目に見えにくいから怖い!ダクト火災 飲食店経営者が知るべき対策

飲食ニュース

「ダクト火災」という言葉をご存知でしょうか?
厨房などの排気ダクト内部で発生した火災のことです。

執筆者である私自身、一度飲食店で食事中にダクト火災に遭遇したことがあります。その時、20席ほどのオープンキッチンのイタリアンレストランにいました。

3品目の料理を待っていると、店内が煙たくなり始めました。スタッフの方も原因がわからない様子でした。煙が客席に充満し始め、スタッフの指示で店舗外へ避難しました。

その後、スタッフの通報で消防車が次々と到着し、辺りは騒然としました。後日、これがダクト火災であったことが判明しました。発生源は、ピザを焼く石窯だったのです。

非常においしい人気店だったため、多くのお客様が再開を望んでいました。オーナーはずいぶん長い間悩んだ末に結局、閉店という決断を下しました。起こってしまうと飲食店の運命を変えてしまう火災。特にダクト火災は、通常の火災とは異なる特有の危険性を持ちます。

以下に、普通の火災との違いとダクト火災において注意すべき点を説明します。

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飲食店におけるダクト火災の特徴及び通常の火災との違い

飲食店、特に揚げ物を提供する店舗では、ダクト火災のリスクが非常に高くなります。これは、調理中に発生する油煙がダクト内に溜まり、高温になった際に引火するためです。
ダクト火災は、一般的な火災とは異なる特徴があり、以下の点に注意が必要です。

火の発生場所

普通の火災は部屋や厨房内で発生することが多いのに対し、ダクト火災はダクト内部で発生します。そのため、初期の発見が遅れがちで、対応が難しくなります。また、煙や火が外部から見えにくいため、火災報知器の作動や定期的な点検が非常に重要です。

原因

普通の火災では、乾燥したものや可燃物が火元になることが多いのに対し、ダクト火災の主な原因は油煙やグリースの蓄積です。

油汚れやホコリがこびりついたダクト内に、高温の油や火の粉が入り込み、燃え広がることがあります。そのため、ダクト内の清掃が行き届いていないと、火災リスクが高まります。

進行の速さ

ダクト内で発生した火災は、通気経路を通じて素早く広がります。特に、厨房の換気システムやフードダクトは高温の油煙が溜まりやすく、密閉された空間であるため、火が一度つくと迅速に他の部分に広がります。

発見が遅れやすい

火がダクト内で発生すると、外部からは見えにくいため、発見が遅れる可能性があります。

煙と有毒ガスの発生

ダクト火災が進行すると、煙や有毒ガスがダクト内を通じて建物内に拡散することがあります。普通の火災でも煙は問題ですが、ダクト火災では煙の拡散速度が特に早いため、濃度が急激に高まり、避難が難しくなる場合があります。

また、大量の煙が発生すると呼吸困難を引き起こすこともあります。

消火が難しい

ダクト火災は、ダクト内で火が燃えているため、消火器を使っても外部からの消火が難しい場合があります。ダクト内部に熱や煙がこもっているため、消火活動を行うには特殊な消火システム(例えば自動火災報知器や自動消火設備)が必要です。

二次災害のリスク

ダクト火災が広がると、隣接する部屋や厨房内の機器、壁、天井などに引火する可能性があります。それによって、店舗の壁や天井を通じて延焼し、ビルの他の階や全体を焼いてしまうビル火災へと発展する可能性もあり得ます。

さらに、ダクトが建物全体に延びている場合、煙や有毒ガスが他の部屋に広がる恐れもあります。
これらにより、火災の規模が拡大することがあります。

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ダクト火災が発生した場合の対処法

ダクト火災が発生した場合は、慌てず冷静に対応することが重要です。以下の行動を取ってください。

初期消火

消火器などを使って初期消火を試みます。ただし、ダクト内は消火しにくいため、専門家に任せる判断は早急におこない、安全な場所に避難することが重要です。

通報

119番に連絡し、消防に状況を伝えます。
ダクト火災は、天井や床を解体してダクトを切断し、火元を確認して消火されます。

避難

煙を吸い込まないように注意し、お客様と一緒に安全な場所に避難します。
店舗の状況に応じて、専門家に相談し、適切な対策を講じてください。

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ダクト火災が起きやすい理由

以下のような環境がダクト火災のリスクを高めます。

油煙の発生

揚げ物調理などでは大量の油煙が発生し、その油煙がダクト内に付着します。この油汚れは可燃性であり、火災の原因になります。

高温環境

厨房は高温多湿な環境で、油汚れが酸化しやすいため発火しやすくなります。また、ダクト内の温度も上昇しやすいため、高温が続くと油汚れが自然発火するリスクが高まります。

油煙やグリースの蓄積

ダクト内に油煙やグリースが蓄積すると、これが引火源となります。

特に飲食店では、調理中に発生した油煙がダクト内に溜まり、火災リスクが高まります。定期的な清掃やメンテナンスが不可欠です。

ダクト火災が発生しやすい業態

以下の業態ではダクト火災のリスクが特に高いとされています。

焼肉店、焼鳥店、炭火焼き料理店

焼肉や焼鳥店、炭火焼き料理店では、大量の煙や熱が発生します。この煙がダクト内にこもり、タール状の物質が壁に付着することが多く、火の粉が侵入して火災を引き起こすことがあります。

特に長時間営業している店舗では、煙や熱が溜まりやすく、注意が必要です。

中華料理店

中華料理店では揚げ物や炒め物が多く、高温で調理するため、油煙が大量に発生しやすいです。

この油煙がダクト内に付着しやすく、火災のリスクを高めます。

ファーストフード店

揚げ物やグリルでの調理が多く、油煙が大量に発生します。また、ファーストフード店は24時間営業や長時間営業をしていることが多く、ダクトの清掃が行き届かない場合、油が蓄積しやすくなります。

その他揚げ物を多く扱う飲食店

揚げ物を多く調理する店舗では、高温の油を使うため、油煙や熱気が発生し、ダクト内に油分が蓄積しやすく、火災のリスクが高まります。

ダクト火災を防ぐために

ダクト火災を防ぐためには、以下の対策が重要です。

定期的な清掃

ダクト内の油汚れをこまめに清掃し、可燃物を溜めないようにします。

フィルターの交換

グリスフィルターを定期的に交換します。

防火シャッターの設置

火災発生時に火勢の拡大を防ぐため、防火シャッターを設置します。

温度センサーの設置

温度センサーを設置して、ダクト内の温度上昇を感知し、火災を早期に検知します。

消火設備の整備

ダクト内火災に備えて、厨房専用の消火システム(例:自動消火装置)を設置します。消火器やスプリンクラーも有効です。

従業員教育

従業員に火災予防の意識を徹底させ、定期的な訓練を実施します。

まとめ

ダクト火災は、通常の火災とは異なり、発見が遅れやすく、急速に燃え広がるため、非常に危険です。そのため、飲食店にとって大きな被害をもたらす可能性があります。

定期的な清掃や点検を行い、防火対策を徹底することで、火災を未然に防ぐことが重要です。

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