最近よく耳にする「ハラルフード」とはどんなものかご存じですか?
こちらの記事では今なぜ流行っているのか、どのようにメニューに取り込めば効果的なのかについてご紹介いたします。
目次
ハラルフードとは
ハラルフードとは簡単に説明するとイスラム教徒が口にしても良いとされている食事のことです。イスラム教には細かい決まりがありその中でも全面的に「豚肉」と「アルコール」が禁止されています。
イスラム教では「豚」が不浄の者とされており、体内に取り込むことは絶対に許されないことだと言われています。
そのため豚肉だけでなく、豚のエキスが含まれているスープや、豚を調理した道具を使って調理された料理、豚を運んだトラックや豚と同じ冷蔵庫で保存されている食材などもNGの対象となります。
またそれ以外の肉は食べても良いとされていますが、イスラムの教えに沿った方法で加工したものでないと口にしてはいけません。
ハラルフードの特徴
ハラルフードは基本的には「不浄なもの」、つまり汚れているものを基準に禁止されています。
そのためイスラム教の教えに沿った方法で加工した肉や魚、野菜、玉子などがハラルフードの主な内容になります。
今話題になっている理由
近年日本でも「オーガニック食品」や「スーパーフード」、「健康食」などのワードをよく耳にすることが増えました。新型コロナウイルスによる自粛で更に注目が高まっています。
ハラルフードも水産物や野菜が多く使われ、肉も清潔に加工されているため一部でじわじわと話題になっているようです。
インバウンド向け
延期になってしまいましたが東京オリンピックによるインバウンド増加が予想されます。
もちろん外国のお客様を増やすというのは目的の一つにあります。しかし外国のお客さんから見たら日本という異国の地で食事をするのも一苦労です。イスラム教徒の方は食事に制限があるためなおさらです。
ハラルフードを取り扱うということは日本のおもてなしの一つとも言えます。
また現在世界中でイスラム教徒は18億人、日本だけでも11万人のイスラム教徒がいるいると言われています。
この数も年々増加傾向にあります。
そのため今後ハラルフードの市場も益々拡大していくことが予想されます。
今のうちから正しい知識を身につけて対策をしましょう。
日本の飲食店で取り入れるには
日本ではよく使われている調味料にアルコールや豚肉のエキスが含まれていることが多いです。ハラルフードを提供する際はそういった調味料を使わないことに注意しましょう。
また調理器具も通常の料理とは分けて使用する必要があります。
そしてきちんと豚肉やアルコールが含まれていないことを証明することも大切です。
英語で書いた説明文や英語ができるスタッフを用意してしっかりとお客さんを安心させられる準備をしましょう。
食べやすいハラルフード
ハラルフードでは魚、野菜、牛乳、卵、豚肉以外のきちんと加工された肉は食べることができるためそこまで制限が多いわけではありません。
しかし日本でよく使われる醤油やみりん、料理酒は使うことが出来ません。
また中華だしには豚肉のエキスが使われていることが多いため注意しなければいけません。
みりんの代わりに砂糖やはちみつで甘みを出したり、魚や昆布、鶏肉を使っただしを使うようにしましょう。
日本人好みの味に改良する
味付けには制限がないので豚肉とアルコールに気を付ければ問題ないでしょう。
ただ使えない調味料が多くあるためいつもの味に近づけるには工夫が必要です。
日本で取り入れられている事例
日本ではハラルフードを取り扱っている飲食店が掲載されているグルメサイトがあり、2021年3月現在で798店舗が登録されています。
中には寿司や焼肉、和食、ラーメン、天ぷらと幅広いジャンルの飲食店が掲載されています。
町中の飲食店だけではなく留学生向けに学校の食堂でハラルフードを提供していたり、社食で扱っている会社もあります。
ハラル認証がなければいけない?
ハラルフードの見分け方の一つとして「ハラル認証」というものがあります。
ハラル認証は取得が必須というわけではありませんが、ハラルフードかどうかを見分ける基準としている人は少なくありません。
ハラル認証とは
ハラル認証とは1970年ごろマレーシアで始まった制度だと言われています。
食品などの流通が盛んになり、消費者がハラルフードかどうかの判断がしづらくなってしまったためとのことです。
現在ハラル認証機関は世界では200機関以上、日本でも確認が取れているだけで15以上あります。
そしてまだ世界的な統一基準がないというのが現状です。
宗教の派閥や国の考え方によって見解の違いがあるためです。
ハラル認証のメリット
ではそんな曖昧な基準で、必須ではない認証は取得する必要があるのか?と思われる方もいらっしゃるかと思います。取得することによって得られるメリットももちろんあります。
ハラル認証を取得することによってイスラム教徒へ「安心してハラルフードが食べられます」というアピールになります。
Googleマイビジネスにもハラルフードの項目があり、イスラム教徒が食事をする場所を選ぶ基準になります。
まとめ
世界全体だけではなく日本国内にもイスラム教徒が増加傾向にあります。また健康食として注目されているため今後ハラルフードを取り扱う飲食店も増えてくるでしょう。ハラルフードだけではなくその背景にあるイスラム教の基本的な知識を身につけてどんな人でも安心して食事ができる場にすることが大切です。
オリンピックの開催も控えているため今のうちから準備をしておきましょう。