パン作りが好きな主婦の中には、将来パン屋を開業したいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、パン屋を開業するにはどのような準備が必要なのか、具体的なイメージが湧かない方も多いかもしれません。
そこで今回は、主婦がパン屋を開業する方法について、基本的な流れとポイントをご紹介します。
目次
開業までの5つのステップ
パン作りの技術を身につける
パン屋を開業するためには、まずパン作りの技術を身につける必要があります。独学でパン作りを勉強することも可能ですが、専門のスクールに通ったり、パン屋でアルバイトをしたりすると、より効率的に技術を身につけることができます。
以下に詳しく説明します。
パン作り教室に通う
パン作り教室に通えば、プロの講師からパン作りの基礎を学ぶことができます。また、他の生徒との交流を通して、パン作りのモチベーションを維持することもできます。
パン職人のもとで修行する
パン職人のもとで修行すれば、より実践的なパン作りの技術を身につけることができます。また、パン作りの現場で働くことで、経営やマーケティングなどの知識も身につけることができます。
独学で学ぶ
パンの本や動画を見て、独学でパン作りを学ぶこともできます。ただし、独学ではパン作りの基礎を身につけるまでに時間がかかる場合があるため、まずはパン作り教室やパン職人のもとで基礎を学ぶことをおすすめします。
パン作りの技術を身につけるためには、以下のことに注意しましょう。
基礎をしっかりと身につける
パン作りは、材料や道具、工程など、さまざまな要素が組み合わさって成り立っています。そのため、まずは基礎をしっかりと身につけることが大切です。
繰り返し練習する
パン作りは、繰り返し練習することで技術が向上します。毎日少しずつでもいいので、パン作りを練習しましょう。
新しいことに挑戦する
同じレシピを繰り返し作っていても、技術は向上しません。新しいレシピに挑戦したり、アレンジを加えたりして、技術を磨きましょう。
開業資金を準備する
パン屋を開業するには、設備や材料などの開業資金が必要です。開業資金は、店舗の規模や立地、設備の内容などによって異なりますが、一般的には100万円~300万円程度かかると考えられます。
開業資金を準備するためには、貯金や融資などを利用することになります。融資を利用する場合は、事前にビジネスプランを作成して、金融機関に提出する必要があります。
以下に詳しく説明します。
自己資金
主婦がパン屋を開業するケースの多くは、自己資金で開業するものです。自己資金を準備するには、貯金や資産売却などを検討しましょう。
創業融資
日本政策金融公庫や信用保証協会から融資を受けることもできます。創業融資は、無担保・無保証で借り入れることができるため、自己資金が少ない主婦でも利用しやすいのがメリットです。
補助金・助成金
創業支援として、国や自治体から補助金や助成金が支給される場合があります。補助金や助成金を利用することで、開業資金の負担を軽減することができます。
主婦がパン屋を開業する際の開業資金を準備する際には、以下のことに注意しましょう。
十分な資金を用意する
パン屋を開業するためには、初期費用と運転資金の両方を用意する必要があります。初期費用は、店舗の取得費や内装工事費、設備費などです。運転資金は、原材料費や人件費、光熱費などです。十分な資金を用意しておかないと、開業後に資金繰りが苦しくなる可能性があります。
資金計画を立てる
開業資金をどのように使うのかを明確にするために、資金計画を立てましょう。資金計画を立てることで、必要な資金がいくらなのかを把握することができます。また、資金計画を立てることで、資金繰りのリスクを軽減することができます。
複数の資金調達方法を検討する
単一の資金調達方法に頼ってしまうと、資金繰りが苦しくなる可能性があります。そのため、複数の資金調達方法を検討しておきましょう。
必要な資格を取得する
パン屋を開業するためには、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者は、食品の製造・販売を行う際に必ず配置しなければならない人です。食品衛生責任者になるためには、都道府県等が行う講習会を受講して合格するか、栄養士や製菓衛生師などの資格を取得する必要があります。
パン製造技能士の資格は、パン製造に関する知識と技術を証明する国家資格です。パン製造技能士の資格を持っていると、パン屋での就職や転職に有利になる可能性があります。
また、飲食店営業許可や菓子製造業許可などの許可も必要です。
具体的には、
食品衛生責任者:必須
パン製造技能士:あれば有利
飲食店営業許可・菓子製造業許可:必要
となります。
店舗を探す
主婦がパン屋を開業するにあたり、店舗を探すうえで大事なことは、以下の3つです。
立地
立地は、パン屋の売上を左右する重要な要素です。主婦が開業する場合、自宅から通える範囲で、人通りの多い場所や住宅街、オフィス街などを検討するとよいでしょう。また、駅やバス停など、交通の便が良い場所もおすすめです。
広さ
パン屋には、製造スペース、販売スペース、事務所スペースなどが必要です。製造スペースは、パンを焼くためのオーブンや作業台などを置くスペースを確保する必要があります。販売スペースは、パンを並べるショーケースやレジを置くスペースが必要です。事務所スペースは、事務作業や会計作業を行うスペースが必要です。
設備
パン屋を運営するためには、オーブンや作業台、ショーケース、レジなどの設備が必要です。設備の種類や大きさによって、店舗の広さや費用が変わってきます。
具体的には、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
- ターゲット層の生活圏内にある
- 人通りや交通の便が良い
- 製造スペース、販売スペース、事務所スペースが確保できる
- 必要な設備が設置できる
また、主婦が開業する場合、資金や時間の制約があるため、初期費用を抑えられる店舗を選ぶことも重要です。
以下に、主婦がパン屋を開業する際におすすめの店舗の探し方をご紹介します。
不動産会社に相談する
不動産会社に相談すると、立地や広さ、設備などの条件に合った店舗を紹介してもらえます。
オークションやフリーマーケットで探す
オークションやフリーマーケットでは、中古の店舗や設備を安く購入できる可能性があります。
個人から借りる
個人から借りる場合、家賃や敷金・礼金が安い可能性があります。
店舗探しは、パン屋開業の第一歩です。慎重に検討して、自分に合った店舗を見つけましょう。
パン屋を開業する
店舗が決まったら、パン屋を開業します。開業届や食品衛生法に基づく営業許可などの手続きを行い、パンの販売を開始します。
パン屋を開業して成功するためには、以下のようなポイントを押さえることが大切です。
- 自分の強みやターゲット層を明確にする
- 美味しいパンを作り続ける
- 接客や販売にも力を入れる
- マーケティングやSNSを活用する
主婦がパン屋を開業するメリット
自分の思い通りのパン屋を作れる
主婦がパン屋を開業する場合、働きながら自分のペースでお店作りを進めることができます。また、自分の好きなパンやコンセプトを追求できるため、やりがいを感じやすいでしょう。
地域との関わりが深い
パン屋は、地域に根ざしたお店として親しまれています。主婦が開業する場合、地域の人と交流を深めながら、地域に貢献できるでしょう。
家族との時間を大切にできる
主婦が開業する場合、自宅で開業したり、パートタイムで働いたりするなど、働き方を工夫することで、家族との時間を大切にすることができます。
独立心や経営力を養える
パン屋を開業することは、独立心や経営力を養う良い機会となります。自分のお店を経営することで、責任感ややりがいを感じられるでしょう。
収入アップの可能性がある
パン屋の経営がうまくいけば、収入アップも期待できます。また、自分のお店を経営することで、やりがいを感じて仕事に打ち込むことができるため、モチベーションを維持しやすくなります。
主婦がパン屋を開業するデメリット
資金や時間の制約がある
パン屋を開業するには、初期費用や運転資金が必要です。また、パン作りの技術や経営の知識を身につける時間も必要になります。
競争が激しい
パン屋は競争が激しい業界です。差別化を図って、お客様に選んでもらえるお店づくりが必要です。
長時間労働になる可能性がある
パン屋は、朝早くから夜遅くまで働く必要がある場合があります。また、休日も営業している場合もあるため、体力や体調管理が重要です。
リスクを伴う
パン屋を開業することは、リスクを伴う事業です。売上が思うように上がらず、経営が行き詰まる可能性もあります。
責任感や覚悟が必要
パン屋を開業すると、従業員やお客様の雇用や安全を守る責任があります。また、パン作りの品質や安全性にも責任があります。
主婦がパン屋を開業する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、慎重に検討することが大切です。
まとめ
ここまで、主婦がパン屋を開業する方法について解説してきました。
パン屋を開業するには、コンセプトやメニューの検討、資金の準備、店舗の場所選び、資格や許可の取得、開業届の提出など、さまざまな手続きや準備が必要です。
主婦がパン屋を開業する際には、以下のような点に注意するとよいでしょう。
- 最初は小さく始める
- 無理のない範囲で資金を調達する
- 近隣の競合店を調査する
- パン作りのスキルを磨く
- 接客や販売のスキルを身につける
パン屋を開業するのは、簡単なことではありません。しかし、自分の好きなパンを作り、それを多くの人に届けたいという夢を叶えるために、ぜひチャレンジしてみてください。