岩手県で飲食店を開業したい方の中には、資金調達のために融資を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、融資には様々な種類があり、どの金融機関を選ぶべきか、どのような書類が必要なのかなど、わからないことも多いでしょう。
そこで、このブログでは、岩手県で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントについて解説します。開業の流れも含めてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください
目次
岩手の開業率は全国44位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む岩手の開業率は3.4%と全国で44位です。また廃業率は3.4%となっています。
岩手県で開業率が低い理由としては、以下の点が挙げられます。
・人口減少
・少子高齢化
・地震や津波などの自然災害
人口減少や少子高齢化によって、消費人口が減少していることが、飲食店開業率の低下につながっています。
また、地震や津波などの自然災害も、飲食店開業におけるリスクとして挙げられます。
一方で、岩手県には豊かな食材や自然豊かな環境などの魅力もあります。これらの魅力を活かしたお店づくりを行うことで、成功する飲食店を開業できる可能性は十分にあると言えるでしょう。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
岩手県で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
岩手県で飲食店を開業する場合、資金調達手段として融資・補助金・助成金の活用が有効です。以下では、それぞれの制度について詳しく説明します。
融資
融資は、金融機関から資金を借り入れる方法です。返済義務がありますが、金利が低く、まとまった資金を調達できるというメリットがあります。
主な融資制度
日本政策金融公庫:新規開業資金
女性、若者、シニアの方など、幅広い方の創業を支援する融資制度です。最大5,000万円まで借りることができ、金利は1.45%~となります。
岩手銀行:創業支援融資
岩手県内に本店・支店を置く中小企業等を対象とした融資制度です。最大1,000万円まで借りることができ、金利は1.35%~となります。
いわて産業振興基金:創業支援融資
岩手県内で創業する方を対象とした融資制度です。最大3,000万円まで借りることができ、金利は1.4%~となります。
補助金・助成金
補助金・助成金は、事業の費用の一部を補助してくれる制度です。返済義務はありませんが、申請が通りにくいというデメリットがあります。
主な補助金・助成金
岩手県:中小企業等事業再構築等支援事業費補助金
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業等を対象とした補助金です。事業再構築計画に基づく設備投資等に係る費用の一部を補助します。
奥州市:奥州市創業者支援事業補助金
奥州市内に新たに店舗等を出店する創業者を対象とした補助金です。店舗改修費、設備購入費等の一部を補助します
花巻市:花巻市創業支援事業補助金
花巻市内に新たに事業所を設ける方を対象とした補助金です。事業開始に必要な費用の一部を補助します。
岩手県で飲食店を開業する場合、様々な融資・補助金・助成金制度を活用することができます。これらの制度を理解し、自分に合った資金調達方法を選択することが重要です。
※こちらは2024年2月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
岩手県で飲食店を開業する場合、融資は重要な資金調達手段となります。しかし、融資を受ける際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
事業計画書をしっかりと作成する
融資を受けるためには、金融機関に事業計画書を提出する必要があります。事業計画書は、事業の内容、収益の見込み、資金繰り計画などを具体的に示した書類です。事業計画書がしっかりとしていると、融資審査に通る可能性が高くなります。
自己資金をできるだけ多く用意する
融資は、自己資金を補うための手段です。自己資金が多いほど、融資額を増額したり、金利を低く設定してもらえたりする可能性があります。
金利や返済条件を比較する
金融機関によって、金利や返済条件は異なります。複数の金融機関の融資制度を比較検討し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
複数の金融機関に相談する
1つの金融機関だけに相談するのではなく、複数の金融機関に相談することをおすすめします。複数の金融機関から比較検討することで、より良い条件で融資を受けることができる可能性があります。
融資担当者に相談する
融資に関する疑問や不安な点は、融資担当者に相談しましょう。融資担当者は、融資制度や手続きについて詳しく説明してくれます。
虚偽の情報を記載しない
融資申請時に虚偽の情報を記載すると、融資が受けられなくなるだけでなく、詐欺罪などに問われる可能性もあります。
返済計画をしっかりと立てる
融資は返済義務があります。返済計画をしっかりと立て、確実に返済できるよう準備しておきましょう。
融資後のフォローアップ
融資を受けた後も、金融機関と定期的に連絡を取り合い、事業状況を報告する必要があります。
専門家のアドバイスを受ける
融資に関する手続きは複雑な場合もあります。必要に応じて、税理士や会計士などの専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。
最新の情報を確認する
融資制度は変更されることがあります。最新の情報を確認するようにしましょう。
岩手県で開業する際の費用の相場とは?
岩手県で飲食店を開業する際の費用は、店舗の規模や形態、設備の充実度などによって大きく異なります。以下では、それぞれの項目別に費用の相場をご紹介します。
物件取得費:5万円~20万円程度
店舗の立地や広さによって異なりますが、駅前の繁華街では坪単価10万円~20万円、郊外では坪単価5万円~10万円程度が相場です。
居抜き物件の場合は、スケルトン状態の物件よりも費用が抑えられます。
改装費:500万円~1000万円程度
店舗の規模やデザインによって異なりますが、厨房設備や客席のレイアウトなどを含めると、500万円~1000万円程度が相場です。
居抜き物件の場合は、改装費用を大幅に節約できます。
設備費:200万円~500万円程度
厨房設備、テーブル、椅子、食器、調理器具など、必要な設備の費用は、店舗の規模や形態によって異なりますが、200万円~500万円程度が相場です。
運転資金:300万円~500万円程度
開業後の家賃、人件費、食材費、光熱費などを賄うための資金が必要です。店舗の規模や形態によって異なりますが、300万円~500万円程度が相場です。
その他
許可申請費用、広告宣伝費、保険料など、その他にも様々な費用がかかります。
合計:1005万円~1500万円程度
上記の費用をすべて含めると、岩手県で飲食店を開業する際のトータル費用は、1005万円~1500万円程度が相場となります。
岩手県で開業する際の資金調達の方法
岩手県で飲食店を開業する際には、様々な資金調達方法があります。以下では、それぞれの方法について詳しく説明します。
自己資金
最も一般的な資金調達方法です。貯蓄や退職金などを活用します。自己資金が多いほど、融資を受ける際に有利になります。
融資
金融機関からお金を借りる方法です。返済義務がありますが、金利が低く、まとまった資金を調達できるというメリットがあります。
補助金・助成金
事業の費用の一部を補助してくれる制度です。返済義務はありませんが、申請が通りにくいというデメリットがあります。
その他
クラウドファンディング
多くの人から少額の資金を集める方法
エンジェル投資家
個人投資家から資金を調達する方法
ベンチャーキャピタル
投資会社から資金を調達する方法
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、中小企業や創業者のための金融機関です。創業融資をはじめ、様々な融資制度を提供しています。
日本政策金融公庫のメリット
・金利が低い
・返済条件が柔軟
・相談しやすい
日本政策金融公庫を利用する際のポイント
・事業計画書をしっかりと作成する
・自己資金をできるだけ多く用意する
・早めに相談する
※こちらは2024年2月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
岩手県で開業する際の実際の開業までの流れを解説
岩手県で飲食店を開業するには、以下の流れを踏む必要があります。
コンセプト・ターゲット層の決定
まず、どのような飲食店を開業するのか、コンセプトを明確にしましょう。どのような料理を提供するのか、客単価はどのくらいにするのか、ターゲット層は誰かなどを具体的に検討します。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
立地選定
コンセプトやターゲット層に基づいて、店舗の立地を選択します。駅前の繁華街、オフィス街、住宅街など、それぞれの立地にはメリットとデメリットがあります。
物件探し
希望する立地に合った物件を探します。賃貸物件の場合は、不動産業者に相談しましょう。
資金計画
開業に必要な資金を算出し、資金調達方法を検討します。自己資金、融資、補助金・助成金などを活用しましょう。
許可申請
飲食店を開業するには、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。その他にも、消防署への防火管理者選任届など、各種許可申請が必要となります。
内装・設備工事
店舗の内装・設備工事を行います。厨房設備、客席、テーブル、椅子、食器など、必要な設備を揃えます。
メニュー開発
提供する料理のメニューを開発します。コンセプトやターゲット層に合ったメニューを考案しましょう。
スタッフ募集
必要に応じて、スタッフを募集します。調理スタッフ、ホールスタッフなど、必要な人員を確保しましょう。
開業準備
食材の仕入れ、販促活動など、開業に向けて準備を進めます。
開業する
いよいよ、飲食店を開業します。
開業後の流れ
・顧客満足度を向上させる
・売上・利益の管理
・従業員の教育
・設備のメンテナンス
・法令遵守
岩手で飲食店を開業するメリットデメリット
メリット
豊かな食材
海の幸や山の幸など、豊かな食材が豊富です。海の幸では、うにやいくら、ホタテ、カニなどが有名です。山の幸では、岩手牛や三陸牛、山菜、きのこなどが有名です。
地元の食材を使った料理は、観光客や地元の人々から人気を集めます。
自然豊かな環境
三陸海岸などの自然豊かな環境が魅力です。三陸海岸は、リアス式海岸が美しく、ウミネコやイカ釣り漁船などの風景を楽しむことができます。
自然豊かな環境は、観光客の集客につながります。
温かいおもてなしの心
岩手県の人々は、温かいおもてなしの心で知られています。地元の人々との交流を大切にすることで、居心地の良い空間を提供することができます。
物件の賃料が安い
物件の賃料が安い傾向にあります。初期費用を抑えて開業することができ、競合店との差別化につなげることができます。
人件費が安い
人件費が安い傾向にあります。コストを抑えて経営することができ、地域の雇用創出につながります。
デメリット
人口減少・少子高齢化
人口減少と少子高齢化が進んでいます。そのため、消費人口の減少による売上減少のリスクや、人材不足による人件費の高騰のリスクがあります。
競合店の増加
近年、岩手県でも飲食店の開業が相次いでいます。そのため、競合店との差別化が重要です。
自然災害のリスク
地震や津波などの自然災害のリスクがあります。そのため、万が一の際に備えて、対策を講じておく必要があります。
交通アクセスの悪さ
一部の地域では、交通アクセスが悪く、集客が難しい場合があります。
冬場の寒さ
岩手県は、冬場の寒さが厳しい地域です。そのため、冬場の営業時間の短縮や客足の減少のリスクがあります。
岩手県で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
岩手県で飲食店を開業する際には、初期費用を抑えることが重要です。以下では、開業資金を抑えるコツをいくつかご紹介します。
物件選び
・駅前の繁華街よりも、郊外や住宅街の賃料の方が安い
・築年数が古い物件や、居抜き物件を選ぶ
・自力でDIYを行い、内装費用を節約する
設備
・中古の厨房機器を購入する
・テーブルや椅子は、家具店で比較的安価に購入できる
・厨房用品は、業務用スーパーなどでまとめ買いするとお得
人件費
・最初はアルバイトを雇わず、自分と家族で切り盛りする
・学生アルバイトを採用する
宣伝広告
・無料のSNSを活用する
・地域情報誌に掲載する
・ポスティングを行う
中古やDIYを利用する
中古の厨房機器やテーブル、椅子などを活用することで、初期費用を大幅に節約できます。
DIYで内装を仕上げれば、業者に依頼するよりも費用を抑えることができます。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
その他
・開業時期を閑散期にする
・行政の補助金・助成金を利用する
・クラウドファンディングを利用する
岩手県で飲食店を開業する際には、上記のコツを参考に、開業資金を抑える工夫をすることが重要です。
まとめ
岩手県で飲食店を開業する際は、綿密な準備と計画が不可欠です。今回ご紹介した情報と、専門家への相談を組み合わせ、夢を実現してください。準備をしっかり行えば、成功への道が開けるでしょう。
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。