食の都・文京区で、あなただけの飲食店を開業しませんか？
歴史と文化が息づく文京区は、洗練された舌を持つグルメが集まるエリアとして知られています。
そんな文京区で、地域に愛される飲食店を開業することは、多くの人にとって夢のような目標でしょう。
しかし、飲食店開業には多額の資金が必要となります。
自己資金だけでは賄えない場合、融資を利用する選択肢があります。
そこで今回は、文京区で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントと、スムーズな開業の流れについて詳しく解説します。
目次
文京区の開業率は東京23区中15位
2016年度の総務省・経済産業省の調査によると、飲食店を含む文京区の開業率は6.1％と東京23区内で15位です。また廃業率は11.5%となっています。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう！
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資：金融機関
補助金：国や地方公共団体など
助成金：国や地方公共団体など
返済の必要性
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
利子
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
申請の難易度
融資：やや高い
補助金：やや高い
助成金：比較的低い
資金の使い道
融資：自由
補助金：指定された用途に限る
助成金：指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
文京区で利用可能な融資・補助金・助成金とは？
文京区では、地域経済の活性化と創業を促進するため、飲食店開業を支援する様々な融資・補助金・助成金制度を用意しています。
これらの制度を有効活用することで、初期投資の負担を軽減し、開業後の経営を安定させることができます。
融資
創業支援資金
概要: 区内で創業しようとする方または区内で創業し1年未満の方が利用できる融資制度です。
内容: 実質的な本人負担金利をゼロとし、信用保証料の2分の1を東京都から補助します。
対象者: 区内で創業する個人事業主、中小企業
融資額: 最大500万円
金利: 東京都が定める金利
返済期間: 最長5年
文京区中小企業向け融資あっせん制度
概要: 区が金融機関と連携して行う融資あっせん制度です。
内容: 融資を受けやすいよう、区が金融機関に推薦します。
対象者: 区内で事業を営む中小企業
融資額: 融資機関ごとに異なる
金利: 融資機関ごとに異なる
返済期間: 融資機関ごとに異なる
その他の融資制度
日本政策金融公庫: 新規開業支援資金、創業・事業承継等資金、小売業等近代化資金など
東京都: 東京都創業支援資金、東京都中小企業等事業再構築資金など
民間の金融機関: 各金融機関独自の融資制度
補助金・助成金
文京区チャレンジショップ支援事業
概要: 区内の商店街の空き店舗において創業する方を対象とした支援事業です。
内容: 家賃の補助（店舗の月額賃借料の2分の1、上限月額5万円）と経営相談を提供します。
対象者: 区内商店街の空き店舗において創業する個人及び法人
支援内容: 家賃補助、経営相談
その他の補助金・助成金
東京都:東京都創業・事業再構築等支援補助金、東京都中小企業等事業再構築資金、東京都ものづくり新事業創出支援補助金など
文京区:文京区中小企業等ものづくり次世代人材育成支援事業、文京区中小企業等ものづくり新事業創出支援事業など
国の制度: ものづくり補助金、中小企業等事業再構築支援補助金など
融資・補助金・助成金の活用方法
計画策定
・事業計画書の作成
・資金計画の作成
申請
融資・補助金・助成金ごとに必要書類を準備し、申請する
※こちらは2024年4月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
文京区で飲食店開業融資を成功させるために、特に気を付けるべき6つのポイントを詳しく説明します。
事業計画の明確化
融資審査において最も重要となるのが、事業計画の明確化です。
以下の点を具体的に記載し、説得力のある事業計画書を作成しましょう。
コンセプト: どのようなお店なのか、どのような客層をターゲットとするのか
商品・サービス: 提供する商品・サービスの内容、差別化ポイント
マーケティング戦略: 顧客獲得のための具体的な方法
財務計画: 売上高、費用、利益、返済計画など
リスク管理: 想定されるリスクと対策
経営経験・実績の証明
飲食店経営の経験や実績があれば、審査で有利に働きます。
過去の経験を活かせる具体的なエピソードなどを盛り込みましょう。
立地条件の調査
競合店や客層などを分析し、出店する場所が適切かどうかを慎重に調査しましょう。
十分な自己資金の準備
融資はあくまでも補助的な手段であり、自己資金がない場合は審査に通らない可能性が高くなります。自己資金は、開業資金全体の3割程度を目安に準備しましょう。
金融機関選び
金利や審査基準は金融機関によって異なるため、複数の金融機関を比較検討し、最適なところを選ぶことが重要です。
専門家のサポート活用
融資手続きは複雑な場合が多いため、専門家のサポートを活用するのも有効です。
税理士や中小企業支援士などの専門家に相談することで、必要な書類の作成や金融機関との交渉などをスムーズに進めることができます。
その他、以下の点にも注意しましょう。
・清潔感のある服装で、誠実な態度で金融機関に相談する
・必要な書類を漏れなく準備する
・質問には明確かつ簡潔に答える
これらのポイントを参考に、しっかりと準備を進めることで、文京区で希望通りの飲食店開業融資を実現することができます。
文京区で開業する際の費用の相場とは？
文京区で飲食店を開業する際の費用は、規模や形態、設備投資の内容によって大きく異なりますが、一般的には以下の通りです。
初期費用
物件取得費用: 800万円～3,000万円
内訳：敷金・礼金、仲介手数料、前家賃、造作費など
厨房設備費用: 500万円～2,000万円
内訳：調理器具、食器類、厨房機器など
その他: 100万円～300万円
内訳：登記費用、許認可取得費用、火災保険料、宣伝広告費など
ランニングコスト
家賃: 50万円～100万円
駅からのアクセス、周辺環境によって変動
人件費: 200万円～400万円
雇用する人数や給与水準によって変動
食材費: 150万円～200万円
提供する料理の種類や仕入先によって変動
光熱費: 5万円～10万円
店舗の規模や営業時間によって変動
その他: 5万円～10万円
消耗品費、ゴミ処理費、修繕費、広告宣伝費など
合計費用
初期費用: 1,450万円～5,300万円
ランニングコスト: 305万円～510万円/月
これらの費用はあくまで目安であり、実際に開業する際には、個々の状況に合わせて詳細な見積もりを取る必要があります。
文京区で開業する際の資金調達の方法
文京区で飲食店を開業するには、多額の資金が必要となります。
自己資金だけでは賄えない場合、融資、補助金、助成金、クラウドファンディング、個人投資家など、様々な資金調達方法があります。
融資
金融機関から資金を借りる方法です。
返済義務がありますが、金利は比較的低く、安定した資金調達手段となります。
補助金・助成金
国や東京都、文京区から資金を無償または低利で提供される制度です。
返済義務はありませんが、採択基準を満たす必要があります。
クラウドファンディング
インターネットで不特定多数から資金を集める方法です。
個人投資家
個人の投資家から資金を調達する方法です。
その他
以上の方法以外にも、貯蓄や家族・友人からの援助など、様々な資金調達方法があります。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、中小企業や創業者の事業資金調達を支援しています。
創業融資に関する豊富なノウハウを持っていますので、文京区で飲食店の開業を目指す方は、ぜひ相談することをおすすめします。
主な融資制度
新規開業支援資金: 最大5,000万円、金利1.2%～
創業・事業承継等資金: 最大3億円、金利1.2%～
小売業等近代化資金: 最大3億円、金利1.2%～
日本政策金融公庫のメリット
金利が低い: 民間の金融機関よりも金利が低く、資金調達コストを抑えることができる
返済期間が長い: 長期的な返済計画を立てることができる
丁寧な相談体制: 経験豊富な担当者が丁寧に対応してくれる
創業支援制度: 創業セミナーや経営相談などの支援制度が充実している
※こちらは2024年4月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式ＨＰなどで確認してください。
文京区で開業する際の実際の開業までの流れを解説
コンセプト・ターゲットの明確化
まず、どのようなお店にするか、誰に来店してもらいたいのかを明確にします。
コンセプト: 提供する料理の種類、雰囲気、価格帯などを具体的に設定
ターゲット: 年齢層、性別、職業、居住地などを分析し、ターゲット層に合わせた戦略を立案
物件選び
コンセプトやターゲットに合った物件を選びます。
立地: 駅からのアクセス、周辺環境、競合店などを考慮
広さ: 必要な厨房スペース、客席数などを考慮
設備: 厨房設備、空調設備、客席設備などを考慮
賃料: 予算と収益計画に合致する賃料
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。
大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。
売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際だけでなく、物件探し、行政手続きなど、開業後の運営にも必要となりますので、しっかりと練ることが重要です。
資金調達
自己資金だけでは賄えない場合、融資、補助金・助成金、クラウドファンディングなどを活用します。
融資: 日本政策金融公庫、民間金融機関などから融資を受ける
補助金・助成金: 国、東京都、文京区から補助金・助成金を受ける
クラウドファンディング: インターネットで不特定多数から資金を集める
法的手続き
営業許可、食品衛生責任者講習受講、消防設備設置など、必要な法的手続きを行います。
営業許可: 文京区保健所に申請
食品衛生責任者講習受講: 講習を受講し、食品衛生責任者資格を取得
消防設備設置: 消防署に相談し、必要な消防設備を設置
開業準備
内装・外装工事: 店舗の内装・外装工事を発注
厨房設備の設置: 厨房設備を購入・設置
食材の調達: 食材の仕入先を決め、納品体制を整える
スタッフの採用・教育: 調理スタッフ、ホールスタッフなどを採用し、教育を実施
メニューの作成: メニューの内容、価格などを決定
宣伝・広告: チラシ、ポスター、SNSなどを活用して宣伝・広告を行う
開業
準備が整ったら、いよいよ開店です。
開業後
顧客満足度の向上: 顧客満足度調査を行い、改善点を見つける
従業員の教育・研修: 従業員のスキルアップのための教育・研修を実施
財務管理: 売上、経費などを管理し、収益性を向上させる
リスク管理: 想定されるリスクが発生した場合、迅速に対応する
文京区で飲食店を開業するメリット
大学や研究機関の多さ
多くの大学や研究機関があり、学生や研究者が多く集まっています。
そのため、学生や教職員、研究者などをターゲットにした飲食店の需要が見込めます。
地域住民の需要
住宅地としても栄えており、地域住民の需要も豊富です。
ファミリー向けのレストランやカフェ、地元の人々が集う居酒屋などが喜ばれそうです。
治安の良さ
治安が良い地域として知られており、安心して外出できる環境が整っています。
交通アクセスの便利さ
都心部に位置し、多くの交通手段が利用できるため、アクセスが非常に便利です。
文京区で飲食店を開業するデメリット
激しい競争
都心部に位置し、多くの飲食店が集まるエリアです。
そのため、競争が激しく、集客や顧客獲得が難しい場合があります。
高い賃料
都心部に位置するため、物件価格が比較的高い傾向にあります。
開業資金や運営費用が高くなる可能性があります。
人件費の高さ
東京都心部に位置するため、人件費が比較的高い傾向にあります。
都心部の混雑
都心部に位置し、人口密度が高く、交通渋滞や混雑が頻繁に発生するため、配達や納品などの物流面での課題が生じる可能性があります。
文京区で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
ここでは、開業資金を抑える5つのコツを紹介します。
中古厨房機器や中古の調理器具を活用する
厨房機器や調理器具は新品だと高額ですが、中古品であれば大幅に費用を抑えることができます。
信頼できる中古厨房機器販売店で購入すれば、品質も問題ありません。
中古の家具やDIYを利用する
テーブルや椅子などの家具も、新品で購入するよりも中古品を利用したり、DIYで自作したりすることで費用を抑えることができます。
テンポスでは多く厨房機器や家具の中古商品を取り揃えております。
居抜き物件を活用する
居抜き物件とは、前のテナントが内装や設備を残したまま退去した物件です。
内装や設備をそのまま利用できるため、大幅に費用を抑えることができます。
小規模な店舗から始める
最初は小規模な店舗から始め、徐々に規模を拡大していくのも有効な手段です。
広い店舗を借りるよりも、初期費用を抑えることができます。
クラウドサービスやITを活用する
会計ソフトや顧客管理ソフトなどの業務用ソフトは、クラウドサービスを利用することで、初期費用を抑えることができます。
また、予約システムやデリバリーサービスなどのITを活用することで、効率化を図り、人件費を抑えることもできます。
その他、開業資金を抑えるためのポイント
・複数の業者から見積もりを取る
・自分でできることは自分でやる
・友人や家族に協力してもらう
・補助金や助成金を利用する
開業資金を抑えることは、成功への第一歩です。今回紹介したコツを参考に、ぜひ賢く開業資金を準備してください。
まとめ
文京区で飲食店を開業するには、綿密な準備と計画が不可欠です。
事業計画書作成、資金調達、物件選びなど、乗り越えるべき課題はたくさんありますが、今回紹介したポイントを押さえ、一歩ずつ確実に進めていきましょう。
行政機関や金融機関のサポートも活用し、文京区で輝く飲食店を作り上げていきましょう！
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。
