飲食店厨房において、スープ、煮込み、麺茹でなど、多岐にわたる調理を担う寸胴鍋と、より取り回しに優れた半寸胴鍋は、まさに厨房の要となる存在です。しかし、そのサイズ選びを誤ると、厨房スペースの無駄遣い、調理効率の低下、ひいては経営にも影響を及ぼしかねません。
この記事では、飲食店経営者の皆様に向けて、寸胴鍋と半寸胴鍋のサイズに特化し、厨房規模、提供量、調理量、そして用途別に最適なサイズを徹底的に解説します。それぞれの鍋の特徴を踏まえ、具体的な数値と事例を交えながら、あなたの厨房に最適な鍋を見つけるための決定版となる情報をお届けします。

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1. 寸胴鍋と半寸胴鍋の違いを理解する – サイズ選びの第一歩
本格的なサイズ議論に入る前に、寸胴鍋と半寸胴鍋の基本的な違いを理解しておくことが、適切なサイズ選びの第一歩となります。
サイズ選びにおいては、これらの形状の違いと、それぞれの鍋が持つ特性を考慮することが不可欠です。
寸胴鍋とは?
深さが直径とほぼ同じ、またはそれ以上の縦長の形状が特徴です。
メリット
深さがあるため、大量の液体を調理するのに適しており、対流が起こりやすく、食材全体を均一に加熱するのに優れています。
スープや出汁の仕込み、麺の茹で上げなどに最適です。
デメリット
深さがある分、底の食材を取り出しにくく、背の高い鍋は取り扱いにある程度の力が必要です。
半寸胴鍋とは?
深さが直径の半分程度で、寸胴鍋よりも浅く、口径が広い形状が特徴です。
メリット
浅いため、底の食材を取り出しやすく、複数の食材を混ぜ合わせる作業が容易です。また、軽量で取り回しやすく、洗浄も比較的楽に行えます。
煮込み料理やソース作り、下ごしらえなど、幅広い用途に対応できます。
デメリット
胴鍋に比べて一度に調理できる量は少なくなります。
2. サイズ別の寸胴鍋と半寸胴鍋の特徴

ここでは、寸胴鍋と半寸胴鍋の代表的なサイズを取り上げ、それぞれの特徴と適した使用シーンについて解説します。
小型寸胴鍋(20L〜50L)
特徴
小型寸胴鍋は、少量のスープや煮込みを作る際に便利です。20L〜50Lの容量は、数人分から十数人分の料理を調理するのに適しています。
適した使用シーン
- 小規模なカフェやレストラン
- 少量のスープや煮込みを毎日作る店舗
- 1日あたりの料理量が限られている場合
小型の寸胴鍋や半寸胴鍋は、厨房が狭い店舗にも適しており、持ち運びや収納もしやすいのが特徴です。特に、スープの種類が多いレストランでは、各種類のスープを少量ずつ作る際に役立ちます。
中型寸胴鍋(50L〜100L)
特徴
中型寸胴鍋は、1日あたり数十人分のスープや煮込み料理を作るのに最適なサイズです。50L〜100Lの容量は、中規模な店舗で頻繁に調理を行う場合にぴったりです。
適した使用シーン
- 居酒屋や定食屋
- 中華料理店やラーメン店
- 1日あたりの料理量が数十人分の店舗
このサイズの寸胴鍋は、調理がしやすく、温度管理が安定しやすいため、大量調理を効率的に行えます。また、煮込み料理を長時間作る場合にも適しています。
大型寸胴鍋(150L〜300L)
特徴
大型寸胴鍋は、1回の調理で非常に大量のスープや煮込み料理を作ることができます。150L以上の容量を持つ寸胴鍋は、特に大型の飲食店やホテル、イベント会場などで使用されます。
適した使用シーン
- 大規模なホテルや宴会場
- 大量のスープや煮込み料理を必要とする施設
- 学校や社員食堂
- 大型イベントやバンケット
大型寸胴鍋は、数百人分の料理を効率よく作ることができ、大型イベントやバンケットでの利用にも対応します。
半寸胴鍋(20L〜80L)
特徴
半寸胴鍋は、寸胴鍋よりも高さが低く、幅が広いのが特徴です。一般的に、容量は20Lから80L程度で、少量から中量のスープや煮込みを効率よく作るのに適しています。
適した使用シーン
- 少し多めにスープを作るが、大型の寸胴鍋は不要な店舗
- 高さの低い鍋を使って調理を行いたい場合
- キッチンのスペースに余裕がない場合
半寸胴鍋は、広めの鍋底で加熱が均等になりやすく、スープや煮込み料理をスピーディーに作るのに適しています。特に、深さが低いため、取り扱いやすいというメリットがあります。
3. 厨房規模と鍋サイズの関係性 – スペース効率と作業性を両立

厨房の広さは、設置・保管できる鍋のサイズを大きく左右します。限られたスペースで効率的な作業動線を確保するためには、厨房規模に応じた鍋サイズの選定が重要です。
小規模店舗 (カウンター中心、席数10~20席程度)
設置スペース
比較的狭いため、大型の寸胴鍋は取り扱いや保管が困難です。
推奨
省スペースな半寸胴鍋を中心に、必要に応じて小型の寸胴鍋を複数個組み合わせるのが現実的です。半寸胴鍋は取り回しが良く、限られたスペースでも扱いやすいのが利点です。
容量は4~15L程度(内径18~27cm)の小型~中型寸胴鍋が中心となるでしょう。
活用例
スープのベース、少量の下茹で、個人向けの煮込み料理などに適しています。キャスター付きの台車に乗せるなど、移動のしやすさを考慮した選び方も重要です。
中規模店舗 (テーブル席中心、席数30~50席程度)
設置スペース
ある程度の広さがあるため、中型~やや大型の寸胴鍋も設置可能です。
推奨
半寸胴鍋をメインに、スープや麺茹で用に中型の寸胴鍋を導入するのが効率的です。半寸胴鍋は複数の調理を同時進行するのに役立ち、寸胴鍋は大量調理に対応します。
容量は半寸胴鍋で15~30L程度、寸胴鍋で20~35L程度が目安となります。用途に応じて小型の鍋も組み合わせるのがおすすめです。
活用例
メインスープ、複数人前の煮込み料理、麺茹でなどに幅広く対応できます。
大規模店舗 (宴会場併設、席数50席以上)
設置スペース
比較的余裕があるため、大型の寸胴鍋も複数設置可能です。
推奨
大型の寸胴鍋を複数導入し、仕込みや大量調理に対応します。半寸胴鍋は、下ごしらえや複数のソース作りなど、多様な用途で活用できます。寸胴鍋は36L以上(内径36cm以上)の大型寸胴鍋、半寸胴鍋は30L以上のサイズが中心を中心に、仕込み用や少量調理用に中小型の鍋も用意すると効率的です。
活用例
大量のスープやソースの仕込み、イベント用の大量調理、麺茹でなどに活用できます。
ポイント
厨房のレイアウトを考慮し、鍋の設置場所だけでなく、調理中の作業スペースや移動の動線も確保できるようなサイズ選びが重要です。
4. 提供量と鍋サイズの関係性 – 最適な容量で無駄をなくす
提供する料理の量に合わせて鍋のサイズを選ぶことは、食材のロスを減らし、エネルギー効率を高める上で不可欠です。寸胴鍋と半寸胴鍋、それぞれの形状に適した料理で最適な容量を検討しましょう。
一度に提供する最大量からの算出
提供する料理の種類と量、それぞれの鍋の特性を考慮し、最適な容量の鍋を選ぶことで、無駄のない効率的な調理が可能になります。
スープ・だし(つゆ)
1杯あたり400mlとすると
- ピーク時に20杯提供する場合、最低でも8Lのスープが必要です。予備や保温を考えると、10L以上の寸胴鍋が望ましいでしょう。
- ピーク時50杯提供なら、最低20L、予備を含めると30L以上の寸胴鍋が適しています。
カレー
1人前200gとすると、ピーク時に30人前に提供する場合、最低でも6kg(約6L)のカレーが必要です。
食材の嵩を考慮すると、10L以上の寸胴鍋が適しています。
煮込み料理 (半寸胴鍋推奨)
複数の食材を混ぜ合わせやすく、底の食材も取り出しやすい半寸胴鍋が便利です。1度に提供する最大量に、調理中の嵩増しや水分量を考慮して容量を選びます。
30人前の煮込み料理であれば、15~20L程度の半寸胴鍋が目安となります。
麺茹で (深型寸胴鍋推奨)
麺が対流しやすく、均一に茹で上がる深型の寸胴鍋を選びます。一度に茹でる麺の量と、茹でる際に必要な湯量を考慮して、適切な内径と深さの鍋を選びます。
ソース (半寸胴鍋推奨)
比較的少量で、焦げ付きを防ぎながら混ぜやすい半寸胴鍋が適しています。
仕込み量に合わせて、5~10L程度の鍋を複数用意しておくと便利です。
5. 調理量と鍋サイズの関係性 – 仕込み効率を最大化する選択

仕込みの効率を高めるためには、一度に調理できる量に見合った鍋のサイズを選ぶことが重要です。寸胴鍋は大量の仕込みに、半寸胴鍋は多様な仕込みに対応できます。
一回の仕込み量からの算出
大量のスープをまとめて仕込み、数日分を保存する場合、保存容器の容量や冷蔵・冷凍庫のスペースを考慮して、無理のない範囲のサイズの寸胴鍋を選びましょう。
例えば、5日分のスープを仕込む場合、1日あたりに必要な量に5を掛けた容量を目安に、少し余裕を持たせたサイズの寸胴鍋を選ぶと良いでしょう。
仕込み頻度とのバランス
毎日仕込みを行う場合は、比較的小さめの寸胴鍋を複数個使い分ける方が、洗浄や取り回しが楽な場合があります。
週に数回まとめて仕込む場合は、一度に大量に調理できる大きめの寸胴鍋が効率的です。
食材の特性を考慮
麺を茹でる場合は、麺が対流しやすいように、深さのある寸胴鍋が適しています。一度に茹でる麺の量に合わせて、適切な内径と深さの鍋を選びましょう。
煮込み料理の場合は、食材全体が均一に加熱されるように、鍋の底面積と深さのバランスを考慮してサイズを選ぶことが重要です。
ポイント
仕込みの頻度や食材の特性に合わせて寸胴鍋のサイズを選ぶことで、作業効率を大幅に向上させることができます。
6. 人気メーカー
業務用寸胴鍋の主要メーカーとしては、以下のような企業が挙げられます。それぞれに特徴があり、品質や価格帯も異なります。
TKG (遠藤商事)
幅広い価格帯で、アルミニウム製やステンレス製など、多様な素材の寸胴鍋を取り扱っています。目盛付きで使いやすいのが特徴です。
EBM (江部松商事)
幅広い価格テルやレストラン向けの業務用厨房用品を幅広く展開しており、耐久性に優れたモリブデン製の寸胴鍋などが人気です。
北陸アルミニウム
アルミ製の寸胴鍋に強みがあり、「プロマイスターIH」シリーズなど、IH対応の業務用鍋も人気です。
アカオアルミ
アカオアルミは耐久性を重視した製品作りをしています。耐食性、耐摩耗性に優れる硬質アルミを使用し、酷使に耐えゴシゴシ洗えるアルミ製品「DON」シリーズが人気です。
AG (赤川器物製作所)
新潟県燕市のメーカーで、18-8ステンレスやモリブデン製の寸胴鍋に定評があります。溶接部分がない一体構造で、耐久性が高いのが特徴です。
仔犬印 (本間製作所)
アルミクラッド鋼を使用した「トリノ」シリーズなど、高品質でIHにも対応した寸胴鍋が人気です。プロの料理人からの信頼も厚いです。
KIPROSTAR (安吉)
リーズナブルな価格で高品質な業務用厨房機器を提供しており、ステンレス製やアルミ製の寸胴鍋が人気を集めています。
TB (テンポスオリジナル)
高品質な寸胴鍋を、手頃な価格で提供しています。シンプルで使いやすいデザインは、多くのユーザーから好評です。
その他
パール金属、ムラノ、プロデンジなど、様々なメーカーが業務用寸胴鍋を製造・販売しています。
7. 寸胴人気サイズランキング
テンポスバスターズ、テンポスドットコムの販売実績を基に人気サイズ、商品をご紹介します。
◆第1位◆ 断トツ人気は30cm

【テンポスオリジナル】TB 寸胴鍋アルミ極厚板 蓋付 30cm
- 本体縁や蓋はアール加工で変形を防ぐ丈夫な仕様。木製しゃもじなどの消耗も和らげる。
- 頑丈な取っ手をリベット留めでしっかり固定。大容量でも不安なく持てる。
- 蓋上部がフラットなため、積み重ねて収納可能
- 内容量:21.2L
- 寸法:幅300mm×奥行300mm×高さ300mm×板厚:3.2
- カレーの場合:64人前
【TKG】ステンレス寸胴鍋 SA 18-8 (目盛付) 30cm
- フチが広いので、変形しにくく丈夫
- 蓋の裏には引掛金具が付いているので寸胴に引っ掛けることができ、蓋の置き場に困らない
- 容量:20.0L
- 寸法 : 内径300mm×深さ300mm
◆第2位◆ 33cm
【テンポスオリジナル】TB 寸胴鍋アルミ極厚板 蓋付 33cm
- 容量:27L
- 幅330mm×奥行330mm×高さ330mm×板厚:3.2
- カレーの場合:86人前
【TKG】ステンレス寸胴鍋 SA 18-8 (目盛付) 33cm
- 容量:26.0L
- 寸法 : 内径330mm深さ330mm
7.3. ◆第3位◆ 27cm
【テンポスオリジナル】TB 寸胴鍋アルミ極厚板 蓋付 27cm
- 容量:15.4L
- 寸法:幅270mm×奥行270mm×高さ270mm×板厚:3.0
- カレーの場合:48人前
【TKG】ステンレス寸胴鍋 SA 18-8 (目盛付) 27cm
- 容量:14.0L
- 寸法 : 内径270mm×深さ270mm
7.4. ◆第4位◆ 36cm
【テンポスオリジナル】TB 寸胴鍋アルミ極厚板 蓋付 36cm
- 容量:36.6L
- 寸法:幅360mm×奥行360mm×高さ360mm×板厚:3.4
- カレーの場合:112人前
【TKG】ステンレス寸胴鍋 モリブデン 耐酸銅 36cm
- ソース・醤油・各種タレに強いモリブデンステンレス製
- 見やすい目盛付き
- 寸法 : 内径360mm×深さ360mm
- 容量35.0L
◆第5位◆ 45cm
【テンポスオリジナル】TB 寸胴鍋アルミ極厚板 蓋付 45cm
- 寸法:幅450mm×奥行450mm×高さ450mm×板厚:3.8
- 容量:71.5L
- カレーの場合:224人前
【EBM】 アルミ プロシェフ 寸胴鍋 45cm
- 板厚が厚いほど熱が分散して コゲつきにくくなります
- しっかりとした余裕ある3.8mmの板厚
- 容量:70.0L
- 寸法:内径450mm×深さ:450mm
8. まとめ
寸胴鍋と半寸胴鍋のサイズ選びは、飲食店の厨房運営において軽視できない要素です。厨房の規模、提供する料理の種類と量、そして調理の効率性を考慮し、それぞれの鍋の特性を理解した上で最適なサイズを選ぶことが、厨房パフォーマンスを最大化し、ひいては店舗の収益向上に繋がります。
自店のニーズに最適な寸胴鍋や半寸胴鍋を選んで、調理業務を効率化し、お客様に提供する料理の品質向上を実現してください。
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