他の飲食店との競争が激化する現代。
自店が成功するためには、他店と差をつけることが不可欠です。
お客様にとって魅力的で特別な場所になるために、重要な要素と実践的なコツをご紹介します。
目次
コンセプトを考える
差別化を図るためにはまず、自店のコンセプトを明確にしましょう。
どのようなお店にするかを決めておくことで、世界観を崩すような事態も減り、統一感あるあなただけのお店の雰囲気を出すことができます。
他店とは違う個性を打ち出すことで、顧客に印象づけさせましょう!
ロゴ・店舗デザイン
独自のロゴと店舗デザインを作成し、店のイメージを一貫させます。
シンプルで記憶に残るデザインを採用しましょう。
<ロゴのデザイン>
ロゴは店の顔とも言えるもの。
他店とは異なる独自のアイデンティティを持つロゴを作成しましょう。
ロゴには店のコンセプトや雰囲気を表現する要素を取り入れると良いです。
ただし、ラーメン屋なのかイタリアンレストランなのか等、「何屋か」というのが一目で分かるものにしましょう。そこで何を食べることができるのか、お客様にとってここがお店に入る決め手とも言えます。力を入れて作るからこそ、後悔のないように作りましょう!
<カラースキーム>
カラースキームとは、デザインや装飾の中で使用される色の組み合わせや配置のことを指します。
場所やテーマに合った色の組み合わせを選択することで、特定の雰囲気や印象を強調したり、コンセプトに合った統一感を出したりすることができます。
特定の色を使用することで、お店の雰囲気を印象づけることができ、例えば、明るいカラーはアットホームなイメージを、落ち着いた色は高級感を演出できます。
サービスのスタイル
テーブルサービスではなくセルフサービスを採用するなど、どのようなサービススタイルで提供をするかもブランディングを行ううえで関わってきます。
<セルフサービス>
レジで会計を済ませ、料理を自分で席に持って行くスタイルで、カフェであれば、ドトールコーヒー等で取り入れられているサービス形態です。
お客様の自由度が高まり、アットホームな雰囲気を醸し出します。
≪メリット≫
・オペレーションの効率性
従業員が料理を提供する必要がないため、労力や人件費を削減できます。
・自由度が高い
お客様が自分のペースで料理を選び、カスタマイズできるため、好みに合った食事が楽しめます。
≪デメリット≫
・サービスの質
従業員との直接のコミュニケーションが少ないため、接客の質が落ちる可能性があります。
・衛生面
お客様が自由に取り分けるため、衛生面を保つのが難しい場合があります。
<テーブルサービス>
従業員がテーブルに足を運び、料理を提供するスタイル。
レストランやカフェに多く見られ、昔ながらの喫茶店や椿屋珈琲などで取り入れられており、高級感や贅沢なひとときを提供することができます。
≪メリット≫
・高級感とサービスの質
従業員がテーブルに足を運んで料理を提供するため、高級感が漂い、質の高いサービスが提供できます。
・顧客とのコミュニケーション
お客様と従業員との直接のコミュニケーションが取れるため、お客様の要望に柔軟に対応できる強みがあります。
そのため、接客にこだわりを持つところも多くあります。
≪デメリット≫
・人件費と時間
従業員が料理を提供するため、人件費と時間がかかる可能性があります。
接客へのこだわりを持っていれば、その接客方法を教えるための教育時間も必要となってきます。
・オペレーションの複雑さ
スタッフのトレーニングとチームワークが必要であり、オペレーションの複雑さが高い場合があります。
誰に伝えたのか、誰に伝えていないのか、徹底して行わないとトラブルの原因にもなりかねません。
他にも、ホテルやレストランで多くみられる、豊富な種類の中からお客様が好きなものだけを取っていく「ブッフェサービス」や移動しながら路上で料理を提供する「フードトラック」等もございますので、ご自身のコンセプトにあったサービススタイルを選択しましょう。
内装をこだわる
コンセプト、世界観をより一層引き出すためには、食事をするその場の内装が重要な要素となってきます。
例えば、『不思議の国のアリス』をコンセプトにするなら、トランプをモチーフにしたハートやスペード、クラブ、ダイヤ等のマークを使用したり、黒と赤で店内を表現するとハートの女王の世界観を出すことができます。
テーマに合ったインテリア
自店のコンセプトやテーマに合ったインテリアを取り入れることで、独自の雰囲気を演出できます。以下に代表的な3種についてご紹介いたしますので、参考にしてみてください。
<イタリアンレストラン>
1.地中海風のタイルや壁画
タイルや壁画を店内に使用して、地中海の雰囲気を演出。
モザイクタイルや手描きのタイルが代表的で、複雑な模様や幾何学的なデザインが多いです。
自然の風景や植物のモチーフも頻繁に使用されます。
2.赤や緑のカラースキーム
イタリアの国旗カラーを活用して、赤や緑といったカラーを使いましょう。
暖色系のカラーは、食欲を刺激する効果があり、料理の魅力を協調できるためおすすめです。
また、赤と緑はマルゲリータピザなども彷彿とさせ、イタリアンレストランにピッタリです。
3.ワインボトルやオリーブオイルのディスプレイ
イタリア産のワインやオリーブオイルを置くことで、イタリアの食文化をアピールします。
ワインを連想させる「樽・バレル」といったものを飾りとして置いたり、イスやテーブルとして使用したりしても、
その土地を感じさせることができます。
<和食レストラン>
1.和風の照明
日本の伝統的な和紙を用いたランプシェードや温かみある色味で明るすぎず暗すぎない照明を使用して、落ち着いた和の雰囲気を演出しましょう。
2.畳や座敷席
畳を使用した座敷席や和室を設けることで、日本の伝統的な食事スタイルを味わえる空間を作ります。
畳に使われるイグサは香りも独特で、日本人であれば懐かしく落ち着いた気持ちに、外国人の方であれば日本特有の雰囲気を感じることができます。
3.木製家具
古くから釘を使わず木だけで建てるなど、日本で馴染み深い木製品は、お客様に落ち着きを提供します。
和風の家具や伝統的な木製のテーブル、椅子を配置して、日本の伝統的な雰囲気を醸し出しましょう。
4.壁飾り、掛け軸
店内に日本の伝統的な飾りや掛け軸の設置は、日本の文化や美を表現します。
日本特有の悪魔「鬼」を描いた額絵や、浮世絵などを飾ってみましょう。
<中華レストラン>
1.赤やオレンジの暖色系カラースキーム
赤やオレンジを主体としたカラースキームを取り入れると、中華感を演出することができます。
2.中華風の照明やつるし飾り
赤や金を用いた照明やつるし飾りを用いましょう。
中華文化では、赤や金色が繁栄や幸運を象徴する色として重要視されています。
これらの色を使用することで、中華独特の華やかな雰囲気を演出できます。
3.中華の芸術や文化のアート
中国の美術や書道のアートを店内に飾り、中華文化を強調しましょう。
墨の濃淡と線の太さで描き分けられる水墨画は、雅さと動きを感じさせます。
オリジナルアート
自店のためにオリジナルのアートを制作し、店内に飾ることで、他店とは一線を画した独自性をアピールできます。地元のアーティストとコラボレーションして、店舗オリジナルの絵画やアートピースを展示すれば、唯一のお店になりますよ。
しかし、ご自身のコンセプトと合わないアーティストとのコラボや絵を飾ることは、イメージを崩してしまうため、おすすめできません。オリジナルアートなど他と違ったことをするときは、今一度ご自身のコンセプトに合っているか確認しましょう。
季節に合わせた装飾
季節に合わせた装飾を取り入れることで、店内の雰囲気を変化させることができます。
クリスマスやハロウィンなどのイベントに合わせて装飾を変えることで、季節感を演出しましょう。
和食レストランであれば、お正月は少し高級な金箔などを用いたメニューを出すのもおすすめです。
おわりに
ブランディングは、飲食店が他の競合店と差をつけ、独自のアイデンティティを築くために重要な要素です。ユニークなロゴや店名、カラースキーム、インテリアデザイン等を上手に組み合わせて、お客様に心地よい体験と印象を提供しましょう。