都営大江戸線蔵前駅から徒歩2分、東京メトロ銀座線田原町駅から徒歩5分と両駅の中間点に位置する「Patisserie Clair de lune」。この地域は昔ながらの下町で洋菓子店が少なかったのですが、都心へ出向かずともおいしいスイーツを食べてもらいたいというシェフ乙坂佳史(おとさかよしふみ)さんの想いでオープン。本場フランスの味が、いつでもテイクアウトできます。また、オープンしたカフェ「Clair de lune KURAMAE」も、ケーキ・焼菓子はもちろんのこと、ドリンクと一緒に、店内限定スイーツ(洋風わらび餅や季節のパフェ等)も楽しめる人気店となっています。
そんな『Patisserie Clair de lune』さんの開業までの経緯や苦労したことや失敗したことなど、そして成功に至るまでの秘話をお聞きしました。
目次
開業までの経緯
シェフの乙坂佳史さんは、パティシエの父、元料理学校の先生である母の元に生まれました。18歳の時に料理人としてホテルへ入社し、この世界に足を踏み入れました。その後、東京の老舗フランス料理店へ入社。様々なポジションを経験された後に渡仏、様々な星付レストランで料理人として修業するも、幼き頃の父の背中に憧れを抱き、菓子職人を目指すことを決意されました。
2013年7月に帰国後、同年9月20日に「Patisserie Clair de lune」のオーナーシェフとして、元々住み慣れた台東区蔵前の街にデビュー。現在に至るまで、日々菓子作りと向き合われています。
「Patisserie Clair de lune」一番人気の看板メニュー:パフェ『煌』KOU 2,090円(税込)・ドリンク『香』KAORI 660円(税込)
洋風わらび餅『杏子』ANZU 1,100円(税込)
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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード
今でこそオシャレな街・おしゃれカフェエリアとして、東京下町のブルックリン等様々な呼ばれ方をされている蔵前ですが、弊店がオープンした当時は、玩具・花火・革製品等の問屋さんばかりで、お世辞にもオシャレさはありませんでしたと乙坂さん(笑)。
また、浅草至近ということもあり、和の街のとしての意識やイメージが強く、洋菓子やカフェメニューが受け入れられるか不安だったとのこと。
オープンしてみると予想的中、当時皿盛りにしてシュークリームを300円(税込)で販売。しかし、人気チェーン店の牛丼が280円(税込)以下で販売されており、「牛丼より高けーな!!これ一皿の値段?」など様々なご叱咤を頂戴しました(笑)オープン時の私の年齢も20代後半でしたので、そういったこともあったと思います。
さらには、ドリンクメニューも「お子様向けのメニューは必要か?」「紅茶とコーヒーだけで良いか?」「カフェメニューをどこまで充実させるか?」「仕入れ原価で1キロあたり20万円以上もする紅茶にする必要はあるか?」など、とにかくメニュー内容や商品ラインナップ、提供の仕方は、変更してはやめてを何度も何度も繰り返しアップデートしていきました。
父と一緒に始めましたが、別に人を使える余裕は勿論なく、接客も製造もこなしました。手探りの状態でしたので、朝は6時代から夜は11時代まで試行錯誤しながら働きました。私自身が人の顔を覚えられる事が得意だったこともあり、次第に地域の方々とのコミュニケーションも増え、エッジの効いたメニューも楽しんでいただけるまでになり、今でも応援をいただいているのは本当にありがたいですね。
カウンター7席と落ち着いた雰囲気のカフェとなっています。
開業してみてはじめてわかったこと
言い訳かもしれませんが、開業直前まで海外で修業していたこともあり、日本におけるアプリやSNSの重要性が全く分かっていませんでした。後日談ですが、中でも某有名グルメアプリの口コミ評価や点数が当時の飲食店には相当な影響を及ぼしておりました。
私は、オープン当初全くそんなことも知らずでしたので、SNSの準備や対策もできてない状況でした。オープン後にそのアプリの事もお客様から教えていただいたくらいです(笑)
今は、現在創業11年目(2014年現在)で3店舗展開するまでになりました。和と洋を併せた独自の店内限定スイーツとしてパティシエが作る『洋風わらび餅・洋風わらび餅パフェ』はテレビや、様々な著名なインフルエンサー様にも取り上げていただけるようになりました。
ちなみに、「食」という字は“人”に“良”と書きます。
召し上がる方の心にも体にも良い、そんな幸せを皆さまに。
店名の「Clair de lune」とは、“月明かり”という意味のフランス語。
そこに込めた「お店を訪れる人たちの心の中に柔らかい癒しの明かりをともしたい」という想いを、これからも変わらずに持ち続けこれからも精進して参ります。
お店の看板メニュー高品質な大人のお菓子「ごろっとふるーつけーき」は、セミドライのフルーツを、赤ワインで作ったマリナードに1ヶ月以上つけ込み、マリネします。フルーツは、杏子・いちじく・プルーン・チェリー・レーズンを使用しています。
焼き上げた瞬間、熱いうちにラム酒をたっぷりしみこませます。それにより、生地のジューシーさが増します。また、生地を寝かせることで、ドライフルーツとラム酒のマリアージュが楽しめます。
テンポスとのかかわり
オープン時、ほとんどの厨房機器や什器をテンポス新宿店で購入しました。別の店舗にある在庫も店舗間であれば送料無料になる場合もあったので、それこそ2トン車を横付けして買い物に伺ったくらいです(笑)
これからも飲食店の強い味方になってくれると思っております!
今後の展望・開業する方へのメッセージ
コロナ前までは中国・上海にもお店を構えておりましたので、海外挑戦は引き続き行ってまいりたいと思っています。また、毎年クリスマスには子ども食堂にクリスマスプレゼントとしてクリスマスケーキを無料でお届けしています。子供たちにモノづくりの楽しさ、『食』の大切さを教える場所を設けたい。
「外食や中食でお客様に楽しんで頂くためには非日常の体験!!をさせてあげたい。」と私は思っております。どんな非日常かはお店次第。
大したことないプライドなんかは曲げても、信念や軸は曲げずに、様々な角度からお客様に刺激を与えられるお店作りを作ってもらえたらなと思います。
店名の「Clair de lune」とは、“月明かり”という意味のフランス語。
そこに込めたのは、お店を訪れる人たちの心の中に柔らかい癒しの明かりをともしたい、という想いからだそう。
まとめ
パティシエの父、元料理学校の先生である母の元に生まれ、18歳の時に料理人としてホテルへ入社後、フランスへ渡仏もされ、幼き頃の父の背中に憧れを抱き、菓子職人を目指すことを決意された乙坂さん。
お父さんと同じ仕事、しかも「パティシエ」という高いハードルを超えないといけない仕事を目指し試行錯誤を繰り返してきたからこそ、今の成功があるのだと実感させられました。
毎年クリスマスには子ども食堂にクリスマスプレゼントとしてクリスマスケーキを無料で届けているとのこと。子供たちにモノづくりの楽しさ、『食』の大切さを教える場所を設けたいという熱い行動と信念に芯の強さを感じました。
「外食や中食でお客様に楽しんで頂くためには非日常の体験!!をさせてあげたい。」というお言葉は、これから開業を検討されている方には深く刺さるものではないでしょうか?
極上のお菓子を豊富にご用意して、皆さまのご来店をお待ちしています。
テンポスドットコムでは、様々な視点からカフェの開業成功を全力で応援します。
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#取材協力
店名:Patisserie Clair de lune(クレール ドゥ リュンヌ)
店主:乙坂佳史氏
住所:東京都台東区寿3-8-5
TEL:03-3842-3470(予約不可)