飲食店を開業し、自分の手で作り上げた料理を多くの人々に提供したいーー多くの方が抱く夢です。
しかし、理想のお店を形にするには、資金調達という大きな壁が立ちはだかります。
活気あふれる大田区で、あなただけの飲食店を開業したいと考えていませんか?
しかし、いざ実現となると資金調達が壁となることも多いでしょう。
そんな時、心強い味方となるのが融資です。
本記事では、大田区で飲食店開業時に融資を受けるポイントと、具体的な開業の流れを分かりやすく解説します。
目次
大田区の開業率は東京23区中13位
2016年度の総務省・経済産業省の調査によると、飲食店を含む大田区の開業率は6.6%と東京23区内で13位です。また廃業率は10.3%となっています。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
大田区で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
大田区で飲食店を開業する際に利用可能な融資・補助金・助成金について詳しく説明します。
これらの制度を有効活用することで、初期投資の負担を軽減し、開業後の経営を安定させることができます。
融資
融資は、金融機関からお金を借りる制度です。
返済義務がありますが、自己資金よりも低い金利で資金調達できるというメリットがあります。
大田区で飲食店開業時に利用可能な融資制度は以下の通りです。
日本政策金融公庫 新創業融資制度
対象者:創業5年以内の中小企業者
融資額:最大3,000万円
金利:固定金利(優遇利率適用可)
返済期間:最長10年
特色:審査が比較的通りやすい、金利が安い
東京都創業融資
対象者:東京都内に事業所を設ける創業5年以内の中小企業者
融資額:最大2,000万円
金利:固定金利(優遇利率適用可)
返済期間:最長10年
特色:東京都独自の制度、金利優遇制度あり
大田区中小企業融資あっせん制度「開業資金」
対象者:大田区内に事業所を設ける者で、開業または新規事業開始等を行う中小企業者
融資額:最大2,000万円
金利:東京都の創業融資と同水準
返済期間:最長10年
特色:商店街空き店舗活用・ものづくり事業に全額利子補給あり
補助金・助成金
補助金・助成金は、返済の義務がない資金です。
採択ハードルが高く、すべての事業が対象になるというわけではありませんが、上手く活用できれば大きな支援を受けることができます。
大田区で飲食店開業時に利用可能な補助金・助成金は以下の通りです。
ものづくり・商業化支援補助金
対象者:大田区内でものづくりや商業活動を営む中小企業者
補助金額:上限500万円
用途:設備投資、商品開発、販促活動等
特色:ものづくり・商業化に関わる幅広い事業を支援
商店街等活性化支援補助金
対象者:大田区内の商店街等で事業を行う者
補助金額:上限500万円
用途:店舗改修、商品開発、販促活動等
特色:商店街の活性化に貢献する事業を支援
融資・補助金・助成金の選び方
融資・補助金・助成金にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
それぞれの制度の特徴を理解し、自身の事業内容に合致する制度を選択することが重要です。
融資
メリット:自己資金よりも低い金利で資金調達できる
デメリット:返済義務がある
補助金・助成金
メリット:返済義務がない
デメリット:採択ハードルが高い、すべての事業が対象になるわけではない
融資・補助金・助成金の申請
融資・補助金・助成金の申請には、それぞれ必要書類や手続きがあります。
詳細は各制度の窓口にお問い合わせください。
※こちらは2024年4月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
専門家への相談
融資・補助金・助成金の制度は複雑で、理解するのが難しい場合があります。
専門家(税理士、中小企業支援士等)に相談することで、自分に合った制度を見つけ、申請手続きをスムーズに進めることができます。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
大田区で飲食店開業時に融資を受ける際に気を付けるべきポイントを5つご紹介します。
事業計画をしっかりと練る
融資を受けるためには、事業計画書が必須です。
事業計画書は、金融機関に対して、あなたの事業がどのくらい儲かるのか、返済能力があるのかを証明するものです。
計画書には、以下の内容を具体的に記載する必要があります。
お店のコンセプト: どのような料理を提供するのか、ターゲット顧客は誰か
市場分析: 現在の市場動向、競合店の状況
収益計画: 売上高、利益、損失の見込み
資金計画: 融資資金の使途、返済計画
経営陣の紹介: 経営者や主要なスタッフの紹介
事業計画書は、自身の事業内容を整理し、金融機関に理解してもらうための重要なツールです。時間をかけてしっかりと練り上げましょう。
自己資金を準備する
融資はあくまでも補助的な資金調達手段です。
自己資金がない場合は、金融機関から融資を受けられない可能性が高くなります。
融資を受ける際には、少なくとも事業計画書の総費用の20%程度の自己資金を準備しておくことが望ましいです。
複数の金融機関を比較検討する
金利や融資条件は金融機関によって異なるため、複数の金融機関を比較検討することが重要です。
担当者との面談では、事業計画の内容をしっかりと説明し、質問に丁寧に答えましょう。
不安定な経営状況は避ける
過去に返済延滞や債務整理を行ったことがある場合は、融資を受けられる可能性が低くなります。
融資を受ける前に、過去の債務問題を整理しておくことが重要です。
専門家のサポートを活用する
融資手続きは複雑で、理解するのが難しい場合があります。
税理士や中小企業支援士などの専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。
その他、気を付けるべき点
保証人の確保: 金額によっては、保証人を求められる場合があります。
返済シミュレーションを行う: 毎月の返済額が無理のない範囲であることを確認しましょう。
最新情報を入手する: 融資制度は定期的に変更されています。最新情報を入手するようにしましょう。
大田区で開業する際の費用の相場とは?
大田区で飲食店を開業する際の費用の相場と、開業費用を抑えるためのポイントについて詳しく説明します。
飲食店開業費用の内訳
飲食店を開業する際にかかる費用は、主に以下の項目に分類されます。
以下は、大田区における一般的な費用の相場です。
店舗取得費用
家賃、敷金、礼金、保証金など
坪単価5,000円〜10,000円/月、敷金: 家賃2〜3ヶ月分、礼金: 家賃1〜2ヶ月分、保証金: 家賃6ヶ月分
内装工事費
厨房設備、客席設備、照明、内装材など
坪単価30万円〜50万円
厨房機器費
調理器具、冷蔵庫、冷凍庫、換気扇など
100万円〜300万円
開業準備費
許認可取得費、保険料、広告宣伝費など
50万円〜100万円
運転資金
食材費、人件費、光熱費など
2ヶ月〜3ヶ月分の売上高相当額
大田区で飲食店を開業する際にかかる費用は、上記の相場を参考に、自身の事業計画に合わせて見積もることが大切です。
また、開業費用を抑えるためのポイントを意識することで、より効率的に資金調達することができます。
大田区で開業する際の資金調達の方法
大田区で飲食店を開業する際の資金調達方法を詳しく説明します。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合った方法を選択することが重要です。
自己資金
最も確実な資金調達方法ですが、多くの人が持ち合わせていないのが現状です。
開業に必要な資金の一部を自己負担することで、融資の審査が通りやすくなったり、金利を低く抑えられたりするなどのメリットがあります。
融資
金融機関から資金を借りる方法です。
返済義務がありますが、自己資金よりも低い金利で資金調達できるというメリットがあります。
大田区で飲食店開業時に利用可能な融資制度については、下記を参照してください。
補助金・助成金
国や自治体から、創業や設備投資などに補助金が出る制度です。
返済の義務がない資金調達方法ですが、採択ハードルが高く、すべての事業が対象になるというわけではありません。
大田区で飲食店開業時に利用可能な補助金・助成金については、下記を参照してください。
クラウドファンディング
インターネット上で、多くの人から小額の資金を調達する方法です。
成功すれば融資を受けることなく資金調達でき、開業前に多くの人にお店の認知度を高められるというメリットがあります。
しかし、プロジェクトが失敗すれば資金が集まらず、目標金額を達成できない可能性があります。
エンジェル投資家・ベンチャーキャピタルからの出資
事業に投資し、利益を期待する個人や投資家から資金調達する方法です。
自己資金や融資では難しいまとまった資金を調達できる可能性がありますが、出資を受ける代わりに、経営に口を出される可能性があります。
フランチャイズ
既に実績のあるブランドのフランチャイズに加盟することで、開業に必要な資金やノウハウを手に入れることができます。
しかし、ロイヤリティの支払いなどの加盟条件があり、経営の自由度が低くなります。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関で、中小企業の事業承継や創業を支援するための融資制度を設けています。民間の金融機関よりも金利が低く、返済期間も長いのが特徴です。
大田区で飲食店開業を検討している方は、日本政策金融公庫の公式サイトで詳細を確認することをおすすめします。
対象者:創業5年以内の中小企業者
融資額:最大3,000万円
金利:固定金利(優遇利率適用可)
返済期間:最長10年
特色:審査が比較的通りやすい、金利が安い
※こちらは2024年4月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
大田区で開業する際の実際の開業までの流れを解説
大田区で飲食店を開業する際の具体的な開業までの流れと、事業計画書作成のポイントについて解説します。
開業準備(3ヶ月〜6ヶ月程度)
コンセプトの策定
どんなお店にするのか、ターゲット顧客は誰か、どのような料理を提供するのかなどを明確にしましょう。
そして、それらを基に事業計画書を作成します。
事業計画書は、融資を受ける際にも必要となりますので、しっかりと練り上げることが重要です。
事業計画書の作成
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
・店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
・メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
・ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
・売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
物件探し
希望に合った物件を見つけるために、不動産業者に相談したり、インターネットで情報収集したりしましょう。
重要なのは、以下の点です。
立地: ターゲット顧客がアクセスしやすい場所にあるか
広さ: 厨房スペース、客席スペース、収納スペースなどを考慮した 広さか
設備: 厨房設備、客席設備、空調設備などが整っているか
賃料: 予算内に収まる賃料か
資金調達
事業計画に基づき、必要資金を調達します。
融資、補助金・助成金、自己資金などを活用しましょう。
許認可取得
営業許可、食品衛生責任者の講習修了証明書、消防設備設置許可証など、必要な許認可を取得します。
内装工事
厨房設備、客席設備、照明、内装材などを設置します。
厨房機器の購入
調理器具、冷蔵庫、冷凍庫、換気扇など、厨房に必要な機器を購入します。
開業準備
・スタッフの採用・教育
・メニュー開発
・食材の発注
・備品の購入
・宣伝・広告活動
開業
準備が整ったら、いよいよ開店です。
開店後も、お客様に満足していただけるよう、日々努力を続けましょう。
開業後の運営
・メニューの改善
・サービスの向上
・販促活動の強化
・経理管理
・人材育成
大田区で飲食店を開業するメリット
交通の便
羽田空港が近く、多摩川沿いに位置しています。
地下鉄やJR線、私鉄など複数の交通手段が利用でき、アクセスが良いため、観光客や地域住民だけでなく、出張者や通勤者も訪れる好立地です。
多様な需要層
商業施設やオフィス街、住宅地が集積しているため、幅広い需要層に対応できます。
地域コミュニティの活性化
地元住民との交流や地域活性化イベントなどが盛んな地域です。
地域の顧客とのコミュニケーションを意識しましょう。
地元の食材や食文化の活用
地元の食材や食文化を取り入れたメニューを提供することで、地域の顧客層にアピールすることができます。
大田区で飲食店を開業するデメリット
競合の激化
多くの飲食店が立ち並ぶエリアであり、競争が激しいことが挙げられます。
高い賃料
人通りの多いエリアや商業施設の近くなど、立地条件が良い場所は賃料が高くなります。
人口減少の影響
東京の中でも比較的高齢化が進んでおり、若年層の減少や高齢化に伴う需要の変化が懸念されます。
周辺環境の変化
周辺の商業施設や再開発計画の進行など、周辺環境の変化が予想されます。
大田区で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
大田区で飲食店を開業する際の開業資金を抑えるコツについて詳しく説明します。
中古厨房機器・調理器具を利用する
厨房機器や調理器具は新品だと非常に高価です。
初期投資を抑えたい場合は、中古品を積極的に活用しましょう。
中古品販売店やオークションサイトなどで、状態の良い中古品を見つけることができます。
中古家具・設備を利用する
テーブル、椅子、レジ、食器棚などの家具や設備も、中古品を活用することで費用を抑えることができます。
リサイクルショップやフリマアプリなどを活用するのも良いでしょう。
テンポスでは多くの中古厨房機器や中古家具を取り揃えております。
DIYで内装・外装を改装する
内装や外装の改装を業者に依頼すると、多額の費用がかかります。
ある程度DIYスキルがある場合は、自ら改装することで費用を抑えることができます。
居抜き物件を活用する
居抜き物件とは、前の借り主が内装や設備を残したままの状態の物件です。
内装や設備を自分で用意する必要がないため、初期投資を抑えることができます。
ただし、居抜き物件は状態が悪い場合も多いので、事前にしっかりと確認する必要があります。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める方法です。
“自分の夢を実現したい”という想いに共感した人が、資金を支援してくれます。
目標金額を達成できれば、資金調達することができます。
開業時期を工夫する
繁忙期ではなく、閑散期に開店すれば、家賃や人件費などの固定費を抑えることができます。
ただし、閑散期は売上も低くなる可能性があるので、注意が必要です。
メニューを絞り込む
最初から多くのメニューを用意するよりも、まずは少ないメニューで勝負し、徐々にメニューを増やしていくのも良い方法です。
原価率を意識する
原価率とは、食材や調味料などの原価が売上高に占める割合です。
原価率が高すぎると利益が少なくなるので、原価率を意識しながらメニューを構成することが重要です。
節水・節電を徹底する
水光熱費は馬鹿になりません。
節水・節電を徹底することで、ランニングコストを抑えることができます。
スタッフの教育を徹底する
スタッフのミスやオペレーションの非効率は、売上減少や利益の低下につながります。
スタッフの教育を徹底することで、無駄なコストを抑えることができます。
まとめ
大田区で飲食店を開業することは、誰でもできる簡単なことではありません。
しかし、綿密な準備と確かな計画、そして強い意志があれば、きっと夢を実現できます。
今回紹介した内容を参考に、一歩ずつ着実に準備を進めていきましょう。
大田区は、活気あふれる商店街から、落ち着いた住宅街まで、様々な表情を持つ魅力的な街です。
地域住民に愛される、オンリーワンのお店を目指して、挑戦してみてはいかがでしょうか?
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。