都営三田線板橋区役所前駅から徒歩5分、仲宿商店街にある店内はカウンター7席、テーブル席1卓の、行列必至の人気店です。
2022年4月6日開業の開店以来、食べログ★3.40、ラーメンデータベース88.008ポイントを獲得し2023-2024TRY(Tokyo Ramen of the Year)ラーメン大賞のつけ麺 濃厚部門で初受賞を果たし(2024年1月5日現在)人気ラーメン店となりました。
そんな『中華そばなりたや』さんの開業までの経緯や苦労したことや失敗したことなど、そして成功に至るまでの秘話をお聞きしました。
目次
開業までの経緯
元々大勝軒本店の近くに住んでいました。父が大勝軒の常連で、山岸マスターと仲良くさせてもらっていたことから、私もよく小さい頃から持ち帰りで、「もりそば」を食べさせてもらっていたんです。それがすごく美味しくて、感動しました。
それからラーメン好きになって、高校生でラーメンを食べ歩きするようになって、その頃から将来ラーメン屋をやりたいと思うようになりました。
やるのであれば山岸マスターの元で修業したいと思い、高校卒業と同時に大勝軒へ修行に入りました。今から20年前、18歳の頃のことです。
その段階で、家族でラーメン屋をやりたいという話になり、父も一緒に親子で修行をさせてもらいました。そこからみっちり修行をさせてもらって、18歳で家族と共に開業をしました。
修行中は、正直きつかったですね。ガチンコ(厳しい修行でラーメン屋を目指すテレビ番組)が流行っていた時期だったということもあって、当時は「殴られるんじゃないか。」とか心配していましたがまったくそんなことはありませんでした。(笑)
厳しい修行ではありましたが、当時、修行している中でも最年少だったということもあってか、山岸マスターがすごくやさしく教えてくれましたし、みんなかわいがってくれました。
1番人気メニュー:もりそば850円(税込)
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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード
突然の移転
ある日突然、大家さんから「ここをマンションにするから出て行ってくれ」って言われたんです。
2020年の4月くらいに言われて、結局立ち退いてから新しいお店をオープンするまでに、8か月くらいかかってしまいました。
20年やっていた愛着のある土地だったので、急に移転しなければならなくなり、鍵を返す時は本当に悲しかったですね。住処を追い出された感じで。
その後、気に入る物件がなかなか見つかりませんでした。コロナの影響もあって大型店舗は空くのだけれど、小さい店舗がなかなか空かなくて、一生懸命探しても見つからなかったんです。
どうしても愛着のある板橋でやりたかったので、あきらめずに探した結果、今の店をインターネットで見つけました。タピオカ屋さんがやめるということだったのですが、大家さんは、ラーメン屋が入るのを嫌がっていたんです。ですが、そこを何とかお願いして入ることができました。
しかし、譲渡にかかるお金がとても高額で大変でした。そこにオープンまでにかかるお金が諸々かかって、貯金まで「すっからかん」になってしまって。でも、2022年4月6日になんとか移転開業へとこぎつけました。
奥さんの声に励まされ
あまりにも物件が見つからなかった頃、もうラーメン屋を辞めてしまおうかとも考えていたのです。でもそんな時に奥さんが「ラーメン屋をやっている姿が一番かっこいい」と言ってくれて。奥さんのおかげで今がありますね。
明るい店内はカウンター7席・テーブル1卓の合計11席。
開業してみてはじめてわかったこと
進化が必要
「同じ味を出し続けるというわけにはいかないな。」ということですね。
開業当時は、ラーメンブームで大勝軒の本店がランキングで4位とかに入っていて、開業当初から大勝軒の味をだしていたということもあって、とても繁盛していました。
ですが、10年くらいしてくるとお客さんも飽きてきてしまったのか、暇になることが多くなってしまったんです。
「同じ味だけだとだめだな」と感じましたね。そこから塩スープと濃厚スープを研究し、一年くらいかけて仕上げてまた盛り返してきました。
大勝軒の頃より、少しづつブラッシュアップしていって、少しづつ味を変えていきました。
やはり、「味を変えていかなきゃいけないな」という強い思いがありました。
そんなわけで店を移転するにあたって、「自分の味で勝負したいという、大勝軒よりもっと美味いものを出したい。」という思いがあり、店名から「大勝軒」を抜かせてもらいました。
でも、マスターを超えたいと思っているんですが、「山岸マスターの味そっくり」と言われてしまうことが多いんですよね。「まだまだだな、ここからマスターを超えていかなきゃな。」と思っています。と成田さんは力強く語ります。
あとは、「店はあまり休んじゃいけない。」ってことですかね。出来る限り休まず続けることが大事ですね。ともお話しをしてくださいました。
感謝の一杯を丁寧に仕上げます。
テンポスとのかかわり
なんでもあるので作業効率UPのために通いました
よく利用しています。
池袋にあった店舗に良く行っていました。スープの研究をしていたころ、作業効率をアップさせる調理器具を探していましたので。
通いながら、色々な調理器具を見て、スープを濾(こ)すのに使える、他の食材に使う調理器具も見て、その中からいいものを見つけて、濃厚スープを漉すのに作業効率が大変よくなりました。
調理器具は、テンポスの品揃えがいいのでお世話になっています。
現在は、父は新宿店、私は川口店へという感じで調理器具などが壊れたりした時や、前掛けを買い替えする時などに伺っています。
今後の展望・開業する方へのメッセージ
自分自身でラーメンを追求したい
今年(取材当時)移転してから味を色々変えて飛躍できた年だったのですが、継続して「とにかくうまいラーメンを作って、もっと愛されるラーメンを作っていきたい」ですね。
ラーメンを作ること自体が好きなので、自分だけでやっていきたいと思っています。
「店舗を増やして人にお願いするというようなことは考えていませんね。」と成田さんは真っすぐ語ります。
開業には「ラーメンへの愛」と「お客様への感謝の気持ち」が必要
これから開業を考えている人は、正直、この時期の開業はおすすめできないですね。今は何でも原価高で大変なことになっています。原価は上がる一方ですがそれをなかなか価格に反映できないのが現状です。
自店のことで言えば、私の理想のラーメンが、「美味くて量があって安い」なので値段は上げらません。そうするとやはり、なかなか儲からないですね。と成田さんは言います。
また、お金儲けでラーメン屋をしようという人にはおすすめできません。とにかくうまいラーメンを作って生きていきたい。という「ラーメンへの愛がある」、「ラーメンが好きだ」という方におすすめしたいですね。
また、「お客様への感謝の気持ち」も必要で、それがうまいラーメンを作る原動力になります。とも力強く語ってくれました。
まとめ
「感謝の一杯」と書かれた大きな看板が印象的な店構え
「ラーメンが好き」と語る成田さんからはラーメンへの愛が言葉の端々から感じられました。
「大勝軒」の看板を背負い、わずか18歳で開業を果たした成田さんは、自身のラーメンへの愛で「大勝軒」の味を提供し続け、今では、その味を超えるために試行錯誤した、オリジナルの自慢のスープで人気を得ています。
奥様の「ラーメンを作っている姿がかっこいい」の一言が、移転の苦労に一筋の光をさしてくれました。
儲けのためではなく、ラーメンが好きだという「ラーメン愛」と「お客様への感謝の気持ち」で日々一杯一杯丁寧に作り上げるという成田さんの姿は、これから開業を目指す方にもお手本となるのだろうな、と感じました。
テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!
#取材協力
店名:中華そば なりたや
店主:成田 真一郎氏
住所:東京都板橋区仲宿47-9
TEL:03-4400-5634