パン屋で焼くパンは、種類や製法によって焼き方や温度が異なります。そのため、パン屋に欠かせないオーブンも、用途や目的に合わせて選ぶ必要があります。
全3特集に分けて、パン屋に必要なオーブンの種類や選び方について、詳しく解説します。
今回の本記事では、特集①【デッキオーブン】についてご紹介いたします。
目次
パン屋開業に必要な厨房機器
【1】オーブン
パンを焼くために不可欠な機器です。デッキオーブン、コンベクションオーブン、回転式オーブンなど、さまざまなタイプがあります。店舗のニーズに合わせて適切な種類を選択する必要があります。
【2】ミキサー
ミキサーは、パン生地を混ぜるために必要な設備です。ボウルやヘラを使って手で混ぜることもできますが、ミキサーを使うことで、効率的にパン生地を混ぜることができます。
【3】ホイロ
パン生地を発酵させるための設備です。手で発酵させる方法もありますが、発酵機を使うことで、より安定した発酵を行うことができます。
【4】作業台
パン生地をこねたり、成形したりするための設備です。作業台は、広くて丈夫なものを選びましょう。
【5】ラック
パン生地を休ませたり、焼いたパンを冷ますための設備です。パン生地を休ませる際には、湿気がこもらないように注意しましょう。
【6】その他
その他にも、パンを包むための袋や、パンを切るためのナイフなど、さまざまな厨房機器が必要です。パン屋の規模や提供するパンの種類に合わせて、必要な厨房機器を揃えましょう。
パン屋開業に必要なオーブンの種類
パン屋を開業する上で、オーブンはお店の心臓部とも言える重要な機器です。オーブンはパンの焼き加減や風味に直接影響を与えるため、開業する際には慎重な選択が必要です。
さまざまな種類や機能があるオーブンの中から、最適なものを選ぶためにはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。
こちらのブログでは、パン屋開業を目指す方々に向けて、オーブンのメリットやデメリット、そのオーブンに合ったパンの種類について解説します。自分の店舗に最適なオーブンを見つけるためのヒントが得られるかもしれませんので、ぜひご一読ください。
デッキオーブン
業務用デッキオーブンは、パン屋の生産性や品質向上に大きく貢献することが期待されます。デッキオーブンは、石や耐火レンガでできた床が特徴で、これによりパンやピザなどを焼く際に熱を均一に伝え、美味しく焼き上げることができます。
また、デッキオーブンは温度の安定性が高く、焼きムラを防ぐため、品質の一貫性を確保することができます。さらに、デッキオーブンは多様なメニューに対応することができ、様々な種類のパンやピザ、焼き菓子などを焼くことができます。
そのため、パン屋を開業する際には、業務用デッキオーブンの導入を検討することをおすすめします。
業務用デッキオーブンは、高い品質と信頼性を持ちながら、生産性を向上させることができます。ぜひ、お店のニーズや予算に合ったデッキオーブンを選んで、開業に備えてください。
メリット
デッキオーブンは、上下から熱を加えるため、庫内の温度が均一になりやすいです。そのため、焼きムラが少なく、ふっくらとしたパンを焼くことができます。
メリットとして5点挙げられます。
(1)熱伝導性と均一な焼き上がり: デッキオーブンは石や耐火レンガで作られた床が熱を保持し、パンやピザなどを均一に焼き上げます。焼きムラが少なく、美味しさを保ったまま焼き上げることができます。
(2)風味と食感の向上: デッキオーブンの特有の風味や食感は、お店のパンやピザに独特の味わいを与えます。焼き石や耐火レンガの素材がパン生地に独特の風味と食感を与え、顧客に満足感を提供します。
(3)信頼性と耐久性: 業務用デッキオーブンは、長期間安定した性能を発揮し、パン屋の生産性を向上させます。信頼できる機器を導入することで、品質の一貫性を保ち、お店のブランド価値を高めることができます。
(4)多様なメニューに対応: デッキオーブンは、パンやピザだけでなく、焼き菓子や料理などさまざまなメニューに対応できる柔軟性があります。お店のメニューを多様化し、幅広い顧客層を満足させることができます。
(5)プロの仕様とデザイン: 業務用デッキオーブンは、プロのニーズに応えるために設計されています。使いやすい操作パネルや耐久性の高い構造、清潔さを保つためのデザインなど、パン屋のプロフェッショナルなニーズを満たす特徴があります。
デメリット
デメリットとして4点挙げられます。
(1)スペースの必要性: デッキオーブンは比較的大型であり、店舗内に設置するためには十分なスペースが必要です。スペースの確保や配置には注意が必要であり、小規模な店舗や限られたスペースのある場所では適切な設置が難しい場合があります。
(2)価格の高さ: デッキオーブンは高品質な材料で作られており、信頼性が高いため価格が高い傾向があります。そのため、初期投資が大きく、予算に影響を与えることがあります。特に新規にパン屋を開業する場合は、機器購入費用を含めた経費のバランスを考慮する必要があります。
(3)保守とメンテナンス: デッキオーブンは耐久性が高い一方で、適切な保守とメンテナンスが必要です。定期的な清掃や部品の交換などを行うことで、性能を維持する必要があります。メンテナンスには時間と労力がかかるため、適切な管理計画が必要です。
(4)温度管理の難しさ: デッキオーブンは一般的に温度管理が比較的繊細であり、焼きムラを防ぐためには適切な調整が必要です。温度設定や焼き具合の調整に慣れるまで時間がかかる場合があります。
※使用時の注意
デッキオーブンは高温で動作するため、使用時には注意が必要です。操作ミスや取り扱い不注意による火災や火傷の危険性があります。安全対策や取り扱いマニュアルに十分な注意を払う必要があります。
デッキオーブンが向いているパンの種類
≪フランスパン≫
デッキオーブンの床面が均一に熱を伝えるため、フランスパンのような長い形状のパンを焼くのに適しています。外側はカリッと、内側はふんわりとした食感が特徴です。
≪イタリアンブレッド≫
デッキオーブンは風味豊かな焼き上がりを実現し、イタリアンブレッドのようなラウンド形状のパンを焼くのにも適しています。表面にカリッとした焼き色がつき、しっかりとした食感が楽しめます。
≪バゲット≫
デッキオーブンの床面が熱を均一に伝えるため、フランスパン同様、バゲットのような長い形状のパンも焼きやすいです。バゲットは外側がパリッと、内側がふんわりとした食感が特徴で、デッキオーブンで焼くことで理想的な焼き上がりを実現できます。
≪シンプルな白パン≫
デッキオーブンは均一な熱伝導性を持ち、シンプルな白パンなどの一般的なパンも焼きやすいです。パンの表面がきれいに焼き上がり、風味豊かな食感が楽しめます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はデッキオーブンについてご紹介いたしました。
オーブンはパン屋にとって必要不可欠な道具です。適切なオーブンを選ぶことで、美味しいパンや焼き菓子を提供する準備が整います。
次回はコンベクションオーブンになります。
今後のパン作りで、オーブン選びに成功し、お客様に喜んでいただけるパンをを提供しましょう。パン屋開業を検討している方は、こちらの記事を参考にオーブンの導入を検討してみてください。