日常生活で何気なく使っていた言葉や習慣が、その地域特有のものだったということはありますよね?“食”に的を絞って、日本各地の食に関する方言や関連する豆知識をまとめました。知ってると失敗しない情報や、ちょっと笑えてしまう豆知識ありで、各地に行った時や各地から来られた方との会話にも使える情報満載でお届けします。
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目次
食材の呼び名
『野菜』『魚』『肉』『その他』に分類し、地域によって異なる呼び名をご紹介します。
野菜
日本に渡来した後、各地に広まる間に名前が少しずつ変わったパターンと、野菜の特徴が基となって別名で呼ばれるようになったパターンとがあるようです。
じゃがいも
北海道では「イモ、ゴショーイモ、バレイショ」、東北・近畿では「ニドイモ(二度いも)」、福島では「カンプラ」、岡山・山口では「キンカイモ」、九州では「ケイモ」などと呼ばれることもあります。他にも「サンイモ(三度いも)」「ゴショウイモ(五升いも)」「ハッショウイモ(八升いも)」「イモマンジュウ」「ジャガタライモ」「お助けいも」などと呼ぶ地域もあります。
【豆知識1】長崎県では穴があいた靴下(から指が見えている様子)を「じゃがいも」と言います。
【豆知識2】宮崎県では「そうだそうだ」という時「じゃがじゃが」と言います
さつまいも
沖縄では芋全般を「ンム」と呼びますが、さつまいもを指すことが多いようです。
四国・中国では「リューキューイモ、トーイモ」、九州では「リューキューイモ、カライモ」と呼ばれることもあります。
落花生
和歌山では「ソコマメ」、茨城や愛知では「ジマメ」、長崎では「ドーハッセン、ローハッセン」、静岡・宮崎・鹿児島では「ラッカショ、ダッキショ」、沖縄では「ジーマーミ」と呼ばれています。
茄子
東日本では「ナス」、西日本では「ナスビ」と呼ぶ人が多いです。
とうもろこし
北海道・東北・中部・四国・山口・九州などの一部「トウキビ・キビ・トウキミ・キミ」、近畿・愛知・岡山・山口・徳島では「ナンバン・ナンバ」、宮城・福島・茨城・栃木では「トウミギ・トウムギ」、宮崎では「マゴジョ」、鹿児島では「イボキビ・タカキビ」、沖縄では「ヤマトト-ンチン・ グシントージン・ウランダフイン」と呼ばれています。
その他にも「モロコシ」「コウライ」「トウマメ」「トウナワ」「コウライキビ」「マンマン」などという呼び名もあります。
【豆知識】北海道で「ナンバン」は、唐辛子のことを指します。
かぼちゃ(南瓜)
関東では「唐茄子(とうなす)」、山形では「ロスン」、大阪・兵庫・和歌山などでは「ナンキン」、広島・高知の一部では「トウガン」、山口では「ボーボラ、ボーブラ、トーブラ、ナンキン」、宮崎では「ナンバン、チョウセン」などとも呼ばれています。
【豆知識】かぼちゃは、ポルトガル人がカンボジアから持ち込んだとされており、国名である「カンボジア」が訛って「カボチャ」と呼ばれるようになったと言われています。
キャベツ
東北では「タマナ」、沖縄では「ターマナー」と呼ばれており、中国・九州では「カイラン」と呼ばれることもあります。
きのこ
石川県・岐阜県飛騨・富山「コケ」、中国・九州地方「なば」と呼ばれることもあります。
ニンニク
青森では「ニニョグ・ニニョゴ・ニンニョゴ・ニンニョグ」、秋田では「ニニグ」、中国地方では「ニニク」、島根では「ネネク」、鹿児島では「ヒイ」、沖縄では「ヒル、フル」と呼ばれることもあります。
らっきょう
島根では「ランキョ」、鹿児島では「ラッキョ、ダッキョ、ダッキュ」、沖縄では「ラッチョウ 、 ダッチョー 、 ダッキョー」などとも呼ばれています。
よもぎ
京都・三重・愛媛・北海道などでは「ヨゴミ」、沖縄では「フーチーバー」と呼ばれています。
魚介類
知らなければギョッと驚いてしまう呼び名もあります。沖縄でのうなぎの呼び名は、知っていればしりとりで負け回避できますよ。
煮干し
西日本では「いりこ」と呼ばれることが多いです。
【豆知識1】一般的にはカタクチイワシを加工したものです。
【豆知識2】3cm未満程のものは「チリメン、ジャコ、しらす」、4cm程までのものは「カエリ」と呼ばれています。
魚卵
北海道では、「こっこ」と呼ばれています。
※北海道での「こっこ」は魚卵だけでなく動物の子どものことも指します。
とと・おとと(幼児語)
幼児語で「魚」のことですが、東北では「ジャジャ」、出雲や中国では「タイタイ」、四国・九州では「ビンビ、ビーコ、ジジ、ジイジ」などと呼ばれることもあります。
ブリ
80cmを超えるものは、全国で「ブリ」と呼ばれていますが、成長段階の時期は各地で呼び名が異なります。
●20cm程のものは、北陸では「ツバス、ツバイソ、コズクラ」、東北では「アオ、アオコ、コズクラ」、関東では「ワカシ、ワカナゴ、ワカナ」、関西・中国地方では「ワカナ、ツバス」、九州では「ワカナゴ」など。
●40cm程のものは、北陸・東北では「フクラギ」、関東では「イナダ」、関西・中国地方では「ハマチ」、九州では「ヤズ、ハマチ」など。
●60cm程のものは、北陸・東北では「ガンド」、関東では「ワラサ」、関西では「メジロ」、中国地方では「マルゴ」、九州では「ワラサ、メジロ、コブリ」など。
このように様々な名で呼ばれており、ご紹介した以外にも多数の呼び名があります。
ズワイガニ
ズワイガニは、地域によってブランド化されており、性別によっても呼び名が変わります。オスは、近畿・山陰での「松葉ガニ」が有名ですが、他にも、石川では「エチゼンガニ」、北海道・東北・北陸などでは「ホッカイマツバガニ」、秋田では「マイセツガニ」、石川では「カノウガニ」と呼ばれています。
卵を持ったメスは、石川では「コウバコガニ(小箱がに・香箱がに)」、福井では「セイコガニ」、京都では「コッペガニ」、山陰では「メスガニ、オヤガニ、小がに」などと呼ばれます。
エイ
北海道では「カスベ」、和歌山などでは「エブタ」、九州の一部では「エイガンチョ」、長崎では「マンドウ」などと呼ばれています。
トビウオ
九州や日本海側では「アゴ」、鹿児島では「トッピ―」、沖縄では「トゥブー」と呼ばれています。
【豆知識1】あごだしは脂肪分が少ないため雑味がでにくく、コクが強いのが特徴です。
【豆知識2】トビウオの卵が「とびっこ、とびこ」です。いくらやたらこなど他の魚卵と比べてカロリーが低いのが特徴です。
うなぎ
近畿では「まむし」、島根県大根島では「おなぎ」、沖縄では「ンチャンナジ」と呼ばれます。
ウニ
北海道の一部ではエソバフンウニを「ガンゼ、ガゼ、ボウズガゼ」、キタムラサキウニを「ノナ」・ムラサキウニを「クロガゼ」、アカウニを「オニガゼ」、三陸ではウニのことを「カゼ」とも呼びます。
肉の呼び名
東日本や沖縄でよく料理に使われるお肉は『豚肉』です。西日本では、肉じゃがやカレーに使うお肉と言えば『牛肉』が一般的です。
鶏肉
中部地方の一部・関西・九州では「かしわ、かしわ肉」と呼びます。
【豆知識1】「かしわ」は茶褐色の羽の色の鶏のことを指し、柏の葉に似ていることから呼び名が付きました。
【豆知識2】かしわの漢字は羽色から「黄鶏」という字が当てられました。
鶏卵
京都では「タマ」、栃木では「タンコ」、山形では「アメゴ」、沖縄では「カイ、カイグー、クーガー、クグワ、クンガ、トゥナカ、トゥルヌケー、トゥンヌッファ」などと呼ばれることもあります。
肋骨の内側にある部位フィレ肉
「ヒレ肉」と呼ぶ地域が多いですが、関西では「ヘレ肉」と呼ぶのが一般的です。
鶏の砂嚢(消化器官)
関東では「スナギモ」、関西や九州では「ズリ、スナズリ」と呼ばれることが多いです。
横隔膜
全国的には「ハラミ」ですが、北海道・東北では「サガリ」と呼ばれています。
※ハラミは肋骨・腕骨部の筋肉部、サガリは腰椎部の筋肉部です。
肩から背中にかけてのロース肉
関東では「肩ロース」、関西では「クラシタ」、沖縄では「ボウジシBロース」と呼ばれています。
【豆知識:獣肉の隠語】
獣肉の隠語には、植物の名前が使われていることが多いです。
鹿肉は紅葉(もみじ)、馬肉は桜肉(さくらにく)、猪肉は牡丹(ぼたん)や山鯨(やまくじら)、ウサギ肉は月夜(げつよ)という別名があります。
その他の食材の呼び名
醤油
鹿児島では「そい」、沖縄では「ソーユー」などと呼ばれています。近畿では「おしょゆう」や「しょい」と呼ばれることもあります。
小麦粉
関西や沖縄では「メリケン粉」と呼ばれています。
唐辛子(一味・七味)
北海道・東北・北陸では「なんばん」、九州などでは「こしょう・和ごしょう」などと呼ばれています。
餅
静岡では「アンモー」、東京では「オカチン」(女性語)、京都・大阪では「アモサン」、大分では「アボ」、沖縄では「ムーチー」などという方言があります。
ちくわ
徳島では「チッカ」と呼ばれています。
【豆知識】話を聞いても右から左に抜けてしまう意味の「ちくわ耳」という俗語があります。
かまぼこ
石川・富山では「ハベン」、愛媛「くずし」(練り物全般)と呼ばれています。
揚げかまぼこ
京都・四国・中国など「テンプラ」、愛知・高知など「ハンペイ・揚げはんぺん」、新潟では「あずま揚げ」、広島では「揚げ半(アゲハン)」、鹿児島では「ツケアゲ・ダゴ・ちき揚げ」、沖縄では「チキアギ・チキアゲ」、関東以北では「さつま揚げ」、「揚げかまぼこ」、「あげもの」と呼ばれています
ゆでたまご
関西では、「にぬき(煮抜き)」と呼ばれています。
料理に関する方言
知らないと、思っていたものと違うメニューが出てくるかもしれません。知っておくと安心、料理に関する方言をご紹介します。
主食
料理の中でも、お米、麺類、パンなど主食に関する方言や地域特有のメニュー名をご紹介します。うどんのメニューは、関東と関西での違いには混乱必至です。
うどん
香川では「ぴっぴ」と呼ばれており、大分国東市の方言では「おどろ」と言います。
きつね
関東では、油揚げがのった『うどんやそば』のことです。
関西では、油揚げがのった『うどん』のみを指します。
たぬき
東日本では、『揚げ玉』をのせた『うどんやそば』のことです。
大阪では、『油揚げ』をのせた『そば』をいいます。
京都や金沢では、『油揚げとあんかけ』がかかった『うどんやそば』です。
ハイカラ
関西では、揚げ玉が入ったうどんやそばのこと。関東でいう、『たぬきうどんやたぬきそば』です。
具なしうどん
うどんとだし汁のみのうどんのことは、関東では「かけうどん」、関西では「素うどん(すうどん)」と呼ばれることが多いです。
赤飯
福島では「おふかし」、鹿児島「あかめし」と呼ばれています。「おこわ=赤飯」として呼ぶ地域も少なくありません。
【豆知識】赤飯は全国的には小豆で作りますが、北海道・山梨・青森などでは“甘納豆”を使った甘い赤飯が主流だそうです。※青森では、甘納豆を使う場合と小豆と砂糖を使って甘くする場合とがあるようです。
【豆知識2】福島県では、仏事には白ササゲを使ったり、小豆の煮汁を使わず白く仕上げたりした「白ぶかし」(白い赤飯)を食べる習わしがあるそうです。
おこわ
宮城・山形・福島では「おふかし・ふかし」、岐阜県飛騨では「こわい」、沖縄では「カシチー」とも呼ばれています。
炊き込みご飯・混ぜご飯
福島・三重・東海などでは「味ご飯」、愛知では「かきまわし」、近畿では「かやくめし・かやくご飯」、奈良では「色ご飯」、岐阜では「しょうのけごはん、しょうけめし」、沖縄では「ジューシー」と呼ばれています。
寿司
北海道では「生寿司(なまずし)」と呼ばれており、京都では丁寧語で「おすもじ」と呼ばれることもあります。
うなぎの蒲焼
関西では「まむし」と呼ばれます。大阪で「まむし」(うなぎの蒲焼)というと、うなぎをごはんの間に挟んだものです。
お粥
関西では「おかいさん」、沖縄では「ウケーメー」と呼ばれます。
食パン
北海道では、「角食(かくしょく)」と呼びます。
肉まん
一般的には「肉まん」と呼ぶことが多いですが、関西では「豚まん」と呼ぶ人が多いです。
【豆知識】関西では『からし』、九州では『酢醤油』『酢醤油+からし』『醬油+からし』を付けて食べられることが多いです。一部では、ソースを付けるという地域もあります。
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汁もの・その他
味噌汁
北海道・東北・近畿などでは「おつゆ」、京都では「おみいのおしい」とも呼ばれています。丁寧語では「おみおつけ」といい、関東で使われることが多いです。
唐揚げ
北海道では鶏のから揚げのことを「ザンギ」と呼びます。
お煮しめ
鶏肉、根菜、椎茸、こんにゃくなどの具材を甘辛く煮込んで作る煮物です。全国的には「筑前煮」と呼ばれることも多く、九州では「がめ煮」、北海道では「うま煮」と呼ばれており、他にも「炒り鶏」「炊き合わせ」などとも呼ばれます。地域によって入れる具材や調理工程が違います。
漬物・たくあん
北海道・北陸・東北では「おここ」、青森では「がっこ」、宮城・岩手では「おごご」、新潟では「こうこ」、関東では「おしんこ」、関西では「こうこ(香々)・おこうこ」、四国などでは「こんこ・おこんこ」、山口では「こうこう・こーこー」などとも呼ばれています。
【豆知識1】韓国語でたくあんは「タンムジ」と言います。
【豆知識2】新潟で「おここ」とは、「おやまあ」というように驚いた時に使う言葉です。
お茶
北海道・東北では「お茶っこ」、京都・大阪では「おぶう・ぶぶ」、新潟では「ぶぶ」、名古屋では「おぶう」、沖縄では「チャー」と呼ばれています。
甘味
おやつ
東北・信越では「こびる、こびり、こびっこ」、仙台では「おやつこ」、長野では「おこびれ」、群馬では「こじょはん」、福島では「こじはん」、京都では「ええもん」、奈良では「ほーせき」と呼ばれることがあります。
菓子
京都では「おかしん」、和歌山・三重では「おかしん、かしん、おちん」、沖縄では「クヮーシ」と呼ばれます。
今川焼
全国各地では「今川焼き」「大判焼き」と呼ばれるお菓子ですが、北海道・青森・茨城では「おやき」、千葉・福島・新潟では「きんつば」、大阪・九州では「回転焼き」、広島では「二重焼き」「回転饅頭」などと呼ばれています。その他にも「御座候」「円盤焼き」「どてきん」「太鼓焼き」「焼き饅頭」「あずま焼き」「黄金饅頭」「天輪焼き」「太郎焼」「ホームラン焼き」など地域によって様々な呼び名があります。
煎餅・かき餅
石川県では「かきやま」、山口では「こーりもち」とも呼ばれます。
ぼたもち・おはぎ
東北・北陸・長野・徳島などでは「半殺し」(ぼたもちも同じ)、徳島阿波では「おぼた」、栃木県では「おぶた」とも呼ばれています。
【豆知識1】現在、ぼたもちもおはぎも同じものを指しますが、元々は、春のお彼岸に牡丹の花に見立てこしあんで作ったのがぼたもち(牡丹餅)、秋のお彼岸に萩の花に見立てて粒あんで作ったのがおはぎ(御萩餅)と言われています。また、夏は「夜船(よぶね)」、冬は「北窓」とも呼ばれていました。
【豆知識2】半殺しと呼ぶ地域では、粒を残さないものを「皆殺し」と言うそうです。
柏餅
栃木では「カシャモチ」、静岡では「おかしわ」、和歌山では「イビツ、エビツ、カシャモチ」、広島では「タカラモチ」、熊本では「柏まんじゅう」とも呼ばれています。他にも「しばもち」、「いばらもち」などの呼び名もあります。
【豆知識1】柏の葉で包むのが柏餅ですが、西日本ではサルトリイバラの葉が使われることが多いようです。
【豆知識2】「柏餅」は、布団を二つ折りにしてくるまって寝ることの意味もあります。
干し芋
静岡・茨城では「切り干し、ほし」、山梨・宮城では「きっぽし、切り干し」、三重では「きんこいも、きんこ、にっき(煮切干)」、京都・滋賀では「いもするめ」、香川では「ゆで切り、さつまいもの白切り」、徳島では「いでぼし」、熊本では「蒸しこっぱ」、長崎では「ゆでかんころ、白切り」とも呼ばれています。
【豆知識】干し芋の発祥地は静岡県ですが、現在では生産量の9割は茨城県が占めています。
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まとめ
現在では、地域差が少なくなり、使われなくなってきた言葉も多いでしょう。
しかし、思い返してみると子どもの頃に友だちと使っていた言葉や、父母や祖父母がしていた懐かしい習慣や言葉はどなたにもあるのではないでしょうか。
私自身、故郷や祖父母とのやり取りを思い出しながら執筆いたしました。
皆様が、生まれ育った地域のことを思い出すきっかけや、他の方との会話のきっかけとしてお役に立つことができたら幸いです。