日本の国民食であるラーメン。今日では、日本全国にこだわりが秘められた個性的なお店もたくさん増えて、「ラーメンヲタク」という言葉が存在するほど人々を熱狂させています。
しかし、時にはホッと一息つけるような、心温まるほっこりした昔ながらの中華そばを味わいたいと思う人もいるのではないでしょうか。
「学生時代食べていたな」「思い出の味」と昔の思い出蘇り懐かしいと感じる人もいるかもしれません。当時の中華店は今ではほとんどの店が閉店しており継続しているお店はほんのわずかです。
今回は昔ながらの中華そばで開業したい人必見。昔ながらの中華そばを成功させるポイントについて紹介していきます。昔ながらの中華を開業しようと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
ラーメンの歴史
ラーメンはいつどこで作られた料理なのでしょうか。ここではラーメンの歴史を遡り紹介していきます。
最初に中華料理として日本で流行したのが、広東(カントン)料理です。広東とは、香港・マカオと国境を接する中国の南東沿岸地域に位置する省です。
1800年代頃、中国はいろいろな戦乱に見舞われており、広東(カントン)省を中心に沿岸部の多くの人々がより良い生活を得るために、海外へ渡ったと言われています。
一部の人が日本に来日し、横浜や神戸等の港町で生計を立てます。中国からの移民が多くなることにより、中華街が作られ、中華料理の需要が生まれてきたのです。
その後、日本で初めての中華料理店ができます。(厳密に言えば、17世紀には長崎の唐人屋敷(とんじんやしき)という中華料理店があったとのことです。しかし、明確な証拠がないため、今回は言及しないようにします)。
中華料理店は当初、主に中国からの移民に向けた炒めものや麺類。さらに、中華まん等の故郷である広東(カントン)料理を提供していましたが、中華料理に興味を持った日本人が増えたことにより、中華料理が中華街から溢れ出て日本社会に広まり人気ブームが起きました。
中華街から生まれた最も代表的な広東(カントン)料理は「ラーメン」でしょう。広東(カントン)料理は中国の料理においても、スープへのこだわりで有名です。
広東(カントン)料理の料理人は、豚骨・鶏。さらに、魚介の出汁をとり、出汁からいろいろな香味料を加え、芳醇なスープに仕上げていました。
中華街で暮らす広東(カントン)省などの沿岸部の中国の人々が先祖代々から受け継いだスープの作り方を日本に持ち込んだことで、濃厚なスープに中華麺を入れるという食べ物。いわゆる「ラーメン」が日本で広まったのです。
その後、中国・日本。そして、他の国々のラーメン職人の努力により、今では世界中の人々の心を掴むラーメン文化にまで発展しました。
これらを踏まえ、「ラーメン」には奥深い歴史があるとわかります。
昔ながらに中華を成功させるためには?
昔ながらの中華を成功させるにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは昔ながらの中華を成功させるポイントをいくつか紹介していきます。以下のポイントがあげられます。
・コンセプトの明確化
・メニュー作り
・お店のデザイン
・仕入れと設備
それぞれ詳しくみていきましょう。
コンセプトの明確化
一つ目のポイントは、コンセプトの明確化です。昔ながらの中華料理をコンセプトにする場合、具体的にどの時代や地域の中華料理を再現するのかを決めることが重要です。
昭和時代の日本の中華料理店をイメージするのであれば、その時代特有のメニューやインテリア、雰囲気を再現するとよいでしょう。
味のタイプやサイドメニューをたくさん用意してしまうと、いったいなにを「提供したいのか」とお客様は感じてしまいます。
ビジネス街でランチ重視・学生街でボリューム重視・繁華街でお酒の後の締め一杯等、コンセプトを明確にしておきましょう。
メニュー作り
二つ目のポイントは、メニュー作りです。魅力的なメニュー作りに欠かせないものは、なんと言っても「見やすいメニュー表」を作成することです。
メニュー表の見やすさは、お客様がメニュー表から好みのメニューを見つけ出すまでの時間。つまり、お店の回転率に大きく影響する重要なポイントです。
見やすいメニュー表の作り方のコツとして、メニュー表に載せる情報量が多すぎず少なすぎず、丁度文章量で写真写りがよいことです。
そのため、一番おすすめしたいメニューは写真付きでトップに大きく載せるようにしましょう。
おすすめしたいサイドメニューやトッピングを載せておくことで、お客様がより一層注文しやすくなります。
お店のデザイン
三つ目のポイントは、お店のデザインです。
レトロな雰囲気を演出するために、木製の家具や和風のポスター・装飾品を使うと昔ながらの中華店として生まれ変わります。
たとえば、木製の家具でいうと温かみのある木製のテーブルや椅子を使用するとよいでしょう。
また、和風のポスター・装飾品では、懐かしい雰囲気を醸し出すためのポスターや装飾を取り付けることで昔ながらの中華の雰囲気が出せます。
このようにお店のデザイン次第で、お店の内外装や雰囲気は変わるため、料理の味はもちろんのことデザインにこだわることも大切です。
仕入れと設備
三つ目は、仕入れと設備です。昔ながらの中華を開業するにあたって必要となる機材は、ガスコンロ・冷蔵庫・冷凍庫・麺ゆで釜等があげられます。
メインメニューであるラーメンの調理に必要な機材のみではなく、サイドメニューとなるご飯料理や炒飯を提供するために必要な炊飯ジャーや、作業の効率化に欠かせない洗浄設備等も必要になるため、忘れないように準備しておきましょう。
これらのポイントを押さえて開業準備を進めることで、成功する昔ながらの中華として開業できるでしょう。
ラーメン店は1年以内に40%が閉店?!
実は、ラーメン店は1年以内に40%が閉店していると調査でわかっています。
さらに、同じくラーメン業態の店舗は3年以内に70%が閉店。6年以内に80%以上が閉店しており、ラーメン店の経営は非常に難しいものだとわかります。
(出典元:株式会社シンクロ・フード「飲食店.COMリサーチ」)
閉店してしまう原因はいくつかありますが、特に運転資金が不足していて閉店してしまうケースが多くあるようです。
多くのお店では、初期の売上が予測を下回り、運営資金が不足することで最終的な原因となっています。
家賃や原材料費。さらに、人件費などの固定費を賄える売上を残せれば、赤字でも経営を続けることは可能です。
しかし、これらの費用を継続して賄えなくなると、閉店に追い込まれてしまいます。
まとめ
今回は昔ながらの中華そばで開業したい人必見。昔ながらの中華そばを成功させるポイントについて紹介してきました。
昔ながらの中華を成功させるには、コンセプトの明確化やメニュー作りが大切になってきます。
「思い出のある昔ながらの中華」を再現させて、ラーメン店に革命をもたらしましょう。