山形県の豊かな食材や風土を生かした、あなただけの飲食店を開業したいとお考えではありませんか?しかし、開業には多額の資金が必要であり、自己資金だけで賄うのは難しい場合が多いでしょう。そこで、今回は山形県で飲食店を開業する際に融資を受ける際のポイントと、開業の流れについて詳しく解説します。
融資の種類や条件、さらには山形県ならではの支援制度まで、開業成功に向けて役立つ情報満載です。ぜひ参考にして、夢の飲食店開業を実現してください!
目次
山形の開業率は全国43位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む山形の開業率は3.4%と全国で43位です。また廃業率は3.2%となっています。
山形県の開業率は、3.4%と全国平均を大きく下回る数値です。
山形県の開業率が低い理由としては、以下の点が挙げられます。
・人口減少や少子高齢化による需要の減少
・人材不足による起業意欲の低下
・県内企業の優良企業が多いため、起業するメリットが少ない
山形県で開業率を向上させるためには、これらの課題を解決していく必要があります。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
山形県で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
山形県で飲食店を開業する際には、自己資金に加えて、融資や補助金・助成金の活用がおすすめです。ここでは、山形県で利用可能な制度を詳しくご紹介します。
融資
山形県商工業振興資金融資制度
新規事業の立ち上げや設備投資など、様々な事業目的に利用できる融資制度です。
融資利率は、事業内容や返済期間などによって異なりますが、比較的低金利で借りることができます。
山形県中小企業信用保証協会
中小企業の皆様が融資を受けやすくするために、信用保証を行う機関です。
保証料は、融資金額や返済期間などによって異なります。
補助金・助成金
山形県ものづくり補助金
新製品の開発や設備投資など、ものづくりに関する事業に対して補助金を交付する制度です。
山形県中小企業等新規事業創出支援補助金
新規事業を立ち上げる中小企業等に対して、補助金を交付する制度です。
補助金の額は、事業内容や規模などによって異なります。
山形県農林水産業振興補助金
農林水産業に関する事業に対して、補助金を交付する制度です。
補助金の額は、事業内容や規模などによって異なります。
※こちらは2024年1月10日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
山形県で融資を受ける際には、以下の点に注意する必要があります
融資制度の要件を満たしているか確認する
各融資制度には、利用できる事業内容や規模、返済期間などの要件があります。融資を受ける前に、自分が利用したい制度の要件を満たしているか確認しましょう。
必要な書類を準備する
融資を受けるには、事業計画書や資金繰り表などの書類を準備する必要があります。必要な書類は、融資制度によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
金利や返済条件を理解する
融資には、金利や返済条件などの条件があります。金利は、事業内容や返済期間などによって異なります。返済条件は、無理なく返済できるかどうか確認しましょう。
複数の金融機関を比較する
山形県には、様々な金融機関があります。金利や返済条件などを比較して、自分に合った金融機関を選びましょう。
専門家に相談する
融資の申請手続きは、複雑な場合があります。必要に応じて、専門家に相談することをおすすめします。
山形県で開業する際の費用の相場とは?
山形県で飲食店を開業する際の費用は、店舗の規模や形態、設備、メニューなどによって大きく異なります。以下では、一般的な費用の相場をご紹介します。
初期費用
店舗取得費用
テナントの場合: 月額賃料 10万円~ / 敷金・礼金 1~2ヶ月分
居抜き物件の場合: 100万円~
新規物件の場合: 2,000万円~
内装・設備費用
100万円~500万円
厨房設備費用
100万円~300万円
食器・調理器具
50万円~100万円
許認可申請費用
10万円~20万円
その他
50万円~
運転資金
家賃
月額賃料 10万円~
人件費
月額 15万円~/人
食材費
売上高の30%~40%
光熱費
月額 10万円~
広告宣伝費
月額 5万円~
その他
月額 10万円~
合計費用
テナントの場合
500万円~1,000万円
居抜き物件の場合
2,000万円~3,000万円
新規物件の場合
4,000万円~
上記の費用はあくまで目安であり、実際の費用は店舗の規模や形態、設備、メニューなどによって大きく異なります。
山形県で開業する際の資金調達の方法
山形県で飲食店を開業する際には、自己資金以外にも様々な資金調達方法があります。以下では、代表的な方法とそれぞれの特徴をご紹介します。
自己資金
最も確実な資金調達方法です。開業資金の全てを自己資金で賄うことができれば、借入金による金利負担を軽減できます。
融資
金融機関から融資を受ける方法です。
銀行融資
比較的低金利で融資を受けられる
審査基準が厳格
事業計画書や資金繰り表などの書類が必要
日本政策金融公庫
中小企業向けの融資制度が充実している
政府系金融機関なので、比較的審査基準が緩やか
創業融資制度など、様々な融資制度がある
後ほど詳しく説明します。
信用金庫
地域に根差した金融機関なので、地元の事業者に対して融資に積極的な場合が多い
融資の条件や金利は、各信用金庫によって異なる
補助金・助成金
国の制度や自治体の制度で、事業に対して補助金や助成金を受けられる場合があります。
クラウドファンディング
インターネットを通じて、多くの人から資金を集める方法です。
メリット
資金調達だけでなく、事業のPRにもなる
多くの人から応援を得られる
デメリット
目標金額に達しなければ、資金調達できない
リターンを用意する必要がある
ファクタリング
売掛金を第三者に譲渡して、資金を調達する方法です。
メリット
短期間で資金を調達できる
売上債権を担保にできるので、融資よりも審査基準が緩やか
デメリット
手数料が高額になる場合がある
売上債権を譲渡するので、回収リスクがなくなる
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、中小企業向けの融資制度が充実しています。
代表的な融資制度は以下の通りです。
創業融資制度
新規事業を立ち上げるための融資制度
無担保・無保証で最大3,000万円まで融資可能
新創業融資制度
創業融資制度の拡充版
最大5,000万円まで融資可能
女性や若者など、より幅広い事業者が利用可能
小規模事業者持続化資金
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小規模事業者向けの融資制度
最大3,000万円まで融資可能
無担保・無保証
※こちらは2023年11月20日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
山形県で開業する際の実際の開業までの流れを解説
山形県で飲食店を開業する際には、以下の流れで進めるのが一般的です。
コンセプト・業態の決定
ターゲットとなる顧客層や競合店を分析し、コンセプト・業態を決定します。
提供する料理やサービス内容を具体的にイメージします。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
市場調査・競合分析
山形県における飲食店の市場規模や競合店の状況を調査します。
自身のコンセプト・業態が市場にマッチしているか確認します。
資金調達
自己資金、融資、補助金・助成金などを活用して、開業資金を調達します。
資金計画を立て、資金繰りをシミュレーションします。
物件選定
コンセプト・業態に合致した立地条件の物件を探します。
店舗面積、客席数、厨房スペースなどを考慮します。
内装・設備工事
コンセプトに沿った内装・設備工事を進めます。
厨房機器、食器、テーブル、椅子などの必要な設備を揃えます。
許認可申請
食品衛生営業許可、消防署への防火管理者選任届など、必要な許認可を取得します。
メニュー開発
提供する料理やドリンクのメニューを開発します。
原材料の仕入先、価格設定などを検討します。
スタッフ採用・教育
必要に応じてスタッフを採用し、接客や調理の教育を行います。
開業準備
開業日、営業時間、料金体系などを決定します。
チラシ、ホームページ、SNSなどを活用して宣伝・告知を行います。
開業
いよいよ開店です。
お客様に満足いただけるサービスを提供しましょう。
開業後の運営
顧客の反応を分析し、必要に応じてメニューやサービス内容を改善します。
経理管理、在庫管理、従業員管理など、日常的な運営業務を行います。
上記の各ステップにおいて、専門家に相談すると、スムーズに開業を進めることができます。
山形で飲食店を開業するメリットデメリット
メリット
豊かな食材
米沢牛や庄内牛などのブランド牛をはじめ、さくらんぼやラ・フランスなどのフルーツなど、豊かな食材が豊富に揃っています。これらの食材を活かした料理を提供することで、差別化を図ることができます。
温かいおもてなし
人情味あふれる土地柄です。温かいおもてなしを提供することで、リピーターを獲得することができます。
リーズナブルな価格
比較的物価が安いエリアです。リーズナブルな価格で食事を提供することで、幅広い層の顧客を獲得することができます。
観光客の増加
蔵王温泉や鶴岡市の羽黒山など、多くの観光地があります。観光客をターゲットにした飲食店を開業することで、安定した売上を期待できます。
政府の支援
飲食店の開業や経営を支援する制度を整えています。これらの制度を活用することで、開業や経営の負担を軽減することができます。
創業補助金や融資制度など、政府が実施している支援制度を活用することで、開業時の資金調達や経営資金の確保がしやすくなります。
デメリット
人口減少と少子高齢化による需要の減少
人口減少と少子高齢化が進んでいます。そのため、将来的に顧客の減少が予想されます。
人材不足による人件費の高騰
人材不足が深刻化しています。そのため、人件費の高騰が予想されます。
競合店の増加による競争の激化
飲食店の開業が相次いでいます。そのため、競合店との差別化が重要となります。
SNSや口コミサイトを活用して、お店の情報を積極的に発信することも効果的です
天候や災害による影響
気候の変化や災害のリスクが比較的高い地域です。そのため、天候や災害による影響を考慮した経営が必要です。
政府の支援制度の利用制限
政府の支援制度は、一定の条件を満たす場合に限られています。そのため、支援制度を利用する際には、条件を事前に確認しておきましょう。
山形県で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
山形県で飲食店を開業する際には、以下の方法で開業資金を抑えることができます。
中古機器・設備の活用
厨房機器、食器、テーブル、椅子など、可能なものは中古品を活用しましょう。
中古品販売店やインターネットオークションなどを活用すると、新品よりも安く購入することができます。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIY
内装や什器の一部をDIYすることで、費用を抑えることができます。
DIYの経験がない場合は、ワークショップに参加したり、専門家に相談したりしましょう。
フリーランスやアウトソーシングの活用
ロゴやホームページ制作、広告宣伝など、必要に応じてフリーランスやアウトソーシングを活用しましょう。
人件費を抑えることができます。
格安な物件を選ぶ
駅から離れた場所や、繁華街から離れた場所など、格安な物件を選ぶことで、賃料を抑えることができます。
デメリットを理解した上で、慎重に検討しましょう。
開業時の販促費を抑える
チラシやポスターなどの印刷物を最小限に抑え、SNSなどを活用して宣伝・告知を行いましょう。
無料のイベントやキャンペーンを開催することで、顧客を集客することができます。
行政の補助金・助成金を利用する
山形県では、飲食店開業向けの補助金・助成金制度があります。
積極的に活用することで、資金負担を軽減することができます。
自己資金を貯める
開業前にできるだけ自己資金を貯めておくことで、借入金を減らすことができます。
副業やアルバイトなどで収入を増やしましょう。
専門家に相談する
開業資金を抑えるためには、専門家に相談することが有効です。
資金計画や物件選び、設備選びなど、様々なアドバイスを受けることができます。
上記の例以外にも、様々な方法で開業資金を抑えることができます。
山形県で飲食店を開業する際には、これらのコツを参考に、計画的に開業準備を進めてください。
まとめ
山形県で飲食店を開業するには、資金調達が重要です。融資を受ける際には、事前に準備をしっかり行い、審査基準を満たせるよう計画を立てましょう。開業後の経営も安定させ、お客様に愛されるお店作りを目指してください。
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。