飲食店業界で最も利益率が高いといわれている居酒屋。夜の飲屋街として常に客足が絶えません。
外国人観光客でにぎわっている中、ビールを飲んで乾杯する外国人観光客にとって、居酒屋でビールと一緒に食べる焼き鳥はとても人気です。
焼き鳥には、香ばしい香りにジューシーな鶏肉の旨味や塩味が効いています。居酒屋の開業を考えているのであれば、大人気の焼き鳥をメインとしてお客様に提供するのも選択肢の一つです。
今回は居酒屋経営において焼き鳥メインで開業する際に必要な資金や手続きについて紹介していきます。居酒屋を焼き鳥メインで提供したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
焼き鳥メインでの開業は実際どうなの?儲かる?
焼き鳥屋は、2021年時点において全国に15,325軒の焼き鳥屋が存在します。飲食店全体の売上をみると2,000億円規模となっており、年々増加しているのがわかります。(出典元:NTTタウンページ)
しかし、新型コロナウイルスの影響で焼き鳥屋に限らず、飲食店の需要が大幅に低下してしまいました。また、競争が厳しい飲食店において、競合との差別化を図り売上を伸ばさなくてはいけません。
居酒屋店主の平均年収は約600万円です。焼き鳥屋に限らず、店主は売上や経費によって年収が大きく左右されるため注意しなくてはいけません。お店の売上や軽費によって年収が異なることを覚えておきましょう。
繁盛しているお店であれば、年収1,000万円超えや多店舗展開に成功しているのであれば2,000〜3,000万円も夢ではないのです。
一方で、まったく来店客がいない場合や経費がかかりすぎている場合では、収入が一銭もはいらなくて赤字になってしまうケースもあります。
儲かるか儲からないかで判断すると、お店によって異なることがわかります。
また、コンセプトに合ったお店作りをすることが大切です。お店の看板となるメニューをお客様に伝えるためには、どういったお店づくりにしたらよいのでしょうか。
内装や接客から商品の提供方法をどうするのか、どの部分にこだわりを出すかを決めます。この際に、競合店のサービスや価値観を把握しておかなくてはいけません。また、調査や分析をして、お店づくりのヒントにすることが大事です。
自分のお店の強みやこだわり。さらに、差別化できるポイントやターゲットの好みを探すことで、繁盛するお店をつくれるでしょう。
焼き鳥屋メインのサービス内容とは?
焼き鳥屋メインでお店を開く際はどのようなサービス内容をするのでしょうか。サービス内容としては、調理と料理提供が一般的です。狭い店舗規模で営業する場合、カウンター席を設けて目の前で焼き鳥を調理しすぐにお客様に提供できるように配慮しなくてはいけません。
このように、シンプルな営業形態ですが、調理と料理提供以外にも仕入れや料理の仕込みや売上管理等、細かい作業をする必要があります。
店長のみや少人数スタッフで経営する場合、メニュー数が多いと料理の仕込みで手が一杯になってしまうためしっかり計画を立てて行う必要があるでしょう。
メニューはどんなものがある?
焼き鳥屋メインにおけるメニューはどのような商品があるのでしょうか。メインの鳥のみではなく、豚や牛と幅広いメニューを扱っています。
ねぎまの場合は塩とタレどちらも美味しく人気があります。ねぎまとは、鶏肉とねぎが交互に刺さっている焼き鳥です。
また、ささみは味がシンプルなため、梅シソや明太子と合わせたメニュー等で味付けを変え種類を増やすことでお客様にも喜ばれます。
お店オリジナルのメニューを作成して、他のお店にはない商品で差別化を図りましょう。
焼き鳥屋メインで開業する際に必要な資金とは?
焼き鳥屋メインで開業する際に必要な資金とはいったいなにがあげられるのでしょうか。ここでは必要になる資金をいくつか紹介していきます。以下のことがあげられます。
・初期費用
・維持費における運転資金
それぞれ詳しくみていきましょう。
初期費用
一つ目は、初期費用です。焼き鳥屋メインの開業に発生する初期費用として、店舗物件の取得費用があげられます。
お店を構える営業形態であれば、お店にするための物件を確保しなくてはいけません。敷金や不動産会社に支払う仲介手数料等、物件の初期費用が必要です。
これらをすべて合わせると、店舗物件の初期費用のみで200万円を超えてしまうことも珍しくありません。人気エリアや築年数・物件の広さによって異なりますが、500万円を超えてしまうこともあります。
焼き鳥を調理するために必要な厨房設備や店舗の内装。さらに、備品の購入にかかる費用も考える必要があるのです。これらの費用も200万円程度かかることが多く、開業できる状態にするまでに総額500万〜1,000万円は必要になるため見積もりしておきましょう。
維持費における運転資金
二つ目は、維持費における運転資金です。焼き鳥屋メインの経営にはいろいろな経費がかかります。
内訳としては、人件費100万円・賃料30〜50万円・原材料費100万円、水道光熱費20〜30万円・広告宣伝費10〜20万円・トータルで毎月300万円が予想されます。
開業したては知名度が低く、売上が安定しない可能性があるため、万が一に備え半年分の運転資金を確保しておきましょう。
開業資金以外になにが必要?
開業する際に必要な資金について紹介してきましたが、開業資金以外になにが必要なのでしょうか。開業をスムーズに行うためにも、飲食店営業許可が必要になります。
飲食店営業許可とは、居酒屋や焼き鳥屋に限らず、すべての飲食店を営業する際に必要です。飲食店営業許可を、保健所から取得することにより、店舗で調理した料理や午前0時までのアルコール類の提供が可能になります。2店舗と複数店舗を開業する場合も、店舗ごとの申請をしなくてはいけません。
飲食店営業許可は場所や設備における許可です。たとえば、店主を交代した場合や引き継いだ場合など、届出を提出することで飲食店営業許可を引き継げます。
しかし、2021年6月に飲食店営業許可における制度改正が行われたため、居抜き物件で開業する際は、制度改正後の基準を満たしているかどうか、保健所で確認しておきましょう。(出典元:食品衛生の窓)
また、収容人数を30人以上のお店にする際は、防火管理者の資格も必要です。各地の消防署が開催している講習を受講することで取得できます。
お店の規模が決まり次第、早めに計画を立てて講習を受けておきましょう。
まとめ
今回は居酒屋経営において焼き鳥メインで開業する際に必要な資金や手続きについて紹介してきました。
焼き鳥屋メインで開業を考えている人は、他のお店との差別化を図り売上を伸ばす必要があります。
決して簡単なことではないため、開業する前のコンセプトづくりが非常に大切になってくるでしょう。