「飲食店開業」。誰しも1度は憧れたことがあるのではないでしょうか?
しかし、飲食店を開業するにはメニュー開発や資金調達、物件探し、さらに資格取得や開業手続きまで、やらなければいけないことがたくさんあります。
何から始めればいいのか、何が必要なのか、どのような流れなのか、そんな方のために飲食店を開業するまでの流れをそれぞれポイントと合わせて紹介していきます!
目次
飲食店開業準備に入る前に!最初に知っておくべきこととは?
飲食店の開業を決めてからオープンまで、準備することがたくさんあります。
事前にしっかりと準備をしていないと、開業できてもそのあとに失敗してしまう恐れがあります。
失敗を防ぐために、まずは開業について理解を深めましょう!
開業のベストタイミングや自分に合った開業方法を知っておくことで、より開業成功の道に近づきます。
飲食店開業のベストタイミングはいつ?
飲食店の開業には、良いタイミングと悪いタイミングがあります。世の中の情勢、コロナや自分自身の状況にもよりますが、一般的には9月から10月に開業するのがベストタイミングと言われています。
逆に、悪いタイミングというのは12月から1月です。
それは、クリスマスや忘年会、新年会などの行事により、飲食店が最も忙しくなる時期だからです。
繁忙期に開業し、お客様に不慣れな対応をしてしまうのは避けましょう。
最初の2、3カ月は仕事に慣れる時期として計算すると、9月から10月に開業するのがベストと言えます。
また、自己資金がある程度貯まっているときも開業のタイミングです。
開業後で一番大変なのは資金調達です。コロナの影響で大変な状況ではありますが、開業するからには飲食店は長続きしなくては意味がありません。
独自開業?フランチャイズ経営?自分に合った開業方法とは?
開業には主に2つの手段があります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った開業方法を見つけましょう。
独自開業
何もない状態、0から一人で開業を始める方法です。
ノウハウを持たない場合、物件や設備、資金など大きな労力や資金が必要になり、全て自分一人でやらなければならないため、苦労が多くなります。
しかし、やることが多い分やりがいが大きく、利益も多く得ることができるという魅力もあり、全て自分一人での意志で決定することができ、自由度が高いため個性を出したい方におすすめです。
自分一人で選択できるという点から、居抜き物件や中古厨房機器を使用することで多少の資金を抑えることができるため、資金面に関してはある程度工夫することができます。昨今資金ゼロからの開業などの記事もありますが現実的ではありません。
フランチャイズ経営
フランチャイズ本部企業と契約を結び、経営する手段です。
フランチャイザーが築き上げた商標や商号を使用する権利を与える代わりに、フランチャイジーはロイヤリティーという対価を払うというシステム。
フランチャイズ経営の魅力はなんと言っても、フランチャイズ本部の持つ商標、チェーン名称、商品、ビジネス、経営のノウハウなど活用して経営できることです!
既に知名度があるため、開店当日からリピーターとなるお客様を招き入れることも可能です。
ブランド力が活かせられるのは、独自開業とは異なる大きなメリットですよね。
また、定期的な商品開発が行われるため、全国展開であればテレビなどの宣伝が威力を発揮することもあります。
このように、未経験からオーナーとして活躍することができ、集客支援や社員育成のサポートも受けることができるため、安心して開業することができます。
しかし、ブランド力を活かすことができるというのは、逆に悪い影響を受ける可能性もあるということです。
また、希望の物件や内装など、自分の思い通りにならない点も出てくるため、自分の理想通りのお店を開業したい方にはおすすめできません。
最低条件を決めて、自分に合った開業方法を知りましょう。
魅力的な飲食店にするには?コンセプトの重要性
コンセプトを明確に作成していないと、オープン後の経営の仕方や方針に影響したり、狙いたいターゲット層のいない立地に出店したり、資金繰りがうまくいかなくなったりという話を飲食店を経営するオーナーさんなら誰しもが聞いたことがあるのではないでしょうか?
ここでは飲食店にとって重要なコンセプトの考え方について説明をしていきます。
コンセプトの重要性
コンセプトとは、概念、つまり基本的な考え方のことを言います。
簡単に言うと「どんなお店にするか」ということであり、この軸がしっかりしていないと開店前も開店後も迷走、結果として「開業失敗」につながってしまいます。
コンセプトは、来店されるお客様がお店に対するイメージや、どのような商品やサービスを提供しているのかを判断する材料にもなるのです。
コンセプトの考え方
飲食店におけるコンセプトは、「7W2H」の観点から考えていくことができます。
「7W2H」に沿って、コンセプトを固めていきましょう。
What(なにを)
お店でどのような商品を提供するのか。メニュー・サービスの特徴。
Which(どれを)
どれを看板商品とするのか。お店のウリを明確にしましょう。
Whom(だれに)
ターゲット像はどのようなものか。
メインターゲットとサブターゲット(次いで取り込みたい客層)を設定しましょう。
ターゲットはお店周辺にどのくらいいると考えられるのか、どのようにアプローチをするか。
Where(どこで)
出店するお店の場所。自宅と同じ場所なのか、自宅とは別の場所なのか。立地条件やエリア、席数を設定し、調査をしましょう。
この場合は「ターゲット」が関係してくるため、Whom(だれに)を踏まえた上で決定しましょう。
Why(なぜ)
創業目的、目標、夢。なぜお店を始めるのか考えてみましょう。
また、お客様視点に立って、なぜ来店するのかも考えてみることで、より明確なコンセプトを決めることができます。
Who(だれが)
誰が開業するのか。一人で開業するのか、誰かと一緒に開業するのか。
スタッフや雇用する予定の従業員数、スタッフはプロかアルバイトか等。
How(どうやって)
どのようにしてお店を世の中に広めていくか、どのようにして接客、サービスを提供するか。
集客・販促・提供方法を考えましょう。
How much/long(どのくらい)
開業にかかる資金、設定する客単価、どれくらいの期間をかけて開業するのか。
When(いつ)
開業時期、営業時間、定休日。
開業までの時間、いつまでに開業するか、どんな時間帯に利用してもらえるのか。
売れるメニューを開発しよう!
提供するメニューによって、集客や売上、来店されるお客様の満足度等、飲食店の命運が決まります。
お客様が満足するようなメニュー、また、利益につながるメニューを開発しましょう。
メニュー作成時のポイント
コンセプトを明確に!
どのようなメニューを提供するのか、まずはメニューの基本方針を決めることが重要なポイントになります。
ターゲットとなる客層を明確にし、店のコンセプトに沿ったメニューを用意することで、店の個性や統一感が出すことができます。
メニューの種類
メニューの種類によって、店にもたらす効果・役割が異なってきます。
多くの飲食店で取り入れられているメニューの種類・効果には、以下のようなものがあります。
「定番メニュー」
同じジャンルの飲食店ならば必ずと言っていいほど置いてあるメニューのことです。
顧客のニーズを満たしやすいことが特徴です。
例:居酒屋=ビール、中華料理屋=餃子
「看板メニュー」
そのお店の看板、お店の顔となるメニューです。
これを目当てにお客様が来店するため、店のブランディングや宣伝に繋がります。
飲食店の競争が激しい中、他のお店にはないメニューを作ることで顧客の増加、リピート率向上にも効果があります。
その他、原材料費や調理のコストがかからない「利益率の高いメニュー」、季節ごとの一品など一定期間で変わる「期間限定メニュー」など、それぞれバランスをよく取り入れることを意識しましょう。小さいお店、大きいお店に関わらず、これらのメニューを事前に決めておくことをおすすめします。
こだわりを持つ
顧客のニーズはその時代によって変化していきます。
しかし、味を変えてしまうと、常連客が離れてしまう可能性もあります。
何度でも足を運びたくなる、オリジナリティ溢れるメニューを日々追及し続けていきましょう。
見た目
料理の美味しさももちろん、見た目も重要です。
盛り付けや色合いは、食指を動かすきっかけとなります。
また、近年ではソーシャルメディアへの投稿が盛んになってきています。
お客様自身が宣伝をしてくれることもあるので、見た目のインパクトや彩りはとても重要です。
コンセプトで設定したターゲットの客層から料理の種類、ボリューム、器、盛り付け方を決めましょう。
メニューブックの作成
飲食店におけるメニューブックは、お客様が席について1番最初に目にするものです。
メニューの伝え方がうまくいかないと、売れる商品も売れなくなってしまいます。
メニューブックには様々な種類があります。
自分のお店の雰囲気やコンセプトに合ったメニューブックを選び、より魅力的にメニューを提供しましょう。
メニューブックの種類
折り畳みタイプ
1枚タイプに比べて、メニュー数は比較的多く掲載可能な分、コストがかかります。
二つ折り、三つ折り、観音折りなどの種類があります。
ラーメン店や定食店向けです。
見開きタイプ
お店のメニュー数に応じたメニューブックを作成することができます。
レストランや居酒屋など多くのメニューを提供する業態向けです。
メニューブック作成時のポイント
イチオシメニューは大きく目立たせる
お客様は、メニューブックを見て、一番目立っているメニューをお店のイチオシ商品だと認識します。
だからこそ、一番注文してほしいメニューは、一目でわかるように一番大きく、一番目立つように配置しましょう。
カテゴリを分けて表示
「サラダ」「焼き鳥」「刺身」など、カテゴリを分けて掲載しましょう。
バランスのよい注文や注文品数の増加にもつながります。
写真は大きく・多く
メニュー写真はプロにお願いするとより効果的です。
費用はかかりますが、「美味しそう」な写真で紹介することで、売り上げに繋がります。
テンポスではメニューブックの作り方からメニューブックの購入まで、飲食店を開業されるお客様をお手伝い致します。
●メニューブックの購入
●メニューブックつくりのご相談
ベストな仕入れ先を見つけるには?
仕入れ先の探し方
仕入れ先を探す方法としては、下記が挙げられます。
・インターネット
・お店の近所を探す
・知り合いから紹介してもらう
・展示会・市場で探す
近年ではインターネットで仕入れ先を探す方が多い傾向にあります。
また、飲食店を経験されている方は当時の繋がりやツテなどから仕入れることが多いようです。
仕入れ先の種類
仕入れ先は主に下記が挙げられます。
・通販サイト
・スーパー
・生産者
・業務用卸業者
・市場
品質や価格は適切か、自分の店に合っているか、支払い方法や納品方法など、複数の仕入れ先を比較し、自分のお店にあった仕入れ先を見つけましょう。リスト化しておくことで将来的に仕入れ先を変更する時にも役立ちます。
テンポスでは飲食店の仕入れのお手伝いを致します。
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●酒類の仕入れ
飲食店開業、気になる費用について解説!
飲食店を開業するにあたって誰もが直面する開業資金問題。
いざ開業するときに「資金が足りない」なんてことのないよう事前に知識をつけましょう。
ここでは、必要な費用の概要と資金調達方法を紹介していきます。
必要な費用とは?
開業に必要な資金は主に以下の4つに分けられます。
物件取得費
物件を本契約して自分の物件として取得するために必要なお金です。
店舗投資費用
店舗としての体裁を整えるために必要なお金です。
運転資金
運転資金=FLコスト(食材費+人件費)+家賃
生活費
開業時に使用できる?補助金・助成金って?
国や地方公共団体から支出される資金として、「補助金」、「助成金」があります。
こちらは返済の必要がないうえに、資金として活用できるのです。
それぞれ審査があるので、しっかりと条件を満たした上で申請しましょう。
資金調達方法
自分で貯金をする
約6割の企業が、飲食店を開業してから事業が軌道に乗るまで6ヶ月かかり、残り4割は6ヶ月以上の期間を要しています。
そのため、最低6ヶ月分は運転資金を予測して準備しておく必要があります。コロナでの営業自粛、短縮営業などの可能性も考え少し余裕を持って準備を心掛けてください。
最低でも3ヶ月分は自己資金としても用意し、あと3ヶ月分は「制度融資」「創業融資」「助成金・補助金」などの方法で資金調達するようにしてください。
知り合いからの支援
資金調達方法の中でも最もハードルが低く、負担が少ないです。
信用次第で利息や返済日などが、金融機関と比べて融通が利きます。
知り合いだからと曖昧にせず、返済義務の有無や返済期間、利子などについて明確に取り決めを行い、契約書まできちんと作成するようにしましょう。
銀行・信用金庫からの融資
資金調達をするにあたって、普段から利用している身近な存在ということもあり、銀行からの融資が真っ先に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
しかし、事業主の過去の取引実績をもとに厳正な審査を行うため、意外にもハードルが高いようです。最初の自己資金ゼロの場合には銀行や信用金庫からの融資は非常に難しいと考えてください。
飲食店成功の鍵!いい物件を見つけるには?
物件は飲食店の成否を決めます。
優良な物件を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。
さまざまな物件がありますが、なかなか理想の物件に出会えないこともあります。
たくさんある中から理想の物件を見つけるため、物件の探し方をお伝えしていきます。
それぞれの特徴を理解して自分に合った探し方で見つけましょう!
3つの調査方法
ネット
物件を探すにあたって、やはりネットで探すのがよりたくさんの情報を得られるでしょう。
ただ1サイトだけから探すのではなく、複数のサイトに登録してこまめにチェックすることで、大体の相場が分かるようになっていきます。あらかじめ気になった物件をリストにしておくと便利です。
サイトによって、公開している物件が違うところもあるので、よりたくさんの場所からチェックするようにしましょう。またコロナ禍では居抜き物件なども非常に増えていますのでいい物件を探し出せれば、初期費用を抑えることも繋がります。
不動産屋
ある程度のエリアが既に決まっている人は、そのエリアの不動産会社に問い合わせてみるのもいいでしょう。
不動産会社によっては、その地域の建物のオーナーと繋がりを持っている可能性があるため、ネットには出回っていない物件を紹介してもらえる場合も少なくありません。
また、不動産会社の担当者から、物件探しに有益な情報を得られたり、アドバイスをもらえる可能性もあります。
自分の足で歩いてみる
エリアが決まっている場合、不動産会社に訪れるだけではなく、自分の足でその地を歩いてみるのも大切です。
その地域の雰囲気や人通り、競合店があるのかなど、直接感じることで気づくこともあります。自宅とは別の場所で開業する場合は時間を変えて何度か歩いてみるといいでしょう。
実際にその地域を歩いてみて不動産会社を見つけたら寄ってみるのもいいですが、アポ無しで突然訪問するのは迷惑と感じる不動産会社の方もいます。なるべく事前に確認して話を聞くようにしましょう。
厨房機器・備品を揃えよう
まずは厨房に必要な機器をチェックしていきましょう。
避けたいのは、先に厨房機器を購入してからレイアウトや動線を考えることです。
この順序だと限られた配置・動線の確保しかできなくなるため、無駄が発生するリスクが高くなります。
順番として、まずは配置や動線を決めてから、それに合わせて厨房機器や家具、備品を購入しましょう。特に小さいお店の場合には後から変更することが難しいため計画的に進めてください。
厨房機器
いざお店を開業してから「必要な機器が足りない」、「使わない機器を購入してしまった」なんてトラブルは避けたいところです。
今回は業態にかかわらず、小さいお店の場合でも揃えておきたい厨房機器を7点ピックアップしました。
冷凍冷蔵庫
食材を保存するための冷凍冷蔵庫は飲食店にとって欠かせない機器になります。
提供する料理の量や厨房の広さを考えて、冷凍冷蔵庫の容量やサイズを決めましょう。
シンク
シンクは調理前の手洗いや、食器や調理器具の洗浄のために欠かせない機器です。
ガステーブル・ガスレンジ
ガステーブル、ガスレンジは調理時間の短縮、作業効率が大幅にアップします。
作業台
作業台は、盛り付けをしたり、お盆へ料理をセットするときに必要です。
コールドテーブル
コールドテーブルがあると作業と保存をスムーズに切り替えることができます。
温度管理に気を使うメニューを扱う店舗の必需品です。
製氷機
冷たいドリンクの提供や食材の保存には、氷が必要です。
食器棚
食器やグラスを清潔に保管するには、食器棚が必要です。
食器・備品
料理を演出する食器やグラス、カトラリーはお店の印象を決定づけます。
お店の雰囲気を左右するテーブルや椅子などの家具は、デザインも重要ですが、お客様の使いやすさを第一に考えて選んでください。
寸法を測って図面と照らし合わせ、イメージ通りの家具を揃えていきましょう。
厨房機器は新品で揃えようとするとかなりの金額がかかってしまいます。
中古機器も視野に入れ、コストを抑える必要があります。ぜひテンポスにご相談下さい。
●厨房機器・店舗用品の通販サイト
忘れていませんか?飲食店開業手続き!
開業の準備が整い、いざオープン!の前に、一番忘れてはいけないのが開業の手続きです。
開業に必要な申請や資格を持っていないと、どれだけ入念に準備をしても開業できない恐れがあります。
予め必要な手続きを確認し、スムーズに開業できるようにしましょう。
必要な申請・検査・届け出
開業に必要な申請・検査・届け出は主に以下が挙げられます。
・税金関係で必要な届け出「個人事業主の開業届出書」
・衛生上必要な届け出「飲食店営業許可」
・消防上必要な届け出「防火管理者選任届」
・従業員を雇用する上で必要な届け出「労災保険、雇用保険の加入手続き」
・お酒を提供する場合に必要な届け出「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」
必要な資格
・食品衛生責任者
・防災責任者
これらは飲食店を開業するにあたって必須な資格です。
ちなみに、「調理師免許」の資格は不要です。
この他にも「持っていると強みになる資格」が存在します。
さらに集客や売り上げを上げたい方は、自分の業態に合った資格を取ってみるのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飲食店を開業するには、やるべきことがたくさんあります。
しかし、一つ一つしっかりと準備することで成功の道に近づきます。
重要なことは、開業の流れを予め把握できているかということです。
開業後に後悔しないよう、余裕をもって取り掛かりましょう!
テンポスドットコムでは、コロナ禍においても飲食店の開業をされる方に向けて、開業に必要な準備をお手伝い致します。
また、各業種に絞った専門サイトを5業種オープンいたしました。
各業種の開業に必要な機器、情報・サービスのご提供をしております。
是非、お店を開業する際の参考にしてみてください!