費の削減にもつながります。
ご飯もの
おにぎり、お茶漬け、チャーハン、焼きそば、そば、ラーメンなど
お酒を飲んだ後に、お腹を満たしたくなり注文するのが、いわゆる「シメ」と呼ばれるご飯物や麺類です。
特に麺類に関しては、お店によってどんなメニューを出すか様々です。またご飯物でも、丼物やビビンバにしたりとさまざまな工夫ができます。お店のコンセプトに沿って提供するシメ料理の開発を進めていきましょう。
デザート
居酒屋の締めといえば、おにぎりやラーメンなどの炭水化物というイメージがありますが、女性の場合は、「シメ」としてデザートを頼むケースも多いです。代表的な居酒屋デザートといえば、アイスクリームなどひんやりとしたデザートですが、パフェやケーキなど本格的なスイーツを用意している居酒屋もあります。実際に様々な居酒屋が、デザートに力を入れるようになっています。
宴会メニュー
宴会やコース料理を用意するメリットとしては、コース料理の方が効率良くサービスを提供できるという点です。
決められた料理を事前に仕込めますので、スムーズに料理を提供することができます。
また、お客様側からしても、初めからコース料理と分かっていればメニューを選ぶ必要もありませんし、予算もはっきりしているため、お金の心配をしなくて済む安心感もあります。
宴会コースは1種類だけでなく、何種類かコースを用意するのもおすすめです。お客様側も選べる楽しさが生まれますし、コースによって料金設定を変えることで、客単価アップにも繋がります。
居酒屋の宴会メニューは一般的に
「前菜」
「サラダ」
「メイン」
「締めもの」
「デザート」
という構成で、料金単価ごとに品数を増やすなどのアレンジをしています。居酒屋では、このようなコースメニューを基本とし、あとはお店のスタイルに合った料理を提供するのが定番とされています。
提供方法は、一人分ずつ分けて提供するスタイルが増えています。
ドリンク
ビール、サワー類、ハイボール、焼酎、日本酒、ワインなど
居酒屋のメインはもちろん「お酒」です。一度仕入れてしまえば調理の必要もなく、提供が簡単で利益も高く、非常に優れた商材です。
居酒屋だとお酒全体の原価率は20~25%ほどに抑えたいところです。
コンセプトに沿って、出すお酒が日本酒メインなのか、ビールメインなのか、カクテルメインなのか事前に準備しておきましょう。
またサワー類は、若い大学生からサラリーマン、女性客にも人気です。
居酒屋で提供されているサワーの中ではレモンサワーやグレープフルーツサワーなどが定番とされています。これらのサワーはさっぱり飲みやすく、ビールや甘いカクテルが苦手な方にも人気のドリンクとなっています。サワーの種類を充実させることによって、さまざまな客層を取り込むことができるでしょう。
アルコールが飲めないお客様向けのノンアルコールカクテルや、子ども連れのお客様用のソフトドリンクメニューを厚めにしておくとファミリー客やハンドルキーパーにも喜ばれます。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
行政書士丸山事務所様
メニュー構成は大丈夫ですか?
あなたが創り上げる美味しいお料理と、お客様が召し上がりたいお料理との間に相違があることがあります。
メニュー構成で繁盛店になれるか、閑古鳥が鳴いてしまうかが決まることがあります。
お客様の「食べたい」を満足させるメニュー構成にすることが、繁盛店への第一歩です。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
開業で忙しい中で、ドリンクメニューはつい後回しになりがち。
しかし、料理より簡単に提供できるドリンクこそお店の利益に直結します!
最近では、かわいいグラスやハーブなどの飾りなどでSNS映えを意識することも大切です。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
これからの時代、お酒だけでなくノンアルコールを必ず充実させましょう!
その際、ウーロン茶やコーラだけではなかなか単価が上がらないので美味しいフルーツジュースやノンアルコールカクテルなどをメニューに他店と差別化しましょう。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
株式会社Three Grams様
お店を開業するにあたってお客様のために食材やドリンクなどをたくさん仕入れたくなります。
しかし、なんでもあるお店よりこだわりのメニューがあるお店の方が差別化できます。
まずは様子を見ながら、少なくても魅力的な商品のラインナップにすることをオススメします。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
松澤 香奈様
グラスワインのリストを重視されるお客様は多いです。
グラスワインはロスが心配…という方もいらっしゃいますが、むしろトータルのオーダーが増える売り方もあります。
お料理のコンセプトに沿ったワインを選定してお店の魅力を最大限に引き出しましょう!
価格
価格の設定で重要なのが、お客様に「お得」と思ってもらうことです。低価格居酒屋を狙うなら、上限価格をなるべく3桁に抑えるといいでしょう。
飲食店の原価率は約30%。フード原価率とドリンク原価率のトータル原価率が30%に収まればいいため、高原価率と低原価率を合わせて考えるのもポイントです。
人が満腹になるには大体500グラム程度の食事が必要だといわれています。それを元に、注文をされる飲み物の量、食べ物の量を予測し、想定客単価には、それぞれのメニュー価格をいくらに設定するかを算出します。
料理やサービスを工夫して客の満足度を上げていくには、お得感を演出することも大切です。
価格設定のポイント1:価格の設定は、「業態」の相場、「周辺エリア」の相場を元に決定
「業態」の相場
ご自身のお店の業態と立地・雰囲気・サービスなどが近い同業態の飲食店の相場を調査しましょう。
「周辺エリア」の相場
出店エリアでの周辺店舗やライバル店となりそうな店舗の数と質、量、サービス、価格帯、入店状況などをチェックしましょう。
その上で、地域に受け入れられる価格を考える必要があります。
価格設定のポイント2:トータルの客単価から考える
メニュー価格を決定する際は、単品価格と併せて、総額の客単価も検討する必要があります。
トータルの客単価を考慮せず、メニュー単品の価格を決めていくだけでは、トータルの客単価がお店から大きく外れてしまうこともあります。
トータルの客単価が原価率30%前後になるように設定するのが理想的です。
メニュー価格は「目玉商品」「利益がでやすい商品」の両面から考えます。
お客様に喜んでもらえる原価率の高いメニューと、利益を生み出す原価率の低いメニュー、この両方の商品を組み合わせ、適切な原価率をはじき出しましょう。
飲食店の原価率は約30%。フード原価率とドリンク原価率のトータル原価率が30%に収まればいいため、高原価率と低原価率をミックスして考えるといいでしょう。特別高価なアルコールを置かない限り、居酒屋はドリンク原価率が10〜30%と低く、その分フードに原価をかけてお得と思わせる商品を考えていくのもポイントになります。
価格設定のポイント3:価格はそろえてわかりやすく
商品価格がバラバラな場合、お客様は選ぶのに悩んで時間がかかってしまいます。悩むほどに注文点数は下がる傾向にあるといわれています。
『シンプルにわかりやすく』を念頭に、価格をそろえたり、下2ケタを統一したりと見やすくわかりやすい価格設定を心がけましょう。
※端数価格効果の利用
端数価格効果とは消費者心理に基づいた価格設定で、末尾を「8」に揃えるテクニックです。
90円と88円、1000円と980円など末尾を「8」にすると、価格差以上に安いイメージを持ってもらう心理的効果があります。
原価率を抑えるコツ1:食品ロスを減らす
食品ロスが起こる原因と対策をご紹介します。
- 発注オーバー・・・食材の使用量・適切な在庫量を把握する、発注前には在庫を確認するという対策をとる。
- 保存や管理の仕方・・・食材の保管場所を確定する。先に仕入れたものから使っていく「先入れ先出し」を徹底する。貯蔵庫に詰め込みすぎないことや開閉時間の短縮などで温度管理に注意する。清潔さを保つなどをマニュアル化して従業員で共有する。
- 調理ミス・・・注文の受け方や動線の見直し、異物混入がないかのチェックなどをおこなう。
- オーダーミス・・・聞き取りにくかったり、間違えやすい似た名前のメニュー名の改名。お客様から注文を受ける際の復唱の徹底や、厨房へ伝えかたの見直しをする。
頼んで欲しい料理に注文を誘導できると食材のロスを減らすことができますので、メニューボードに記載したり、接客時におすすめしてみるなど工夫をしてみてください。
原価率を抑えるコツ2:オーバーポーションしないよう気をつける
ポーション(portion)とは「部分」や「割り当て」という意味ですが、料理では「一人前」を意味します。オーバーポーション(決められた量よりも多めに盛り付けたり使用したりすること)により、設定した原価を上回ってしまい原価率を上げることになります。また、日によって商品の量やトッピングなどの量が変わると、お客様からの評価も下がってしまいます。オーバーポーションしないためには、量を決め、計測を確実におこないましょう。仕込みの時に計測して分けておくと簡単です。
原価率を抑えるコツ3:効率の悪いメニューの廃止
手間がかかる効率の悪いメニューを削除したり、ランチタイムは効率の良いメニューにオーダーを集中させることで、少ない人員でお店を回すことが可能になります。
食器
食器を選ぶ際のポイント
1. 食器を選ぶ際には、店のコンセプトに合わせて選ぶ
ホール用の備品はお客様の目に触れ、店舗の雰囲気に大きく影響を与えます。卓上用品や食器は店のコンセプトに合ったものを選び、統一感を持たせることが重要です。
2. 新規開店時はこだわりすぎず、高価な物を揃えすぎない
コンセプトを重視するあまり、こだわりすぎると予算を圧迫してしまいがちです。しかし、オープン時はスタッフも慣れていないため、破損率が高まります。できる限り運転資金を残しておくためにも、オープンして間もない時期はリーズナブルな食器を使用し、徐々にこだわっていくほうが良いでしょう。
3. 収納スペースを考慮し、形状に気を付けて
収納スペースがあまり確保できない場合は、重ねやすい食器を選んだり、様々なメニューに対応できる使い勝手のよい食器を選ぶと収納スペースを抑えることができます。
4. 必要な食器の枚数
メインメニューに使う食器の目安は、席数の1.5倍~2倍です。一般的に使う食器は席数の半分、そこまで注文が入らないようなメニューに使うものは席数3分の1かそれ以下でも良いでしょう。食器は消耗品と考え、割れてしまった場合の予備も用意しておくと安心です。
5. 破損した場合の対策
食器を破損してしまったときは、補充が必要になります。しかし、購入していた食器が販売中止になっていて同じものを買えない場合があります。 食器は割れてしまうため、消耗品と考え対策しておきましょう。
詳しくは 「機器・什器・備品」の「食器の選び方」 をご覧ください。
仕入先
食材・ドリンクの仕入先は「物件引き渡し前」に選定しておくようにしましょう。
メニューが決まった後に大事なのが、仕入れです。
お酒、食材などそれぞれのメニューで、手作りする分、仕入れる分を決定します。
その後は、仕入方法や調達ルートなどを確保しなければなりません。
一般量販店や業務用スーパーでの購入は、手軽というメリットの反面、毎日仕入れに行く大変さと、仕入価格が安定しないというデメリットがあります。
居酒屋で働いていた経験があれば、仕入ルートを紹介してもらったり、ある程度原材料の調達先も目処が立つかもしれません。
お店の方針に対応した食材を取り扱う業者を探すようにしましょう。
インターネットの普及により、ネット展開した卸・仕入れ業者も増えています。
ECサイトでの購入の場合、スマートフォン一台で食材の仕入れや各種サービスに関する多様な情報を入手することができます。
ECサイトの中には、さまざまな食材を一括で購入できるサイトもあり、全国配送が可能なショップが多いのも強みです。
食材に合わせて専門性の高い業者を選びたい場合、ひとつひとつの業者をじっくり検討したい場合は、さまざまな食材やサービスを紹介するサイトもあります。
コンサルタントからのワンポイントアドバイス
DEF様
今までの知り合いの方やコンサル等に相談してメイン食材は斡旋してもらうのが近道です。
野菜などは使用量が少ないうちは近隣のスーパーめぐりなどをして値段の相場を勉強することがオススメです。
仕入先のお問い合わせ
仕入れ先開拓
酒類の仕入れ
酒はお店のキャラクターを決定する大切な要素です。良質な酒類をできるだけ安く仕入れるなら専門店。
サントリーから直接仕入れることで、高品質なお酒をいつでも安心してお客様にお出しできます。