マニュアルを作成して徹底対策を!飲食店における電話対応とは?

経営ノウハウ

接客をする上で、必ずと言っていいほど直面する課題の1つ、「電話対応」。

店舗での接客とは違い、相手の顔が見えなかったり、自分の言葉を声だけで届けなければならなかったりと、電話でのコミュニケーションには難しい点がたくさんあります。

特に飲食店での電話対応は、アルバイトやパートを含むスタッフ全員が担うことが多いです。
そんな中で、メインの業務の忙しさから、電話の研修がしっかりと行われていないこともしばしば。

対応にばらつきが生じないためにも、マニュアルを作成し、しっかりと対策をしましょう!

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飲食店における電話対応

飲食店での電話対応マニュアルを作成する上で、
「電話対応が飲食店においてどのような役割を果たしているのか」を理解することが大切です。

電話はお店のイメージを決める!

皆さんは、飲食店に電話をかけたことはありますか?

その際、声だけでの対応から、お店に対してどのようなイメージを持ったでしょうか。

丁寧な対応だったのであれば、「ぜひこのお店を利用したいな」と思うでしょう。
逆に雑に対応された場合、「このお店に行くのはやめようかな」と来店を踏みとどまってしまいます。

このように、飲食店での電話対応は、お店のイメージを決める大事な役割を果たしているといえます。

いわば、『お店の窓口』なのです。

電話で好印象を残すには?

では、『お店の窓口』として良い印象を残すには、どうしたらよいのでしょうか。

声のトーンを上げる

「メラビアンの法則」をご存じでしょうか?

人の印象を決める際には、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%
それぞれ影響しているというものです。

つまり、印象は目から入ってくる情報によって半分以上決まってしまいます。

しかし、電話ではお互いの顔や仕草を見ることができません。
電話越しの声からでしか、印象を決めることができないのです。

そこで、声のトーンを上げることをオススメします。
声のトーンにより、機嫌の良し悪しや、仕事に対する取り組み姿勢などといった様々な情報を相手に伝えることができます。

普段より少しでも明るく話してみることで、自分の、そしてお店全体の印象を良くすることができるのです。

相手のペースに気を配る

電話をかけてくださったお客様の、話すペースや声のトーンにも注意しましょう。

お客様が早口で話す場合にこちらがゆっくり話してしまっては、「マイペースな接客」と捉えられ、お客様に不快な思いを抱かせてしまう可能性があります。
反対に、ゆっくり話すお客様に対し早口で対応してしまっては、お客様を焦らせてしまうこともあるでしょう。

電話の中で、こちらがどういった印象を持たれるのかばかり意識するのではなく、

お客様一人一人に合った対応を心がけましょう。

店舗の情報を把握しておく

電話対応をする際は、「自分は『お店の窓口』だ」という意識を持つようにしましょう。

お店の基本的な情報を聞かれた際には、すぐに答えられるよう準備し対策をします。

例えば、営業時間やランチ・グランドメニューの違いなどです。

電話に出てしまえば全員が『お店の顔』になります。

簡単な質問に対し、お客様を待たせてしまうことのないよう、スタッフ全員で情報を共有しておくことが大切です。

電話対応はマニュアル化すれば怖くない!

「飲食店で働く上で電話対応が必須なのはわかったけど、本当は電話、得意じゃないんだよな…」

と考えている方もいらっしゃるでしょう。

そんな方におすすめなのが、『電話対応のマニュアル化』です。

電話対応が苦手な人は多い

そもそも、電話対応を苦手と感じている人は多くいます。

なぜ、電話対応に苦手意識を持ってしまうのでしょうか。

その理由はたくさんあります。
「上手に答えられないことへの不安」「相手の顔が見えないことに対する不安」
「すぐに返答が求められることへの緊張感」「社内の人に聞かれることへの恥ずかしさ」などなど…。

中でも、近年はネット上でのコミュニケーションツールが発達したことで、「文字によるコミュニケーション」が主流になってきています。

さらに、固定電話を使用する機会もぐんと減りました。
社会人になるまで固定電話を使用したことがなかったという人もいるほど。

このように、電話は私たちの生活に身近な物ではなくなってきています。

特に若い世代の人たちは、電話をする機会や習慣がないため
より電話対応への苦手意識が高まってしまうのだと考えられます。

マニュアル化するメリット

電話対応に苦手意識を持つ人が少しでも減るよう、
店舗用に『電話対応マニュアル』を作成しましょう。

マニュアル化することには、次のようなメリットがあります。

従業員の誰が電話をとっても大丈夫な体制を作れる

電話対応の基本姿勢をある程度統一しておくことで、各従業員の対応の差を埋めることができます。
「前電話をかけたときと対応が全然違う」
といったクレームを避けるためにも、マニュアル化によって誰もが電話に出られる環境をつくりましょう。

働く上での安心感が増す

電話対応に苦手意識があると、他の業務にも支障が出ることがあります。
いつ電話が鳴るかわからないことにより、常に不安がつきまとってしまうからです。

しかし、そんな不安もマニュアルを用意することで解消できます。

「こうやって対応すれば大丈夫」といった”正解が手元にある安心感”によって、
電話対応への苦手意識も自然と消えていきます。

これにより、他の業務も滞りなく進めることができるようになるでしょう。

クレーム発生時に迅速に対応できる

クレーム対応もマニュアル化することで、冷静にお客様の声と向き合うことができます。
電話は声だけでのやりとりになるため、クレーム処理となるとより緊張感が増すことでしょう。

不安な気持ちを少しでも軽くするためにも、マニュアル化しておくことが大切です。

電話対応の基礎的なマナー

では、実際にマニュアルを作っていきましょう。

まずは電話対応における「基礎」を把握しておく必要があります。

自分、そしてお店の印象を決める大切な部分です。

ひとつひとつ確実に実践していけるよう、何度も練習しましょう。

3コール以内に出る

電話が鳴ったら、必ず3コール以内に出ましょう。

通常、電話の1コールは約3秒と言われています。
3秒×3コール=9秒
となり、3コール以上待たせることは、お客様を10秒以上待たせることになってしまうのです。

10秒というと短く感じられるかもしれません。

しかし、電話で相手を待ち続ける10秒間は、普段に比べかなり長く感じられるもの。

お客様に悪い印象を与えないためにも、3コール以内を意識して電話に出ましょう。

万が一3コール以内に出られなかった場合には、
最初に「お待たせしました」と一言添えましょう。

『笑声』を意識

皆さん、『笑声』ってご存じですか?

『笑声』とは、「笑顔が想像できるような声」のこと。

自分がコールセンター等から電話を受ける際、
「この人の声、とても良い印象を受けるな」
と感じたことはありませんか?
そしてその声をよく思い出してみると、話している方の笑顔が浮かぶような声であったかと思います。

声だけで相手に好印象を与えることのできる『笑声』。

実は、少し意識するだけで簡単に誰でも出来てしまうものなのです。

その意識とは、「実際に笑顔で話す」ということ。
顔が見えていないとはいえ、表情は声から伝わるものです。

実際にお客様が目の前にいることを想定しながら、電話対応をしましょう。

ゆっくり・ハッキリ話す

これは電話でも対面でも、誰かと話す上で大切なことですね。

相手にこちらの言葉がきちんと届くように、ゆっくり・ハッキリと話しましょう。

ただし先に述べたように、相手のペースに合わせて話すことも大切です。

”ゆっくり”を意識しすぎるがゆえに、お客様を怒らせてしまわぬよう注意が必要です。

メモをとる

電話に出る際には、メモとペンを用意しましょう。

名前や電話番号、予約の日時や人数など、
1つの電話の中でお客様から受け取る情報はたくさんあります。

電話の内容を整理するためにも、必ずメモをとりましょう。

また、聞き忘れを防ぐために、事前に「質問事項」を確認しておくことも大切。
メモの近くに質問事項をひかえておきましょう。

メモの内容には個人情報も含まれるため、取り扱いに注意することも忘れずに。

内容の復唱

「メモをとったから大丈夫」と満足していては危険です。

聞き間違いによるトラブルを防ぐためにも、電話の内容を必ず復唱しましょう。

復唱することで店側だけでなく、お客様側にも安心感を与えることができます。
復唱し確認することを習慣づけるだけで、電話への不安も軽減しますよ。

言葉遣い

電話は表情が見えないため、声や言葉遣いで印象が決まります。

忙しい時間帯に電話を受けると、ついうっかり普段の話し言葉を使ってしまうことも。
普段の接客以上に言葉遣いには気を付けましょう。

また、気付かないうちに話し方に癖がついているかもしれません。

定期的に、自分の言葉遣いを見直すようにしましょう。

誰かと電話の練習をすることも、自分の癖の発見に繋がります。
そのためにも、店舗研修の中で電話練習の時間をしっかりと取るようにしましょう。

接客用語については、こちらの記事に詳しく記載されていますので
ぜひチェックしてみてください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

シチュエーション別電話対応

ではここからは、具体的なシチュエーションに沿って
どういった電話対応をすればよいかを詳しく見ていきましょう。

電話対応~基礎編~

まずは、飲食店で電話対応をする際に絶対にマスターしておきたい「基礎」の部分。
ここが出来るようになれば、ひとまず安心です。

たくさん練習して、スラスラと答えられるようにしましょう。

第一声

「お電話ありがとうございます。〇〇店、△△が承ります。」

電話を取ったら、まず電話を掛けてくださったことに対して感謝を述べましょう。
この一言があるだけで、お店への印象が良くなります。

その後、店舗名、自分の名前を名乗ります。

また、先に述べた通り、3コール以内に電話に出られなかった場合には

「お待たせいたしました。〇〇店、△△が承ります。」

と、感謝の代わりに一言添えましょう。

最初につまずくと、焦りからその後の対応に悪影響を及ぼすことも。
第一声は特に完璧に言えるよう、準備をしておきましょう。

予約

飲食店にかかってくる電話のほとんどが、予約に関する電話です。
よくあるシチュエーションなので、スムーズに対応できるように以下の流れをおさえておきましょう。

1.お客様のご利用人数、ご注文(コース内容等)を聞く
2.ご利用日時を聞く
3.店舗の予約状況が分かるものを確認し、予約が可能か否かを伝える
4.お客様の名前、連絡先を聞く
5.他にご希望がないか聞く
6.ご予約内容を復唱する

一見、工程が多く難しそうに思えるかもしれませんが、

流れを覚えてしまえば心配ありません。

お客様の必要な情報を聞き出し、お店の正確な情報を伝えることができれば大丈夫です。

上記の流れをどこかにメモしておき、はじめはメモを見ながら対応すると不安が軽減します。
その後は電話に慣れるためにも、電話対応の経験を積んでいくと同時に、メモを見る回数を減らしていきましょう。

予約のキャンセル

予約のキャンセルに関する電話を受けることももちろんあります。
しっかりと対策をしておきましょう。

予約のキャンセルは、お店によって対応が大きく変わります。

店長であれば「予約のキャンセルについての対応」を従業員に共有しておきましょう。

キャンセルの対応について分からない場合には、

「担当の者に確認してまいります。少々お待ちくださいませ。」

と伝え、詳しく分かる人に聞きましょう。

電話対応~応用編~

電話対応をしていると、臨機応変な対応をしなければならない場面も多く存在します。

そういった状況にも冷静に対応できるよう、予めイレギュラーな対応についても対処しておきましょう。

相手の声が聞こえない時

お客様の声が聞こえないために、欲しい情報を聞き取れないこともあります。

しかし、何度も聞き返してはお客様の気分を害してしまう可能性も。

そうならないためにも、お客様の声が聞こえないときは

「恐れ入りますが、お電話が遠いようでございます。

もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。」

と伝え、要件を聞き直しましょう。

声が聞こえない ということを直接的に伝えるのはNGです。

クレーム

店舗で接客をする中で、お客様を知らず知らずのうちに不快な気持ちにさせてしまっていることもあります。

クレームの電話は、お客様のご意見を聞ける貴重な機会だと捉え、落ち着いて対応しましょう。

そのためにも、まずはお客様のクレームの内容をしっかりと聞いてあげることが大切。
問題が起こった日時、その時の詳細などをメモを取りながら聞きましょう。

お客様のお話を一通り聞いた後は、丁寧に謝罪をします。

こちらから問題発生時について質問が浮かんだ場合にも、
まずは謝罪の言葉を述べるようにしましょう。

クレームの対応時には、お客様の気持ちを逆撫ですることのないよう
いつも以上に注意しながら対応しましょう。

上記の場面以外にも、通常にないような変則的な対応を強いられる場面は多くあります。

このようなイレギュラー時の対応は、ほとんどが店長の指示を必要とするものです。

その際は、

「只今確認致しますので、少々お待ちくださいませ。」
「確認し、後ほど折り返し致します。」

などと伝え、素早く店長や先輩社員に電話の内容を共有しましょう。

 まとめ

いかがだったでしょうか?

従業員の電話に対する苦手意識を減らすために、
そしてお店の印象を上げるためにも、
電話対応マニュアルを作成することはとても重要です。

実際の店舗での接客に加え、
電話対応までも「神対応!」と言われるお店を目指しましょう。

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