飲食店業界で最も利益率が高いといわれている居酒屋。夜の飲屋街として常に客足が絶えません。
外国人観光客でにぎわっている中、ビールを飲んで乾杯する外国人観光客にとって、居酒屋はとても人気の高いお店です。
居酒屋の開業を考えている人にとって、「居酒屋は実際にどのくらい儲かるのか?」気になる人も多いのではないでしょうか。
日本政策金融公庫の調査によると、黒字で自己資本が上がっている居酒屋は435社中54社のみとなっています。全体の約8%程度しか利益が生み出せていないとわかります。(出典元:「小企業の経営指標調査」)
居酒屋で儲かるのは決して簡単なことではありません。ですが、多くの人が失敗してしまうポイントをあらかじめ理解しておくことで、事前に危険を回避できるでしょう。
今回、居酒屋は実際に儲かっているのか。居酒屋経営で失敗しないためにはどうしたらよいのか紹介していきます。
居酒屋は実際に儲かるのかどうか気になっている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
居酒屋が儲からないと言われている理由
居酒屋は、アルコールや枝豆。さらに、キムチ等の利益率の高い商品を多く取り扱えます。利益率が高い商品があり、客単価も高くなっていることから飲食店業界では、特に利益率が高いと言われています。
また、近年ではクレジットカードやデビットカード。さらに、電子マネー対応の居酒屋が増えています。
しかし、同僚と現金を出し合って支払うケースが多いことから、売上の多くを現金で回収できる特徴があるのです。
このような特徴があるにもかかわらず、居酒屋が儲からないと言われているのはどうしてなのでしょうか。
ここでは、居酒屋が儲からないと言われている理由をいくつか紹介していきます。主に以下のことがあげられます。
・集客が見込めない
・売上に波がある
それぞれ詳しくみていきましょう。
集客が見込めない
一つ目は、集客が見込めないことです。日本中にある飲食店の中でも、特に居酒屋は競合店も多いため、同じような接客やメニューを提供しているお店が数多くあります。
日々たくさんの居酒屋が開店と閉店を繰り返す中、激化する競争に毎年勝利しなくては売上もあがらず、利益にもつながりません。
しかも、新型コロナウイルスの影響により一時期は居酒屋を利用する人が少なく、出店エリアのお客様の数は限られていました。
そのため、少ないお客様で多くのお店と取り合う状況となってしまい、利益が生まれず閉店してしまった居酒屋はたくさんあります。
さらに、近年では競合するお店に負けないように安い値段で料理を提供する居酒屋も増えています。
それに合わせて自営業でも同じような対応をしてしまうと、利益率も悪くなってしまい結果的に店主の収入も減ってしまうのです。
売上に波がある
二つ目は、売上に波があることです。居酒屋は、季節や流行によって売上が変動しやすいというデメリットが存在します。
たとえば、夏の暑い時期は冷たいビールやさっぱりした、美味しいおつまみをお客様は求めます。
一方で、冬は忘年会等で居酒屋を利用するお客様も多くなるため売上は増えるのです。
夏と冬以外でみてみると、春や秋は売上が減少しやすい傾向にあるため、1年を通して安定した利益を得るのが難しくなってしまいます。
また、近年ではSNSを利用して集客をしている居酒屋も多く、一時的に流行して売上が伸びたにもかかわらず、流行したものが落ち着いてしまい売上も下がる可能性が高いのです。
しかも、居酒屋となると、食材やお酒の仕入れにかかる費用やスタッフの人件費。さらに、家賃等多額の費用が毎月発生してしまいます。
万が一、売上が下回っている場合すぐに赤字経営に転落する可能性もあります。赤字になってしまうと、店主は収入がなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
居酒屋の平均年収は?
居酒屋店主の平均年収はおよそいくらなのでしょうか。経済専門誌や口コミ調べを見てみると、自営業で居酒屋を経営している人は年収300〜2,700万円。平均年収は600万円程度です。
国税庁発表の調査によると、国民の平均給与は433万円となっており、居酒屋店主の平均年収は家庭の平均世帯年収を上回っていることがわかります。
(出典元:「令和2年分 民間給与実態統計調査」)
飲食店の経営は厳しいと言われていますが、平均年収は案外高い印象です。
しかし、居酒屋自営業の年収は、店舗数や経費の発生により大きくひらきがあるため、あくまでも平均であることを忘れてはいけません。
1店舗のみではなく多数の居酒屋。また、業界が異なる飲食店を経営している店主は、年収が1,000万円を超えている場合もあります。
年収1,000万円を超えるのは限られた人となるため、平均に届かない人も多いことを覚えておきましょう。
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居酒屋で失敗しないためには?
居酒屋を開業してから「儲けたい!」という人もいると思いますが、儲ける前にまずお店の存続をしなくてはいけません。
ここでは、居酒屋を開業して失敗しないためにはどうしたらよいのか紹介していきます。主に以下のことがあげられます。
・明るい接客
・立地選び
・集客方法
それぞれ詳しくみていきましょう。
明るい接客
一つ目は、明るい接客を心掛けることです。居酒屋ではメニューやお店の雰囲気ももちろん大切ですが、それ以前にスタッフの接客が重要となります。
「接客は居酒屋の顔」と昔から言われている通り、接客は非常に重要です。それぞれお店のコンセプトによって異なりますが、明るく元気な接客というのは、お客様からしても心地良いものです。
ですから、スタッフの育成は居酒屋にとって重要な仕事といえます。
立地選び
二つ目は、立地選びです。立地は居酒屋の開業にもっとも重要なポイントです。
立地場所というのは、コンセプトと一致していなくてはいけません。
立地選びは決して容易に決めず、あらかじめ調査しておきましょう。
集客方法
三つ目は、集客方法です。居酒屋を開業するにあたって、どのように集客するか計画を立てておきましょう。新規のお客様が来店しないと、いつまで経ってもリピート客ができません。
集客には宣伝や広告。さらに、公式サイトでメニューやキャンペーンを活用するのも一つの方法です。
目玉メニューや定番となるメニューがあれば、口コミが広まる可能性が充分にあります。
まとめ
今回、居酒屋は実際に儲かっているのか。居酒屋経営で失敗しないためにはどうしたらよいのか紹介してきました。
居酒屋が儲からないと言われている理由として、集客が見込めないことや売上に波があるというのがあげられます。
わざわざ開業したのにもかかわらず、閉店してしまうのはとても辛いものです。居酒屋開業を失敗させないためにも、明るい接客や立地選びを念頭に行い、存続させる必要があります。