焼肉屋開業に必要となる機器・什器・備品を選び、配置するとなると、レイアウトが重要となります。厨房レイアウトにつきましては、配置後の変更が難しいケースもあります。そのため配置前に生産性が高く、作業効率が良いレイアウトにするため、じっくりとシミュレーションを行い決めていきましょう。近年の焼肉屋は、煙の充満するのを気をつけたりと、昔の焼肉屋とは違った店内の雰囲気を出したりと様々です。ご自身のコンセプトに沿ったお店作りにしていきましょう。
目次
厨房機器の基礎知識
熱機器
熱源はガスまた電気にするかを決めましょう。ガスの場合だと、都市ガス(12A・13A)、プロパンガスの確認をします。
鋳物コンロ
鋳物コンロは、火力が強い上に、ある程度設置場所が自由です。また鋳物コンロはガス管さえつなげることができれば、どこでも料理に必要な火力を得ることができます。
ガスレンジ
ガスレンジは、オーブンとガステーブルを一体化した熱調理機器です。ガスコンロで調理しながら、下部に搭載されているオーブンで調理することも可能です。調理時間の短縮、作業効率が大幅にアップします。一台で二役を担ってくれるので調理場のスペースを有効に活用できます。
フライヤー
ガスフライヤーの形状は大きく分けて、「据置型」と「卓上型」の2種類があります。
据え置き型はスタンダードなタイプのもので、油交換の際に、コックをひねることで下部にある油を排出できます。日頃の油交換の作業を考慮すると、設置スペースを確保できるのであれば「据置型」がおすすめです。
卓上型は設置スペースが確保できない場合や、オープン後に揚げ物メニューを追加された際などに、非常に便利な機器となります。
炊飯器
炊飯器にも主に3種類のタイプがあります。
ガス炊飯器は、表面はしっかり中はふっくら、おいしく炊くことができます。通常ガス炊飯器は保温機能がないため、保温ジャーが必要となります。
保温ジャーは炊飯器で炊いたご飯を保温専用ジャーに入れて保温することで、味も香りも変わらないおいしいご飯を食べることができます。
電気炊飯器は、炊飯と保温を1台でまかなうことができます。
ガス式
メリット
・焼き上がりがふわっとする
・火力が強く連続して焼ける
・本体価格が安価
・使用できる鍋
・フライパンの種類が多い
デメリット
・温度管理が必要
・調理時、周囲の温度が上がる
・初心者には火加減が難しい
ガスの種類
熱機器は、必ず店舗のガス種(都市ガス・プロパンガス)を確認してから購入しましょう。
注意点
・火事の恐れがあるため、接地面、可燃物とは一定の離隔距離をとる。
・フード換気扇を必ず設置する。
外管式
外管式はヘッダーにノズル付きのガス栓があり、そのガス栓を手動で空けチャッカマンなどで点火します。自動で火が消えるといった安全装置はついていませんが、コックで火力を調整することができ、火加減の微調整が可能です。コックで火力調節するタイプなので、火加減の微調整を手動で行いたい人におすすめです。
内管式
内管式は外管式とは異なり、圧電点火方式で家庭用コンロのようにつまみを回して点火させます。掃除の際は五徳を外し、簡単にお手入れできます。扱いやすく、安全装置が装備されている機器もありますが、外管式のように火力の微調整が行うことができません。
電気式
メリット
・火の消し忘れなどによる火災が起きにくい
・温度を一定に保て、温度調整がしやすい
・掃除がしやすい
デメリット
・向き・不向きの料理が多い
・IH対応の調理器具が必要
・ガス式に比べて本体価格が高価
冷機器
冷蔵庫・冷凍庫
冷蔵庫は主に食品を長期保存冷やしながら保管することが目的です。密閉性が高く、冷蔵ショーケースと比較して細かな温度設定もできます。
製氷機
製氷能力の計算方法
おすすめ製氷能力=客席数 × [1.5~2.2]
例:30席の焼肉屋の場合、30×2=60kgのため55~65kgタイプがおすすめです。ですが、ドリンクや調理で氷をたくさん使う場合は[1.5~2.2]の数値を高めに設定しましょう。
冷蔵ショーケース
業務用冷蔵ショーケースは、冷やしながら中の商品を見せるなど商品の演出効果、アピールにもなります。スライド扉タイプは、通路幅が狭い場所にも設置が可能です。スイング扉タイプは、開閉がスムーズで商品の出し入れがしやすいです。
冷凍ストッカー
冷凍ストッカーは、氷不足に困らないよう製氷機の氷のストックをしたりと、食品ロス軽減のため冷凍された食材などたくさんの物を一度に保存することができます。仕入れるお肉屋さんの定期配送に合わせて、容量の選び方、どの量をストックするかを考えておく必要があります。
什器の選び方
業務用イスの選び方、焼肉屋でおすすめのイスをご紹介します。
焼肉屋でおすすめのイス
スツール/省スペース(客席数優先)
背もたれがないので省スペースのお店に最適です。他にも木製の角タイプや金物の丸タイプなど種類も豊富です。
座り心地重視の大きめタイプ
お客様にゆったり、居心地の良いイスに座っていただきたいと、お考えでしたら少し大きめのタイプも多数ございます。
業務用テーブルの選び方
テーブル天板の種類
メラミン化粧板とは色柄や木目を印刷した化粧紙に、メラミン樹脂を浸透させ紙を重ねたものです。それに合板やMDFなどを貼り付け、テーブル天板に仕上げます。キズや熱に強く飲食店では約7割のシェアがあるといわれております。
集成材は小さな寸法に切り出したひき板や小角材を圧縮し、大きいサイズの板材に加工されております。
突板とは、薄くスライスしたベニヤ板やMDFなどの合板に貼り付けたものをいいます。
食器の選び方
食器の選び方についてご紹介します。
デザイン・カラー
印象的な器はSNSでの宣伝効果を高めることができます。しかし、オリジナルなデザインの食器を発注するのはコストもかかります。コストを抑えオリジナルな食器を再現したい場合は、器の色にこだわるのもポイントです。気をつけておきたいことは、食欲を減退させてしまうカラーなどにはしないよう注意が必要です。
レイアウトの重要性
厨房のレイアウトによって、作業効率や生産性が大きく変わってしまうことがあります。冒頭でも述べたように、厨房レイアウトにつきましては、配置後の変更が難しいケースもあります。厨房スペースを限られた中で有効に使うには、余計なものを省き、メニューに必要な機器を最小限で揃えることがポイントです。初めに必要となるのが水回りですので、シンクを中心に動線を考慮してレイアウトを考えます。
厨房機器には、冷蔵庫、製氷機などは必需品となります。冷蔵庫や冷凍庫は、縦型と、作業台と冷蔵庫・冷凍庫を兼ねた横型(コールドテーブル)がございます。
熱機器は基本となるオーブン・電子レンジの他、メニューに合わせて炊飯器など他機器も揃えていきましょう。
まとめ
いかがでしょうか。焼肉屋開業に必要となる機器・什器・備品には、それぞれ豊富な種類の商品があります。また厨房レイアウトに関しては、内装業者の方など業者に任せっぱなしにして、後から後悔する飲食店様を数多くいます。誰もが、動きやすい動線や機器の扱いやすい位置などがあるはずです。他にも繁盛店ではどのようなレイアウトなのか研究することもおすすめです。
ご自身のコンセプトに沿った、機器・什器・備品を選定し、何度もイメージを重ねて、生産性と作業効率が上がるレイアウトを作ることを心掛けていきましょう。