店内での飲食だけではなく、デリバリーサービスやテイクアウトサービスなどの普及で外食・中食産業が変わってきている今、インストアプロモーションが注目されています。
なぜ注目されているのか。インストアプロモーションについての理解を深めて、店内だからこそできる販促で効果的に売上を伸ばしましょう。
目次
インストアプロモーションとは
簡単に言うと「店内広告」
商品を認知させることや販売を促すことをプロモーションといい、お客様の購買意欲を高める販促を「セールスプロモーション」といいます。セールスプロモーションは「インストア」と「アウトストア」に分かれます。お店の中(インストア)でおこなうセールスプロモーションが「インストアプロモーション」です。
「最初は買う予定がなかったのに、つい買ってしまった」という経験は誰にでもあると思います。インストアプロモーションは、実際にお店に来ているお客様に対して直接広告活動をする手法で、いかに店内でお客様の購買意欲を高めるかという考え方です。
なぜインストアプロモーションが注目されるのか
インストアプロモーションが注目される理由は、主に2つあります。
消費者ニーズの変化
「モノ消費」から「コト消費」へ
これまで、消費者の消費価値は商品の機能やサービスの内容など「モノ」に置かれていました。しかしインターネット・通販サイトの普及によって、場所や時間に関係なくモノが手に入るようになった上、人々の暮らしも豊かになったため、商品そのものの機能やサービス内容では他との差別化が難しくなってきています。そのため、現代の消費者は商品やサービスを通した経験・体験などの「コト」を重要視するようになりました。
つまり、今後お店は商品自体の機能やサービスで売ることが困難になることを意味しています。飲食店の場合、メニューや味だけの勝負では競争相手が多く、埋もれやすくなってしまいます。そこで店内で消費者に向けて直接商品の魅力を打ち出し、実際に手にとってもらうインストアプロモーションが、オンラインとは違うリアル店舗の「コト体験」として重視されているのです。
計画的でない消費者心理
お店に入る前にあらかじめ買うものを決めてから購入することを「計画購買」、買う計画のなかった商品を購入してしまうことを「非計画購買」といいます。半数以上の消費者が「非計画購買」で商品を購入してしまうと言われています。
このことから、店内で直接消費者の購買意欲を刺激するインストアプロモーションに注目が集まっています。
インストアプロモーションにはどんなものがあるか
インストアプロモーションは大きく2つに分類されます。
価格主導型
「価格主導型インストアプロモーション」とは、商品の価格をコントロールすることで、お客様が感じる商品の価値を上げる手法のことをいいます。一般的には、メニューの価格を下げることで、購買意欲を高めることにつなげます。
2019年10月から、消費税が10%に引き上げられました。その時に実施された「キャッシュレスポイント還元事業」も価格主導型に分類できます。
この事業は、消費者が加盟店でキャッシュレス決済をするとポイントの還元が受けられ、実質的に安く買えるシステムです。加盟店では、消費者から見て商品が安く買えることにより、価値が上がっています。
非価格主導型
「非価格主導型インストアプロモーション」とは、商品の価格をコントロールするのではなく、商品そのものの魅力を伝えることで、消費者の購買意欲をひき立てる手法のことをいいます。
価格を変えずに商品を魅力的に見せたり、付加価値をつけたりします。価格主導型よりも、販促の内容を理解してもらうための売り出し方が大切になってきます。お客様に分かってもらえれば、売上アップにつながるだけでなく、お店のイメージを高めることや、お店のファンになってもらえる効果も狙うことができます。
インストアプロモーションの代表的な具体例
価格主導型の例
値引き
商品の値引きは典型的な価格主導型インストアプロモーションです。キャンペーンやハッピーアワーなど、メニューを通常より安く出す取り組みがこれにあたります。消費者が購入時に感じる心理的なハードルを下げたり、安くお得に利用できる期間を狙って消費計画を立てさせたりすることが目的です。
いずれの手法も、一時的な売上の向上には効果があります。ただし、値引きが定着してしまうと消費者にとっては「安くなって当然」という意識が芽生えてしまいます。期間限定の取り組みでも実施前は買い渋りが起こり売上が落ち込む可能性に注意しましょう。
バンドル販売
商品を複数点まとめて購入したときに割引する販売方法を指します。例えばライスとスープ付きのランチセットなどがこれにあたります。単品だけでなくセットで販売することによって、より多くの商品を販売することができます。
セットにする商品に注文が入りやすいものと入りにくい商品を混ぜることによって、効率よく在庫を減らすことができます。
非価格主導型の例
実演販売
デモンストレーション販売とも呼ばれる実演販売は、店内や店頭で行われる販促活動の1つです。試食や試飲、サンプリングなど、商品の魅力を直接消費者に訴えることができるため、商品の価値を「コト体験」として提供できます。
おまけ・特典
商品に特典やおまけ商品をつけることで、付加価値により購買意欲を刺激します。
特典によっては相乗効果が期待でき、おまけ商品のプロモーションを見込んでの実施も可能です。ブランドイメージやお客様の満足度を高める効果も狙える上、リピート率の向上にもつなげられます。
デジタルサイネージ
最近では店舗・施設内に設置したデジタルサイネージを利用した販促広告が主流になりつつあります。
これもPOP広告の一つですが、従来の印刷物を利用したPOP広告とは違い、動画で発信するため多くの情報を一度に伝えることが可能です。
季節ごとなど定期的に内容を変更する場合、販促物の作成費用などの負担を軽減することができます。
一つのデジタルサイネージで曜日や時間帯などによって打ち出す内容を変更するといったことが流動的にできる点も、他のPOP広告にはない特徴の一つです。
インストアプロモーションをした方がよいとわかっても、実際の行動に移すのは難しい人も多いのではないでしょうか。テンポスでは飲食店向けのコンサルタントを紹介しています。お店を繁盛させるために色々やってみたいけど、何をやればいいかわからないという方は一度問い合わせてみてください。
まとめ
デリバリーサービスの普及やテイクアウト専門店の増加、飲食店も通販事業をおこなうなど、店内での飲食ではない販売形態が当たり前になりつつある今、インストアプロモーションの重要性は高まっています。
テンポスフードプレイスでは飲食店の販促をお手伝いするサービスをおこなっております。ポスターやメニュー表などの必須アイテムのデザインが格安でできるので、お気軽にお問い合わせください。