昆虫食とは、人間が昆虫を食べることを指す言葉です。昆虫は、世界中で食糧源として利用されており、栄養価が高く、食料生産に必要な資源の使用量が少なくてすむため、持続可能な食料生産に向けた注目度が高まっています。
ちょっと抵抗のある昆虫食ですが、よくよく知ると栄養価が高かったり、地球環境への負荷が少ないなど、注目される理由が見えてきます。今回は昆虫食についてご紹介します。
目次
まずは実際に食べてみました
未来コオロギラボの「コオロギ食べくらべキット」を通販サイトで購入。翌日には到着しました。
中身はヨーロッパイエコオロギ、ジャマイカンコオロギ、カマドコオロギの3種類に、味付けはピザ・ガーリック・カレーの3種類。
個包装されているので種類がわかっていいですね。産地はカンボジアやベトナムだったりします。
見た目は、コオロギそのものですね。人によってはこの時点で無理な人もいるようですが、先入観にとらわれずにこの食材を手にとって眺めてみました。お腹のあたりは昆虫感がありますね。あと乾いてるので軽いです。
実食です。味付けする前にコオロギの味だけで実食してみました。
食感は海老のからに近い感じです。パリパリしていて食感は楽しいです。スナックの代わりになりそう。
味パウダーをつけてみました。これは完全にパウダーの味に染まりますね。サクサクしてて美味しかったです。
私はガーリック味が良かったです。そのうちビールのおつまみに当たり前になるんじゃないかと。
日本の食文化に溶け込むかどうかは、白いごはんに乗せられるかどうかだと思うので、白ごはんに乗せて食べてみました。
見た目はちょっとインパクトありますが(遠目にハエのように見えると抵抗感がでるかたもいるかも)、味わいは触感のいいふりかけをかけたような美味しさです。なんにでもあう白ごはんはある意味最強ですね。
さて昆虫食ですが、どうしてこんなに注目されているのでしょう?まずは昆虫食の栄養価から見てみましょう。
昆虫食の栄養価
昆虫食は、高たんぱく質、ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸など、栄養価が高いことが知られています。
以下に、昆虫食がもつ主な栄養素について説明します。
たんぱく質:昆虫は筋肉や外骨格に多くのたんぱく質を含んでいます。たとえば、バッタやコオロギは約20〜30%のたんぱく質を含んでいます。このため、昆虫は肉や魚と同様に、高たんぱく質の食品として注目されています。
ビタミン:昆虫には、ビタミンB群やビタミンEなど、多くのビタミンが含まれています。たとえば、クモはビタミンB12を含むことが知られており、一部の昆虫はビタミンCを含むこともあります。
ミネラル:昆虫には、鉄、カルシウム、亜鉛など、多くのミネラルが含まれています。たとえば、コオロギには鉄分が豊富に含まれており、カルシウムはセミなどに多く含まれています。
オメガ3脂肪酸:一部の昆虫には、オメガ3脂肪酸が含まれています。たとえば、シロアリにはDHAとEPAと呼ばれるオメガ3脂肪酸が含まれていることが知られています。
以上のように、昆虫食は、高たんぱく質やビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸など、栄養価が高いことが特徴的です。
ちょっと食べることに抵抗があるのはその外見のせいかも。栄養に注目すると意外とバランスの取れた食材なのです。
昆虫食は持続可能な食料生産として注目されている
どうしてこんなに昆虫食が注目されているのでしょうか?それはずばりSDGs(持続可能な開発目標)です。
きっかけは2013年。国連食糧農業機関(FAO)は昆虫を貴重なタンパク質源として「昆虫食」を推奨する報告書を発表しました。
これは2050年には世界の人口が約100億人近くになることから、食料や水を確保する観点から注目を浴びているのです。
昆虫食は実は資源の使用量が少ないのが特徴です。たとえば、1キロの牛肉を生産するには、エサを10kg、飲み水を112リットルかかります。
一方で1キロのコオロギを育てるには餌の量は1.7kg、必要な水の量は23リットルと言われています。また牛は全体重の40%ほどしか食べられる部位が無いのに対して、コオロギは100%を食べることが出来ます。
そして温室効果ガスの排出量が少ない特徴もあります。畜産業は、温室効果ガスの排出量が非常に多いと言われていますが、昆虫の場合はその排出量が少なくて済みます。
たとえば、牛肉1kgの生産をするために、牛のげっぷにより2850gの温室効果ガスの排出がありますが、コオロギだと2gほどで済むそうです。また育成も簡単で繁殖力が高いのも昆虫の特徴です。
昆虫は、成長が早く、繁殖力が高いため、比較的容易に育成することができます。残留農薬の心配が少ないのも特徴で、まさに持続可能な食材なのです。
日本ではイナゴや蜂の子など、昆虫食がもともと根付いていました。日本での昆虫食というと、コオロギよりイナゴの佃煮のほうが身近かもしれません。
昆虫食先進国として将来昆虫食の一大生産地になることもあるかもしれません。
将来、昆虫食材をさっと揚げて提供する未来が訪れることもあると思います。そんな未来に、次の商品はいかがでしょうか?