仙台市は、東北地方の中心都市として、豊かな食文化と活発な経済活動が特徴です。近年は、観光客の増加や地元の消費活性化により、飲食店への需要も高まっています。
そんな仙台市で飲食店を開業したいと考えている方にとって、融資は重要な資金調達手段の一つです。しかし、融資を受けるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
そこで今回は、仙台市で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントと、開業の流れについて解説します。
目次
宮城県の開業率は全国11位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む広島県の開業率は5.3％と全国で11位です。また廃業率は3.3％で、全国で6番目に低い数値となっています。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう！
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資：金融機関
補助金：国や地方公共団体など
助成金：国や地方公共団体など
返済の必要性
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
利子
融資：必要
補助金：不要
助成金：不要
申請の難易度
融資：やや高い
補助金：やや高い
助成金：比較的低い
資金の使い道
融資：自由
補助金：指定された用途に限る
助成金：指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
仙台市で利用可能な融資・補助金・助成金とは？
ここでは、仙台市で利用可能な融資・補助金・助成金について詳しく説明します。
融資
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府系金融機関として、創業融資や小規模事業者向け融資など、さまざまな融資制度を提供しています。
創業融資
創業融資は、創業する個人事業主や中小企業向けの融資制度です。
融資額: 最大3,000万円
金利: 1.35%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長15年
小規模事業者向け融資
小規模事業者向け融資は、売上高1億円以下の小規模事業者向けの融資制度です。
融資額: 最大5,000万円
金利: 1.35%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長15年
仙台市産業振興事業団
仙台市産業振興事業団は、仙台市内の事業者向けの融資制度を提供しています。
創業支援融資
創業支援融資は、仙台市内で創業する個人事業主や中小企業向けの融資制度です。
融資額: 最大1,000万円
金利: 1.25%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長10年
小規模事業者向け融資
小規模事業者向け融資は、仙台市内の売上高1億円以下の小規模事業者向けの融資制度です。
融資額: 最大2,000万円
金利: 1.25%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長10年
補助金・助成金
仙台市
仙台市は、事業者向けの補助金・助成金制度を多数設けています。
新事業創出支援補助金
新事業創出支援補助金は、仙台市内で新たな事業を立ち上げる事業者向けの補助金制度です。
補助対象: 新製品・新サービスの開発、新規事業の立ち上げなど
補助金額: 最大100万円
中小企業等経営改善資金利子補給
中小企業等経営改善資金利子補給は、中小企業等が金融機関から融資を受けた際の利息を補助する制度です。
補助対象: 設備投資、研究開発、人材育成など
補助金額: 融資額の0.7%
宮城県
宮城県も、事業者向けの補助金・助成金制度を多数設けています。
みやぎ産業活力創造事業補助金
みやぎ産業活力創造事業補助金は、宮城県内で事業を展開する事業者向けの補助金制度です。
補助対象: 新規事業の立ち上げ、設備投資、研究開発など
補助金額: 最大1,000万円
中小企業等経営強化資金利子補給
中小企業等経営強化資金利子補給は、中小企業等が金融機関から融資を受けた際の利息を補助する制度です。
補助対象: 設備投資、研究開発、人材育成など
補助金額: 融資額の0.7%
※こちらは2024年2月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
仙台市で飲食店を開業する際に、融資は重要な資金調達手段の一つです。しかし、融資を受ける際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
事業計画の重要性
融資を受けるためには、金融機関に事業計画書を提出する必要があります。事業計画書は、事業内容、収益計画、資金計画などをまとめた書類です。
金融機関は、事業計画書に基づいて、融資の可否を判断します。そのため、事業計画書はしっかりと練る必要があります。
自己資金の必要性
多くの場合、融資を受けるためには、自己資金が必要です。自己資金は、融資額の一部を賄うための資金です。
自己資金が少ないと、融資を受けられない可能性が高くなります。
返済計画の重要性
融資は、返済する必要があります。返済計画は、どのように返済していくかを計画したものです。
返済計画が不十分だと、返済が困難になる可能性があります。
金利の比較
金融機関によって、金利は異なります。金利は、借入額に対して支払う利息です。
金利が低いほど、返済負担が軽くなります。
審査基準の確認
金融機関によって、審査基準は異なります。審査基準を確認することで、融資を受けられる可能性が高くなります。
担当者とのコミュニケーション
融資を受けるためには、金融機関の担当者とコミュニケーションを取る必要があります。
担当者に事業内容を理解してもらうことで、融資を受けられる可能性が高くなります。
専門家の活用
融資を受けるには、書類作成や手続きなど、さまざまな準備が必要です。
専門家に相談することで、スムーズに準備を進めることができます。
融資の種類
一口に融資といっても、さまざまな種類があります。
事業内容や資金調達目的に合った融資を選ぶことが重要です。
補助金・助成金の活用
融資以外にも、補助金や助成金を利用することで、資金調達を有利に進めることができます。
情報収集
融資に関する情報は、さまざまな方法で収集することができます。
金融機関のホームページやセミナー、専門家への相談などを通じて、情報収集を行いましょう。
仙台市で開業する際の費用の相場とは？
仙台市で飲食店を開業する際の費用は、店舗の規模や業態、設備の充実度などによって大きく異なります。
ここでは、一般的な飲食店の開業費用について、内訳と相場を詳しく説明します。
物件取得費
店舗賃料: 月額10万円～30万円
礼金: 賃料の1～2ヶ月分
敷金: 賃料の1～2ヶ月分
仲介手数料: 賃料の1ヶ月分
内装工事費
坪単価: 10万円～80万円
店舗規模: 20坪～30坪
合計費用: 200万円～2400万円
設備費用
厨房設備: 100万円～300万円
テーブル・椅子: 50万円～100万円
食器類: 30万円～50万円
厨房用品: 20万円～30万円
合計費用: 200万円～500万円
諸経費
許可申請費用: 5万円～10万円
広告宣伝費: 50万円～100万円
保険料: 10万円～20万円
その他: 10万円～20万円
合計費用: 75万円～150万円
運転資金
家賃: 月額10万円～30万円
人件費: 月額20万円～30万円
食材費: 月額10万円～20万円
光熱費: 月額5万円～10万円
その他: 月額5万円～10万円
合計費用: 月額50万円～100万円
開業費用の合計：500万円～3500万円程度
上記の費用を合計すると、500万円～3500万円程度となります。
仙台市で開業する際の資金調達の方法
仙台市で飲食店を開業する際には、自己資金、融資、補助金・助成金など、さまざまな方法で資金を調達することができます。
自己資金
自己資金は、最も確実な資金調達方法です。自己資金が多いほど、融資を受ける際の条件が有利になります。
融資
融資は、金融機関から資金を借り入れる方法です。
融資を受けることができる金融機関には、以下の種類があります。
金融機関の種類
銀行: 都市銀行、地方銀行、信用金庫など
日本政策金融公庫: 政府系金融機関
信用保証協会: 中小企業向けの融資保証を行う
補助金・助成金
補助金・助成金は、国や地方自治体、公益法人などが事業者に交付する資金です。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関として、創業融資や小規模事業者向け融資など、さまざまな融資制度を提供しています。
創業融資
創業融資は、創業する個人事業主や中小企業向けの融資制度です。
融資額: 最大3,000万円
金利: 1.35%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長15年
小規模事業者向け融資
小規模事業者向け融資は、売上高1億円以下の小規模事業者向けの融資制度です。
融資額: 最大5,000万円
金利: 1.35%～（令和5年3月現在）
返済期間: 最長15年
日本政策金融公庫のメリット
日本政策金融公庫の融資には、以下のメリットがあります。
金利が低い: 民間金融機関よりも金利が低い
返済期間が長い: 民間金融機関よりも返済期間が長い
創業支援制度が充実している: 創業セミナーやコンサルティングなどの支援制度が充実している
仙台市で飲食店を開業する際には、自己資金、融資、補助金・助成金など、さまざまな方法で資金を調達することができます。
それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
※こちらは2024年2月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式ＨＰなどで確認してください。
仙台市で開業する際の実際の開業までの流れを解説
仙台市で飲食店を開業するには、以下の流れで進めることが一般的です。
市場調査・コンセプトの策定
・仙台市の飲食市場の分析
・競合店の調査
・ターゲット顧客の明確化
・独自のコンセプトの策定
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
物件の選定
・コンセプトに合致する立地条件
・広さ
・賃料
・設備
資金調達
・自己資金
・融資
・補助金・助成金
許可申請
・食品営業許可
・酒類販売免
・消防署への防火管理者選任届
・その他
内装工事・設備導入
・コンセプトに基づいた内装
・厨房設備
・客席設備
メニュー開発
・ターゲット顧客に合わせたメニュー
・原価計算
・価格設定
スタッフ募集・採用
・調理スタッフ
・ホールスタッフ
・接客マナー研修
開業準備
・広告宣伝
・ホームページ作成
・SNS運用
・開店準備
開店
準備が整ったら、いよいよ開業です。
開業後の運営
・顧客満足度向上
・売上管理
・従業員教育
・衛生管理
・コスト管理
仙台市で飲食店を開業するメリット
観光地として人気
東北地方の中心都市であり、多くの観光名所や文化施設があります。
地域の特産品が豊富
周辺は農業や漁業が盛んであり、新鮮な地元産の食材が豊富にあります。
学生が多く集まる
市内には多くの大学や専門学校があり、学生の数も多いです。学生向けのリーズナブルな価格帯やアットホームな雰囲気の飲食店が人気になりやすいです。
交通アクセスが良い
交通の要所に位置しており、JR仙台駅を中心にバスや地下鉄などの公共交通機関が発達しています。
仙台市で飲食店を開業するデメリット
競争が激しい
飲食店が多く、競争が激しい地域です。新規店舗が参入する際には、既存の店舗との競争に対処する必要があります。
人材確保が難しい
飲食業界は人手不足の傾向があります。特に仙台市では大学や専門学校が多く、学生がアルバイトとして働く場が競合するため、人材の確保が難しい場合があります。賃金や待遇などで差別化を図りましょう。
賃料が高い
中心部や繁華街では家賃が高い傾向があります。特に人通りの多いエリアでは家賃が高騰しています。
季節の影響を受ける
四季の変化がはっきりしており、特に冬季は寒冷であるため、客足が落ちる可能性があります。
仙台市で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
仙台市で飲食店を開業する際には、初期費用を抑えることが重要です。初期費用を抑えることで、開業後の資金繰りを楽にすることができます。
以下、開業資金を抑えるコツをご紹介します。
物件取得費を抑える
駅前の繁華街ではなく、少し離れた場所を選ぶ: 賃料が安くなる
広さよりも立地を重視する: 狭いスペースでも効率的に運営すれば十分な収益を得られる
居抜き物件を活用する: 前のテナントの設備をそのまま利用できる
内装工事費を抑える
DIYで内装工事を行ったり什器や装飾品を作ったりする: 業者に依頼するよりも費用を抑えられる
友人や家族に手伝ってもらう: 人件費を節約できる
中古資材を活用する: 新品よりも費用を抑えられる
シンプルな内装にする: 過剰な装飾はコストがかかる
設備費用を抑える
中古厨房設備を購入する: 新品よりも費用を抑えられる
リースを利用する: 初期投資を抑えられる
サブスクを利用する: 必要に応じて利用できる
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
運転資金を抑える
食材をまとめ買いする: 単価を安くできる
フードロスを減らす: 食材を無駄にしない
人件費を抑える: アルバイトを効率的に活用する
SNSを活用して広告宣伝を行う: 費用を抑えられる
補助金・助成金の活用
仙台市や宮城県の補助金・助成金制度を利用する: 開業資金の一部を補助してもらえる
専門家の相談
資金調達や許可申請など、わからないことは専門家に相談する: 時間と費用を節約できる
まとめ
仙台市で飲食店を開業する際の資金調達には、自己資金だけでなく、融資も有効な手段です。
事業計画書をしっかりと作成し、事前準備をしておけば、融資の可否を高め、スムーズな開業を実現できます。
今回の記事を参考に、計画的に準備を進め、夢の飲食店開業を目指しましょう！
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。
