京都市で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントは?開業の流れも含めて解説!

出店・開業

歴史と伝統が息づく古都・京都市は、国内外から多くの観光客が訪れる魅力的な街です。その魅力は食文化にも表れ、京料理をはじめとする様々な飲食店が軒を連ねています。

近年、京都市では新規の飲食店開業も活発化しており、その夢を実現するために融資を利用する方も少なくありません。しかし、融資を受けるには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

本記事では、京都市で飲食店を開業する際に融資を受ける際のポイントと、具体的な開業の流れについて詳しく解説します。

目次

京都府の開業率は全国19位

2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む京都府の開業率は4.7%と全国平均の5.2%をやや下回っています。また廃業率は4.6%と全国平均の3.8%を上回る数値です。

京都府の廃業率が比較的高い理由は、特に観光地や繁華街などの人気エリアで家賃が高額であること、代表者の高齢化や後継者の不足などが挙げられます。

まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!

融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。

融資

融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。

一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。

補助金

補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。

一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。

助成金

助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。

一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

資金調達の主体

融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など

返済の必要性

融資:必要
補助金:不要
助成金:不要

利子

融資:必要
補助金:不要
助成金:不要

申請の難易度

融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い

資金の使い道

融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る

事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。

京都市で利用可能な融資・補助金・助成金とは?

融資

京都市中小企業融資制度

京都市が独自に設けている融資制度です。以下の5つの制度があります。

中小企業総合資金
・新規創業資金
・設備資金
・災害対策緊急資金
・中小企業下支え資金

京都府中小企業融資制度

京都府が独自に設けている融資制度です。以下の4つの制度があります。

・マル久制度
・創業・チャレンジ支援資金
・事業再構築等支援資金
・新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫

政府系金融機関である日本政策金融公庫には、様々な融資制度があります。

・創業・小規模企業向け融資
・中小企業向け融資
・新型コロナウイルス感染症特別貸付

後ほど詳しく説明いたします。

補助金・助成金

京都市ものづくり補助金

京都市内で事業を営む中小企業等が、ものづくりの技術開発や設備投資を行う際に支給される補助金です。
設備投資、研究開発、人材育成など
補助金額:最大1,000万円

京都市観光立市推進事業補助金

京都市の観光立市推進に貢献する事業に対して支給される補助金です。
観光客誘致、観光資源開発など
補助金額:最大200万円

京都市創業・チャレンジ支援助成金

京都市内で新規創業や事業のチャレンジを行う方に対して支給される助成金です。
創業、新規事業展開など
補助金額:最大50万円

京都府新型コロナウイルス感染症事業者支援補助金

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対して支給される補助金です。

申請方法

申請方法は、各制度によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
・申請書
・事業計画書
・財務諸表
・その他必要書類

※こちらは2024年2月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。

融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは

京都市で飲食店を開業する際に、融資は資金調達として有効な手段です。しかし、融資を受けるにはいくつかのポイントを押さえることが重要です。

自己資金の比率を高める

金融機関は、融資を申し込む事業者に一定の自己資金があることを求めます。自己資金が多いほど、事業の成功可能性が高いと判断され、融資を受けやすくなるだけでなく、金利や返済条件も有利になる可能性があります。

事業計画をしっかりと作成する

融資を受けるためには、事業計画書を作成し、金融機関に提出する必要があります。事業計画書には、お店のコンセプトやターゲット層、売上予測、資金計画など、事業内容を具体的に記載する必要があります。

複数の金融機関から見積もりを取る

金融機関によって、融資制度や金利、返済条件などが異なります。複数の金融機関から見積もりを取ることで、比較検討し、自分に合った融資を選ぶことができます。
金融機関を選ぶ際には、以下のポイントを比較検討しましょう。

・融資利率
・返済条件
・融資額
・審査基準
・担当者の対応

融資の種類を理解する

一口に融資といっても、様々な種類があります。返済方法や金利、融資期間など、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分に合った融資を選ぶことが重要です。

金利・返済条件を理解する

融資を受ける際には、金利や返済条件をしっかりと理解することが大切です。金利は、借入額に対して支払う利息です。返済条件は、返済期間や返済方法などを指します。金利や返済条件が不利な場合、事業の収益を圧迫する可能性があります。

融資後のフォローアップ

融資を受けた後も、定期的に金融機関に事業状況を報告する必要があります。これは、金融機関が融資の回収状況を把握するためです。報告を怠ると、追加融資が受けられなくなる可能性があります。

専門家の相談

融資に関する手続きは複雑な場合もあります。必要に応じて、税理士や会計士などの専門家に相談することをおすすめします。

融資の審査基準を満たす

金融機関には、融資の審査基準があります。審査基準は、金融機関によって異なりますが、一般的には以下の項目が確認されます。
・事業計画書の質
・自己資金の比率
・過去の事業実績
・代表者の信用情報
審査基準を満たしていない場合、融資を受けることができない可能性があります。

融資担当者とのコミュニケーションを大切にする

融資担当者とのコミュニケーションを大切にすることで、融資を受ける可能性を高めることができます。事業内容や資金計画について、丁寧に説明しましょう。

融資後のサポートを活用する

多くの金融機関では、融資後のサポート制度を提供しています。経営相談やセミナーなど、様々なサポートを活用することで、事業を成功に導くことができます。

京都市で開業する際の費用の相場とは?

京都市で飲食店を開業する際の費用は、店舗規模、立地、業態、設備投資などによって大きく異なります。しかし、一般的な目安として以下の費用がかかります。

物件取得費用

店舗取得費(賃貸・購入):50万円~1,000万円
内装工事費:500万円~1,000万円
厨房設備費:100万円~500万円
什器・備品費:50万円~100万円
運転資金:100万円~300万円
初期費用合計:約1,300万円~3,000万円

月額費用

家賃:10万円~30万円
人件費:100万円~300万円
食材費:50万円~100万円
光熱費:10万円~20万円
水道光熱費:10万円~20万円
その他経費:50万円~100万円
月額費用合計:約330万円~750万円

開業資金の目安合計:約1,630万円~3,750万円程度

上記を踏まえると、京都市で飲食店を開業するには、約1,630万円~3,750万円程度の資金が必要となります。

京都市で開業する際の資金調達の方法

京都市で飲食店を開業する場合、以下の方法で資金を調達できます。

自己資金

自己資金は、最も確実な資金調達方法です。自己資金が多いほど、融資を受けやすくなったり、金利が低くなったりするメリットがあります。

融資

金融機関から借入を行う方法です。返済義務がありますが、金利や返済条件は金融機関によって異なります。

補助金・助成金

国や地方自治体から資金が支給される制度です。返済義務はありませんが、申請条件を満たす必要があります。

クラウドファンディング

インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法です。多くの人に事業を知ってもらうきっかけにもなります。

ファクタリング

売掛金を第三者に売却して資金を調達する方法です。すぐに資金を調達できるメリットがありますが、手数料が高くなります。

エンジェル投資家・ベンチャーキャピタル

個人投資家や投資会社から資金を調達する方法です。事業内容や成長性などを評価されます。

リース

厨房機器や什器備品などをリース契約で利用する方法です。初期投資を抑えることができます。

日本政策金融公庫を利用する

日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、創業融資に力を入れています。以下の融資制度があります。

創業・小規模企業向け融資

創業や小規模企業の事業資金を支援する融資制度です。

中小企業向け融資

中小企業の設備投資や運転資金を支援する融資制度です。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの融資制度です。

日本政策金融公庫の融資は、以下のメリットがあります。
・金利が比較的低い
・返済期間が長い
・担保や保証人が不要な場合がある

※こちらは2024年2月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。

京都市で開業する際の実際の開業までの流れを解説

京都市で飲食店を開業するまでの流れは、以下のとおりです。

コンセプト・ターゲット層の明確化

まず、どのようなお店を開業したいかを具体的にイメージする必要があります。
・お店のコンセプト(業態、客単価、雰囲気など)
・ターゲット層(年齢層、性別、職業、嗜好など)

物件探し

コンセプトやターゲット層に合った物件を探します。
・立地(駅からの距離、周辺環境、競合店など)
・広さ
・賃料

資金計画

開業資金と運転資金を算出します。
・初期費用(店舗取得費、内装工事費、厨房設備費、什器・備品費、運転資金など)
・月額費用(家賃、人件費、食材費、光熱費、水道光熱費、その他経費など)

事業計画書を作成する

事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。

店舗の概要

店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。

メニューやコンセプト

競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。

ターゲット顧客

ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。

売上計画、収支計画

収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。

事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。

各種許可の取得

食品営業許可をはじめ、消防署や警察署への各種申請・届出が必要です。
・食品営業許可
・消防署への防火管理者選任届
・警察署への深夜酒類提供飲食店営業開始届
・その他

内装工事・厨房設備の設置

コンセプトに沿って、内装工事や厨房設備の設置を行います。

スタッフ募集

必要に応じて、スタッフを募集します。

メニュー開発

コンセプトやターゲット層に合ったメニューを開発します。

開店準備

食材や備品を揃え、開店に向けて準備を進めます。

オープン

いよいよ開店です。
SNSでの告知や開店イベント、キャンペーンなどを実施して、認知度を高めましょう。
顧客満足度向上に努めましょう。

京都市で飲食店を開業するメリット

観光地として人気がある

世界的に有名な観光地であり、年間を通じて多くの観光客が訪れます。

地元食材を活用できる

精進料理

自然豊かな地域であり、新鮮で高品質な地元の食材が豊富に揃っています。これを活かして地産地消メニューや季節の食材を使用したメニューの提供ができます。

イベントと季節ごとの祭りがある

さまざまな季節ごとのイベントや伝統的な祭りが開催されます。これらのイベントに合わせた特別なメニューやサービスの提供ができます。

食のジャンルが多様

様々なジャンルの飲食店が存在しており、市場の多様性が開業者にとってチャンスとなります。

京都市で飲食店を開業するデメリット

競争が激しい

観光地として非常に人気があり、多くの飲食店が存在します。そのため、競争が激しいです。

賃料が高い

中心部や観光地周辺は、賃料が高額になります。

季節の影響を受ける

観光業が盛んなため、観光シーズンや特定のイベントの時期には客足が多くなりますが、それ以外の時期は需要が減少することがあります。

人手不足になることがある

観光地であるため、季節やイベントによっては労働力の確保が難しいことがあります。

京都市で開業する際の開業資金を抑えるコツとは


コンセプトを明確にする

コンセプトを明確にすることで、必要な設備や備品を絞り込むことができます。例えば、立ち飲みスタイルのお店であれば、テーブルや椅子を必要最低限に抑えることができます。

中古品を利用する

厨房機器や什器・備品は、中古品を利用することで費用を抑えることができます。インターネットやオークションサイトなどで探すことができます。

テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。

テンポスドットコムはこちら

DIYを行う

内装工事や看板などをDIYにて行うことで、費用を抑えることができます。DIYに自信がない場合は、友人や家族に手伝ってもらうこともできます。

知人や業者との交渉

内装業者や食材業者などとの交渉をしっかりと行うことで、費用を抑えることができます。複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

開業時期を検討する

繁忙期を避けて開業することで、初期費用を抑えることができます。例えば、観光客が少ない時期や、イベントが少ない時期を選ぶことができます。

行政の補助金・助成金を利用する

京都市では、飲食店を開業する際に利用できる補助金・助成金制度があります。積極的に活用することで、資金調達を有利に進めることができます。

クラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングを利用して、開業資金を集めることもできます。多くの人に応援してもらうことで、資金調達だけでなく、お店の宣伝にもなります。

ローコスト経営を意識する

開業後も、食材や光熱費などのコストを削減する努力が必要です。食材はまとめ買いすることで単価を下げることができ、光熱費は節電に努めることで削減することができます。

月額費用を抑えるコツ

家賃

・駅から徒歩数分以内ではなく、少し離れた場所を選ぶ
・繁華街ではなく、少し落ち着いた場所を選ぶ
・広さよりも必要なスペースに絞る

人件費

・最初はパートやアルバイトを雇う
・セルフサービスを取り入れる

食材費

・市場や問屋から直接仕入れる
・食材をまとめ買いする
・自家製食材を活用する

光熱費

・省エネ機器を使用する
・電力会社やガス会社を比較する

水道光熱費

・節水・節電を意識する
・水道料金や電気料金プランを見直す

まとめ

京都市で飲食店を開業するには、綿密な準備と計画が不可欠です。今回ご紹介したポイントを参考に、資金調達、物件探し、事業計画書作成など、開業に向けて着実に歩みを進めましょう。
夢の実現に向けて、あなたの一歩が力強く踏み出されることを願っています!

開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。

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