コロナウイルスの感染拡大が続いて1年以上経過しました。私たちのライフスタイルは大きく変わり、消費者の需要も変化しました。緊急事態宣言が続く中で需要が高まっているのが、巣ごもり需要です。
ウィズコロナの時代において、この巣ごもり需要のトレンドにうまく対応した企業が業績を伸ばしています。そんな巣ごもり需要の増加に対して、今飲食店が取り組むべきこととはいったい何なのでしょう?
この記事では、巣ごもり需要に対して飲食店が今取り組むべきことをご紹介します。
目次
巣ごもり需要とは?
この1年でテレビやインターネットなどで、「巣ごもり需要」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
コロナ禍によって、多くの人が外出を控え、その分家の中で過ごす時間が長くなりました。その結果、いかにおうち時間を充実させるかということに重点を置いた消費動向に変化していきました。このことを巣ごもり需要と言います。
例えば、家で働きやすい環境を整えたい、家の中でエンタメを楽しみたい、家の中で運動をしたい、外食に行けないぶん美味しいものを家で食べたいなど、さまざまな分野で新たなニーズを顕在化させました
巣ごもり需要が消費行動に与えた影響とは?
巣ごもり需要によって、消費動向のトレンドも変化しました。娯楽用品では、家の中で楽しめるゲームソフトなどの消費支出は増加しましたが、登山用具などの本格的なスポーツを楽しむためのグッズび支出額は減少しました。
また、医薬品の分野では、自炊を行う人の増加によって、指の手荒れケアの外傷・皮膚病役の支出が増加した一方で、手洗いうがいの徹底によって感染症対策が強化されたことにより、風邪薬などの感冒薬のニーズは減少しました。では、食の分野ではどのような影響があったのでしょうか?
宅飲みの増加
飲食店の時短営業によって、これまでのように飲み会を開いたり、外でお酒を楽しむということが難しくなりました。そのため、家でお酒を楽しむ人が増加したようです。
2020年の家計調査を見ると、ウイスキー、カクテル、チューハイ、ワイン、ビール、焼酎など各種酒類の年間支出額は高い伸びとなっています。
中食の消費量増加
弁当や総菜のような中食の消費量も増加しています。中でも冷凍食品やハンバーグが人気を集めました。従来からテイクアウトの定番としても人気だったハンバーガーも支出額を増加させています。
消費量が減少したものは?
逆に、支出額の減少率が大きかった品目には、まんじゅう、カステラ、ゼリーなどが挙げられました。どれも贈答品として購入されることが多い商品です。コロナ禍により、人に直接会う機会が減ったことによって、消費量も減少したようです。
デリバリー人気の増加
コロナ禍を通して急激に発達したのが、デリバリーサービスです。出前の支出額は、前年比で倍増しています。また、インターネット経由での、食品や飲料の支出額も増加しています。
参考:商業動態統計 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html
家計調査 https://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html
巣ごもり需要のトレンドを活かして、今飲食店がすべきこととは?
私たちのライフスタイルが大きく変わった今、飲食店の営業形態も変化させる必要があります。では、巣ごもり需要のニーズに対応するためには、どのような取り組みを行っていけばよいのでしょうか?ここでは、飲食店の経営者ができる巣ごもり消費の活用方法を3つご紹介します。
デリバリー・テイクアウトサービス
まず一つ目に上げられるのは、デリバリー・テイクアウトサービスの実施です。
もともと、デリバリーやテイクアウトを利用する方は多くいましたが、巣ごもり需要が増加した昨今では、さらに利用者数が増加しました。
コロナ感染に対する不安や、飲食店の酒類提供禁止、時短営業などの理由から、気軽に飲食店で食事を楽しむことが難しくなっています。しかし、自宅でも飲食店の料理を楽しみたい、家にいてもなかなか料理をする余裕がないという方は多くいます。そういった方にとって、デリバリーサービスやテイクアウトサービスは非常に便利なサービスです。
Uber Eatsや出前館などデリバリー業界の市場が拡大したこともあり、さまざまな業態の飲食店がデリバリーサービスを取り入れています。以前よりもデリバリーで頼める料理の種類が増えたことも、デリバリーサービスが人気を集めている理由の一つです。
こういった巣ごもり消費のニーズ増加から、近年は、デリバリーやテイクアウトに特化した、キッチンカーやクラウドキッチンなどの飲食店の経営スタイルも増加しています。
巣ごもり需要に対応できる他、人件費や家賃などの経費を削減できるというメリットもあり、注目を集めています。
ECサイトの運営
次に上げられるのが、ECサイトの運営です。
ECサイトとは、自社の商品をインターネットを通じて販売するためのウェブサイトのことを言います。
大手通販サイトだと、Amazonや楽天などがこれに該当します。
近年は、無料で出店できるBASEやSTORESなどのプラットフォームの登場により、個人でもECサイトを手軽に立ち上げられるようになりました。そのため、自社ECサイトを運営する飲食店も増加しています。
スイーツなどの冷凍販売や、ハムや燻製などのような加工食品の販売など、テイクアウト・デリバリーと比較して保存が効くものを販売している飲食店が多いようです。
コロナ禍を通して、インターネットでの買い物が私たちにとってより身近なものになったからこそ、今後もさらに需要が伸びることが予想されます。
実店舗の経営とECサイトの運営、どちらも上手く組み合わせて飲食店の経営を行っていくことが、巣ごもり需要に対応する重要なポイントとなります。
ECサイトを始める
https://tenposfoodplace.jp/service/self-order.html
クラウドファンディングの実施
最後に上げられるのが、クラウドファンディングです。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、自分の夢や成し遂げたいことを発信することで、その想いに共感した人が、少額の資金提供を行い活動を支援する仕組みのことです。
支援のお返しとして、物やサービスを提供する購入型のクラウドファンディングが一般的です。
飲食店がクラウドファンディングに取り組むべき理由として、資金調達が可能なことはもちろん、顧客とのつながりの強化やブランディング効果などのメリットがあることが挙げられます。
以前のように、気軽に飲食店を利用しにくくなってきた今、いかにお店のファンを増やすかということが、飲食店経営の明暗を分けると言っても過言ではありません。
また、人気の支援プロジェクトは、クラウドファンディングプラットフォームサイトで目立つ箇所に掲載されるため、お店のPRにつながります。クラウドファンディングで目標金額の資金調達に成功したということは、お店の価値を高めるブランディング効果も期待できます。
こういった背景から、現在、飲食店の支援プロジェクトは増加しています。リターンとして、食事券やオリジナルグッズを用意したり、完全会員予約制のレストランは、お店の会員に慣れる権利を用意したりしているようです。
まとめ
いかがでしたか?まだまだ巣ごもり需要は続くことが予想されます。
巣ごもり消費のトレンドを上手く活用して、飲食店の経営方法も時代に合わせて変化させていきましょう。
テンポスでは、巣ごもり需要に対応するための各種サービスを取り揃えております。
飲食店経営に関してお困りごとございましたら、お気軽にご相談ください。