【ラーメン店・炙り味噌らーめん 麺匠 真武咲弥】800万の破産宣告からの再起を図り、トラック運転手をしてお金を貯め、やっとの思いで創業し人気店に上り詰めるまでの成功秘話とは?

出店・開業

JR山手線他、渋谷駅のすぐ近く。
屋号が大きく書かれた迫力のある看板が目印の二階建てのお店です。
食べログでは★3.58、ラーメンデータベースでは82.180ポイント(2024年9月30日現在)を獲得するほどの人気店です。

炙り味噌らーめん®︎は独自の製法で油を乳化するコトで食べやすくなり、たくさんの人をひきつけています。近年では、外国の人にも、グルテンフリーや、ヴィーガンのベジタリアンンのラーメンも販売してするコトでインバウンドのお客様からも人気を博しています。

そんな「炙り味噌らーめん 麺匠 真武咲弥」さんの開業までの経緯、苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソードや成功に至るまでの秘話をお聞きしました。

開業までの経緯

クラブ経営からラーメン屋に

私は22歳から24歳にかけてディスコやクラブ、バーなど、女性スタッフを抱えて飲みがメインのお店を運営していました。2006年9月お酒の販売が自由化されると、ネット通販で安く買えるお酒を自宅で飲める時代が到来し、店に足を運ぶ人が減少しました。その時飲み屋はダメになるだろう、「日本でこの先もなくならない職業は何だろう?」と考え、ラーメンとカレーだと思い当たりました。

特にラーメンが好きだったわけではありませんが、職業として長く続けられるのはラーメンではないかと感じました。当時はまだ海外進出も少なく、ラーメンの可能性を感じたんです。それには、「まずは修行が必要だ」と考え、出身地である北海道留萌から札幌へ移り、札幌のキャバクラでアルバイトをしながら、ラーメンを食べ歩きして修行先を探しました。

『薄いラーメン』を濃くするのは難しいけれど、『濃いラーメン』を薄めるのは可能だと考え、札幌で一番濃厚な味噌ラーメンを提供する有名店で3年間修行しました。その後は「らーめん麺蔵亅で店長として働き、合計4年半の修行を経て、独立を目指しました。

呑み屋経営と800万円の借金

しかし、ラーメン修行したのに、なぜかまた呑み屋を始めることに(笑)。競業禁止契約書を交わしていたためです、独立のためには修行先の地域を離れる必要があったからです。その後、飲み屋と焼き鳥屋を経営し、約3年の間呑み屋の運営を続けました。

ところが、焼き鳥屋の運営を任せていた店長が会社の資金300万円を持ち逃げし、さらに私が預けていた車も売却され、逃げられてしまいました。その時の借金総額は800万円。36歳の私には、これを返済する力はなく、破産宣告をせざるを得ませんでした。

一番人気メニュー:炙り味噌ラーメン 850円(税込)

チャーシューに乗ったおろし生姜を溶かしながら食べるのがポイントです!

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

地元留萌からの出発

2005年9月地元の北海道留萌でラーメン店を起業しました、10坪10席、家賃が7万円。

そこからスタートしていって、同級生や仲間たちが来てくれて、ラーメン屋というよりはみんなで焼酎を飲みながら飲んだり食べたりするような店でした。

ひと月80万くらいの売上でしたね。

オープンして2年くらいたった時に、周りのラーメン屋の話が入ってきたんですよ。

「札幌のどこそこがすごく並んでるよ」とか話を聞いていると、売り上げがうちの倍くらいあったんですよね。

札幌への進出

倍も売上があるんだったら進出したいなと考え、札幌ラーメン激戦区「琴似」というところで、自分のラーメンを試したいと思い、居抜き物件を買取しそこに移転しました。

売上はそこそこで180万円から200万円、琴似で2年の時がたった頃、今度は東京のうわさが耳に入ってきました。売り上げが倍のレベルではなく0が1個違う。「そんなにラーメンが売れるのか??」とビックリ!

だったら東京で勝負したい、当社はサムライヌードル株式会社として法人化し、札幌に店を残したまま、東京に進出しました。

いざ、東京へ!

最初は、東京で自分の味が受け入れられるかわからなかったのでフランチャイズオーナーを探し、新宿にあった「麺武虎龍(こたつ)」という店を立ち上げしました。16席くらいでしたね。

TV出演も増え、おかげさまで大行列したので、月の売上が1400万ほど売り上げた。

「そこで東京でも俺の考えるラーメンは勝てるんだ!」となって、そこから物件を探し始めたんですが、渋谷の店舗を探すまでに1年半掛かりました。

28席(1階:カウンター10席/テーブル6席、2階:カウンター4席/テーブル8席)

明るく温かみのある店内。

開業してみてはじめてわかったこと

敷金の高さに驚きました

東京進出してまず驚いたのが、敷金を10ヶ月とか、20ヶ月を取られることでした。

うちの場合は保証金1,000万円、家賃は140万の物件でした。総初期投資は3,600万円。札幌では考えられないことだったので本当にびっくりしました。

その後も、更新2年ごとに敷金が20%消却されるんですよ!そういう知識がなかったので、参りました。

消却されると保証金が減っていくので、また「保証金を積んで下さい」と言われてしまいました、と奥村さんは苦笑する。

東京は稼げるけど、出ていくものも多いのできつかったです。

これから開業する人には、契約の段階になって知る、なんてことも多いので先によく調べることをお勧めします!

他の地域から東京へ進出する、なんて人は「特に物件情報は調べる必要がある、不動産屋は契約して、早く潰れてくれた方が儲かる、地方から進出して来ると適当な物件をココは場所が良いとか言って来ます。不動産屋を話し半分にし、自分でちゃんと調べることが絶対に必要です。

営業時間も考慮して

後は、琴似や東京での営業は、家賃が高かったので、昼だけの営業では維持が難しく、深夜の営業もしなきゃならない、ということですかね。
今は、平日は朝5時まで、週末は7時まで営業しているので「働く時間が延びる」という状況になりました。

商標登録を申請する

ラーメンの味が美味しいのは当たり前。

自らのラーメンブランドの名前を守ることは必要です、当社はサムライヌードル、麺匠真武咲弥、炙り味噌ラーメン、など沢山の商標登録をして自らの店名やブランドを守るコトをしています。こちらも重要な要素になります。

しっかりと野菜を強火で炒める札幌スタイルで仕上げます。

丁寧に心を込めて調理していきます。

テンポスとのかかわり

札幌オープン2007年から19年お世話になっている大常連です(笑)

厨房機器というよりは厨房用品系を買っています。

札幌店、新宿店、長野店を利用しています。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

始めは小さく身の丈を考えて

始めは小さく身の丈を考えてオープンすること、ラーメンって結構厳しい世界で。「1時間半に1件つぶれて1時間半に1件オープンする」っていう負のサイクルみたいなことを言われる世界なのですが、「いきなり大きなお店じゃなくて、最初は10坪10席くらいを一人で回せるお店にしてスタートする」ことをお勧めします。

「味が上手ければ成功する」と思っている人が多いんですけど、それも間違っていて、個人事業主だろうが会社の社長だろうが数字の管理を出来ないと事業として失敗するんですよ。

減価率も計算しない、運転資金も考えない、そんなんだからラーメン屋さんって3年以内に閉店に追いやられる、全部新品で厨房機器を揃えちゃったりしてしまう。

テンポスさんみたいなところで中古を買うとか、そういうのも僕は大事だと思っていて。

背伸びしちゃうよりも、「まずは1店舗目を大きく構えない」というのがこれから開業する人に伝えたいことですね。と奥村さんは熱く語る。

「初期投資をいかに抑えるか」ということを考えて欲しいですね。

僕は新しく店を構える時、図面を描いたり、給排水の工事や厨房の設置なども自分でやったりしましたし(建築科の出身なので資格を持っています)自分でできることは自分でやる、というのは大事です。無理なら飲食店コンサルタントの様な専門家にお願いする事も大切。

10年先を見据えて

「形から入ってから成功する」というのは少ないと思うんですよね。初期投資を以下に減らすかが重要、必要以上に綺麗な店はいらないと思います。ぜひコレからラーメン店を起業したい人は、お店を10年残す、という目標で頑張ってもらいたいですね。

うちは、10年残すという目標で、2025年に20年を迎えるので、現状を維持していきたいと考えています。

遠くからでも目立つ迫力ある看板が目印です。

まとめ

          松本店                          札幌店

安曇野店

本格的な札幌の味を提供し続ける奥村さん。
その道のりは決して平坦なものではありませんでした。

信頼していた人から裏切られ、800万もの借金を背負うことになってしまった奥村さんですが、破産宣告をし、0からのスタートで地道に資金を貯め、地元の留萌から始めたお店は今や4店舗に広がりたくさんの人に美味しいラーメンを提供しています。

近年では外国の人にも、グルテンフリーや、ヴィーガンのお客様向けのサービスを行うことで人気を博しています。

また、奥村さんはラーメン事業だけにとどまらず、カンボジア孤児院支援を行い、ラーメン1杯毎に2円をカンボジアに寄付する社会貢献も行っていて、お客様の支援でカンボジアでのラーメンの炊き出しも行っています。

美味しいラーメンによってお客様の笑顔を生み出すだけでなく、その1杯から支援先の子供たちの笑顔も生み出していらっしゃるのです。

そんな奥村さんが、開業を目指す方に向けて伝えたいこととして、

「創業資金の確保、必要になる金額の確認はとっても大事」
「初めから大風呂敷を広げるのではなく、一歩一歩確実に」
10年残すことを目標にして欲しい」

とお話してくださいました。

開業を目指す方にとって、とても参考になる言葉ではないでしょうか。
事前の準備をしっかりして、無理のない範囲で開業を進める。
これを念頭に、皆さんもぜひ、開業までに道を歩んでみてください。

テンポスドットコムでは、さまざまな視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#開業 #出店 #炙り味噌らーめん麺匠真武咲弥

#取材協力
店名:炙り味噌らーめん 麺匠 真武咲弥渋谷店
店主:奥村 宗弘(TOKI) 様
住所:東京都渋谷区道玄坂2-10-3
TEL:予約不可

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