コロナ禍におけるデリバリー、通信販売などの販路拡大やコロナ後の人手不足などの対策として、急速冷凍機器が昨今注目されています。そんな急速冷凍機器ですが、急速に食品を冷やすイメージしかなく、どう使えばよいか分からない方が多いのも事実。
そんな方へ、急速冷凍庫の使い方のコツやよくある疑問を分かりやすく解説します。
目次
冷凍すると味は落ちない?
ゆっくりと食品を凍らせる通常の冷凍庫と違い、短時間で冷凍するブラストチラーは、技術の進化もあり味が落ちにくく、作りたてに近い味を提供できます。少し詳しく説明すると、食品中の水分が微小な氷結晶として固定され、品質が保たれます。
通常の冷凍方法よりもはるかに速い冷却速度は、食品内部での細胞の破壊を最小限に抑え、また食品が急激な温度変化にさらされる時間が短縮されるため、食品の品質が高まり、食品中の水分や風味、外観が保たれたまま、解凍後も新鮮な状態で提供することができます。
どんな食品でも冷凍できるの?
冷凍に向かない食材もあります。大きく分けると、分厚い肉、魚類、生野菜になります。
分厚い肉やハム、大きい魚は冷凍までに時間がかかり、風味が落ちてしまいます。カットしたり切り身にするか、調理してから冷凍してください。生の魚を冷凍する場合は、サンマ、イワシなど傷みやすい青魚は避けた方が良いです。
野菜ではレタスやきゅうり、トマトなどの水分の多い野菜冷凍時に氷の結晶が大きくなるため、食感や味が悪くなり、ごぼう、レンコン、ダイコン、ジャガイモなど繊維質野菜は筋の食感が残ってしまうため、冷凍には向きません。その他、豆腐やこんにゃくなども組織が変形し「す」が入ったりぐにゃぐにゃになってしまいます。
じゃあどんな食品が急速冷凍に向いているの?
全般的に調理した食品を冷凍する事に最適です。和食、洋食、中華、様々な調理済み料理を冷凍することでいつでも品質を保ったまま提供できます。ただ、とろみのある食品は冷凍に向いていないので注意が必要です。
野菜もホウレンソウやアスパラガス、ブロッコリーなど茹でて提供する食材は、塩茹でし粗熱と水分を取れば冷凍可能、サラダとしても提供可能です。
冷凍に向いていないダイコンやレンコン、ジャガイモもすり潰せば冷凍可能です。
そのまま冷凍すれば良いの?
鮮度と品質を保ち冷凍するには、鮮度、水気、空気が重要です。
鮮度:もともとの食材の鮮度はとても重要です。冷凍する食材は鮮度の良いものを選びましょう。
水気:水気があると冷凍時に霜がつき鮮度が落ちてしまいます。冷凍前には食材の水気は良く切った状態にしましょう。
空気:食材は酸化することで鮮度と味が落ちます。調理済み、調理前に関わらず小分けにし、空気の抜けるタッパーやジッパー付きの保存袋などを使いできるだけ空気を抜くことで長く鮮度を保つことができます。
また、急速に冷凍するには熱伝導も重要です。特にアルミが最適で家庭ではアルミホイルをを進めする事が多いですが、業務用の急速冷凍庫を使う場合はアルミ製のホテルパンや天板を使いましょう。(機器のより大きさが変わるため事前の確認が必要です)
おすすめ:鮮度を長く保つには真空包装機が最適です。真空包装機の中には温かい食品をそのまま真空にできる商品もあります。ブラストチラーの購入を検討している方は真空包装機も併せて検討してみてください。
品質に問題はないの?
急速冷凍は冷凍前に適切に下処理をすれば、食品の安全性を向上させます。食品は急速に冷えるため、微生物の成長が制御され、食中毒のリスクが低減します。また、急速冷凍により氷晶が細かく形成されるため、食品中の微細な組織が損傷しにくくなり、食品中の水分と風味が保持されます。
保存可能期間はどれくらい?
真空にした生の状態の肉は1年間、生の魚は2年間、野菜は3週間弱と言われています。調理した食材は2週間程度保存できると言われています。ただ、開け閉めの回数などにより変わってくるため、調理済みの料理や下味や下処理をした食材は1週間程度で使い切る事がお勧めです。
なんで時短・コスト費の削減になるの?
急速冷凍で冷凍することにより、
- まとめて料理を作り冷凍させる
- 下味や下処理をした食材を冷凍することにより、焼くだけ、揚げるだけなど専門的な技術がなくても料理を作ることができる
- 季節の食材を安い時期に仕入れ冷凍させる事ができる
- いちいちその都度料理を作る必要がない
- 調理場の人員が少なくなり、アルバイト代などのコスト削減ができる
など様々なメリットがあります。
どのくらい削減になるの?
気になるコスト面の削減ですが、利用頻度や使い方により異なります。急速冷凍機器自体は200万円程度と決して安い商品ではありません。ただ、200万円に機器を5年使ったとすると1か月1,100円程度になります。電気代やその他を含め、1日2,000円で5年使って元が取れるとするといかがでしょうか。
- 繁忙時間の調理担当を1名減らすことができた
- お持ち帰り用の冷凍商品を販売し1,000円の商品が1日3つ売れた
- よく使う食材を安い時期に購入し、1日数百円コストカットができた
- いつも使い切れず捨てている食材を使い切ることができた
上記で1日2,000円削減できれば5年で元が取れ、10年で5年分のコストを削減できることになります。また、だれが作っても同じ味を出せるため、お店の評価の安定にもつながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。どんなお店でも導入すればコスト削減になるわけではありませんが、アルバイトが多いお店や一部の人しか調理ができないお店などではコスト削減、品質の安定に大きく役立つ機器です。
一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。