1980年頃から始まった日本におけるカフェブーム。スターバックスの台頭により、パンケーキを扱うカフェが増加しました。
さらに、ネコカフェを代表とする動物カフェといった、時代に合わせて次々と新しいカフェブームが起きました。その影響により、雑誌やテレビで毎日のように特集が組まれています。
小さい路地裏カフェや自宅カフェは、主要コンビニ数の店舗数よりも1.3倍も多いのです。(出典元:総務省統計局「事業所統計調査報告書」)
近年では、若者に限らずカフェで打ち合わせを行うビジネスマンも増加しています。また、「インスタ映え」と呼ばれる写真写りがよいメニューが豊富にあり、行列ができるほど人気な店もあります。
今回は100万円の資金でカフェを開業することはできるのか。必要な開業資金について紹介していきます。これからカフェを開業しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
カフェの開業資金はいくら必要?
カフェにおける開業資金はいくら必要なのでしょうか。開業資金は、カフェを開業する形態によって異なります。どのような形態があるのか、開業資金はいくらになるのかみていきます。以下の形態があげられます。
・店舗型カフェ
・自宅型カフェ
・移動用カフェ
それぞれ詳しくみていきましょう。
店舗型カフェ
一つ目の形態は、店舗型カフェです。以前の所有者から物件を借りたカフェやテナントとして出店しているカフェを店舗型のカフェといいます。
カフェの規模にもよって異なりますが、小〜中規模の店舗型カフェは約500〜1,000万円の開業資金が相場になります。
店舗型カフェは一般的に物件取得費が必要なため、物件の契約後は家賃を支払わなくてはいけません。開業資金を節約するためにも、なるべく物件の価格が低い立地や居抜き物件を活用することが重要です。
借りる物件で異なりますが、家賃以外にも修繕積立金や管理費。さらに、地域の町内会費などが必要になることもあるため、物件を借りる際は近隣のお店に地域の町内会費が必要かどうか聞いておきましょう。
自宅型カフェ
二つ目の形態は、自宅型カフェです。近年では、自宅の一部分をカフェとして改装して営業をする自宅型カフェが増えています。カフェの開業を「自宅でやりたかった!」という人にとっては夢のように感じるかもしれません。
自宅型カフェの大きな特徴は、持ち家であれば家賃を支払わなくて済むことです。物件取得費も必要ないため、開業資金に限らず毎月かかる経費を節約できます。
しかし、住宅地等にお店として構える際は、集客確保のために広告宣伝費の費用を大きく支払わなくてはいけなくなるでしょう。あらかじめ開業する土地周辺の調査をしておくとよいでしょう。
移動型カフェ
三つ目の形態は、移動型カフェです。移動型カフェとは、固定した店舗を持たずに車両等を活用して営業するカフェを指します。
物件取得費は発生しませんが、公道で営業できないため公園やスーパーの駐車場など営業するための場所を確保する必要があります。営業許可をもらうためには、あらかじめ使用料や出店費用について出店する場所に相談しなくてはいけません。
移動型カフェは車両の購入費や施工費等で、約300万円から開業が可能です。また、他の形態と比べても開業資金を大きく節約できるでしょう。一方で、車両の駐車場代やガソリン代等の維持費用が必要です。
いくつかの形態で紹介してきましたが、100万円の資金でカフェを開業するのは厳しいといえます。「どうしても開業したい」という人は、金融機関で融資を受けられるかどうか相談してみましょう。
開業資金にはどのようなものがある?
カフェを開業していくうえで開業資金にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの開業資金についてみていきます。以下の資金があげられます。
・物件取得費
・内装費用
・設備費用
・運転資金
それぞれ詳しくみていきましょう。
物件取得費
一つ目は、物件取得費です。開業資金のほとんどを占めているのが物件取得費です。
立地により異なりますが、都心や駅近物件では約20万円の家賃がかかることも多いでしょう。
また、物件を借りる際は、保証金を支払う必要があります。保証金の金額は、一般的には半年〜10ヶ月くらいと言われています。
注意点として、都心の一等地に狭い店舗を借りて開業した場合、集客力は高いかもしれません。しかし、狭い店舗では回転率が低く売り上げを伸ばせないため、単価の低いカフェ営業に高い家賃はリスクが大きいといえます。
内装費用
二つ目は、内装費用です。カフェに必要な水道やガス等の設備をすべて作るのであれば、1,000万円かかる場合もあります。
しかし、抜き物件であれば、設備が備わっており、工事が不要な場合があります。自分のカフェを作りたい人にとって内装業者に頼まずに、自分自身で内装を手掛けたいという人が多いのではないでしょうか。
自分自身で作ることは、自分のコンセプトに沿って理想通りのものが作れることであるため妥協しないことがもっとも大切です。
設備費用
三つ目は、設備費用です。設備費用として、厨房機器・シンク・冷蔵庫等、メニューを提供するうえでカフェには欠かせません。
上記の設備を新品で揃えるとなると、少なくとも50〜120万円の費用が必要です。中古で揃える場合、新品における3分の1程度で入手可能ですので、どちらで買い揃えるか検討しましょう。
運転資金
四つ目は、運転資金です。運転資金は、カフェを経営していくうえで必要な資金です。
カフェを開業したからといってすぐにお店が軌道に乗るとは限りません。ですから、ある程度の運転資金を確保しておき、開業に取り掛かりましょう。
運転資金は家賃のおよそ10ヵ月分を用意しておくことがよいでしょう。たとえば、家賃10万円の場合、100万円。15万円の場合は150万円が必要です。
助成金・補助金を活用する
どうしても開業資金が足りない場合、国や地方自治体による助成金や補助金を活用しましょう。補助金や助成金は一般的に、返済の義務がないためおすすめです。ただし、いずれも受給には審査があるため、一定の資格が必要な場合があります。
例えば、生産性向上や販路開拓に取り組む事業主を支援する「小規模事業者持続化補助金」です。これは、小規模事業者が販路開拓等に取り組む費用の一部を補助する制度です。(出典元:全国商工会連合会)
また、返済の義務がある「新規開業資金」も開業時の資金調達として活用できます。(出典元:日本政策金融公庫)
まとめ
今回は100万円の資金でカフェを開業することはできるのか。必要な開業資金について紹介してきました。
カフェ開業時にかかる資金は、形態によって異なりますが約500〜1,000万円がかかります。そのため、100万円の資金で開業する場合は、金融機関から融資を受けなくてはいけません。
融資を受けるためにも、事業計画書の計画やカフェ経営が軌道に乗った後の売上などを計算し、借入金の返済計画も正確に記載しておく必要があります。