飲食店の経営は、とても難易度が高いといわれています。帝国データバンクによる調査によると、飲食店の倒産・休廃業・解散は計1,180件と過去最多のデータとなっています。
(出典元:「飲食店の倒産、休廃業・解散動向調査(2018年度)」)
飲食業界は、だれでも気軽に始めやすい業界です。しかし、経営に失敗する人も多く、わずか1カ月で閉店してしまうケースもあります。
開業を夢見て準備したのにもかかわらず、なぜ失敗してしまうのでしょうか。
今回は居酒屋を開業して1年で失敗してしまう人の特徴。開業を成功させる方法について紹介していきます。
居酒屋を開業して1年で失敗に終わりたくない人はぜひ参考にしてみてください。
目次
居酒屋の開業は難しい?
居酒屋の開業は難しいのでしょうか。居酒屋に限らず多くの飲食店では、開業して1年未満で閉店してしまうお店は30%。2年後に50%以上が閉店する中で生き残っていくことは、簡単なことではありません。
(出典元:中小企業庁「2022年版 小規模企業白書(HTML版)第2節 中小企業・小規模事業者の現状 第1-1-37図「業種別の開廃業率」 )
勢いによって開業したり、「憧れや夢」を追い求めて資金計画が甘かったりすると、すぐに閉店してしまいます。
また、帳簿上では利益が出ているのに資金不足になってしまう場合や、赤字の把握分析ができていないことも多くあります。
そのため、これから居酒屋の開業を目指す人は、入念な資金計画や戦略等の事前準備をあらかじめ立てたうえで計画をしましょう。
開業して1年で失敗してしまう人の特徴とは?
居酒屋を開業して1年で失敗してしまう人の特徴とはなにがあるのでしょうか。ここでは居酒屋を開業して1年で失敗してしまう人の特徴を紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
・自己責任に欠けている
・知識が足りていない
・店作りや料理にこだわる
・スケジュール管理が苦手
・努力ができない
それぞれ詳しくみていきましょう。
自己責任に欠けている
一つ目は、自己責任に欠けていることです。自分で責任を取れない店主は、居酒屋を開業するのは向いていないのでしょう。
自分で責任を取れない人の特徴として、自分の失敗を人のせいにしてしまう人や言い訳が口癖になっている人があげられます。
「お前らが悪い」「臨機応変に動けていない」等責任を誰かになすり付けてしまう人は絶対に成功できません。このような人は、やがて周りに人がいなくなり孤独になってしまいます。
居酒屋を開業した際に、スタッフばかり責任転嫁してしまっては、人材確保したくても「このお店で働きたい」という人は現れません。
無責任と自覚していてこれから居酒屋を経営したいという人は、自分の価値観をあらかじめ確認しておき、考えを変えられるようにしましょう。
知識が足りていない
二つ目は、知識が足りていないことです。まったく知識や経験がないまま居酒屋を開業してしまうと、失敗するリスクが高くなってしまうのでしょう。
「居酒屋での実務経験がない」「飲食業や販売業の経験がない」という人は居酒屋経営に関しての基礎的な知識が足りていません。
居酒屋経営では接客や調理以外にも、以下のような業務をする必要があります。
・宣伝や仕入れ
・事務作業
・スタッフの採用やマネジメント
主に上記の内容があげられます。売上管理や資金計画。さらに、居酒屋の店主は接客や調理だけではなく、事務作業・スタッフの採用やマネジメント業務をしなくてはいけません。
基礎的な知識がないまま居酒屋を開業してしまうと、日頃の業務で精一杯となり、他の業務に手が回らなくなってしまうため、失敗につながりやすいのです。
初めは居酒屋の仕組みを学び、飲食店の経営に関する情報も理解して、経営者としての知識を蓄えていきましょう。
店作りや料理にこだわる
三つ目は、店作りや料理にこだわりすぎることです。料理の材料や居酒屋の内外装。
さらに、お皿やグラスといった食器類にこだわりすぎてしまうことで、費用も高額となります。
自営業として居酒屋を開業したとしても、すぐ軌道に乗るとは限りません。初期費用はなるべく安く抑え、利益率が高くなるような料理提供をしなくてはいけません。
ただし、「こだわり」というのはお店の概念でもあり、独自性を生み出す重要な要素です。
費用と利益の調和を確かめながら、こだわれるものにはこだわり、他のお店との差別化を図りましょう。
スケジュール管理が苦手
四つ目は、スケジュール管理が苦手ということです。スケジュール管理とは、飲食店を経営するうえでとても重要です。
スケジュール管理ができない人の特徴として、待ち合わせで遅刻しやすい人や物事の優先順位を正しく判断できない人があげられます。
スケジュール管理ができていないと、締切や支払いに遅れが出てしまい仕入れ先や融資をしている金融機関から信用を失ってしまうこともあります。
また、自分自身の管理ができていなくては、リーダーとしてスタッフ達を正しく導き出せません。
日頃から日常的に、カレンダーやメモ帳等を利用して自分がやらなければいけないことや、予定を書き込むように習慣化しておきましょう。
努力ができない
五つ目は、努力ができないことです。コツコツと努力できない人の特徴として、趣味や娯楽に弱い人やすぐに結果を求めてしまう人があげられます。
居酒屋を経営するにあたって、毎日あらゆる課題が発生します。特に、初めて飲食店を開業する人は苦労することが多くあるでしょう。
これから居酒屋を開業しようと思っている人は、何事にも日々努力する習慣を身に付けておく必要があります。
居酒屋を成功させるには
開業して1年で失敗させないためにも、正しい知識を身につけたうえで開業準備をする必要があります。
居酒屋を成功させるためには、飲食店における経営知識を身に付けたうえで経営していくのが大切です。
これから居酒屋を開業しようと考えている人で、飲食業界が未経験な人。さらに、飲食業に携わっていたものの経営に関しての知識がまったく無い人もいるでしょう。
たとえば、飲食店のビジネスモデルや概念の決め方。さらに、事業計画書の作成方法があげられます。未経験の場合、料理や接客の知識を学ぶ必要があります。
開業する前に、サラリーマンをしながら居酒屋のアルバイトをしたり、専門学校で飲食開業コースを専攻したりと、飲食店経営に関する知識を身に付けておきましょう。
まとめ
今回は居酒屋を開業して1年で失敗してしまう人の特徴。開業を成功させる方法について紹介してきました。
開業して1年で失敗してしまう人の特徴として、努力ができないことや知識が足りていないことがあげられます。
このように、わざわざ開業した居酒屋を失敗で終わらせないためにも、正しい知識を身に付けたうえで開業準備をする必要があります。