【ラーメン店・大島】「自分の感覚が絶対!」北海道・札幌の名店「すみれ」から「のれん分け」後の失敗できないプレッシャーとは?

出店・開業

東京都・都営新宿線 船堀駅から徒歩8分の立地にある、ラーメン店「大島」はオープンからすぐに人気店となった。店主は、北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で12年の修業を積んだ大島剛史さん。2人目の「のれん分け」となったが、そこには想像を絶するプレッシャーが・・・。

開業までの経緯

北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で働いていた当時は10年の修行と考えていましたが、結果的に12年の修行を積み「ひとりでも多くの人に本場の札幌ラーメンを食べてもらいたい」という思いから独立。修行先からの暖簾分けを受け、2013年5月に江戸川区船堀に「大島」を開業されました。

当初は、札幌での開業を考えていましたが、すでに先輩方が札幌の各区にお店を構えられていて「区が埋まっているな。どうしようかな。」と思っていました。

ちょうどその頃、東京に住んでいた妹が札幌に帰省し、「なんで札幌にこだわっているの?」と言われてから考えが変わるようになり、関東での開業も視野に入れて考えるようになりました。

しかし、関東へは、出張などで行ったことはあっても土地勘が全くなく、勘違いから始まっているのですが、「東京=江戸」のイメージがあり、「東京都の中心は江戸川区」と思っていたので、中心部で開業したいという気持ちからざっくばらんに「江戸川区」に決めたのですが、後から調べると東京の端にあったことを知りました。(笑)

他の区の物件も見ましたが、たまたま妹が江戸川区船堀に住んでいたというのもありますが、自分の中では「江戸川区」がなぜか落ち着いたのです。

妹宅に泊めてもらい物件を探し始めたのですが、江戸川区船堀の地が、なぜか札幌の空気感と同じものに感じ、いいなと思った物件は募集していなかったのですが、とりあえず連絡をしてみたら、なんと1ヶ月後に空くとのことで、縁を感じてこの地に開業しました。

当初は、北海道でオープン予定だったが、修行中にいろいろなラーメン店を回っているうちに、「関東でやってみたい。」という気持ちが強くなり、結果的に「すみれ」からの独立としては初の東京進出となった。

「開業に関しては悩むことが多いですが、最終的には縁でしょうか。」と大島さんは当時を思い出します。

そして、北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で12年ほどの修業を積んだ後、最終的に東京都・都営新宿線 船堀駅から徒歩8分の立地にオープン。新店ながら「知る人ぞ知る」人気店になったのです。

「大島」一番人気の看板メニュー「味噌らーめん」950円(税込)

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

「すみれ」の最初の暖簾分けは札幌にある「麺屋 彩未」さんなのですが、それから12年後に2店目の暖簾分けということもあり、正直「失敗できない。」というプレッシャーが半端なかったです。

実は「すみれ」で働く際に、面接担当でもあった「麺屋 彩未」の奥さんとは、「すみれ」で3ヶ月位しか一緒に働いていませんが、今では「北海度でもNo.1クラス」のお店。振り返ると「力の差」をものすごく感じましたし、「カリスマ性」と「飛びぬけた実力」を持たれた方だったので、正直、比べられるのが怖くて、同じ札幌でお店を出したくないという気持ちがあったかもしれないですね。今は、麺屋 彩未の奥さんを目標に頑張れているので、本当にいつも感謝しています。

また、周りからは「もっと都内や駅近で開業しろ。」と言われ続けましたので、最初は「お客様の客足は弱いかな。」と思っていましたが、「最初は暇でも将来的には伸びる」という腕に自信があったので「挑戦」を決意し、迷った結果、縁を感じ江戸川区に開業し、おかげさまでオープンから多くのお客様にお越しいただいています。

振り返ると、苦労したというより、楽しくやらせていただいたという記憶の方が強いですが、苦労したことといったら、他店の方も同じかと思いますが「コロナ」だと思います。

オープンから6年くらいは伸び続けましたが、やっぱりコロナで1回下がりました。そこで、同じ「すみれ」から独立した仲間に聞いたら、「テイクアウトを始めた。」とのことだったので、自分のお店でも始めたら、結果的に成功。「コロナ」がきっかけで、お店の幅を広げてくれたのは間違いないです。

こういったピンチの際に、「口だけで言う人」と「口だけでなく行動に移し動く人」では、大きな違いが出ましたので、「動くことの重要さ・大切さ」を改めて教えられました。「コロナ」がなかったら、「テイクアウト」はやっていなかったでしょうし、以前はオファーを断っていたネット販売も、これを機に考えを改めて始めた結果、うまくいきました。

「コロナ」が考え方を改めさせてくれたのは間違いなく、今となってはすごく「ポジティブ」に感じます。

カウンター8席、テーブル8席のため、行列が絶えない日が続いている。

開業してみてはじめてわかったこと

開業した江戸川区周辺では、「すみれ」のカップラーメンは食べたことがあっても、「札幌味噌ラーメン」ないし「すみれ」の味を食べたことがある方がほとんどいないことが分かりました。

最初は、今の味よりも多少ライトにした東京仕様にしていましたが、開業後に「すみれ」の社長と会う機会があり、「全国からお店に来させないとだめだぞ。」と言われ、そう考えると当時の味ではそれは無理だと感じました。

また、自分は、勉強のため北海道から九州まで食べ歩くのですが、有名店は「独自の特徴」を持っていることに気付きました。

こういったことから、社長の言葉が改めて心に響き、今の味にしました。「社長の言葉」って大きいですね。

「ラードが浮いてニンニクと生姜が効いた、ほんのり甘く香ばしい白味噌ベースの高濃度スープ」が特徴なので、社長から「追加でライスの注文が入ったら勝ちだぞ。」とも言われています。(笑)

「売れるラーメン屋」と「うまいラーメン屋」は違うと思っています。「うまくても売れないお店」はたくさんあります。そこには「中毒性」や「特徴」を持たせないと、お客様にはまらない時代になったと常に感じるようにしています。

ラードが浮いてニンニクと生姜が効いた、ほんのり甘く香ばしい「唯一無二」白味噌ベースの高濃度スープが特徴。

テンポスとのかかわり

予算がそれほどなかったなか、たまたま外部の設計士の方が、テンポスの森田さんを紹介してくれたのがきっかけです。

実際に施工を依頼し、今でも森田さんとは修理依頼などで連絡を取っています。依頼したら手抜きをしないし、きっちり対応をしてくれるので信頼が高いですね。

また、厨房機器・用品もテンポスでしか買わないので、足りなくなったら1年に3回くらいのペースで新宿店、たまに幕張店に行っていますので、これからも良い商品を安く提供してもらえると嬉しいかな。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

「店舗展開をしないの?」とよく言われますが、正直する気はなく、船堀のお店だけを守って集中していきたいです。

店舗展開をすると、味が違ってくるし、格も落ちてしまう。「カップラーメン」だったら同じ味になるけど、実店舗では簡単にはいかないです。「すみれ」系の作り方はブレが半端ないので怖いのが正直なところ。

開業する方へのメッセージとしては、「食べ歩くことの大切さ」です。自分は他の人より絶対的に食べ歩いていると思う。店をやりながら毎週2・3軒は行きますよ。自分のお店を持つ前・持った後関わらず、自信につながり「自分の立ち位置」が分かり確認できるんです。

有名になっても、他店の味を見ることで、自分のお店の味をキープさせるだけではなく、「ここはうちより負けているな、勝っているな」と分かりますし、時代の流れにも乗り遅れないためにも重要です。

個人的な見解なので正解はないと思いますが、ぜひ開業を考えている方は実行してほしいです。

そして最後に言いたいことは「メンタルのブレのなさ」。お客様の声を気にしすぎて「ブレ」が発生することが多い。人生もそうですが、自分の弟子にも「最後はメンタルだぞ。」とはよく言い聞かせています。メンタルがしっかりしている人は、やっぱり普通の人とは違う。メンタル強化のためにも「食べ歩き」は大事です!

他店の味を見ることで多少の批判があっても「自分は間違っていない。」と自信が持てる。お客様の批判の声があっても、「自分の感覚が絶対」だと思います。自分を信じていきましょう!

とめ

北海道・札幌にある味噌ラーメンの名店「すみれ」で12年ほどの修業を積んだ後、偉大な先輩が最初の暖簾分けをしてから12年後、2店目の暖簾分けということもあり、正直「失敗できない。」というプレッシャーが半端なかったという言葉の重みを感じました。

開業して人気店となった今でも、食べ歩きを続け、努力を惜しまない大島さん。「賞賛8割・批判2割でいいと思います。」「10割賞賛がある味って逆に特徴がないんじゃない?」という言葉が印象的で、常に自分の立ち位置を確認される「プロ意識」を感じました。

テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。

自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#取材協力
店名:大島
店主:大島剛史氏
住所:東京都江戸川区船堀6-7-13
TEL:03-3680-2601

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