飲食店にとって、最新のトレンドを知っておくことはとても重要です。ラーメン店ではもちろんのこと、トレンドをおさえてお店に取り入れることで、SNSなどで注目を集めて、話題のお店にできます。
ベトナムの夏場に人気で日本でも話題になっている、麺料理「フォー」を、ご存じの人がいるのではないでしょうか。
フォーは、米粉の平たい麺が使われている、やわらかい麺料理です。一般的に、パクチーや、牛肉や鶏肉を具にして食べます。
また、ヘルシーなとりむね肉がのっています。お好みでパクチーなどの、香草やライムをトッピングすることで、爽やかで夏にぴったりの一品です。
今回は、夏だからこそおいしい。ベトナムで大人気な麺料理「フォー」について紹介していきます。
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目次
「フォー」の歴史
フォーは、ベトナムの代表的な麺料理であり、北部ハノイが発祥地として知られています。
その歴史は、フランスの植民地時代にまでさかのぼります。
19世紀末から20世紀初頭、フランスがベトナムを支配していた時期に、フランス料理の影響を受けたことにより、ベトナム料理が誕生しました。
フォーは、その一例です。フランスの牛肉を使った料理「ポトフ」（「火にかけた鍋」といった意味を指す、フランスの家庭料理）が、フォーの名前の由来であり、感激を与えたとされています。
もともと、フォーはベトナム北部で普及し、牛肉を主体としたスープや、米麺が特徴です。
ハノイでは、透き通ったスープやシンプルな具材が重視され、基本的なフォーのスタイルを確立しました。
20世紀初頭には、フォーは屋台や街角の小さなお店で提供される、庶民的な食事として人気を集めたのです。
1954年のベトナム分割後、フォーは南部にも広がり、南部スタイルのフォーは、より多様な具材や、豊かな味わいが特徴となりました。
また、ベトナム戦争後、多くのベトナム難民が海外に移住し、フォーはアメリカやフランスなどの国々で広がり、世界的な人気を得たのです。
今では、フォーはベトナムの国民食として広く愛され、いろいろなバリエーションが存在しています。
牛肉に限らず、鶏肉を使った「フォー・ガー」や、スパイスやハーブを工夫したものなど、地域や文化によって多様な工夫がされています。
日本に「フォー」が伝わったのはいつ？
日本にフォーが伝わったのは、いつ頃なのでしょうか。フォーが日本に伝わったのは、比較的最近のことです。
1975年のベトナム戦争終結後、多くのベトナム難民が世界各地に移住しました。この時期に、ベトナム料理も同様に広がり始め、日本におけるフォーの認知も、この頃から徐々に進んでいきました。
1970年代後半から1980年代にかけて、日本にはベトナムからの難民が少数ながら定住し、難民であるベトナム人がフォーを日本に持ち込んだとされています。
しかし、この時点において、フォーはまだ日本国内で広く知られる存在ではなかったのです。
1990年代に入ると、日本の食文化に対する関心が多様化して、エスニック料理（東南アジアやアフリカ、中南米などの料理）への注目が高まりました。
この流れで、ベトナム料理も少しずつ注目を集めるようになり、東京都内や横浜市などの都市部で、ベトナム料理店が増え始めたのです。
そのメニューの一つとして、ベトナムで人気があったフォーが提供されるようになりました。
2000年代になると、ヘルシーで軽い食事としての評価が高まり、フォーは急速に人気を集めました。
特に、日本のラーメンやうどんと比較して、低カロリーでさっぱりとした味わいが女性を中心に支持を集めたのです。
また、2000年代半ばから後半にかけては、フォー専門店やベトナム料理チェーンが全国に展開し、さらに普及が進みました。
フォーは日本全国で親しまれ、スーパーでもインスタントフォーが販売されるなど、家庭で手軽に楽しめる食品としても定着しています。
今では、いろいろな種類が展開されており、日本の食文化にしっかりと根付いています。
「フォー」はおいしい？
ベトナムで大人気なフォーですが、その味はおいしいのでしょうか。ここでは、フォーのおいしさの理由をいくつか紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
・スープ
・麺
・トッピングや薬味
・低カロリー
それぞれ詳しくみていきましょう。
スープ
一つ目のおいしさの理由は、スープです。伝統的なフォーのスープは、骨付き肉（一般的に、牛肉や鶏肉）を数時間煮込んで作られ、シナモン・クローブ（つぼみが開花する直前に摘み取り、乾燥させたもの）・スターアニス（独特の強くて甘い香りをもち、外観は8つの突起をもつ星型をしたスパイス）などのスパイスが加わります。
この風味豊かなスープが、フォーの味わいの基盤となります。スープは透明でありながら、深いうまみを持ち、飲み干すまで楽しめると評判です。
麺
二つ目のおいしさの理由は、麺です。フォーには、米粉から作られる平たいライスヌードルが使われています。
ライスヌードルは、柔らかくて軽やかな食感が特徴で、スープとよく絡み、食べるたびに心地よい満足感を与えるでしょう。
トッピングや薬味
三つ目のおいしさの理由は、トッピングや薬味です。新鮮なハーブ（たとえば、バジル・コリアンダー・ミントなど）・ライム・もやし・青ネギ・唐辛子などが添えられ、食べる人が自分の好みに合わせて味を調整できます。
これによって、一つの料理で多様な味覚を楽しめ、飽きのこない食事となります。
低カロリー
四つ目のおいしさの理由は、低カロリーです。フォーは比較的低カロリーでありながら、消化にもよいとされています。
脂っこくなく、あっさりとした味わいは、健康志向の人に人気です。さらに、グルテンフリーであるため、特定の食事制限を持つ人にも適しています。
このように、フォーは豊かなスープの味わいや、心地よい麺の食感。そして、新鮮なトッピングの組み合わせにより、多くの人に「おいしい」と感じさせる麺料理です。
フォーは、ベトナムの国民食としてだけではなく、世界中で愛される理由がいくつもあります。
まとめ
今回は夏だからこそおいしい。ベトナムで大人気な麺料理「フォー」について紹介してきました。
「フォー」は、北部ハノイを発祥として盛んになったベトナムの麺料理です。
フォーがおいしいと言われる理由として、トッピングや薬味・低カロリーなどがあげられます。
今では、日本国内でお店やスーパーで気軽に手に入る商品なため、ベトナムに限らず、世界で人気のある麺料理として位置付けられています。
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