株式会社 邦美丸は、2024年6月より「黒鯛プロジェクト(以下、本プロジェクト)」を開始しました。漁師の間では海苔を食い荒らす「嫌われもの」とされ、消費者にも馴染みの薄い黒鯛。その黒鯛を仲間の高齢漁師などから高値で買取り、地元の飲食店に卸すことで、地域を巻き込んだ黒鯛の需要喚起を行ってまいりました。
この度、本プロジェクトの開始から半年を迎え、参加飲食店が9店舗、黒鯛の地元での流通量が700kgを超え、地元漁師の手取りも2倍になりました。
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目次
地域の嫌われもの黒鯛の美味しさを伝えたい という思いで始まったプロジェクト
当社の所在地である岡山県玉野市胸上(むねあげ)地区は、海苔養殖が盛んに行われている地域です。しかし、近年、同地区を含む全国各地で、黒鯛が海苔を食い荒らし、漁業関係者から厄介な存在とされています。また、黒鯛は比較的漁獲量が多く、鮮度が落ちやすいため、市場では値段がつきにくく、安価で取引されているという側面もあります。
一方で、黒鯛は水揚げ後に丁寧に処理を施し、迅速に配送を行えば、美味しく食べられる魚でもあります。そこで当社はこの黒鯛の価値を広めるため、地元の高齢漁師から市場価格よりも高値で黒鯛を買取り、市内の飲食店へ卸すことで、地産地消を促進する本プロジェクトを2024年6月21日(金)より開始し、10月で4ヶ月を迎えました。
本日現在、本プロジェクトに参加し黒鯛を卸している漁師は5名、黒鯛のオリジナルメニューを提供している飲食店は9店舗となり、黒鯛の地域内での総流通量は700kgを超えています。
本プロジェクトにより、地元高齢漁師の手取りが約2倍に
一般的に同地域では黒鯛の市場の平均単価(4月~9月)は約200円/kg程度であり、時期によっては約50円/kg程度まで値を落とすこともあります。他方、本プロジェクトでは約2倍の400円/kgで地元の高齢漁師から買い取り、飲食店へ600円/kgで卸しています。
このように、市場価格よりも高値で買取り、地域内に届ける仕組みを構築することで、地元生産者の売上向上に貢献するだけではなく、物流コストや中間業者の手数料を削減し、卸先の飲食店にも安価に提供できるようになります。また、飲食店で消費者に新鮮な魚を味わっていただき、地魚の美味しさを再発見していただくきっかけにもなると考えております。
我が国の漁業従事者数は一貫して減少傾向にあり、令和4年(2022年)の漁業就業者数は12万3,100人、そのうち65歳以上の割合は37.7%で約4万6,400人で、高齢化が進んでいます(*4)。本プロジェクトによって、地場の魚の価値を地域の飲食店に伝えた上で適正価格で販売し、地元漁師の手取りが上がる仕組みを作ることで、漁師の所得拡大を目指し、漁業者の減少に歯止めをかける一助となればと考えています。
地産地消で物流2024年問題にも適応
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に960時間の上限規制が適用され、労働時間の短縮に伴い、輸送能力の不足により物流の停滞が懸念されています。この問題は「物流の2024年問題」と呼ばれ、漁業者や卸、仲卸事業者にとっても魚の鮮度に直結するため重大な課題です。当社はこの問題と環境配慮の観点から、地産地消の促進が重要であると考えています。
そのため、本プロジェクトでは宅配事業者やトラック等を利用せず、水揚げ場所から概ね10km程度の飲食店に自社で直接黒鯛を卸しています。
まとめ
出典:株式会社邦美丸
#飲食ニュース #演劇 #東京湾