飲食店の開業を決めたはいいものの、「開業資金が足りない!」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが「居抜き物件」です。
前店舗のものをそのまま使うことで初期費用が大きく削減される居抜き物件は現在多くの飲食店で活用されています。しかし、どこの物件を取得するかで飲食店の成否は大きく決まります。
そこで、これから物件を探される方、悩んでいる方のために、居抜き物件のメリット・デメリット、居抜き物件を選ぶまでの流れや必要なもの、さらに注意点やポイントも併せて解説していきます。
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目次
そもそも居抜きって?
居抜き物件とは、前に営業されていた店舗の機器や設備、内装などがそのまま残っている状態のことを言います。
しかし、厨房機器だけ、または内装のみの場合も居抜き物件として扱われていることがあるので注意が必要です。
居抜き物件での開業は、開業資金を抑えられるのが大きな特徴ですが、いいことばかりではありません。どこを重要視するのかは人それぞれです。
ここでは、居抜き物件のメリット・デメリット、そして「スケルトン」との違いについても紹介していきます。
費用が抑えられるだけではない?!居抜き物件のメリット
開業資金を大きく削減できる
居抜き物件の最大のメリットは、開業資金を抑えられる点です。前店舗の厨房機器や備品、内装や設備をそのまま引き継ぐことで、費用を大きく削減することができます。
資金を抑えることで、仕入れや設備の強化にも力を入れることができ、経営の安定につながります。
早期開業が可能
費用が抑えられるだけではなく、オープンまでの期間を早めることも可能です。
内装・外装工事や、厨房機器や家具を選ぶ時間もいらないため、数カ月かかる負担を減らすことができます。
前店舗の認知度を維持できる可能性も!
前店舗も飲食店であれば、前に利用されていたお客様を呼び込める可能性もあります。
認知度がそのまま残るので、ゼロから飲食店を始めるより有利になります。
デメリット
機器や設備の老朽化
前店舗の機器や設備をそのまま使用するということは、全て中古品を使用するということです。
突然故障したり、修理が必要になったりする恐れがあるので、いつから使われているのか確認するようにしましょう。
厨房機器などに関しては、リース契約を受けているのか確認を取っておくのも重要です。
設備の所有権を前もって確認をしておくことが大事になります。
前店舗の評判の影響を受ける
メリットの紹介で、前店舗の認知度を引き継ぐことができると言いましたが、逆に前店舗の評判が悪いものであったら、その影響を受けてしまう可能性もあります。
運営者が変わったことをアピールし、新しいイメージを作りましょう。
店のデザインを変えにくい
設備や内装、家具などがそのまま残っているほど、自分の理想に合ったお店を作ることは難しくなります。
前店舗が自分のコンセプトに近いお店であるのかは事前にチェックが必要です。
スケルトンとの違いとは?
スケルトンとは、機器や設備、内装などが一切ない状態の物件のことを言います。
スケルトンという言葉は英語で「骨格」を意味します。そのため、建物の骨組みしかないということです。
スケルトンで飲食店を開業する場合、自分の理想に合った内装やレイアウトを決めることができます。また、物件も多く、居抜き物件よりも選択肢が広がります。
しかし、居抜き物件のように機器や設備が無く、全て0からのお店作りになるため、多大な費用がかかってしまいます。
居抜きとスケルトン、それぞれの特徴を理解して自分の条件に合った方法で飲食店を開業しましょう。
早い者勝ち?!良い居抜き物件の探し方
居抜き物件で開業を決め、いざ物件探し!しかし、物件は飲食店の成否を決めます。
優良な物件を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。
さまざまな物件がありますが、なかなか理想の物件に出会えないこともあります。
たくさんある中から理想の物件を見つけるため、物件の探し方や探すときの注意点をお伝えしていきます。
それぞれの特徴を理解して自分に合った探し方で見つけましょう。
物件を探す前に、まずは条件決め!
物件を探す前に、まずは希望の条件を決めておきましょう。
条件が多かったり細かすぎると、理想の物件に出会えない可能性もあります。
何を優先するのか、事前に決めておくことでより良い物件が見つかりやすくなりますよ。
エリア
どこの地域で開業するのかというのは、飲食店を開業するにあたってとても大事な項目です。
飲食店に人気の地域でも、「人通りは多いが競合店も並んでいる」など、必ずしもメリットばかりではありません。
また、「〇〇の隣、〇〇通り」などピンポイントで決めてしまうと、逆に当てはまる物件は少なくなってしまいます。まずは市や町で絞って決めておくのがベターです。
広さ
物件を決めるにあたって、開業するお店の売上目標に達することができるサイズであるかどうかが非常に重要になっていきます。
広い店舗を希望するとなると家賃は高くなり、席数が多ければ多いほど人件費も高くなっていきます。まずは自分がどのようなお店にしたいのかを考え、それに適応した広さである物件を探しましょう。
また、駐車場が必要な場合は、車が止められる場所が近くにあるのかも確認しておきましょう。
店舗の大きさは基本「坪数」で表されます。1坪=2畳とされていますが、正直どのくらいのサイズなのか想像がつかない人もいるでしょう。
希望の広さを考える際、坪数ではなく「自分のやってみたいお店のイメージと近い店舗と同じくらいのサイズに合わせる」という考えをおすすめします。実際にそのお店に行って直接広さを聞いてみるのもいいでしょう。
予算
飲食店の開業で1番苦労するのが資金です。
安く済ませたいからと言って、あまり安価な予算を伝えると、不動産屋に手を抜かれる可能性もあります。まずは大体の予算と上限を決めて探しましょう。
独立店舗or施設内物件
独立店舗とは、一軒が独立して立っている物件のことで、施設内物件とは、ビルやマンションの中に飲食店があったり、似たようなお店が連なっている施設型の物件のことを言います。
どうやって探す?物件探しの手段
インターネット
物件を探すにあたって、やはりネットで探すのがよりたくさんの情報を得られるでしょう。
ただ1サイトだけから探すのではなく、複数のサイトに登録してこまめにチェックすることで、大体の相場が分かるようになっていきます。
サイトによって、公開している物件が違うところもあるので、よりたくさんの場所からチェックするようにしましょう。
また、居抜き物件はスピード勝負です。最近の飲食店では居抜き物件を利用して開業する人が増加してきています。さらに、居抜き物件は普通の物件よりも数が少ないのです。
そのため、登録しているサイトから新着情報が届いた際には、すぐチェックするようにしましょう!
不動産会社
ある程度のエリアが既に決まっている人は、そのエリアの不動産会社に問い合わせてみるのもいいでしょう。不動産会社によっては、その地域の建物のオーナーと繋がりを持っている可能性があります。
そのため、物件がネットに掲載される前に、情報を得ることができるチャンスもあります。
居抜きを専門としている不動産会社もあるので、そのエリアの近くにある場合は一度話を聞いてみるのもおすすめです。また、電話での問い合わせでも情報を入手することができます。
不動産会社だけでも、自分に合った手段を選んで物件を探しましょう。
自分の足で探す
エリアが決まっている場合、不動産会社に訪れるだけではなく、自分の足でその地を歩いてみるのも大切です。その地域の雰囲気や人通り、競合店があるのかなど、直接感じることで気づくこともあるのです。
インターネットや不動産会社からの紹介で居抜き物件を決めた場合でも、最終的には実際にその地を歩いてみることは非常に重要です。
実際にその地域を歩いてみて不動産会社を見つけたら寄ってみるのもいいですが、アポ無しで突然訪問するのは迷惑と感じる不動産会社の方もいます。なるべく事前に確認して話を聞くようにしましょう。
いよいよ内見!確認すべきこととは?!
内見をする際、厨房やホールの広さ、レイアウトなどを確認するのももちろん重要ですが、居抜き物件の場合は厨房機器や設備の品質、状況を確認することが必須です。
前店舗がどのように使用していたのかは分かりません。
開業できてもすぐに故障してしまったり、修理が必要になってくる可能性もあります。そのため、どのくらい劣化しているのか必ず確認するようにしましょう。
前店舗の業態や業種により、内装が変わってきたり、必要な設備と不要な設備が出てきます。
また、トイレの場所や扉、駐車場の有無など、客層を考えながら確認しましょう。
気になる開業資金と内装譲渡代について
開業資金が抑えられるといっても、やはり費用は気になります。
飲食店の開業には大きく分けて物件取得費と内装・外装などの店舗投資費がかかります。
それぞれ、どのような費用が含まれているのか確認しておきましょう。
また、居抜き物件ならではの「内装譲渡代」についても解説していきます。
物件取得費
・敷金
・礼金
・仲介手数料
・前家賃
・保証金
・内装譲渡代
※物件の規模や条件によって変わります。
居抜き物件とはいっても、一般的な不動産屋と同じように敷金や保証金も費用にかかります。
また、ここで特徴的なのは「内装譲渡代」です。
次の項目で説明がありますが、居抜き物件の場合は内装譲渡代がプラスされることがあります。無償の場合もあるので、事前に確認が必要です。
また、立地が人気であればあるほど内装譲渡代は比例していきます。費用の面で居抜き物件を検討している方は、上記の費用の合計が希望の金額内に収まるのか、一度考えてみてください。
店舗投資費用
・外装工事
・設備工事費(水道、電気、ガス)
・内装工事
・厨房機器
・家具・備品
・販促費
・求人費
・店舗クリーニング費用
※物件の規模や条件によって変わります。
設備・内装工事、厨房機器や家具など、前店舗が残していったものはそのまま利用できる場合があります。しかし、居抜き物件とはいえ、ある程度の費用を前もって準備しておくことは大切です。
前店舗のものを使用するということは、中古ということです。
また、開業したばかりの飲食店は、最初の数カ月は赤字のお店がほとんどです。
それでも費用を抑えたいという方は、壁の色や装飾などの内装を自ら行い、内装工事の節約に挑戦してみてください。
内装譲渡代(造作譲渡代)とは?
内装譲渡代とは、前の借主に対して内装や厨房機器、設備などを一式買い取る金額のことで、造作譲渡代とも言います。居抜き物件を利用する際に発生する費用です。
内装譲渡代は無料のものから1000万円以上かかるものもあります。相場は50~300万程度です。
しかし、内装譲渡は前店舗のオーナーによって、全て譲渡する方も、居抜き後も自分で利用したいもの、売りたくないものを譲渡から外す方もいます。
交渉次第で値下げや無料にすることもできるようですが、費用を抑えたい方は内装譲渡代無料という条件に絞って物件を探しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
居抜き物件には開業資金を大きく削減できるという特徴がありますが、必ずしもメリットばかりではありません。
しかし、事前に知識を付けておくことで、居抜き物件での開業の失敗を防ぐことができます。
自分の優先順位を明確にし、希望の居抜き物件を見つけ出しましょう。
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