パン屋を開業する際には、厨房設備や衛生設備など、さまざまな設備が必要です。これらの設備は多岐にわたるため、事前に必要な設備を把握しておくことが大切です。また、設備を揃える際には、パンの種類や量、予算などに合わせて、適切な設備を選ぶ必要があります。
まずは、必要な設備やポイントを押さえておきましょう。
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目次
パン屋を開業する際の機器選びのポイント
パン屋を開業する際には、以下のポイントを押さえて機器を選びましょう。
パンの種類や量に合わせて選ぶ
パン屋で販売するパンの種類や量に合わせて、適切な機器を選ぶことが大切です。たくさんのパンを製造する場合は、大型のミキサーやオーブンの準備が必要になります。
衛生面に配慮する
パンは、食中毒などのリスクが高い食品です。そのため、衛生面に配慮した機器を選ぶことが大切です。例えば、洗浄しやすい機器や、抗菌加工が施されている機器を選ぶとよいでしょう。
コストパフォーマンスを重視する
機器は高価なものが多いため、コストパフォーマンスを重視して選ぶことも大切です。例えば、中古の機器や、レンタルできる機器を検討してみるのもよいでしょう。
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パン屋の基本的な厨房設備
パンは、生地作り・発酵・成形・焼成の4つの工程で製造されます。そのため、それぞれの工程に必要な設備を用意する必要があります。
生地作りに必要な機器
ミキサー
ミキサーは、生地を混ぜ合わせるための機器です。ミキサーには、縦型ミキサーと横型ミキサーがあります。縦型ミキサーは、生地を立てるように混ぜ合わせることができるため、パン生地を作るのに適しています。横型ミキサーは、生地を回転させながら混ぜ合わせることができるため、ケーキやクッキーなどの生地を作るのに適しています。
発酵に必要な機器
ホイロ
ホイロは、パンの生地を発酵させる機器です。ホイロには、温度や湿度をコントロールできるものや、回転式のものなどがあります。パンの種類によって、適切なホイロを選ぶ必要があります。
発酵庫
ホイロよりも温度や湿度をコントロールしやすい設備です。発酵庫は、ホイロよりも温度と湿度の設定が細かく行うことができます。そのため、パン生地の種類や状態に合わせて、最適な発酵環境を作り出すことができます。
成形に必要な機器
モルダー
モルダーは、生地を型に整えるための機器です。モルダーを使うことで、ただの生地から形がつくられ、パンらしくなっていきます。モルダーには、バケットモルダー、クレセントモルダー、リバースシーターなどがあります。
パイローラー
パイローラーは、生地を伸ばすために使用される機器です。パイローラーには、ロール状の刃が付いており、生地を挟んで均等に伸ばすことができます。そのため、パンの形や大きさを一定に保つことができます。
焼成に必要な機器
オーブン
オーブンには種類があります。パンの種類や焼き方に合わせて、適切なオーブンを選びましょう。
電気オーブン
比較的安価で、操作が簡単なため、家庭用オーブンとして一般的です。
ガスオーブン
電気オーブンよりも高温にすることができるため、パンの表面に焼き色をつける際に適しています。
スチームオーブン
蒸気と熱風でパンを焼くオーブンで、水分を多く含むパンを焼く際に適しています。
フランスパンは高温で短時間焼く、バゲットは中温で長時間焼くなど、パンの種類に合わせて適切なものを選びましょう。
また、表面に焼き色をつけたい場合は、高温で焼く必要があるので、ガスオーブンやスチームオーブンなどの高温で焼けるものを選ぶとよいでしょう。
その他
パン屋によっては、以下のような機器を導入することもあります。
フライヤー：カレーパンなどの揚げ物を作る際に必要な機械です。
急速凍結庫・冷凍庫・冷蔵庫：パンの保存や加工に必要な機器です。
衛生設備
厨房の衛生環境を保つために必要な設備を衛生設備といいます。衛生環境を保つためには、雑菌の繁殖を防ぐ、厨房の空気を新鮮な状態に維持することがたいせつです。
雑菌の繁殖を防ぐ
2槽シンク
食器や器具を洗浄するための設備です。2槽シンクには、洗浄槽とすすぎ槽があり、食器や器具をしっかりと洗浄することができます。
手洗い
手洗い用の設備です。手洗い設備には、蛇口と石鹸、手指消毒液が備え付けられています。
殺菌庫：食器や器具を殺菌するための設備です。殺菌庫は、食器や器具を高温で加熱することで、雑菌を殺菌することができます。
厨房の空気を新鮮な状態に維持
換気扇
厨房の空気を排出するための設備です。換気扇は、厨房内の熱気や煙を排出することで、厨房内の空気を新鮮な状態に保つことができます。
エアコン
厨房の温度や湿度を調整するための設備です。エアコンは、厨房内の温度や湿度を適切な状態に保つことで、雑菌の繁殖を抑えることができます。
排気フード
オーブンから出る煙や熱気を排出するための設備です。排気フードは、オーブンから出る煙や熱気を排出することで、厨房内の空気を汚染から守ることができます。
パンの安全を守るために欠かせない衛生設備。パン屋を開業する際には、上記の設備をしっかりと整え、衛生管理を徹底することが大事です。
設備基準について
パン屋を開業するためには、各都道府県が定める設備基準を満たす必要があります。
設備基準の種類
設備基準には、以下があります。
共通基準：食品を扱うすべての業種で設置しなければならない設備
特定基準：菓子（パン）製造業で設置しなければならない設備
共通基準
共通基準では、以下の設備が定められています。
手洗設備：手洗いするための設備
洗浄設備：食器や器具を洗浄するための設備
駆除設備：害虫や害獣を駆除するための設備
保管設備：食材や製品を保管するための設備
冷蔵冷凍設備：食材や製品を冷蔵・冷凍するための設備
照明設備：作業場を明るくするための設備
換気設備：厨房内の空気を排出するための設備
給水排水設備：水や汚水を供給・排出するための設備
便所：従業員が使用するための便所
特定基準
特定基準では、以下の設備が定められています。
製造過程に必要となる設備
具体的には、ミキサー、ホイロ、モルダー、オーブンなどの設備が該当します。また、生あんを製造する場合は、生あんを製造するための設備も特定基準を満たす必要があります。
設備基準は開業場所によっても異なる
設備基準は、開業場所によっても異なる場合があります。パンの製造過程上、機械音の騒音問題や油脂の詰まりによる悪臭問題などのトラブルが想定されるため、パン屋の開業場所次第では、導入する設備や作業できるスペースが制限されている場合もあります。
例えば、第1種低層住居専用地域では、パン屋として使用する部分の床面積の合計が50㎡以内、住宅部分の面積が全体面積の1/2以上であること、原動機の出力合計が0.75kW以下のものに限られるという制限があります。
第1種住居地域では、パン屋として使用する部分の床面積の合計が3,000㎡以内、作業場の床面積の合計は50㎡以内という制限がありますが、原動機の出力制限はありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
パン屋の基本的な設備について詳しくご紹介しました。パン屋を開業する際には、ポイントを押さえて、必要な設備を揃えられるようにしましょう。
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