居酒屋業態は、利益率が高く、開業がしやすい業態と言われています。コロナ禍では、影響を大きく受けている業態でもあります。
立ち飲み、大衆酒場、創作居酒屋、個室居酒屋、テーマ型居酒屋、ご当地居酒屋など多種多様な居酒屋業態が存在しており、独創性の高い経営ができます。
コロナ禍によって、消費者動向が変化した今、経営を軌道に乗せるには入念な準備が必要です。
ここでは、居酒屋開業・経営を成功に導くためのポイント・注意点について、メリット・デメリットを交えながら項目ごとに説明していきます。
目次
居酒屋開業のコンセプト・形態
ここでは、居酒屋のコンセプト・また形態について解説していきます。
コンセプト
飲食店を開業する際には、どんなお店にするかというコンセプトが大切になります。
飲食店におけるコンセプトは、7W「When」「Where」「Who」「Whom」「What」「Which」と2H「How」「Howmuch」からなる「7W2H」の観点から考えていきましょう。
形態
居酒屋は、すべてを一から自分で行う「単独店」と、親企業からブランド名や商品・サービスを使う権利をもらう「フランチャイズ(FC)」、加盟店同士が組織を結成して運営する「ボランタリーチェーン(VC)」などがあります。
単独店
単独店では、メニューはもちろん、店内の内装や家具、サービス内容に至るまで、自分の思い通りに揃えていくことができます。
また、自身の求める素材や味を納得のいくまで追求し、こだわることができる自由度の高さがあります。
一方で、開業手続き、開業資金と物件の確保、店舗の設備や調理道具・食器購入、仕入れ先や人材の手配など、開業するために必要なことはたくさんあり、全てを自分でやらなければいけません。
また、個人店の場合は、店舗のPRのための営業スキルも求められます。
フランチャイズ(FC)
未経験でも開業しやすく、ビジネスリスクが低いこと、資金の融資が受けやすいことなどがメリットとなります。
一方で、利益に関係なく加盟金・ロイヤリティーなどの支払い義務があること、様々な規制があり経営の自由度が低いこと、ブランド毀損による影響を受けやすいことなどが課題となります。
ボランタリーチェーン(VC)
本部からのノルマや規則などが比較的緩いため、各店舗によって独自のメニュー開発やサービス展開を行い独創性を打ち出していくことができます。また、本部がメーカーからまとめて仕入れるため、コストを引き下げることができます。
仕入れコストが下がると、今までと同じ売上でも利益率はUPします。
一方で、フランチャイズのように強固なバックアップがないため、店舗の経営努力がより必要になってきます。また、知名度の高い大手のフランチャイズチェーンと比べて知名度の高い飲食店は少ないため、自分たちで集客のための対策を考え、努力をしていく必要があります。
居酒屋開業のメリット・デメリット
ここでは居酒屋開業におけるメリットデメリットについて紹介していきます。
居酒屋開業のメリット
比較的簡単
開業の際に居酒屋を選ぶ最大の理由は、始めやすいことです。仮に魚をおろせなくても、魚屋に行けばおろした状態で販売してくれます。もちろん、本格料理でお客様を呼ぼうと思えば大変なことですが、簡易的なおつまみなどを提供するだけならば、簡単に始めることができます。しかし、簡単に始められるということは、それだけ競争が激しいということでもあります。
差別化しやすい
少し料理に詳しい人なら、比較的簡単に「自分が考えたオリジナル商品が開発できる」という点もメリットです。フレンチや本格的な懐石料理であれば、目指す味は繊細ですからかなりの研究が必要ですが、居酒屋であれば自分のアイデアを簡単にメニューとして開発することができます。
ひとり飲みのニーズが拾える
居酒屋はほかの飲食店とは違って、「ひとり飲み」ニーズを拾えることがメリットです。最近では男性だけでなく、女性のひとり飲みも増えてきているため、単価は低くとも頻繁に来店してくれる確率が高くなり、ターゲットとしては実に魅力的です。
利益率が高い
居酒屋の大きなメリットのひとつが「高い利益率」です。そして売上をその日のうちに回収できることによる資金回転の良さ、またコンセプト次第で他店との差別化がしやすいことが挙げられます。
ビールや日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類や揚げ物・おつまみ類は利益率が高く、利益を上げやすいのが居酒屋業態のメリットでしょう。
初期費用を少なく抑えられる
居酒屋は小さなスペースでも開業することも可能で、他業態に比べて比較的少ない初期費用での開業が可能です。
たとえば、カウンター8席だけの小さなお店でも十分に営業することができます。
居酒屋開業のデメリット
誰でも参入できる
居酒屋は資金があれば誰でも参入できる業種でもあります。
学歴や資格など関係なく誰にでも出店出来ることはメリットである反面デメリットにもなります。
ライバル店が多い
常日頃、新規オープンの居酒屋が出店されるため、魅力的なお店にするため考える必要があります。
市場規模は減少しているのですが、新規出店数が減っているというわけではなく、競合店同士の競争は激化しています。
利益を上げている飲食店は、スピードや安さ、料理やサービスの質など日々努力して考えています。
そのため現状に満足してしまうと、すぐに時代遅れな店になってしまいます。
昔なつかしの昭和な居酒屋も良いですが、今の流行に遅れないよう日々調査することも大切です。
市場規模はピーク時(1992年)の2/3程に減少
近年、居酒屋業界は苦戦を強いられています。市場規模は、ピークだった1992年の3分の2程度に縮小しています。
若年層のアルコール離れ、働き方改革による残業の減少、消費者嗜好の多様化など様々な要因が背景にあります。
居酒屋の開業に必要な準備
開業場所選び
人通りの多さ、競合店の有無、周辺の商業施設やオフィスの存在、駅からの距離、駐車場の有無などを考慮して開業場所を決定します。
資金の調達
開業費用、初期運営資金、売上が安定するまでの運転資金などを含め、数百万円から数千万円の資金が必要です。
マーケティング戦略
SNSや地域イベントの活用、クーポンや割引の提供、口コミマーケティングなど、ターゲット層に合ったアプローチを取ります。
メニューの開発や価格設定
地域の需要に合わせたメニュー、季節ごとの変更、価格設定、味のバリエーション、アレルギー対応など、顧客ニーズに合ったメニューを設計します。
成功と失敗の分岐点
居酒屋業態の現状の把握
居酒屋業界は若年層の「アルコール離れ」や「会社帰りの居酒屋需要の低下」など深刻な問題を抱えています。
また居酒屋を使わずに「家飲み」や「ちょい飲み」が手軽で流行にもなっています。開業する上でより深いニーズを掘り起こすために、他業態以上に事前の準備・調査が重要です。明確なコンセプト、事業計画、メニュー作りを行い、他店とのしっかりとした差別化が必要となってきます。
リピーターを増やす
オープン当初の飲食店は、その目新しさから非常に多くのお客様が入ることもあります。しかしその「オープン需要」は長くは続きません。大事なのは、そこからどこまでリピーターを増やせるかです。お客様がリピートするのには必ず理由があります。
また最近の居酒屋さんでは、FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSやブログなどを更新されているところが非常に多いです。
FacebookやX(旧Twitter)で新メニューの宣伝をしたり、キャンペーンのお知らせをしたりと、常に新しい情報を配信していくこともリピーターを増やすためには大切な事です。他にも固定客つくりには会員カード、スタンプカードで還元などのサービスもいいでしょう。
資金計画
どのような居酒屋を開くかによりますが、個人で開業する小規模店の場合は、700万円~1200万円程度は必要となります。
ほとんどの飲食店は、オープンから経営が軌道に乗るまでに3~6ヶ月ほどかかり、この時期を乗り越え、リピーターを地道に増やしていくには運転資金がどれだけ残せているかで決まります。運転資金はその数ヶ月を乗り越えるために欠かせない、最も重要な資金の一つです。
失敗しない資金計画の基本は、下調べで手抜きをしないことです。予算立ての際には、6ヶ月分の運転資金についてもしっかりと検討を行いましょう。
人手不足
飲食業界は人手部不足の状態が長く続いています。スタッフを確保できず営業がままならなくなり、繁盛していたにも関わらず閉店を余儀なくされたというオーナーのお話はよく聞きます。求人をしてもなかなか人が集まらず、飲食業界は「人手不足」に悩まされています。
人手が足りなければ、その負担が他のスタッフにかかってしまうため、労働環境の悪化→離職→新しく人が入っても定着しない→サービス低下によるお客様離れ・・・と負のスパイラルに陥ってしまいます。
人口減少、人件費の高騰という課題は今後ますます続いていくでしょう。そのため、より少ない人員で運営できる体制づくりや、省力化を考えた店舗づくり は必須項目です。
居酒屋開業に必要な厨房機器
ここでは、居酒屋開業に必要となる主な厨房機器についてご紹介していきます。
・熱機器
ガステーブル・ガスレンジ
フライヤー
焼物機
炊飯器
電子レンジ
・冷機器
冷蔵庫・冷凍庫
製氷機
冷蔵ショーケース
冷凍ストッカー
・その他の厨房機器
シンク
作業台
板金
軟水器・浄水器
食器洗浄機
タオルウォーマー
など
まとめ
いかがでしたか?テンポスでは居酒屋開業のための厨房機器はもちろん、居酒屋開業についてのトータルプロデュースをしています。
居酒屋開業についてのご相談・内装・物件などお困りの際は、是非お問合せください。
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