ここ数年で大人気になったフルーツサンド。最近では、SNSでも写真を頻繁に見るようになりました。
「断面萌え」や「萌え断」という言葉が生まれ、フルーツサンド専門店には萌え断女子が殺到しています。
今回は、若い女性客を増やしたい!カフェやパン屋をオープンしたい!と考えている飲食店のオーナー様へ、フルーツサンドをご紹介します。
目次
フルーツサンドの歴史
フルーツサンドには、意外にも古い歴史があるのをご存じですか?
実は、フルーツサンドは日本で発祥したと言われており、その誕生は大正時代まで遡ります。
日本に果物が広まったのは明治時代初期だと言われています。
当時、果物はとても高価なものでした。昭和時代の終わり頃まで、手土産の定番と言えば果物だったそうです。そのため、駅前の一番いい場所には果物店がありました。
その果物店が、売り物の果物を使ったスイーツやジュースなどを出す喫茶店「フルーツパーラー」を併設し、店内で提供し始めたのがフルーツサンドの始まりと言われています。
現在も、多くの老舗フルーツパーラーが駅前に残っており、どの店もフルーツサンドを提供しています。
なぜ今フルーツサンドが人気なのか
歴史のあるフルーツサンドですが、なぜ今Instagramを中心としてSNSで話題になっているのでしょうか。
最近、芸能人が「差し入れにはフルーツサンドを持っていく」という話をしているのをよく耳にします。皿やフォークを必要としないフルーツサンドは、食べるのに手間がかからないため、差し入れにはぴったりなのです。
また、果物は生モノなのでお取り寄せができません。そのため、自ら店舗に足を運んで購入する必要があり、より心のこもった手土産になるという点も、人気の理由です。
しかし、フルーツサンド大流行の理由はこれだけではありません。流行の最大の理由は、タイトルにもある「萌え断」です。
「断面萌え」「萌え断」ってなに?
「断面萌え」や「萌え断」とは、食品の、カラフルで綺麗な“断面”に“萌える”ことです。
ここ数年のブームで見かけるフルーツサンドは、程良い厚みで食べやすい、昔ながらのものとは対照的に、フルーツの断面が丸ごと見えるくらい厚く、ビジュアルもひと目で何が挟まっているのかわかるほどのインパクトがあるものが多いです。
この迫力あるビジュアルに魅了される女性を「萌え断女子」と言います。
「萌え断」はどこで生まれたの?
「萌え断」という言葉はSNSから生まれました。その走りは、岩手県に住む陶芸家の大沼道行さんが考案した千切りキャベツを大量に挟んだサンドイッチ「沼夫サンド」(略して「沼サン」)を、奥様が2015年からインスタで紹介し始めたことです。そのフォトジェニックな断面が話題を呼び、2015年にはレシピ本も登場しました。
この「沼サン」を進化させ、ゆで卵やトマトをまるごと挟んでカットした「わんぱくサンド」がさらに有名になり、それがテレビでも取り上げられて、サンドイッチ界が「萌え断」に突入することになったのです。
フルーツサンド以外にもある!「萌え断」のいろいろ
「沼さん」や「わんぱくサンド」を紹介しましたが、他にも「萌え断」はあります。
断面が花などの模様になるように作られた「飾り巻き寿司」や、海苔でふわっと巻いただけの「おにぎらず」などが5年ほど前からブームになっていましたが、これも「萌え断」と言えるでしょう。
また最近では、ブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだマリトッツォの、その丸みを帯びた可愛らしい断面がSNSで話題となっています。
フルーツサンドは「萌え断」の王者
萌え断には様々な種類があることを紹介しましたが、まっ白な生クリームの中に果物の鮮やかな色が浮かび上がるフルーツサンドの断面は、格別の美しさです。やはり、萌え断界の王者はフルーツサンドと言えるでしょう。
フルーツサンドの美味しさの決め手
では、フルーツサンドの味の決め手となるポイントを3つご紹介します。
1.やっぱりフルーツの新鮮さが大事!
まずは、なんといってもフルーツです!
フルーツサンドは、フルーツのクリームとパンというシンプルな組み合わせのため、フルーツの味がくっきりと際立ちます。舌の上に広がるジューシーさ、甘み、酸味、食感、香りなどを堪能できるような品種選びが重要です。
2.シンプルなパンで主役を引き立てよう!
パンは、主張しすぎないことが大切です。甘さが強くてバターが豊富なものよりも、適度な塩気があってあっさりしている方が、フルーツとクリームとの相性が良いです。
3.クリームは軽めで!
パンとフルーツの繋ぎとなる生クリームは、後味が軽い植物性がおすすめです。
お店によっては、動物性生クリームやマスカルポーネクリーム、カスタードクリーム、杏仁クリーム、ヨーグルトなどを混ぜて使用しているところもあるので、様々な組み合わせを試してみてください!
まずは試しにご自宅で。萌え断フルーツサンドの作り方
お店のメニューとして試作を始める前に、「まずは一度自宅で作ってみたい」という方に、萌え断フルーツサンドの作り方をご紹介します。
基本の作り方
【材料】
イチゴ 2個
黄桃缶詰 1/4個
キウイフルーツ 1/4個
食パン(サインドイッチ用)2枚
生クリーム 100ml
ハチミツ 大さじ1/2
【作り方】
1.フルーツはキッチンペーパーでしっかりと水分をとっておく。
2.氷水にあてて生クリームを泡立てる。とろみがついてきたらハチミツを入れ、角が立つまで泡立てる。
3.食パン1枚に、2.のクリームを半量塗り広げる。
※この時に、パンの縁から1cmくらい開けて塗るとサンドしたときにはみ出しにくくなります。
4.3.の食パンの上にフルーツを並べる。
※カットする線上に見せたい断面が来るように配置しましょう。
5.フルーツの隙間を埋めるように生クリームを乗せ、残ったクリームも上に盛る。もう1枚の食パンでサンドして軽く押さえたら、ぴったりとラップで包み冷蔵庫で1時間以上休ませる。
※切る向きが分かるように、ラップの上にマジックで印を付けておくと良いです。
6.ラップをしたままカットする。
※パンナイフか温めた包丁でカットすると綺麗に切れます。
萌え断を作るコツ
1.フルーツ
水分が多いフルーツは扱いが難しいので、慣れるまではイチゴやバナナなどの水分が少ないフルーツがおすすめです。
また、下準備の際はもちろん、サンドする直前にも水分をしっかりと拭き取っておきましょう。
2.フルーツを並べる順番
完成形をイメージして、まずは『断面萌え』の部分を配置し、その後で隙間を埋めていくように並べましょう。
カットする線上に見せたい断面が来るように並べてから、ずれないように隙間を埋めるとカットしやすくなります。
3.きれいにカットするコツ
まず、必ず冷蔵庫で寝かせてから切りましょう。お店によっては3時間以上寝かせるところもあるくらい大切な工程です。
カットする際は、ラップの上から切っていきます。
熱湯をかけて温めた包丁を使います。切る時は大きく前後に刃を滑らせながら切ると崩れにくいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
フルーツサンドは季節や断面の見せ方によって様々な楽しみ方ができます。ぜひ、お店の新メニューを考案する際の参考にしてみてください。
パン屋開業ドットコムでは、フルーツサンドに使えるサンドイッチ袋などをお買い求めいただけます。