京都市バス「熊野神社前」から徒歩8分、京都大学にほど近い吉田東通りという「学生街」に店を構える「タコとケンタロー」。
元々たこ焼きが好きだったと言う店主の小田さんが、40代にしてようやく到達した、たこ焼きを食べながらゆっくりできるという自身の理想を詰め込んだお店は、学生らしく多くの学生さんや近所の人々で大賑わい。
たこ焼き専門店らしく34種類ものたこ焼きがあり、たこの苦手な方や小さなお子様にも楽しんでもらえるように様々な種類のたこ焼きが出迎えてくれます。
その種類の多さから、通いつめたくなる事間違いなしの「タコとケンタロー」さんの開業までの経緯や、苦労したことや失敗談、そして成功に至るまでの秘話をお聞きしました。
目次
開業までの経緯
遅咲きの開業
ずっとかねてから将来的には独立開業の希望を持っていました。
割と遅咲きで、42歳での開業になりました。
それまではのらりくらり遠回りをしていましたね。
若い頃はパン屋にいたこともありました。
職人として入っていて、その時はパン屋での開業も考えてみたんですが、パン屋って自分が作ったものを並べて買ってもらうという形態なので、まるっきり職人の世界だなと思って。
それよりは直にお客さんと接することができて、「コミュニケーションが取れる方が良いな」というのがありまして。
じゃあどうするかと、自分が好きなものを考えた時に「たこ焼き」だったんです。
ゆっくり座って食べてもらえるような自分が欲しい店を作ろうと思った。
それで色々な仕事とかをして資金作りなどをしてようやく開業になりました。
今年で14年目です。
他の飲食店での経験は、食品会社に居たくらいでありませんでした。
鶏卵業者にいて洋菓子部門の立ち上げのメンバーをしたことくらいですかね。
一番人気:「たこ九条」6個500円(税込) 8個560円(税込)
ネギは手切りで、青い部分は振りかける用、白い部分は中に入れる用として使用。
たこ九条用のたれを用意しています。
サッポロラガー 500円(税込)
(上)「たこ九条」6個500円(税込) 8個560円(税込) (下)「たこラー」520円(税込)
「たこおろし」520円(税込)
「たこ焼き」460円(税込)
自家製レモンハイ 500円(税込)
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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード
資金面での苦労
苦労は挙げればきりがないんですが、開店にあたってはお金があった方ではなかったのでほぼないところから取り組んだので資金面で苦労しました。
借入など、他業種からの参入なので信用もない。
知人たちや気心知れた人たちからの援助でどうにかなりました。
銀行からは軽くけられてしまいましたね。
信頼してくれた人たちがいたからこそ、何とか開業にこぎつけることが出来ました。
お店に来てもらえるようになるまでの苦労
すぐに軌道には乗らないから「3か月から半年くらいの余裕を持て」なんて聞きますが、そんな余裕もなく(笑)
「開業すれば何とかなるか」というちょっと軽い気持ちはありました。
甘くみるつもりはなかったんですけど、そんなふうに初めてみて、「やっぱり甘くはありませんでした」と小田さんは苦々しく語る。
実際は店を開けてもお客さんになかなか来てもらえず。
開業して約3年持てば、といわれますが、うちは5年、じり貧でやっていました。
ドラマじゃないですけど家に帰ったら電気がつかないとか(苦笑)
結構もう精神的にも追い詰められましたけど「諦めちゃだめだ」と思って。
食べて頂けたお客様は皆さん「美味しい」と言ってくれたので、やっていることは間違ってないという思いはあって。
どう広がっていくかの問題だ、と思っていて、今は耐える時だという感じでやっていました。
本当に笑えるようになるのに5年はかかりましたね。
知ってもらう大事さ
乗り越えるきっかけは、やっぱり知ってもらうこと。
知ってもらうためには何が出来るだろうと考えて。
まず知ってもらうために、「イベントなどの出店」を積極的にしました。
京都はイベントが良く行われていたので、そこに出店して食べてもらって、お店を知ってもらうという感じでした。
あとは暇な時期でも来てくれるお客さんは、友達とかだと心配してきてくれるので「じゃあ友達を増やせばいいんじゃないか」と思って(笑)
個人商店の集まりなどの席には積極的に出かけて行って知り合いを増やして、という努力をしました。
立地上人通りのある所ではないんですよね。
住宅街の中で商業的にいい立地ではなかったので、知ってもらう努力として近くにあった京都大学の前でビラ配りもしました。
手当たり次第色々やりましたね。
マンパワーを発揮しました。
当時はSNSも流行り始めでmixiなんかもやりはしましたけど、結構時間がかかりました。
売り上げも厳しくて、ギリギリ保っている感じでした。
普通の人ならもう諦めていたような経営状態を続けていましたね。
それでもなんとかしがみついていました。
ワンオペっていうところがなんとかなった部分かもしれません。
オープン当初は人を入れていたりもしたんです。
勝手に、忙しくなるだろうし「一人では無理かな?」と思って。
結局1年たって辞めてもらった感じでした。
「とにかく地道な努力で何とか乗り越えました」と小田さんは語る。
カウンター10席のアットホームな店内。タコグッズが所狭しと並んでいます。
開業してみてはじめてわかったこと
勢いが大事
意外にお客さんて、来てくれないもんだなと思いました(笑)
開ければ来てくれるだろう、と思っていたんですよ。
やっぱり厳しいなというのは、開店してみて感じました。
ごちゃごちゃ考えてしまうより、僕なんかは、あまりよくはないかもしれないんですが見切り発車的な感じだったので。
でもその見切り発車をしなかったら出来なかっただろうな、とは思いますね。と小田さんは清々しく語る。
20代30代の時も色々計画立ててやろうとしていたことはあるんですけど、結局ふんぎりがつかなくてずるずる40代まで来てしまった感じでした。
思いきりっていうのは必要だな、と思いますね。
勢いは大事。
不安とかも大きいだろうけども思い切りですかね。
一個一個丁寧に、お客様の顔を見ながら焼き上げます。
テンポスとのかかわり
オープン時の厨房機器なんかも新品では買えなかったので、すべて揃えさせてもらいました。
京都店です。
今は何かが壊れたら行く、という感じです。
今後の展望・開業する方へのメッセージ
よそにはないメニュー数で圧倒
───沢山の種類のたこやきがありますがその発想はどこから?という問いに、小田さんは
「まずは店の個性化を考えて、関西にはそこら中にたこ焼き屋があるので、よそにはない店にしなきゃというところがあったので、メニュー数で圧倒しようと思ったんです。今は34種類あります。」と力強く語ってくれました。
呑みも付けてくれるのは、今の学生さんはあまり呑まれないので、一般のお客さんが半分くらい飲み物も頼んでくれますかね。
実はすごく手のかかることではあるのですが、注文を受けてからすべて焼いているんです。
作り置きではないので、いろんな種類のたこ焼きを用意できています。
これからもイベントに出ていきたい
今後の展望は、うちはまだ発展途上だと思うので、多店舗展開するわけではなく現状あるお店を沢山の人に知ってもらいたいですし、イベント出店もいまだによくしているんですよね。
自分がお祭り好きってこともあるんですけど(笑)それは積極的にしていきたいですね。
毎日毎日お店にずっといるので、「これじゃ引きこもりだな」みたいな気持ちになっちゃうのでたまには外に出て行って、たこ焼きを焼くということがある種リフレッシュにもなるのでやっていきたいです。
店の中でも、音楽のライブを開催しているんですがそういうところでも自分がリフレッシュしたりお客さんに楽しんでもらったりとかしていますね。
「諦めないこと」が大事
夢を持って始められると思うのですけど、経験上言えることは「諦めないこと」ですね。
本当に苦しいこととか絶対あるとは思うんですけど、当初自分が想い描いた夢に向かって歯を食いしばってやってもらいたいですね。
店の個性化とか、差別化とか、大事だと思うので「どういう店にするのか」というのをしっかり想い描いて、突き進んで欲しいなと思います。
まとめ
「諦めないことが大事」と語る小田さん。
ご自身は、遅咲きでの開業から5年もの間、辛酸を舐めながら、諦めることなく営業を続け、今ではご近所の皆様や学生さん達から慕われる人気店へとなりました。
34種類ものたこ焼きは、メニューを見るだけでも楽しくなるような楽しいネーミング。
卵をふんだんに使ったたこ焼きはふわトロ食感で、大きく食べ応え抜群で美味しいと大好評です。
店主の小田さんが試行錯誤の末生み出された沢山のメニューは失敗もあったそうですが、厳選を重ねた自信作ばかり。
諦めず続けたことで人の集まるにぎやかで居心地の良いお店になった「タコとケンタロー」さん。
お店を覚えてもらう為に始めたイベントへの出店も、今では店にこもっての営業の合間のリフレッシュになっていると、小田さんは語ってくれました。
出来立てを味わって欲しいとの思いから、作り置きは一切せず注文ごとにたこ焼きを焼き上げている小田さんからは、こだわりを持って、諦めずに続けるという姿勢が大事なのだと教えて頂きました。
テンポスドットコムでは、様々な視点から居酒屋の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!
#取材協力
店名:タコとケンタロー
店主:小田 研太郎氏
住所:京都府京都市左京区聖護院東町1-2 聖護院ハイツ1F
TEL:075-771-4736