新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限も徐々に緩和されつつあり、飲食業界にも少しずつ以前のような賑わいが戻ってきています。
一時閉店や休業を余儀なくされていた飲食店も営業を再開させるなど、喜びを感じているオーナー様も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな中手放しで喜んでばかりではいられない深刻な問題も明るみになってきています。
それは、飲食店を経営する上で重要な課題となるコストの問題です。特に昨今値上がりに歯止めがきかなくなっているのがガス代や電気代などのランニングコストの部分です。飲食店経営者にとって、ガス代と電気代は経費の大部分を占める重要な要素です。
エネルギー効率を向上させることで、経営の持続可能性を高め、環境にも貢献できます。以下に、飲食店でガス代と電気代を節約するための効果的な対策をまとめました。
目次
エネルギーオーディットを実施する
まず初めに、飲食店のエネルギー消費を詳細に調査するエネルギーオーディットを実施しましょう。エネルギー監査とも呼ばれるもので、建物のエネルギー効率を高めることを目的とした検査調査とエネルギーフロー分析です。オーディットによって、どの部分で無駄なエネルギーが使われているかを特定できます。それに基づいて適切な対策を立てることができます。現状を知ることは改善と対策の大きな近道となります。
LED照明への切り替え
もし今お使いの照明がLED仕様ではないものの場合、従来の白熱電球や蛍光灯からLED照明に切り替えることで、明るさを維持しつつ消費電力を大幅に削減できます。LEDは長寿命でメンテナンスコストも低いため、経済的にもおすすめです。
高効率な厨房機器の導入
厨房機器は飲食店の主要なエネルギー消費源の一つです。エネルギー効率の高い調理機器や冷蔵庫、冷凍庫などに買い替えることで、電力消費を抑えることができます。
冷蔵庫や冷凍庫などは型の古いものを選ぶより、最新のインバーター仕様のものを選択された方が、初期投資は多少高くなりますが、長期的にみるとランニングコストの部分で最新型の方が経済的と言えます。
また、ガスを仕様する熱機器については「涼」のマークがついている「涼厨仕様」のものがおすすめです。従来の厨房は機器表面の熱と燃焼排気が厨房内の温度を上昇させていましたが、「涼厨」は、厨房内の温度上昇を効果的に抑えることができます。調理中の暑さややけどの心配にも配慮した涼厨は、冷房に頼らない涼しい快適な調理環境を実現します。結果、冷房代などの削減に大きく貢献してくれます。
ガス機器のメンテナンスと改善
ガス機器も定期的なメンテナンスが必要です。点検や調整を欠かさず行い、効率的な燃焼を促進しましょう。また、古い機器の更新や効率の良いものへの置き換えを検討することも重要です。
機械ものは明らかな故障などの症状がない場合、なかなか定期的なメンテナンスまで意識することを忘れがちですが、意外と重要なポイントとなりますので覚えておきましょう。
スタッフへの省エネ啓発
一番身近で簡単そうに思えて、実は対策ができていない可能性が高いのがこちら。
当たり前のことですが、きちんと言葉にしたりマニュアルとして落とし込んでいるかどうかは大きな違いとなりますので、従業員にエネルギー節約の意識を高めるための啓発活動を行いましょう。
例えば、調理時間の最適化や厨房機器の正しい使い方を指導することで、無駄なエネルギー使用を減らすことができます。定期的にきちんとルールが守られているかをチェックするのも重要ですね。
遮熱・断熱対策
夏場は冷房の使用量が増え、冬場は暖房の使用量が増える傾向にあります。建物内外の断熱材を適切に保つことで、室温をより安定させ、エネルギー消費を抑えることができます。
すき間風防止のテープを貼ったり、空気が流れて行かないためのカーテンを設置したりするのも有効な対策ですね。
エネルギー供給契約の見直し
電力やガスの供給契約を見直し、より適切なプランに切り替えることで、コストを削減できる可能性があります。複数のエネルギーサプライヤーと比較検討を行いましょう。
こちらのサイトからも電気代やガス代削減のシミュレーションができますので、ぜひ一度見積をしてみてはいかがでしょうか。
自然光の活用
昼間の明るい時間帯には自然光をできるだけ活用しましょう。明るい場所では照明の使用を最小限にし、エネルギー節約につなげます。
もちろん飲食店ですので、自宅の節電と同じようにはいかない部分も多々あるとは思いますが、客席に影響しないスタッフルームやお手洗いなど、できる限りこまめな切電を心掛けて、無駄な電気は使用しないように心掛けることが大切です。
待機電力の削減
スタンバイ状態の電化製品やコンピューターの電源を切ることで、待機電力を減らすことができます。定期的な点検を行い、無駄な消費を防ぎましょう。
再生可能エネルギーの導入
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことです。可能な場合は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を検討してください。自家消費することで電力代を削減できる他、地域に対してエコフレンドリーなイメージを向上させることもできます。
まとめ
いかがでしたか。
もうすでに自社でも取り組まれている対策はいくつかありましたでしょうか。
これらの対策を綿密に計画し、徹底的に実行することで、飲食店のガス代と電気代を効果的に節約することができます。省エネルギーの取り組みは環境にやさしいだけでなく、経営にもプラスの効果をもたらすことを忘れずに進めてくださいね。