パン屋を開業するためには、必要な免許や資格を取得する必要があります。ここでは、パン屋を開業するための免許・資格について解説します。
目次
必要な免許・資格
パン職人になるには、に必ずしも必要な資格や免許、学歴も必要ありません。
しかし、個人事業主としてパン屋を開業する場合に必須な資格、免許があります。
下記で詳しくご紹介していきます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品衛生法に基づいて、食品の製造・販売・調理などの事業場において、衛生管理を行うための責任者です。
パン屋を開業する際に必ず取得しなければならない免許です。食品衛生責任者を置かないと、食品衛生法に基づく指導や監督を受けることができず、営業停止などの行政処分を受ける可能性があります。
講習の受講費用は、講習会によって異なりますが、1日で約1万円~2万円程度が相場です。また、都道府県によっては、受講費用の助成制度を設けている場合もあります。
食品衛生責任者になるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が指定する講習を受講する
- 都道府県知事等が実施する食品衛生責任者養成講習を受講する
- 栄養士または製菓衛生師の免許を取得する
食品衛生責任者講習は、都道府県や指定講習会で実施されています。講習時間は、1日で約7時間です。講習を受講すると、食品衛生責任者証が交付されます。夜間や土日開催の講習もありますので、仕事やプライベートとの両立がしやすいです。
講習では、食品衛生法や食品衛生管理に関する知識や技術を学びます。講習を受講すると、食品衛生責任者証が交付されます。
食品衛生責任者証は、5年間有効です。有効期限が切れる前に、再講習を受講する必要があります。
食品衛生責任者講習を受講する際には、以下の点に注意しましょう。
- 講習会のカリキュラムや日程を確認する
- 講師の経歴や実績を確認する
- 講習会の費用を確認する
菓子製造業許可
パン屋で菓子を製造する場合は、菓子製造業許可が必要です。菓子製造業許可は、都道府県知事から取得することができます。
取得費用は、申請書類の作成費や手数料などを含めて、約1万円~2万円程度が相場です。
菓子製造業許可を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 食品衛生法に基づく施設基準を満たした設備・器具を備える
- 菓子製造に必要な技術・知識を有する者を配置する
菓子製造業許可の申請書類は、都道府県のホームページからダウンロードできます。申請書類を提出後、都道府県の担当者が審査を行います。審査に合格すると、菓子製造業許可証が交付されます。
菓子製造業許可の申請には、以下の書類が必要です。
- 菓子製造業許可申請書
- 菓子製造設備の配置図
- 菓子製造技術者配置表
- 菓子製造業従業者名簿
- 食品衛生責任者証
菓子製造業許可の有効期限は、5年間です。有効期限が切れる前に、更新申請を行う必要があります。
飲食店営業許可
イートインスペースがある場合は、飲食店営業許可が必要です。
飲食店営業許可は、食品衛生法に基づく許可で、飲食店を営業するためには必ず取得する必要があります。飲食店営業許可の申請には、以下の書類が必要です。
- 飲食店営業許可申請書
- 営業時間帯表
- 食品衛生責任者証
- 店内図
- 厨房図
- 厨房設備の配置図
飲食店営業許可の申請手続きは、都道府県によって異なりますが、一般的には、申請書類を都道府県の担当部署に提出し、審査を受けます。審査に合格すると、飲食店営業許可証が交付されます。
飲食店営業許可を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- イートインスペースを設置する
- 飲食店営業許可の条件を満たす設備や器具を備える
- 食品衛生責任者を置く
取得しておくと有利な資格
パン屋を開業する際には、上記の免許・資格以外にも、以下の資格・免許があると有利になる場合があります。
パン製造技能士
パン製造技能士の資格は、パンの製造に関する高度な技術や知識を有していることを証明する国家資格です。パン製造技能士の資格を取得すると、パン屋を開業する際に有利になるだけでなく、パン職人としてのキャリアアップにもつながります。
受験費用は、1級と2級で異なります。1級は約2万円、2級は約1万円です。
パン製造技能士の受験資格は、以下のとおりです。
- 1級:パン製造の実務経験が5年以上
- 2級:パン製造の実務経験が2年以上
パン製造技能士の試験は、1級と2級に分かれています。1級の試験は、学科試験と実技試験があります。実技試験は、パンの製造に関する技術を問う試験です。2級の試験は、学科試験のみです。
パン製造技能士の試験は、年に1回実施されています。
パン製造技能士の試験を受験する際には、以下の点に注意しましょう。
- 受験資格を満たしているか確認する
- 試験の範囲を把握する
- 試験の過去問を解いて練習する
その他の資格・免許
フードコーディネーター
食に関する総合的な知識と技術を有する人のことです。食材の選び方や調理方法だけでなく、栄養学やマーケティングなどの知識も身につけます。
フードコーディネーターは、日本フードコーディネーター協会が認定する資格です。協会が実施する講座を受講し、試験に合格することで取得することができます。
パンアドバイザー
パンに関する知識と技術を有する人のことです。パンの種類や製造方法、パンの組み合わせなどについて学びます。
パンアドバイザーの資格を取得すると、パンの製造に関する知識や技術を深めることができます。また、パンの販売やパンに関するイベントの企画にも役立ちます。
パンアドバイザーは、パン技術研究会が認定する資格です。研究会が実施する講座を受講し、試験に合格することで取得することができます。
パン職人
パン職人は、パンを製造する技術を有する人のことです。パンの基本的な作り方から、応用的な技術までを学びます。
パン職人の資格を取得すると、パンの製造に関する高度な技術を身につけることができます。また、パン屋でパンを製造する際にも役立ちます。
パンシェルジュ
パンの種類や製造方法、パンの組み合わせなどについて学びます。パンシェルジュ協会が実施する講座を受講し、試験に合格することで取得することができます。
パンシェルジュの資格を取得すると、パンの製造や販売に関する知識や技術を身につけることができます。また、パンの販売やパンに関するイベントの企画にも役立ちます。パンの製造や販売に関する知識や技術を証明できるため、パン屋の経営に役立つでしょう。
これらの資格・免許は、パン屋を開業する際に必須ではありません。しかし、取得しておくと、パンの製造や販売に関する知識や技術を身につけることができ、パン屋経営の成功につながる可能性があります。
パン職人は、全国パン技術講習所連合会が認定する資格です。講習所が実施する講座を受講し、試験に合格することで取得することができます。
まとめ
パン屋を開業するためには、必要な免許や資格を取得する必要があります。
パンの製造や販売に関する知識や技術を身につけることで、パン屋経営の成功につながります。また、開業する地域の条例や規制を確認することで、トラブルを防ぐことができます。
テンポスでは、パン屋開業をトータルサポートいたします。