2023年4月に東京都・京成金町線 京成金町駅から徒歩6分の立地に移転されたラーメン店「麺屋 神工」。2021年1月に、千葉県・南柏に開業してすぐにコロナの「緊急事態宣言発令」が発令。コロナ禍の真っ只中を経験された人気店の店主は、「二郎系」の魅力に取りつかれ、素材の味を最大限に活かし、ジャンクなのに最後まで飽きずに食べられるラーメンを生み出した神田隼弥さん。今回は、コロナ禍での開業を乗り越えたエピソードを交え神田さんの「人となり」にも迫ります。
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開業までの経緯
「二郎系」のラーメンが大好きで、大学4年の頃からなんとなくラーメン店をやりたいなという気持ちがありました。たまたま就職した会社の営業所の近くに「ラーメン二郎 茨城守谷店(現在は閉店)」があり、半年くらい週3回くらいは通う、いわゆる「ジロリアン」でした。
当時、仕事もそれほど楽しくなかったし、ラーメン屋になりたいという気持ちが強かったので、辞めて都内の人気ラーメン店で働き始めました。開業のため年間100万くらいは貯金をし、家賃38,000円のアパートに住み頑張ってはいたのですが、「遊びたいな。」という気持ちが勝り、2年位で辞めてしまいました。
25~26歳の時に、別のラーメン店で社員だったりアルバイトをしたりし、「ぷらぷらした」生活をしていましたが、「これではまずい。」と思い気持ちを切り替えました。「そろそろちゃんとしなければいけないな。」と思っていた頃、27~28歳で今の奥さんと出会いましたが、「ダメ人間」だというのは自分でも分かっていたので(笑)、お金をすべて奥さんに渡して開業資金を一緒に貯めてもらいました。
その後28~29歳までは、開業に向けひたすら頑張ったので、奥さんの力は大きいですね。
今でこそいろいろなラーメンを食べますが、当時は「二郎系」ばかりを食べていたので、開業する際は「それしかないな。」とジャンルは決めていました。特に、ひとつのお店で長年修行してきたわけではないですが、中毒性にひかれてしまいました。
独立の決め手は、独立前最後に働いていたラーメン店でもいろいろやらせてもらっていましたが、全部自分で0から10まで自分のレシピでは難しいので、全部を自分でやりたいと思ったのと、飲食店は労働環境が良くないところが多いので、自分は「従業員が働いていて幸せになれるような環境を作りたいな。」と思い2021年1月の開業に踏み切りました。
そして、千葉県・JR常磐線 南柏駅から徒歩1分の立地にオープン。新店ながら「知る人ぞ知る」人気店になったのです。
「麺屋 神工」一番人気の看板メニュー「ラーメン(小)」950円(税込)無料トッピング:野菜・にんにく・あぶら
苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード
開業したのが2021年1月6日。なんと、その2日後にコロナの「緊急事態宣言」が(1都3県)東京・神奈川・埼玉・千葉に発なので、まさにスタートダッシュからつまずいたんです。
やはり「最初がいちばん大変だったな。」と思います。当時、南柏で開業したのですが、人気物件で早く契約をしなければいけなかったのと、契約後は家賃が発生し、安くはなったので「今やるしかないな。」という思いで、開業延期はしませんでした。また、なぜか「正直、コロナでも大丈夫だろう。」という根拠がない自信があり、いきがっていました。(笑)
振り返ってみると、「勢いとやると決めたらやり切る」というのが大事かもしれないですね。
そんな「コロナ禍」真っ只中の開業後は、正直赤字続きではなかったですが、自分が想定していたより来店される方が少なかったです。正直、最初の数ヶ月はきつかったですね。
失敗と言えば、南柏の物件が大きくて、厨房が高いところにありました。結果的にカウンターの壁が異様に高くなり、お客様とほぼコミュニケーションが取れず、カウンターのお客様からは厨房は何も見えない状況。
カウンターの台自体を高くすれば良かったのですが、逆にコロナ禍において、お店側とお客様側との間で、食材やスープ、飛沫の接触がないので良いかなと思いましたが、やはりコミュニケーションが取れないのは飲食店にとっては大きな痛手となりますね。
また、コロナ禍で、最初の2ヶ月位は厳しかったなか、持ち帰りの冷凍ラーメンと通販(自社・外部サイト)を始めました。緊急事態宣言中は夜20時までの営業しかできず、お客様も外食に大きな抵抗を感じていた時期なので、始めた結果、月間売上の約30%アップにつながり、その後も平均して15~20%アップになっていました。オペレーションが大変なので店内飲食だけで行きたかったのですが、そんなことを言っている場合ではなかったのが正直なところ。
自社通販は、お店から徒歩10分圏内の方も買ってくれていて、「外食離れ」が深刻な時期でしたので、本質的に「お客様が喜んでもらえることをやる。」のが大事なので、その頃のお客様のニーズに対応しただけなんです。これは本当に大きく嬉しかったですね。
2023年4月15日に金町に移転してからは、まだ通販を再開していませんが、6月中目標で再開したいと思っています。
カウンター10席のため、行列が絶えない日が続いている。
開業してみてはじめてわかったこと
「完全にひとりでは何もできないな。」ということです。
たまにひとりでお店を回すこともありますが、通販用の冷凍ラーメンの対応を自分が全て行うのは無理。
自分は、暇な時でも「今日は暇だね。」とか、忙しい時でも「今日は忙しかったね。」といった会話をしないと駄目なタイプ。人を大事に出来ていたかは分かりませんが、南柏から金町に移転するにあたり、柏近辺に住んでいるスタッフが多かったのですが、7~8割のスタッフ(現在はアルバイトのみで運営)が金町まで付いてきてくれて嬉しかったし、自分自身「神工で働いていて良かった。」と思ってもらいたい。自分のお店で働く価値を与えられていると思うと嬉しいしありがたい限りです。
開業してしばらくは、来店客が少なかったので、たまに忙しくなるとスタッフが付いてこられなくなることがあり、怒ったりすると、辞めてしまうスタッフが多く定着しなかったなかで、「ひとりでは何もできないな。」と思ったんです。能力というのは人それぞれなので、出来ないスタッフには、仕事上がりに「反省会」を行い、実施することで毎回できることが増えてくるんです。そこはしっかり認めてあげると結果的にスタッフの自信にもつながり定着率が上がりました。
ちょっと自慢みたいになりますが、「うちのスタッフはみんないい子ですよ!」お客様に喜んでもらうために自分から考える癖が出来ているんです。お客様から「けっこう気が利く。」というお言葉ももらい、自分事のように嬉しくなります。
自分の時代は、「怒られて見て学べ。」と教わっていたので、今の時代でも最初は同じようにスタッフに接していたのは大きな反省点ですね。
素材の味を最大限に活かし、ジャンクなのに最後まで飽きずに食べてもらえるように豚骨・豚肉・背脂を丁寧に炊き上げ、野菜の旨味を抽出した「ベジ豚」スープが特徴。
テンポスとのかかわり
移転前の南柏の時代から、買い物は柏店。店にない在庫も柏店に行けば、すぐに取り寄せていただきスピーディーな対応に満足しています。
ネットの方が安い商品もたまにありますが、自分は2~3ヶ月に一度のペースで来店し、まとめて購入させてもらっています。
金町に移転後も、柏店の規模も大きく慣れているので、お世話になると思います。その際はぜひよろしくお願いします。
今後の展望・開業する方へのメッセージ
「今は、店舗展開は考えていません。」今は、移転した金町のお客様に喜んでもらえるよう地に足を付けてコツコツやっていきます。
開業される方へのメッセージとしては、「自分が良い・やってみたいと思うこと」はまずやってみるということです。
周りから反対されることもありましたが、移転に関しても、以前の南柏の物件は約35坪あり、乗降客数が多い駅ではなかったですが、2年店主をやってみていい経験と自信になりました。
周囲に「物件を探して2年経ちました。」という人もいますが、「とりあえずいいなと思ったらやってみようよ。」というのが自分のポリシー。
移転した理由は、先程お伝えした「カウンター問題」と、南柏でやれた自信から東京でやってみたかったこと、そして「大島」の大島さんから、「南柏の店舗は二郎系には向かないかもね。」とアドバイスをもらったことですが、ちょうど大島さんから話をされた翌日に「金町」の物件が出てきたのですぐに内見して即決。ぱっとすぐに行動して良かったなと。
結局、飲食店は閉店リスクが高い業種なので、悩んでいる時間がもったいない。どうせ失敗するならすぐに動いて失敗した方がいいですよ!
まとめ
ひとつの店舗で長年修行をされてきたのではなく、「二郎系」のとりこになり、開業する際は「それしかないな。」とジャンルは決めていたとのことですが、開業される方へのメッセージにもあった、「自分が良い・やってみたいと思うことはまずやってみるということ」を自ら実践されている神田さん。
「完全にひとりでは何もできないな。」とご認識をされ、出来ないスタッフには、仕事上がりに「反省会」を行い、結果的にスタッフの自信にもつながり定着率を上げていると伺い、ちょっと自慢みたいになりますが、「うちのスタッフはみんないい子ですよ!」と言える店主がいるお店のスタッフは幸せだなと実感させられました。
今後も、スタッフと金町のお客様の支持を得ることに全力を尽くされ、ますます人気店になると思います。
スドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
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#取材協力
店名:麺屋 神工
店主:神田隼弥氏
住所:東京都葛飾区金町5-24-17
TEL:非公開