多くの飲食店が他店との差別化をはかるため、お店独自のオリジナルメニューを考案しています。
特に2107年に「インスタ映え」が流行語大賞を獲得してから、様々な飲食店がインスタ映えを意識したメニュー作りに力を入れてきました。
その中には「映えスイーツ」に代表される、若者を意識した奇抜な盛り付けや色付けした食材を使ったメニューが多くあります。
多量のクリームにカラフルなグミなどを載せたスイーツ、食材が隠れるほどのチーズをかけた料理、瓶に色付けしたご飯のを層にしたちらし寿司など・・・確かにインスタで拡散され、テレビに取り上げられ連日大盛況となるお店もありますが、写真を撮ったら捨てられる、流行のスピードが速く1年しないで飽きられた、など多くの問題を抱えています。
更に最近はインスタの加工疲れや、商用目的が多くなったこと、Tiktokの台頭などにより、以前より話題性は少なくなってきました。
では、これから飲食店はどのようなオリジナルメニューを作っていけば良いか、少しの工夫で売りとなりうるメニュー作りの一例を紹介します。
目次
彩り・盛り方の工夫
全盛期ほどインスタの影響力がなくなったとは言え、SNSでの拡散はまだまだとても重要な販促方法の1つです。思わず写真を撮りたくなるメニューを作るため「彩り」「盛り方」を意識しましょう。
サラダ1つをとっても彩りを工夫することにより人気のメニューになります。
コブサラダ:様々な野菜や茹で卵、サラダチキン、チーズなどを同じ大きさに切り具材ごとにカラフルに並べましょう。大皿で提供することによりパンやスープと合わせ、ヘルシーランチとして立派な1品になります。
彩りサラダ:具材の角切りが難しい場合は、ブロッコリー、プチトマト、チーズ、ベーコン、エビ、アボカドなど色合いを考え様々な具材を散らしましょう。
食用花:現在はバラ、キンギョソウ、マリーゴールド、ビオラなど様々な食用花が売られています。サラダに散りばめたり、カルパッチョに添えるなどにより、彩りやかわいさ、豪華さを演出できます。ただし食用花は値段が高いので少しハードルは高くなります。
1品として提供する場合は、オリジナルドレッシングや、数種のドレッシングで飽きさせないなどの工夫も必要です。
花畑鍋:薄く切ったニンジンやダイコン、紫ダイコンなどを丸めて花のようにし、ブロッコリーやエノキ、その他の食材と一緒に敷き詰めると色とりどり色とりどりな花畑のような鍋になります。ただ火が通ると色が変わってしまうため、火をつける前に提供しましょう。
量の工夫
チャレンジ系、大盛り系など量を売りにした飲食店が毎日のようにテレビで紹介されています。ただ、大盛り料理はあくまで話題性でお客様を呼ぶ広告代の役割のため、あまり食材原価を下げすぎないことも重要です。
チャレンジ系:以前より、大盛り、激辛などチャレンジ系のメニューは若い人を中心に人気がありますが、食べ残しなどの問題も多く、また客層も限られるため、若い人をターゲットにするお店以外はお勧めしません。また損はしないように食べ残した際の罰金などの設定もしっかりと考えましょう。
大盛り系:山盛りの唐揚げが人気のテンカラをはじめ、1000円以下の特大の中華丼やチャーハン、定食などが良く取り上げられ、常連のお客様も付きやすくなります。
目的はあくまで「おいしい料理をたくさん食べてほしい」ことなのですが、全ての料理を大盛りにしては利益が出ず、回転率も悪くなるので、数量限定やピーク時間を避けるなどの工夫も必要です。また持ち帰れる料理は持ち帰り用のドギーバックを用意するのも良いです。
大皿料理:あえて取り分けられる大皿で提供する店もあります。1皿の量を大盛り程度にし(パスタなら120gなど)2人で2皿頼んで取り分けられるようにすると客単価UPの効果もあり、主婦やOLなどが多いお店のランチライムメニューとして人気が出ます。2種類、3種類選べるセットメニューにすると頼みやすくなります。
食材の工夫
通常、食材の原価は料理代の30%と言われますが、全てを30%にすることは難しく、時には目玉食材を安価で提供したり、地元食材にこだわり、お客様の満足度を上げる工夫も必要です。
高級食材:あえて高級食材を安価で提供することで集客を増やしているお店もあります。高級魚が安価で手に入った場合のみ刺身盛りに加えたり、数量限定で高級食材を使った料理を提供するなど、運によるわくわく感や特別感を出すことも重要です。
地元食材:地元食材にこだわった1品は、観光客だけでなく、常連のお客様にも人気のメニューになります。地元食材の安定供給が難しい地域では、品数を絞り、通年のメニューではなく地元食材だけを使った季節メニューを考えてみましょう。メニューに産地や生産者名、そこで採れる季節ごとの野菜などの表記をするとより特別感がでます。
お酒の工夫
日本酒・焼酎:地元産の日本酒や焼酎、またそれに合わせた地元食材やお酒に合う料理を用意することも重要です。純米酒や芋焼酎には肉料理や煮物、バターを使ったこってりした料理、吟醸酒や麦焼酎には刺身や魚の塩焼きなどさっぱりした料理が合うと言われています。
それらの肴を地元産で作り、料理メニューやお酒のメニューにおすすめとして記載することで単価UPの効果もあります。
サワー:若いお客様に人気のサワーにもひと工夫を。凍らせたレモンを氷代わりに使うレモンサワーや、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、その他の果物を剥いて凍らせ氷代わりにしつぶしながら飲むサワーなども売りのメニューになります。剥いて凍らせる手間はありますが特別感のあるメニューになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回紹介した食材はほんの一例ですが、お店の客層や呼びたい客層に合わせたメニューを考えてみてください。
ただ、あくまで多くのお客様に来てもらうためのメニューなので、原価率など考え無理をしない程度で特別感を出すことが重要です。