京都市営地下鉄東西線『二条駅』から西へ309m、徒歩4~5分に位置する真っ白な一軒家が店舗の「ラーメン 霽レ空(はれそら)」。
食べログでは★3.62、ラーメンデータベースでは90.575ポイント(2024年5月31日現在)を獲得するほどの人気店です。
2016年7月21日のオープン以来「牡蠣煮干し」というジャンルを突き進み、人気を博している「ラーメン 霽レ空」さんの開業までの経緯、苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソードや成功に至るまでの秘話をお聞きしました。
目次
開業までの経緯
未経験からの出発
大学を卒業してから営業の仕事をしていました。
その頃によく食べ歩きをしていたんです。
その時はまだラーメン屋をやろうとは考えていませんでした。
営業の仕事を辞め、他の仕事を始めてから「自分の手で作る仕事」に興味が湧きました。ちょうどその仕事を辞めたタイミングでたまたまラーメン屋の求人を見つけたんです。
飲食業はほぼ未経験だったのですが、ラーメンが好きだった事と「自分の手で作る仕事」をしたいという思いもあり飲食業界に飛び込みました。
働き始めたらやり甲斐を感じて、もっと知識も付けたくなり他の業態の飲食店でも働かせてもらいました。
イタリアンや創作料理、焼肉屋で2年ほど働かせてもらって「やっぱりラーメン屋が一番楽しかったんです」と安原さんは言います。
一番人気メニュー:牡蠣そば950円(税込)牡蠣好きにはたまらない、牡蠣の旨みがぎゅっと凝縮された超濃厚牡蠣ペーストが特徴。山椒などの香りと強い醤油ダレのバランスも絶妙。
おすすめの食べ方はこちら
1:まずは牡蠣ペーストを溶かさず、鶏清湯と牡蠣出汁の効いたスープをそのまま味わう。
2:牡蠣ペーストを少しずつスープに溶かしながら変化を楽しむ。
3:牡蠣ペーストに麺を直接からめて濃厚な牡蠣の風味を楽しむ。
【限定メニューが人気】
うちは基本的にメニューのラインナップが淡麗系です。
期間限定メニューではパンチがあったり濃厚なものを作るようにしてお客さんの層を広げたいと思ってやっています。
美味しかったし次はレギュラーメニュー食べてみたいなと思って貰えると嬉しいですね。
期間限定:台湾ブラックスタミナ味1,000円(税込)
期間限定:ネギラーメン1,000円(税込)
冬季限定:味噌らあ麺1,000円(税込)
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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード
地元なのに土地勘がなかった?!
開業するにあたって物件探しが一番大変でしたね。
京都が地元なので「京都でやりたい」と思っていましたが、高校卒業以降は大学、就職後も他県で生活していたんです。
なので地元とはいえ高校までの生活圏以外はあまり土地勘がありませんでした。
物件探しを始めるとやはり街中は家賃が高額なので他の地域を視野に入れる事になり自転車で京都中見て周りました。
物件探しから2年程経った時に気になっていた二条駅近辺で今の物件に出会いました。ただ諸事情あって一旦大家さんが募集を取り下げられたのですが、交渉させていただき正式に借りる事ができました。
牡蠣そばに至るまで
味づくりは「一から自分で作る」と決めていましたが、まだイメージは定まっていなかったので苦労しました。
業者さんと打ち合わせしている時に「牡蠣煮干し」の存在を知ったんです。
当時牡蠣のラーメンをやっている店を調べたらほぼなかったので「惹きがある」と感じて挑戦しました。
「人がやっていない事をやってみようと思ったんです。」と安原さんは力強く語ります。
資金繰りについては、一軒家を解体するところから始めたので想定以上の金額になってしまいました。
400~500万の予定でしたが甘かったですね。
かなり切り詰める必要がありその辺は大変でした。
それでも必要以上にお金がかからないように工務店と何度も打ち合わせをした結果、シンプルな内装がむしろ良かったと今では思います。
席数はカウンター7席、テーブル席4席
開業してみてはじめてわかったこと
動線の重要性
今まで働いた店が席数の多い店舗ばかりだった事もあり、いざ自分の店を作るとなったときに勝手が全然違ったんです。
カウンター席がメインの動線について認識不足でした。
飲食店専門の工務店さんでしたので相談しながらレイアウトを作りましたが、結局彼らは施工する側であって使用する側ではないので視点が違ったんだと後から痛感しました。
いざ働いてみるとスタッフと動線が被ったりして。
そこはプロに相談するか同じ規模の店で働かせてもらうべきだと思いました。と安原さんは語ります。
なかなか定まらない味づくり
オープン1週間前でまだ味が決まってなかったんです。
「牡蠣煮干し」でいこうというのは決まっていたものの納得のいく味にはなりませんでした。
何日もほぼ徹夜で味づくりを続けて、何とかオープン数日前に味が決まったという感じです。
オープンしてからも試行錯誤を続け、3周年の時に大きく味の構成を見直したんです。それが鶏清湯と牡蠣出汁のWスープに牡蠣ペーストを乗せた今のスタイルの「牡蠣そば」です。
味の変化が楽しめたり、自分好みの食べ進め方もできたりするようになりました。
人材を集める難しさ
スタッフ募集には苦労しました。
当初知人が入ってくれていて助かっていましたが、求人を出しても1、2人新規採用できるかどうかという状況が続いていました。そこから定着してもらうのも難しかったですね。
1人で営業していくのは厳しいので、人の力なくして店は成り立たないと痛感しました。
コロナ期間中の厳しさ
開店後は何故か注目していただき順調に経営できていたのですが、コロナ禍からは極端に売上が落ち込みました。
来店数が激減した状態が続いたのと個人的に大きな怪我で休業を余儀なくされた時期もあり「閉店も覚悟していました」と安原さん。
ウーバーイーツに注力したり、ご近所向けのテイクアウトを対応したりして耐え忍びました。この時期は本当にいろんな面で周りの人達から助けていただきました。
感染対策に過敏なお客様も一定数おられたのでそちらの対応も大変でしたね。まるで一瞬にして世界が変わってしまったような気持ちでした。
3年の歳月をかけて出来上がった特製スープ。
「惹(ひ)きがある」と思って始めた牡蠣煮干し味が人気です。
テンポスとのかかわり
京都の店舗によく行っています。
先週も行ったばかりですね(笑)
オープンの時に備品を集めたり、開店してからも何か壊れたりしたら行っています。
作業台とかも買いましたよ。
今後の展望・開業する方へのメッセージ
開業前の下調べが大事ですね
一昔前と違ってラーメン屋は「美味しい」というのが当たり前になってきていると思うんです。
どこに行っても「ハズレ」が少ない分、立地、サービスが大事になってくる。
二条駅は多くの人が行き交う場所ですが、店舗は駅からは裏手になり人の流れが少ない立地です。天気が悪いだけでも極端に客足が落ちたりしちゃいますね。
店舗作りは動線など僅かな違いが大きな障害となりサービスにも影響します。
費用が限られた中での投資って苦しいとは思うんですけどそこはケチらない方がいい。分からないなら専門の方に頼るべきだと思います。
自分の開業の時は資金が限られていたので、全て自分で段取りしてケチってしまいました。限られた資金の中での取捨選択が大事だったと思います。
その中でもスタッフの動線はサービスに直結するので重要な事だと思います。そこは開業前にもっと精査するべきでした。
清潔感あふれる白い一軒家
まとめ
開業までの様々なことを一人でやったという安原さん。
物件探しから、店舗の内装、人材確保が大変だったというお話を聞かせていただきました。
「カウンター席がメインの動線について認識不足だった」と語られたように、開業してみないと分からないことがあるかと思いますので、開業前にプロに相談するか、同じ規模の店で働かせてもらうべきだというご意見はとても貴重に感じました。
開業後に不便さなどを解消できずに、後悔につながってしまうケースは少なくありません。
皆さんも、後から後悔をしないように事前の準備をしっかり行いましょう。
また、「限られた資金の中での取捨選択が大事だった」と語られたように、初期投資は、無理のない範囲で大事な部分にはしっかり使用することが重要と感じました。
後から変更する方がかえってお金がかかってしまう場合もあるなど、開業には様々な問題が発生してきます。
1人で考え込まず、是非、専門家の力を借りることをおすすめします。
テンポスドットコムでは、さまざまな視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!
#取材協力
店名:ラーメン 霽レ空
店主:安原 在満 様
住所:京都府京都市中京区西ノ京永本町23-20
TEL:非公開