【ラーメン店・味噌ラーメン専門店 茜ノ舞】パティシエの夢を諦め、各地を転々としていた店主がキッチンカーからラーメン店を始め、人気店に上り詰めるまでの成功秘話とは?

出店・開業

東武東上線「北池袋駅」から徒歩10分。
ドン・キホーテ北池袋店の近くにある、可愛いデザインの屋号の看板が目印の「味噌ラーメン専門店 茜ノ舞」さん。

修行先の「真武咲弥」さんでは「ファイヤーガール」として活躍していた店主の中村さんの炎の調理は今でも健在です。
営業時間も午前1:30までと、仕事帰りにも立ち寄りやすい人気店。

今回はそんな「味噌ラーメン専門店 茜ノ舞」さんの開業までの経緯、苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソードや成功に至るまでの秘話をお聞きしました。

開業までの経緯

パティシエからラーメンの道へ

元々学生の時にパティシエの学校に行っていた中村さん。
自分で将来お店を出したいと思っていたそう。
「カフェやケーキ屋さんをやりたいな」と思っていたことから、地元の東北で学校に行ってお菓子屋さんで働いていました。

その後パティシエを辞め、たまたま上京をします。
パティシエを辞めたのは給料も少なく、思ったより大変で下積みも長く、自分の作りたいものが作れるわけでもなかったので辛くなってしまったからだそう。

そこで全国を転々とするようになって、リゾートバイトなどをしながら東京へとやってきました。
とりあえずお金がないのでアルバイトした先が渋谷の「真武咲弥」さんの立ち上げの時でした。

ラーメン屋さんで働くことになり、そこでTOKIさん(店主の奥村さん)に「ここ寮があるから働かないか」と誘われ、そのまま本業にすることになりました。

辞めて戻ったりをしながらトータルで6年働いていたそうで、ラーメンイベントの出店を任せてもらったり、香港店を任せてもらったりしていたそう。

香港での経験から独立へ

その後日本に帰ってきた中村さんは、「日本語が聞こえる」っていう状況から「自分でやるのは簡単なんじゃないか(香港でやるのに比べたら)」と思ったそうです。
独立できたのは、「香港の立ち上げをやらせてもらったおかげだと思います」と語ります。

キッチンカーからの出発

元々イベント出店とかをやらせてもらっていたということもあって、とりあえずキッチンカーから始めたい(独立したい)という想いがあったそう。
開業の2年前にキッチンカーでのオープンとなりました。

2016年当時は、キッチンカーも、ラーメンのキッチンカーというのもかなり珍しかったそうで、営業などをかけなくても珍しさからかお客さんが来てくれたとのこと。

ラーメンイベントなんかも出ながらの営業をして、2年後にたまたまラーメン屋さんが「辞めるのでここに店を出さない?」という話を持ってきてくれ、そこで居抜きで開業することになったそう。

一番人気メニュー:濃厚味噌らーめん味玉 1,100円(税込)

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

海の家で大失敗

開業すると決まった直前のこと。
海の家での出店で、その年の天候が悪く、海にお客さんが来なかったため、全然売り上げが出ず、開店資金がなくなってしまったそう。

キッチンカーの売り上げで貯めていたお金が大失敗によってなくなって、開業するのにお金がない!という状態になってしまいました。
とりあえず「もうしょうがない」と思いながらも、一文無しで開業した中村さん。

前の店から看板を変えるお金もありませんでした。
そこで、酒屋さんの協賛で「契約したら看板を付けてくれる」という特典を利用して、看板を付けてもらいました。
居抜きで、前の店からのそのままの設備と、キッチンカーの設備とを合わせてなんとかオープンしたという形でした。

1ヶ月のプレオープン

まだ自身のお店の味も定まっていないまま、プレオープンをします。
すぐオープンして、とりあえず売り上げを作っては仕入れして、という自転車操業の毎日。

家に帰る時間もなく、店で寝泊まりして、毎日2、3時間しか寝られない状態で1ヶ月くらい「プレオープン」で営業していました。と中村さんは笑います

香港ではプレオープンがすごく長いらしく(2,3ヶ月やったりする)、中村さんはその感覚で長いプレオープンの形を取りました。

「お試し期間ですよ」という形でのオープンなので、その期間で味も試行錯誤しながら、看板も前の店のままで始め、2018年10月1日にやっとオープンへとこぎつけました。

カウンター8席で、ベビーカーでの入店OK!

開業してみてはじめてわかったこと

自分ひとりで経営していく大変さを知る

「社長の大変さというのが身にしみてわかりました」と中村さん。
「真武咲弥」で働いていた頃は、店主のTOKIさんはイケイケだったので「自分たちはこんなに頑張っているのに、遊んでばっかりいて!」なんて思っていたそう。

しかし、いざ自分で開業して全部自分のお金でやって、ちゃんと利益を出して経営していく、っていうのは本当に大変なんだな。と心底思い知らされたそうです。

お金を盗まれ借金を抱えた自転車操業

また、スタッフにお金を盗まれたこともあるそう。
キッチンカーと同時並行での営業で、中村さんががキッチンカーで忙しい時に、結構な額を抜かれていたようでしたが、忙しくてそんなところにかまっている暇がなかったそうです。

後々、その時盗まれたお金が経営に響いてきて、食材のお金を払えなくなった時もありました。
さらに、キッチンカーで共同出店していた人がお金を清算しないまま逃げるというようなこともあったんだそう。
トータルで120万くらいのお金を失ってしまいました。

当時は、ただでさえ自転車操業だったので「払えない、どうしよう」となって食材屋さんに連絡して、支払いの相談をしたところ、「一週間くらい支払いが遅れてしまうのですが」と言ったらさらっと「いいですよ」って言ってくれたそうです。

「でも、支払うまでの間の仕入れはさせてもらえるのかな?」と不安になった中村さんでしたが、「支払うまで仕入れはSTOPね」という業者さんもなかには居ましたが、ほとんどの業者さんが「大丈夫ですよ」と仕入れをさせてくれたそうです。

その時中村さんは、「お金を盗まれたから」とは言えませんでした。
そんなこと言っても信用してもらえないと思い、それを含めて経営者の責任だと思ったそうです。
いつも店に届けに来てくれる八百屋さんにだけ本当のことを言いました。

他の業者さんには「イベントで失敗した」と伝えただけだったけれどみんな待ってくれたそう。
それでもある程度店の売り上げがあるのはわかっていたので、なんとか1ヶ月、2ヶ月しないぐらいには正常に戻すことができたそうです。

「たまたま周りの方々に助けてもらったという感じですね。」と中村さんは言う。

炎と共に美味しいラーメンが生み出されます。

テンポスとのかかわり

HPの作成をテンポスフードプレイスで行ったそう。
キッチンカーの冷蔵庫や、コールドテーブル、寸胴、コップ、器もろもろを購入されました。

お店の器などはテンポスの川口店で買われているそうです。
年に何回か定期的にご利用されているとのこと。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

チャンスがあれば地元岩手での出店を目指しています

「今後はチャンスがあったらお店を増やせたらな」と中村さんは言います。
地元が岩手なので岩手で何かやれたらなぁと考えているそう。
「池袋と岩手で頑張りたいです」とお話してくださいました。

どん底でも逃げ出さず、とにかくできることをやる!

開業する人へメッセージはありますか、と伺うと、「開業するっていうのは本当に大変なんですけど、本当にどん底になっても諦めなければ、逆に手に足がついてやっていける」と力強く語って下さいました。

どん底の時に精神的にどうしようってなっちゃうこともあるけれど、諦めないで頑張れば、逃げ出さなければ大丈夫だと言う中村さん。

「店を休んだり、逃げ出したりしちゃう人もいるけれど、そうじゃなくてとにかくお店を開けてラーメン一杯一杯、料理を一個一個大切に作って、お客さん一人一人大切にしていれば必ず成功するので頑張ってください」というお言葉を頂きました。

大変な事も経験して、必ず強くなれる。と思います。」とも。

女性だからという点では、舐められることもあるそうで、周りの人からも、お客さんからも「こうした方が良いよ、ああした方が良いよ」と言われることが多く、自分の考えがブレちゃうこともあるそうです。
「それが一番良くないな」と思ったと中村さん。

自分の決めたことを、信念持って貫いてやったら最初は上手くいかなくても、突き進んでなんとかやっていけるので、ブレることなく頑張ってもらいたいです。とお話しされました。

キッチンカーでイベントへの出店も行っています。

イルミネーション輝くキッチンカーはお店の原点です。

まとめ

可愛く大きな看板が目印です。

ファイヤーガールのパワフルな中村さんからは、元気をもらえます!

中村さんのお話をお聞きして感じたのは「縁」の大切さです。
パティシエを辞め、各地を転々としていた中村さんは、「麺匠 真武咲弥」さんとの出会いでラーメン屋の道を進むことに。

その後、困難に直面しながらも、やはり人に支えられ、乗り越えられ、現在のような人気店となり、お客様に一杯一杯心を込めてラーメンを提供していらっしゃいます。

また、ご自身が東北の大震災を経験したことから、精力的に炊き出しを行っている中村さん。
寒さや疲労でつらい思いをしている時に、一杯の温かいラーメンで心も体も元気になりそうですね。

能登半島炊き出し、私自身、東北の地震を経験し、たくさんの方に助けていただいたので、私に出来る事があれば、何かしたいという思いで、能登半島で炊き出しにいかせていただました。とのこと。

開業を目指す方への言葉として「困難に直面しても逃げずにやり遂げること」「周りに流されず、自分の直感を信じること」を上げてくださいました。

辛いことがあった時、逃げることも一つの選択肢ではありますが、ぐっと乗り越えた先に、その「困難を乗り越えた」という事実が一つの糧になる。という大事な教訓だと思います。
これから開業を目指す方はこの言葉を胸に、困難を乗り越えて頂けますと幸いです。

テンポスドットコムでは、さまざまな視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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開業に関するお問い合わせはこちら

#開業 #出店 #茜ノ舞

#取材協力
店名:味噌ラーメン専門店 茜ノ舞
店主:中村 茜 様
住所:東京都豊島区池袋本町2-6-2
TEL:予約不可

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