ベーカリーオーブンの種類と選び方(製菓・製パン編)

厨房づくり

製菓・製パン店やカフェベーカリーを開業するにあたり、その焼き菓子やパンを焼くためのオーブンが必要不可欠です。

しかしながら、オーブンには様々な種類があり、どのようなものを選んだら良いのか悩んでしまいますね。そもそも、「オーブンって何を基準に選んだらいいか全然わからない・・・」という方もすくなくないかと思います。
開業で用意するオーブンの種類や選び方をご紹介致します。

オーブンの種類

オーブンには、一般的にデッキオーブンとコンベクションオーブンがあります。
よくパン屋さんやケーキ屋さんの厨房で見かける、とても大きなオーブンのほとんどがデッキオーブンと呼ばれている物になります。

デッキオーブン

デッキオーブンは、上下のヒーターで加熱し、ゆっくりと火を入れていくタイプのオーブンです。
水分を残しながら焼成を行うので、しっとりとした仕上がりに焼き上げることが出来ます。

天井(上火)と床(下火)と空間の3点で調整して焼き上げるので、商品(パンやケーキ)を保水したまま焼き上げることに特化しており、ふっくらした食感で焼き上げることが出来ます。
また作業上、熱が逃げにくい構造となっております。

☆デッキオーブンのメリット
・上下からゆっくり火を入れていくので、焼きムラが出にくく、焼きの調整もしやすい。
・蓄熱性が高いので、扉を開けても温度が下がりにくいので、均一に焼き上げることが出来る。

<焼成例>
◎得意:ハード系パン・食パン・スポンジケーキなど(水分を残すもの)
○普通:シュークリーム・マカロン・ソフト系パン・パイ系
×ちょっと苦手:蒸しパン

コンベクションオーブン

コンベクションオーブンは、熱風を循環させて焼き上げるタイプのオーブンです。
オーブンを起動させてから設定温度までの上昇が早い利点があります。

機器の性能にもよりますが、短時間で焼成することが出来、熱風で加熱調理するので、庫内の温度が一定で商品の表面をさっくりとした食感に焼き上げることが出来ます。

☆強制対流式オーブン(コンベクションオーブン)のメリット
・熱風を強制的に循環させるため、熱伝導が良く、短時間で焼けます。
・自然対流式オーブンと比べて、焼け具合にムラがでにくいです。

<焼成例>
◎得意:デニッシュ・パイ・クッキー・食パン・メロンパン
○普通:プリン・パン
△ちょっと苦手:ハード系パン(ドイツパン・フランスパン等)

※番外編、他にも必要な機器

ここでは、番外編としてオーブン以外にも必要となる機器に関して、簡単にご紹介しておきます。
パン生地を発酵させる為に必要となる機器です。
ホイロとドゥコンディショナ―は、どちらもパン生地を発酵させる機能が付いた機器です。

ホイロが発酵の機能のみなのに対し、ドゥコンディショナーはパン生地の保冷や冷凍パン生地の解凍から発酵までの工程を自動制御することができます。

■ホイロ
ホイロとは、パンをオーブンで焼き上げる前の最終発酵(二次発酵)のことをさし、最終発酵を行う発酵室や発酵器のことでもあります。
業務用ホイロは、庫内の温度と湿度の状態を自動で管理することができます。

また、棚を使って効率よくたくさんのパン生地を発酵させることが可能です。

■ドゥコンディショナー 
ドゥコンディショナ―は、パン生地を意味する”ドゥ”の、温度・湿度などを調節する装置(コンディショナー)のことです。 略して『ドゥコン』とも呼ばれます。
冷凍からホイロ(発酵)まで、庫内の温度・湿度を自動制御することができます。

パン生地の保冷(冷凍パン生地の場合は解凍も)からホイロまでパン生地を良好な状態に保つ為、温度と湿度が一定で発酵ムラのない均質な仕上がりとなり生地のロスがありません。
また、希望時間に合わせて一連の工程を自動で行うことができます。

前日にパン生地を仕込んでセットしておけば、翌日はパンを焼成するだけなので、作業の省力・効率化が可能です。
簡単にまとめると…

・ホイロは発酵のみ
⇒生地を入れ発酵を待つため朝早い仕込みが必要

・ドゥコンディショナーは生地の冷凍、解凍、発酵など全て自動
⇒前日にセットしておけば、朝は焼くだけでok

ベーカリーオーブンの選び方

まず、どのような業種や規模をお考えですか︖
お客様の業態や希望の条件に合うオーブンを選定しましょう。
機器選定の際のポイントは大きく分けて、以下の2つを軸に検討頂くとスムーズです。

①業種
②日商目標

以下では、①業種:製菓・製パン 業態での、規模毎に詳しく説明していきます。

製菓・制パン

製菓業態の場合には、主な焼成として何をどこまで行うかが重要になり『本格的なケーキ作りを主体(ケーキ土台・スポンジケーキ・焼き菓子・多様な生地等)』を行うか否かが、商品選定の大事なポイントでしたが、製菓・製パンの場合には簡単で

日商目標(~10万、10万~)

により選ぶべき機器(組み合わせ)が変わってきます。

オーブンの組み合わせイメージ

—————————————-
①業種:製菓・製パン
②日商目標:10万~

デッキオーブン(マルゼン/プリンスシリーズ等)

コンベクションオーブン

の組み合わせがオススメです。
—————————————-
①業種:製菓・製パン
②日商目標:~10万

ミニデッキオーブン

コンベクションオーブン

もしくは…

ミニデッキオーブン(積み重ね)

または…

コンベクションオーブン

の組み合わせがオススメです。
—————————————-
がオススメとなります。

※ちなみに…

どのタイプのオーブンも、各メーカーから様々な強みや特長をもったものが販売されています。
メーカーによっては、実際の機器を設置したテストキッチンで設備や厨房機器に触れることや、焼成したパンや焼き菓子などをサンプルで見せてくれるところもあります。

たとえば、マルゼンでは下記の様に全国にテストキッチンを展開していたりもします。

マルゼンテストキッチンの詳細はこちら

まとめ

いかがだったでしょうか。
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この記事を参考に、「自分のお店に本当に必要なもの」を見つけてみてください。

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