キッチンカーでのラーメン屋開業に必要な準備・費用は?
現在、キッチンカーの開業(移動販売)が注目を浴びています。
移動販売が可能のため、固定店舗とは違った、営業方法ができたりと特別感を演出することが可能です。
そんなキッチンカー(移動販売)の開業が注目される中、国民食とも言えるラーメン屋の移動販売も支持されております。
本記事では、キッチンカーでのラーメン屋開業に必要な準備、費用や固定店舗との差額や、キッチンカー開業のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
キッチンカーの現状について
実店舗と比較して、開業コストを大幅に削減できるキッチンカー。
現在コロナの影響もあり、テイクアウトを始めた、キッチンカーでの開業が注目されています。
また、固定店舗で営業されていたオーナーさんが、キッチンカーに業態変更するといったケースも増えてきています。
キッチンカーの初め方
①事業計画
コンセプトについて、出店場所など収支計画を立てます。
ここでしっかりと計画を立てることで他店とも差別化を図ることができるでしょう。
②保健所に相談
コンセプトやメニューが決まりましたら、必要な厨房設備などを調べ、必ず事前に保健所に相談しましょう。
③食品衛生責任者の資格取得
キッチンカーや移動販売を開業するには食品衛生責任者の資格の取得が必要です。
※但し、栄養士・調理師・製菓衛生師などの免許がある場合は不要です。
④車両準備
移動販売をするにあたって、まずはキッチンカーを準備します。
購入の場合ですと、未架装の新車・中古車か既に架装してある新車・中古車にするか決めていきます。
未架装の新車と中古車は、好みにデザインやカスタマイズができます。その分費用が加算され、完成までに数ヶ月かかってしまうので、確認が必要です。
レンタルの場合は、短い期間で利用できる場合もあるため、費用の負担が少ないでしょう。ですが、長期でレンタルする場合は割高になるケースもあるため、必ず事前に計画を立てていきましょう。
⑤営業許可の申請
必ず各地域の保健所で設備を確認し、許可書をもらう必要があります。
⑥営業場所の確保について
ランチ時のオフィス街を狙うなど、売り上げの見込みがある場所を事前に調査をしておくのもオススメです。
キッチンカーでのラーメン屋の開業費用
キッチンカーの開業資金の相場は約200万円~500万円ほどです。
購入またはレンタルなど、新車や中古車かなど、厨房設備によって費用は変動します。
固定店舗との差
通常の固定店舗の飲食店を開業する場合、初期投資(厨房機器の費用、内装や設計費など)は、約1000万円前後は必要となります。
そのため開業資金を比較的安く済ませたい、固定店舗とは違った営業方法で開業してみたいと考えている方におすすめです。
開業のメリット・デメリット
キッチンカーでラーメン屋を開業する時のメリット・デメリットをご紹介いたします。
メリット
まずはキッチンカーでラーメン屋を開業した時のメリットについて、ご紹介いたします。
ぜひキッチンカーでのラーメン屋開業を検討している方は、参考にしてみてください。
初期費用・ランニングコストについて
キッチンカーの場合、車の大きさなど厨房設備によっては、初期費用が約200~500万円程で済むケースがあります。
それは家具などが不要のため費用が抑えられるからです。
閉店後もフードトラックは中古車として売却でき、廃車の場合でもそれほど費用がかかりません。
固定費が抑えられる
【家賃】
基本的に駐車場代は発生しますが、家賃がかかることはありません。
しかし仕込み場所が必要な場合は店舗の家賃が発生いたします。
【人件費】
料理を提供した後の片付けなどがないため、少人数や1人で運営する方も多いです。
場所を選ぶことができる
固定店舗とは違ってキッチンカーの場合は、売上や集客が悪かった場合は、出店場所を移動することができます。
デメリット
次にキッチンカーでのラーメン屋開業のデメリットについてご紹介いたします。
出店場所の確保が困難
近年キッチンカーでの出店が増えてきているため、立地の確保が難題となっております。
また人が集まったり、売上の見込みがある場所は費用が高くなったりと、出店する審査のハードルが高くなる傾向があります。
場所の確保には、イベント会場や大学、商業施設などに営業するなどして、場所を確保する必要があります。
出店する自治体ごとに保健所の許可が必要
キッチンカーでの営業には『食品営業自動車』の営業許可が必要です。
また、各自治体の保健所で「許可申請費用」も取得する必要があるため、様々な自治体をまたがって営業するのは得策ではないでしょう。
また、他にも扱えるメニュー数に限りがあったりと、天候に左右されやすいなどが挙げられます。
設備について
キッチンカーで開業するにあたり、最低限必要となる設備についてご紹介いたします。
キッチンカーに必要な設備
営業許可が降りる基準は保健所によって変わってきますが、下記は最低限必要な設備となりますので、必ずチェックしましょう。
・冷蔵庫・冷凍庫
・手洗い・洗浄用シンク
・プロパン契約、発電機
・換気扇
・給水・排水タンク
・アルコ―ルスプレー・手洗い石鹸
・ゴミ箱
また、ラーメンを作るには多くの量の水を使用します。
大きめの寸胴鍋も必要となるため、ある程度調理スペースを広くしておきましょう。
営業場所の確保について
キッチンカーで営業するといっても、出店場所によって売上は大きく差が開く場合もあります。
ここではおすすめの出店場所、また出店する際の注意点についてご紹介いたします。
どこで出店するといいか
東京を中心とした大都市では、ランチ難民をターゲットにしたキッチンカー営業がすでに定着しております。
ランチや軽食、夜食など用途も幅広く、季節を問いません。
ラーメンのキッチンカーは、エリアによってはオフィス街のランチ需要も見込めて、イベントでも人気のメニューです。
ラーメンの場合は多くの水を使用するため、作業効率も考えて出店場所を検討しましょう。
近年ではテイクアウトしやすい汁なしラーメンや、つけ麺などのメニューを考えるのもオススメです。
NGな場所
場所を選ばずに出店できるというメリットがありますが、キッチンカーの出店には必ず行政の許可が必要になります。
空地や公園だからといって、許可を得ずに路上販売をしてしまうと道路交通法違反や都市公園法によって罰せられる可能性がありますので、必ず行政の許可を取りましょう。
開業に必要な資格・保険・許認可は?
キッチンカー開業に必要な資格、保険等についてご紹介いたします。
営業を検討している自治体ごとにキッチンカーの営業許可の取得
営業する際に区域をまたがう場合など、管轄する各保健所で許可を取る必要があります。
仕込み場所の確保
キッチンカーの場合、移動販売車とは別に「飲食営業許可」を受けた仕込み場所が必要です。
保健所によっては規定が異なるので、仕込み場所は管轄の保健所に相談しましょう。
食品営業自動車の取得
食品営業自動車や食品移動自動車の取得が必要で、有効期限は5年です。
また、更新の際はそれぞれ取得した地域で、5年ごとに更新料を支払い継続します。
注意点
仕込み作業や区域をまたがって営業する際の注意点についてご紹介いたします。
仕込み作業について
食品を販売する際に仕込み作業が必要な場合、仕込み場所の確保と営業許可書が必要となります。
こちらも保健所ごとに規定が異なるため、管轄の保健所に相談しましょう。
また自宅で仕込みの作業はNGとなりますので、仕込作業については事前によく考えておきましょう。
自治体ごとに保健所の許可が必要
キッチンカーで区域をまたがって営業する場合は、管轄する各保健所で許可を取る必要があります。
必ず事前に保健所で相談をしましょう。
また各保健所によって見解が異なります。
そのため事前相談では、販売手順や提供までの流れ、仕込み場所や必要設備について、出店地域などを確認する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
キッチンカーの出店には、それぞれメリット・デメリットがありますので、きちんとポイントを抑えましょう。
また、出店場所の確保には、必ず行政の許可を取りましょう。
今、ラーメンは日本の国民食といえます。
固定店舗とは違った出店方法など、初期費用を極力抑えてラーメン屋を出店したいとお考えの方は、一度キッチンカーでの開業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。