こんにちは!テンポスドットコムのグルメ担当のハカセです。
飲食店検索サイトを運営する会社にいたので、食には関心が高く、近くの美味しいお店を探して日々を過ごしています。
今回は知り合いの飲食店経営者のオンラインセミナーで、ラーメン屋さんの1,000円の壁の超え方を聞いてきました!聞いてみて、確かにふむふむと思ったので、これからラーメンの単価UPをお考えの方はぜひ参考にして下さい。
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目次
ラーメン屋の1,000円の壁とは!?
ラーメン屋の「1,000円の壁」とは、『ラーメン一杯の値段は1,000円を超えられない』という通説のことです。
ラーメン業態では長らく信じられていました。
確かに消費者として、ちょっとラーメンでも食べるかと暖簾をくぐるとき、1,000円あれば大丈夫だろうという意識はあるような気がしますよね。
総務省統計局の小売物価統計調査の結果では、東京都区部での中華そば(ラーメン)1杯の価格平均は567~588円程度、全国平均が660円で直近は上昇傾向が続いています。
これらの結果と、2000年代のラーメンブーム時期に日本がデフレ状態が長かったこともあわせて、その世代の人達にとってはラーメンはワンコインで食べられてもおかしくないイメージをお持ちの方もいて、感覚的には7~800円くらいでは食べられてほしいという要求も強いようです。
それもありラーメン1,000円の壁は現在も存在していると思っているラーメン屋の店主さんも多いようです。
ちなみにラーメンの販売価格が顕著に高いことで知られているのが実は沖縄。
沖縄に行くと本格的なラーメン店が意外と多く1,000円に近い価格で売っているお店のほうが主流になりつつあります。
逆にリーズナブルなのが福岡。ご存知とんこつラーメンのメッカです。その中でも博多ラーメン『はかたや』の博多ラーメンは1杯290円!ラーメン定食(ライスと餃子付き)でも580円と破格です!こう考えると1,000円の壁なんてお店のコンセプト次第であって、別に考えなくていいってことなのかもしれません。
でもちょっと待って。どうして最近またラーメン1,000円の壁が話題になっているのでしょうか?
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なぜ風向きが変わってきたの!?
この風向きが変わってきた理由には、2023年の円安と原油価格高騰による、食材費の高騰があります。
消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合(通称コアCPI))は前年比2.3%で高めの水準が進んでいました。
消費者物価の中身を見ると、電気代、ガス代のコアCPIは前年から20%近く低下してきていますが、食料は前年比6.2%と以前高めの水準が続いていました。
それに合わせて外食でも一部価格転嫁の動きがあり、23年3月に外食でのコアCPIは前年比6.9%とピークを打ちました。
ただ外食の料金値上げは消費者が逃げるのではと不安も根強く、コアCPI上昇率は少しずつ下がってきています。
この数字を見る限り、ラーメン店では値上げすべき時期をなんとか我慢で乗り切ってしまいましたが、従業員のお金周りは良くなっておらず、ここへ来てようやく重い腰を上げて、従業員のために値上げをし始めるお店が増えてきたのです。
また、少し前になりますが、元サッカー日本代表の本田圭佑氏のSNS投稿が話題になりました!
『ラーメン屋。あの美味さで730円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき。ってか色んな業界がもう少し値上げするべき。高すぎるか安すぎるかの両極になり過ぎ。次ラーメン食うときは2,000円支払います。必ず。』
海外経験が豊富でビジネス感覚も鋭い本田さんだからこそ、ラーメンのもつ価値と値段があってないことに気づかれたんですね。これらのことが重なり、今このタイミングで『ラーメン一杯 1,000円の壁』が注目されてます。
訪日観光客からもラーメンが熱視線!
日本政府観光局(JNTO)によると、2023年の訪日外国人旅行者数(推計値)は2506万6100人でした。
2022年(383万2110人)と比べると、一気に2000万人以上増加しました。
円安を追い風に、コロナ禍がなかった2019年(3188万2049人)の8割まで回復していて、2024年もさらに拡大が見込めそうです。
観光庁の『訪日外国人消費動向調査』によると、訪日観光客が『訪日前にきたいしていたこと』のNo.1は『日本食をたべること』(69.7%)と、食を理由に日本に来ているようです。
その中でもラーメンは寿司と並んでトップクラスの人気ジャンルです。
特にラーメンは寿司とは違って、日本の本格的なラーメン店が欧米などにも展開していることから、ラーメン店を訪れる欧米人は自国では食べられないユニークなラーメン店を目指す傾向があります。
訪日外国人に人気のラーメン店は1,000円の壁超えが続出!
訪日外国人に人気のラーメン店を、外国人が良く利用するサイト『トリップアドバイザー』『EATER』『TimeOut』などから調べてみました。そのお値段とともに紹介させていただきます!
(1)銀座八五(はちごう)
フランス料理出身のシェフがラーメン屋を初めて話題になっているお店は結構あります。
本八幡『菜(さい)』、武蔵小山『麺や一途』、神保町『海老丸らーめん』など名店も沢山。
銀座八五の店主の松村さんは、京都全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル京都)で長年総料理長をしていた、現代の名工。
丼ひとつで、一食として完成していることに興味を持ち、研究をされました。
ラーメンはタレ(かえし)で味を決めるのが常です。
そこを本当に美味しいスープであれば、タレがなくても味をバシッと決められるのではと考えて、試行錯誤されたそうです。
完成したラーメンは、日本人はもちろん訪日外国人に大人気。みんながスープを飲み干すことでも有名です。2024年1月現在、中華そばは1,100円で提供されています。
(2)SOBAHOUSE金色不如帰(こんじきほととぎす)
あまりラーメンの食材として使用されていなかった食材を多く使うことで知られる名店です。
現在では、60種類以上というラーメン店では考えられないほど多様な食材を使用されています。
食材のクオリティーにもとことん追求する徹底ぶり、海外の優れた食材もどんどん取り入れてらっしゃいます。
自家製麺は国産小麦にこだわり、毎日店内で製麺。
スープも最適なPH(水素イオン濃度)を調整する徹底ぶり。
最高に滋味深い一杯です。カウンター6席、テーブル4席という小さなお店に、毎日世界からお客さんが来ます。
2024年1月現在、味玉塩そばは1,250円で提供されています。
(3)鳴龍
国内外の名店で腕を磨いた店主が、満を持して2012年に開店したお店です。
「自分の食べたいものしか出さない」という店主渾身のスープと自家製麺がベストマッチしています。
ボリュームたっぷりの自家製チャーシューも必食の一品。
タレや調味料も手作りにこだわっていて、体が喜ぶ本物の味わいです。
ミシュランの星を2017年から毎年獲得しています。
2024年1月現在、人気の担担麺は1,200円です!
その他にも『鬼金棒』のカラシビ味噌らー麺や、『一蘭』の天然とんこつラーメンはともにぎりぎり980円を死守していたりとぎりぎり1,000円の壁を守っているところもあります。
どちらかというと、個人店のほうが1,000円の壁を超えやすい傾向があるようです。
ただし、長い目で見ると、着実にラーメン一杯の価格は上昇しています。原材料費や人件費の高騰も値上げの原因としてはありますが、そうではなく、満足度を追求したラーメンであればお客さんはそれが1,000円以下なのか、1,200円なのかは誰も気にしないということです。
ますます訪日客が増えてきている中で、日本国内の感覚だけでなく、外国人の感覚に近い値段まで上がっていく可能性は高いです。
ちなみに一風堂のラーメンは、アメリカでは2600円を超えます。
海外には1,000円の壁という概念そのものがありません。
あってないような壁を感じるよりも、人が喜んでくれる提供価値を考えて取り組めば、いつの間にか1,000円の壁はなくなるのではないでしょうか?
いかがでしたか?今回はラーメン一杯1,000円の壁について紹介しました!ラーメン愛好家の方も、ラーメン屋さんもぜひこのテーマを考えてみて下さい。
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もちろんラーメン屋さんも対象です。
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