飲食店開業の物件探しで困っている方必見!物件探しの流れとポイント

経営ノウハウ

これから開業するご自身のお店のコンセプトと実物件のギャップを防ぐためには、事前の商圏調査をしっかりと行う必要があります。
理想の物件をいち早く紹介して貰うために、事業計画書作成前の早い段階から不動産業者に足を運びましょう。
良好な関係や人脈を広げることも重要です。

月商目標は家賃の7~10倍程度です。
事業計画で設定した、目標月商の1/10以内の物件を選びましょう。

今回は、立地調査の仕方や立地別の特徴、居抜き物件とスケルトン物件の違いについてご説明いたします。
それぞれメリット・デメリットがありますので、物件を決める際の判断材料としてご活用ください。

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立地調査

まず、物件探しで重要なポイントは「立地」です。
立地は、ターゲットによって適している場所が異なります。
コンセプトやニーズに適しているか、人通りがあるかなど、計画するお店にきちんと合う物件なのかを見極めましょう。
家賃は投資金額が大きいため、変更できません。
安すぎる物件は集客の失敗、好立地の高い物件は経営を圧迫に繋がりますので、慎重に選びましょう。

立地調査

立地調査は、その物件の集客力を調べるために行います。
集客力を計るにはターゲットとなる曲想の割合が肝心です。
物件の前を実際に通行している人数や、お客様が入っていく店の特徴などの行動調査をします。
曜日や時間帯による通行量の違い、通っている年齢層や性別、天候による動きなども調べましょう。

また、近くのライバル店の集客、単価や営業時間なども調査しておくと良いでしょう。
ライバルとなるのは同業種だけではありません。
他業種の飲食店、コンビニエンスストアやスーパーでも競合店となります。

立地調査は何度も行うことで、徹底的にリサーチができます。
入店し易い場所か、看板は目立つ場所に設置可能かなどもふまえて選びましょう。

立地別の特徴

繁華街

メリット
・昼夜問わず多くの人が集まるため集客しやすい
・ターゲット層が広い
・商圏規模が大きい
・昼間人口、購買人口が多いため外食傾向が高い
(滞在時間が半日以上あるため、レジャーなどの非日常空間では外食傾向が高くなる)

デメリット
・物件取得費や家賃、保証金が高い
・人件費が高くなる
・人気の立地なため、競合となる店が多い

駅前・駅近

メリット
・人が集まりやすいので、集客がしやすい
・ターゲット層が広い
・視認性が高く、宣伝効果も高まる

デメリット
・店舗の家賃や敷金・保証金、人件費などが高い

ビジネス街・オフィス街

メリット
・ランチ需要がずば抜けて高い
・夕方以降の飲みの需要も見込める

デメリット
・土日や休日の集客が難しい
・提供までの時間がかかると敬遠されてしまう
・競合店が多い
・駅によっては夜の営業に強くない

学生街

メリット
・リピートに繋がりやすい
・ピーク時間がばらけやすい
・アルバイトが集めやすい

デメリット
・同じ形態の競合店が多い(学食という最大の競合あり)
・大学の長期休暇中は人が減る
・客単価が低い
・顧客による騒音が問題となることもある

住宅街

メリット
・家賃が安い
・単身者用の1ルームが多い立地では需要が高い

デメリット
・住宅街の立地は、相対的に外食傾向が低い
・大きな集客が難しい

商店街

メリット
・商工会と協力して施策を講じることができる
・閉店した店舗が多い場合、家賃が安い
・シャッター通り化している場合、競合が少ないため、地元住民から多くの支持を受けられる

デメリット
・想定していたターゲット層と異なり、需要が低い場合がある
(周辺人口は多くても、実際に商店街を利用する人の数や年齢層が想定と異なる場合がある)
・シャッター通り化している場合、古い商品街は集客に苦戦しがち
・大手ショッピングモールに押され、縮小傾向が高い

路面店

メリット
・集客力が高い
・視認性が高く宣伝効果が高い
・テイクアウト販売がしやすい

デメリット
・初期費用が高い
・賃料が高く、ランニングコストが大きくなる
・物件が少ない

ロードサイド

メリット
・ファミリー層を取り込みやすい
・郊外に立地することが多いため、激戦区などと比べて家賃・仲介手数料などの費用が安い

デメリット
・有名チェーン店が競合になりやすい
・郊外に位置することが多いため、人口密度が低く開店初期の集客が難しい

物件探し

探し方

1.WEBサイト

家賃相場を把握するために、まずWEBサイトなどで多くの物件情報を集めましょう。
情報収集することによって、ある程度家賃相場観を養うことができます。

2.出店エリアの不動産会社を訪れる

WEBサイトでの物件探しと同時に、出店エリア付近の不動産会社に直接出向くようにしましょう。
その際は、貸店舗物件を多く取り扱っている不動産会社を選ぶこともポイントです。
ネットには出回っていない物件を紹介してもらえる場合もあります。

また、不動産会社の方から、物件探しに有益な情報を聞いたり、アドバイスをもらったりできる可能性もあります。

3.出店エリアを歩いて回る

出店希望エリアを歩いて回ることは、生活している人のライフスタイルやライバル店も確認できます。
また、テナント募集の空き物件に出会える可能性もあります。

内見

物件探しを始めて、気になる物件がでてきた場合は内見予約をして内見しましょう。
気に入った場合、内装業者に同行してもらい現地調査をします。
見積もりを出してもらうことによって、出店にかかる費用を把握することができます。
物件取得費や内外装工事費用、必要な機器取得費用を確認し、その物件が事業計画で立てた予算内のものあるかどうかを判断しましょう。

内見では、残っている設備などを細かくチェックすることも大切です。
一般的に、内装工事よりも費用がかかるのが、インフラ工事です。
契約後に、想定外の出費が増えるということがないよう、以下の点をチェックしましょう。

・譲渡物がどれか(前オーナーの私物が残っている場合があります)
・リース品の有無(リース品が残されている場合、リース残債を引き継がないといけない可能性があります)
・譲渡の対象物厨房設備などが正常に使えるかの動作確認
・排気・排水の立ち上がりの位置(排気・排水の位置によってレイアウトに制限がかかります)
・電気やガスの容量(足りない場合は希望の機器が設置できず、別途工事が必要となります)

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物件取得費

初回家賃、保証金、仲介手数料などの費用が必要です。
地域や地価によって異なるので、開店予定のエリアの相場を確認しましょう。

1.初月分の賃料
2.初月分の管理費
3.敷金/保証金: 家賃3~10ヶ月分
4.礼金: 家賃0~2か月分
5.仲介手数料: 家賃1か月
6.その他: 造作譲渡代(居抜きの場合)、家賃保証委託料(その他)

1~5が必要です。6は場合によります。

物件取得費用とは、物件を契約する際にかかる必要な費用のことです。
この物件取得費用の内、最も大きな割合を占めるのが、「保証金」です。
敷金と言う場合もありますが、店舗保証金は、物件によって異なりますが月額家賃の6~12ヶ月程度です。
例えば保証金10ヶ月・償却2ヶ月の場合は、解約時に8ヶ月分の保証金が返金されることになります。

その他、不動産屋への仲介手数料や礼金、前家賃、造作譲渡代(居抜き物件の場合、設備代など)等が必要となります。
物件によっては、保証会社への加入が必須という場合もあります。
この場合は、加入時に家賃の0.5~1ヶ月分を保証会社に支払います。

家賃

売上の10%以内が目安と言われています。
仮に家賃が20万円である場合、目標月商は200万円、年商目標は2400万円となります。

賃貸物件を借りる場合は、毎月の家賃は大きなコストになります。
家賃を支払えないために閉店する店舗も多いので、特に店舗の立地は慎重に選びましょう。

大切なポイントは、長期間家賃を支払っても負担にならないかどうかです。
家賃は固定費であり、経営が悪化しても変わることはありません。
一ヶ月だけの家賃で計算するのではなく、1年を通した固定費として考える必要があります。
出店スケジュールを検討する際に想定する売上金は、最も高い時、平均時、下がった時と3パターンを算出します。
1年間を通してしっかりとスケジュールを練りましょう。

居抜きとスケルトン

居抜き物件

居抜き物件とは?

居抜き物件とは、前のテナントの設備や家具などが残っている物件のことです。
スケルトン物件よりも、多く市場に出回っています。

メリット

・改装費・設備費の大幅なコストダウンが可能
・工事期間・オープンまでの期間短縮
・前店舗のプラスイメージの引継ぎ
・物件数が多い

デメリット

・設備・内装の柔軟性が低い
・残された設備が使えない可能性がある
・立地・賃料・集客などでリスクがある場合がある
・前店舗のマイナスイメージ

注意点

・前テナントが閉店した理由を必ず確認
・大幅なレイアウトの変更
・残された設備の確認
・異業種の居抜き物件

造作譲渡費用

造作譲渡費用とは、居抜き物件に残ったなどのいわゆる造作物をの買取費用です。
設備などの造作物の使用年数や価格ではなく、立地や集客力といった物件価値によって設定されます。
居抜き物件の場合、造作譲渡費用がかかるケースが多いのでしっかりと確認しましょう。

造作譲渡料一式で見積もりが出るので、内見で確認した内容と金額が見合わない場合は値下げ交渉も可能ですが、ライバルがいる可能性もあるので、あまり無理な交渉は避けた方が良いでしょう。

また、造作譲渡に関しては、売主と買主の間の契約になります。
安さだけでの判断ではなく、「相場」や「物件の有益性」も合わせて判断しましょう。

スケルトン物件

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは、前店舗の設備や内装がすべて撤去されている物件です。
簡単にいうと、コンクリートの打ちっぱなしの状態のことです。

メリット

・レイアウトや内装デザインの自由度が高いためオリジナリティをだせる
・新しい需要を獲得できる可能性がある
・居抜き物件よりも低コストになる場合もある
・設備の管理がしやすい
・物件情報が豊富

デメリット

・初期費用が高くなる
・工事期間に時間を要する
・店舗の周知に時間がかかる
・凝った内装の場合、原状回復費用が余計にかかる

注意点

・万が一退去が必要となった際の原状回復工事
・返却期日までの時間

不動産契約のスケジュール

まとめ

いかがでしたでしょうか。
お店を一度オープンすれば物件を変更することはできません。
ご自身の店のコンセプトやターゲットによって立地を絞り込み、納得いくまでじっくり、妥協せずに物件探しをしましょう。

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