昨今、よく耳にするようになったSDGsという言葉。国や大手企業が声を上げているものの、身近に感じることは少ないかもしれません。実は、家から出来るSDGsもあるのです。その一つが「食品ロス」の削減です。家でできる食品ロスを学んで地球環境のため、より良い社会のために出来る事を少しづつ実践していきましょう!
目次
食品ロス、日本の現状
先ずは日本国内の食品ロスの状況を見ていきましょう。
どのくらい無駄になっているの?
今、日本国内で食品ロスはどのような状況になっているのでしょうか?
先ずはどれくらいの量が無駄になっているのか数字で見ていきましょう。
おにぎり一個分
日本の現状は、政府広報オンラインでは下記のように記載されています。
”日本では、食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量が年間522万トンと推計されており、日本の人口1人当たり毎日おにぎり1個(113g)を捨てている計算になります。日本では、家計における食費は消費支出の中で4分の1を占めています。”
出典:政府広報オンライン「今日からできる!家庭でできる食品ロス削減」を引用
環境省はこのようにも書いています。
”日本では毎年約600万トンの食べ物が、食べられるにもかかわらず捨てられていると推計されています。これは、世界食糧基金による世界全体の食料援助量の約2倍に相当します。
家庭から発生する食品ロスの量は、このおよそ半分の約280万トンで4人家族の1世帯は毎年約6万円相当の食品を捨てている、と見積もられています。”
出典:環境省「食品ロスを減らすために私たちにできること」から引用
つまり食品の援助を必要としている人がいる一方で、日本ではその援助に使われる食料の2倍にも及ぶ量が捨てられていて、1世帯(4人家族)で毎年6万円分もの食品を捨ててしまっている計算になるということです。数字で見てみると大変な無駄をしていることがわかりますね。
どのような問題があるの?抑えたい3つのポイント
消費者庁では食品ロスに対する問題をこのように記載しています。
”食品ロスのための「3ないルール」
家庭からの食品ロスの要因は、料理を作りすぎたりして残る「食べ残し」、野菜の皮や茎など食べられるところまで切って捨ててしまう「過剰除去」、未開封のまま食べずに捨ててしまう「直接廃棄」です。
少し意識したり、工夫したりするだけ、食品ロスを減らすことができます。”
出典:消費者庁「家庭での食品ロスを減らそう」から引用
この3つの食品ロスがどのようなものなのかを見てみましょう。
「食べ残し」
足りなくならないようにと作りすぎてしまったり、人数と料理の量が合わなかったり買いすぎで残ってしまう事を言います。
「過剰除去」
野菜などを切って調理する際にまだ使える部分を廃棄してしまうことで、皮や葉っぱなど、調理して食べられる部分があるのに捨ててしまう事があります。
「直接廃棄」
冷蔵庫にある食材を間違って重複して買ってしまったり、防災用などで備蓄した食品をそのままにして賞味期限などを切らして食べられなくなってしまったりで廃棄しなければならなくなってしまったものを言います。
私たちに出来る事って?
では次に、私たちにも出来る食品ロス対策について見ていきましょう。
気を付けたい3つの事
前出した「3ないルール」を詳しく見ていきましょう。
「食べ残し」に対する気を付けたい事
買いすぎ、作りすぎを防ぎ、食品を余らせないように食べましょう。少人数なのに大量に作ってしまうと食べ残しが増えてしまいます。体調によっても食べられる量も変わってくるのでその時々に合わせて調理しましょう。
「過剰除去」に対する気を付けたい事
野菜の皮や葉っぱなどは調理中に捨てられてしまう事が多いですが、よく調べると食べられるところも多くあります。レシピサイトなどを利用して無駄なく美味しく食材を使い切りましょう。
「直接廃棄」に対する気を付けたい事
賞味期限、消費期限を正しく理解して「食べられない物」「まだ大丈夫なもの」をしっかり把握し、もう駄目になったからと食べられるものまで捨ててしまうようなことのないようにしましょう。防災用に備蓄したものは定期的に確認をして賞味期限の切れる前に食べきってしまいましょう。
消費期限と賞味期限の違い
意外と知らない賞味期限と消費期限の違い。これらをきちんと理解していれば無駄に食品を捨ててしまう必要がなくなるのでこの機会にしっかり覚えてしまいましょう。
消費期限=「安全に食べられる期間」、賞味期限=「美味しく食べられる期間」
消費期限、賞味期限の違いについて農林水産省ではこのように定義しています。
”消費期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。
賞味期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べ、いたみにくい食品に表示されています(作ってから3ヶ月以上もつものは「年月」で表示することもあります)。”
出典:農林水産省ホームページ「消費期限と賞味期限」より引用
つまり簡単にまとめると、消費期限と表記されているものはその期間内に食べないと傷んでしまうもので、賞味期限はその期間内であれば美味しく食べられるものの、期限が過ぎてもまだ食べる事のできるものに記載されます。後者は状態を確認することでまだ食べることが出来るので期限が切れたからと言って捨てないで食べることで無駄を減らすことが出来ます。
この違いをしっかり覚えて食品ロスの削減を進めましょう。
様々なサービスを利用しましょう
家庭で手軽に出来る対策の他に、様々なサービスを利用して出来る食品ロス対策もあります。ここではそんなサービスを見ていきましょう
キーワードは「もったいない」 利用してみたいサービス
家で食べきれなくなってしまった食材などを無駄にしないためのサービスをご紹介しましょう。
フードシェアリング
昨今、「賞味期限が近いもの」だけを扱うというお店も少なくはありません。前出の通り、賞味期限なので切れても食べることが出来ます。通常よりも少し安く商品が売られているのでお得に手に入れられるのも魅力の一つです。普段であれば廃棄されてしまう商品が誰かの手に届ききちんと消費されるというサイクルは無駄な廃棄を減らす良いサイクルであることは間違いありません。
フードバンク・フードドライブ
未使用、未開封の賞味期限前の食品を寄付する制度で、食料を必要としている生活困窮者や、貧困家庭の子供達などに無償で食料を提供しています。ここで忘れていけないのは決して効率の良いごみ処理でないことを理解することです。完全に賞味期限の切れたものや、いらないものを処分するような感覚で利用するのは本当に困っている人の助けにならないばかりか処分しなくてはならずかえって手間をかけてしまうので絶対にやめましょう。
外出先でも、食品ロスを意識しよう
家の中だけではなく、外食やコンビニなどのお買い物の時にも注意できることはありますので見ていきましょう。
てまえどり
コンビニやスーパーで食品を買うときは賞味期限の早い順に陳列されているので、お昼ご飯におにぎりを買う、という時などすぐに食べる場合にはなるべく手前の商品から購入するようにしましょう。
宴会など食べ残しに注意
外食をする際は、食べきれるだけの注文にしたり、食べきれなかった時には持ち帰りにしてもらえるようお願いするなど気を付けましょう。
特に宴会の時はお酒を飲んだりお話をしたりで食事に手を付ける時間が少なくなってしまうので、食事を楽しむ時間を作るなどして食べ残さないよう工夫しましょう。
飲食店の皆さんもお持ち帰りに対応出来るようにパックなどの用意をしているといいかもしれませんね。
まとめ
さて、ここまで食品ロスの問題について現状や対策をみてきました。
食糧難で困る人がいる一方で大量の食品が廃棄され、廃棄自体にも莫大な費用がかかっているなど、社会に及ぼす影響ははかり知れません。一人一人が「もったいない」の精神をもって少しづつでも食品のロスを減らせるといいですね。少しの工夫で簡単にできることばかりなので、頭の隅に置いておいてなるべく意識して過ごしていきましょう。
なお、テンポスでは、外箱や缶のへこみや、賞味期限間近、過剰在庫・入替品などで販売価格を限界まで抑えた商材も取り扱っております。
飲食店様のイベントや集客アイテムとしてぜひご利用くださいませ。